くれーじーくえいる ぶろぐ

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2009.01.23
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<←2007年の陸自明野駐屯地航空祭で地上展示されていたユーロヘリ社のEC135T2+。今から考えるとTH-X選定に向けてのデモの一環だったのだろうか>

 去る1月14日、防衛省は海上自衛隊の次期練習用ヘリコプターTH-Xの機種選定を行い、フランスの ユーロコプターEC135T2+ に決定しました。海上自衛隊での正式名称はまだ不明ですが、2008年度予算ですでに2機が発注済で、最終的に15機の導入が予定されています。

*海上自衛隊次期回転翼練習機の選定結果について   <防衛省公式サイト報道資料>
(注:Web上の広報記事のため時間経過により削除される可能性があります)

 海上自衛隊ではヘリコプターパイロット用の練習機として、陸上自衛隊の観測ヘリコプターとしてお馴染みのMDヘリコプターズOH-6D/DAカイユースを使用しており、総計18機が鹿児島の海自鹿屋航空基地にある航空教育集団第211教育航空隊に配備されています(1機は横須賀地方隊しらせ飛行科に観測ヘリとして配備)
 海自のヘリパイロット教育はOH-6D/DAで基礎操縦過程を訓練した後、徳島教育航空群のTC-90練習機で計器飛行過程を行い、その後SH-60J等の実用機に転換するという教育体系を取っていますが、計器飛行の訓練を固定翼機で行うのは航空機の特性の違いを考えると適当ではなく、かといってOH-6D/DAでは計器飛行訓練には対応できないことから、基礎過程と計器飛行過程を1機種の練習用ヘリで一括して行うことにより教育課程の期間を短縮し、併せてTC-90の所要機数も24機から16機に削減することを目的に次期練習用ヘリTH-Xの導入が2006年度から検討されてきました。
 TH-XにはユーロコプターEC135T2+とアグスタ・ウェストランドA109Eのヨーロッパ製2機種が提案され、当初は2007年12月に入札を行って選定する予定でしたが、同年に明るみに出た守屋武昌前防衛事務次官の汚職事件に関連して自衛隊員倫理規定に抵触する事案があったとして直前で延期となっていました(後日、EC135を提案するユーロコプター社日本総代理店であるユーロヘリ社の幹部が守屋前次官にゴルフ接待をしていたことが判明)結局、TH-Xは機種が決定しないまま2008年度予算で2機が発注され、今年に入ってようやく機種が決まったわけです。
 EC135T2+(現名称はEC135T2i)は1994年に初飛行したターボシャフト双発の汎用ヘリコプターで、ドイツの旧MBB(メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム)のBo108をベースにフェネストロン(ファンテール)式のテールローターを備えた機体です。エンジンにプラットニー&ホイットニー・カナダPW206B2を搭載するP型と仏チュルボメカ・アリウス2B2を搭載するT型の2モデルがあり、海自に提案されたのはT型の現行モデルです。EC135はこれまでに全世界で650機以上が販売され、民間および救急・警察用として幅広く使用されているほか、軍用モデルのEC635も生産されています。

 どっちに転んでも海自では2機種目、自衛隊全体では通算4機種目のヨーロッパ製ヘリコプターの導入となるTH-X。ユーロコプター社は旧アエロスパシアル時代に陸自にAS332Lシュペルピューマ、さらにその後継としてEC225LPシュペルピューマMkII+を納入し、対するアグスタ・ウェストランド社は海自にEH101(MCH/CH-101)を納入しているほか、海上保安庁や警察でもA109Eが採用されているので、どちらが取ってもおかしくない状況ではありました。保守整備等の面を考えると、MCH-101と同メーカーのA109Eが若干有利かなと勝手に想像していたのですが、勝利したのはEC135でした。まぁどっちにしろ、海自のヘリパイロット教育は自動車教習所の教習車がトヨタ・カローラからベンツかBMWクラスにグレードアップする並みに向上するわけですが(笑)
 それにしても、相次いでヨーロッパ製ヘリが自衛隊で採用された現状を見ると、海自の次の作戦ヘリもヨーロッパ製になる可能性は大いに高くなった気がします。例えば、海自では哨戒ヘリコプターとしてSH-60Kを調達中ですが、調達予定数は総計103機が調達されたSH-60Jの半分程度になる予定で、事実上護衛艦隊に張り付けられる艦載機分の調達に留まりそうな雰囲気なので、いずれは次代の哨戒ヘリコプターが必要になってきます。海自に求められる任務の多様化・広域化を考えると、現用のH-60系は優れてはいるものの限界に達しつつあるとして、より大型で海自のニーズに最適化された機種を新規導入する可能性は充分にあります。この点を踏まえて現況を見ると、有力なのはEH101やNHインダストリーズNH90等のヨーロッパ機ばかりで、アメリカには正直ロクな機種がありません(爆)
 Wikipediaとかを見ると海自側では次代の哨戒ヘリ候補としてNH90に関心を寄せているとの情報もあり、今回のEC135の採用はそれに向けた布石かもしれないという穿った見方もできます。

 ただ、管理人的に少々残念なのは、例によって鹿屋に集中配備されるだろうから、四国の片田舎では海自EC135の実機を見られる可能性が非常に低いことですな(爆)





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Last updated  2009.01.23 15:22:34
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