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カテゴリ: 水のメモ
【AKB商法は凄い】

「金で票を買う」「AKB商法」とAKB総選挙は非難を浴びた。

だが、秋元康がやっているのは商売なのだから、合法的に利益を上げることは商売人としては正しい。

しかもAKB48の場合、アイドルはAKBで夢を追いかけ、その姿を見てファンは思い入れを強くし、運営側はしっかり儲かるという見事なシステムができあがっている。

多少、投資なるものをやっている身としては「48株式会社」が上場していたら、是非とも株を買いたいぐらいだ。


【「アイドル育成」を知り尽くした秋元康】

従来アイドルにも「ファンが育てる」という概念はずっとあった。

そして完成したアイドルからファンが離れていけば、そこで人気は停滞し、やがて消えるというのが従来モデルだった。

だが、このシステムを知り尽くしている秋元康は「育てる」の部分に特化し、育てることに課金をするシステムを作り上げた。

それが、批判の多い「金で票を買う総選挙」でありCDを買ってはじめて参加できる握手会だ。

秋元康はファンとメンバーの距離を縮めることにより、良く知り強い思い入れを持つ、確実な資金源ファンを確保している。

さらに、ファンやTV局はネットや番組でエピソードやメンバーの素顔を紹介し、資金源ファンは次々と増えてゆく。

資金源ファンはプレーヤーとしてゲームに参加しているのだが、プレステと違ってリアルな世界のゲームだ。

育成したいアイドルは実在の少女だし、プレイするにはお金を使わなければならない。

そして、投資をすればするだけ、その子のランク上がる。
ランクは「メディア選抜」などと露出度に変換される。

露出度が増えれば人気は後から付いてくる(心理学でいう「単純接触効果」)のは当たり前だから、テレビで見てるうちに実際にAKBが好きになったという人も増えてくる。

(つい最近、女子小中学生数人と話す機会があったのだが、彼女たちのAKB熱はすごかった・・・)

すると、ファンに頼らなくても一定の収益が上げられるようになる。


【ファンは歌が下手でもダンスが重くても構わない!?】

K-POPなどと比較したAKBの歌唱力やダンスへの批判も的を射ていない。

極論をいえばAKBファンにとっては歌などどうでもいいのだ。
(個人的に「桜の木なろう」は長く歌い継がれる名曲だと思うが)

意味がわからない人は一度AKB劇場の公演を観るといい。
ミリオンセラーのヒット曲は歌われず、劇場曲は陳腐なアイドルソングばかり、歌もダンスもいまひとつ。
それでもファンは大変喜んでいる。結構なことではないか。

48グループの歴代曲の中からファンが投票で好きな曲を選ぶセットリストベスト100というイベントがあった。

■AKB48 リクエストアワーセットリストベスト100 2012
1位「ヘビーローテーション」 AKB48 17thシングル
2位「Everyday、カチューシャ」 AKB48 21stシングル
3位「孤独なランナー」  SDN48公演曲
4位「フライングゲット」 AKB48 22ndシングル
5位「チームB推し」  チームB公演曲
6位「愛しきナターシャ」  チームB公演曲
7位「風は吹いている」 AKB48 23rdシングル
8位「抱きしめちゃいけない」 AKB48シングル収録曲
9位「泣きながら微笑んで」チームK公演曲( 大島優子ソロ
10位「夜風の仕業」 チームB公演曲( 柏木由紀ソロ

ランクインした局を見ると、トップテンに知名度の高い曲はほとんど入らず、知らない曲ばかり。

実際聞いたが、ありきたりのアイドルソングで聴き応えもない。

だが、ファンと話すとそれぞれの曲が選ばれた理由がよく分かる。
「大島優子が唯一センターを努めた曲だから」
「バッシングに耐えてきた柏木由紀のソロ曲だから」
「SKEを支えてきた松井玲菜のソロ曲だから」
「解散するSDN48の曲だから」
「諸事情で不遇な時期をすごしたチームの曲だから」

ファンにとって大事なのは、その曲にまつわるストーリーであって楽曲そのものではない。
好きなメンバーが活き活き歌っている姿を見ること、好きなメンバーの声を聞くことが目的なのだ。


【ストーリー性を重視する秋元演出】

ファンにとっては歌は平凡でいいし、ダンスもキレキレでなくてかまわない。

なにせAKB48というのは「 アイドル育成シミュレーションゲーム 」なのだ。

批判が多いのはともかく、純粋に課金型ゲームとして見た場合、AKBというのは非常に優れたシステムだ。

歌もダンスもそれなりに上手だが、完成されすぎて伸びしろが無く、欧米POPの型にはまりすぎて応用が利かないK-POPが太刀打ちできないのも無理はない。

確かに秋元康が言うように「AKBは歌もダンスも下手だが、それを一生懸命やっているのがいい」のだ。
アイドル育成シミュレーションゲームなのだから、育成するだけの余地がないのは逆に不利だ。

最近、秋元康は指原莉乃という、顔も平凡で、歌もダンスもいまいちで、テレビ的にもいまいち面白くないメンバーを「推している」という。

理由は 「見事にダメだから」 だそうだ。

この記事を読んで、私はこのブログを書こうと決心したぐらいだ。

さすがAKB生みの親の秋元!なんと合理的な理由だろう!!


育成しがいがある娘ほどゲームキャラとしてはいい。
サクセスストーリーほど人は思い入れしやすく、自分に重ねたくなる。

つまり、キャラにファンが喜んで投資するには、思い入れは強ければ強いほどいい。


指原莉乃の例は、秋元康が仕掛けた感じだが、AKBはストーリで成り立っているグループだ。

少女達の苦労エピソード、心温まる友情談、努力と運命のストーリー・・・そんなものを意図的に、間接的に秋元康は作り出している。

たとえば「センター・前田敦子」「ナンバー2・大島優子」は秋元演出の好例だろう。

前田敦子は15歳の時に秋元康に突然「センターは前田」と任命された。

古株のファンでない私でも、不器用な性格の前田がセンターになったがため、これまでにしてきた苦労は、昨今のバッシングを見るだけで察することができる。

一方、芸能歴が長く、万事器用で頭が良く、努力家で気配りができる大島優子は、常にその実力と努力と人柄を認められてきたが、決してセンターの配置換えはなかった。

この絶妙な人員配置が、「前田と大島」というパワーバランスを作り出し、3回の総選挙のテーマを作り出した。

当の前田と大島が、非常にナーバスになり、考え、発言し、行動してきたことはファンの感動あるいは反感を生んだ。


ところで、これを運営側から見ると「前田と大島」が盛り上がれば盛り上がるほどお金が入るわけで、大変結構なことだ。

アンチ前田は大島の努力に報いさせるために資金を投じ、前田を守ろうとする勢力は大島に負けないよう資金を投じる。

どっちにしても運営側が儲かるのには変わりがない。

当の本人達(特に前田)にとっては気の毒な話だが、運営側は二人の関係が複雑になればなるほど儲かるという仕組み。

しかも、本人たちとファンはいたって真剣なのだから、これほど魅力的な商品と忠誠心の高い顧客はない。

何度も言うが、AKB商法は実に上手くできている。すばらしい。


【AKB最大のリスクは「人気」】

とはいえ、このアイドル育成シミュレーションゲームのシステムは3つの弱点がある。

第一に、人気が出たメンバーはファンが見放すのだから(一般に最も人気がある板野友美の総選挙8位転落など)、常に新しい素材・・・アイドル候補の少女を提供しつづけなければならない。

第二に、常に変化を求められる。メンバーのキャラクター多様性の話だ。これまで受けていた「前田のような・・・」「大島のような・・・」という素材ではなく、常に違ったタイプが求められる。

第三に、これが最大の問題なのだが、現在のAKB48のように人気が出過ぎてプレーヤーが急増すると、投資した金額に見合うリターンが得られなくなる。
総選挙で言えば、第1回の総選挙では十万円あれば大きくランクを動かせたが、第3回総選挙ではもはや百万円を投入しても大勢に影響はなくなってしまった。
これはプレーヤーのモチベーションが下がる。課金型ゲームで、高額なアイテムが役立たずというのは最もプレーヤー離れを引き起こすからだ。

秋元康は1980年代のおニャン子クラブ時にまさにこの問題で行き詰まり、方向性を失ったおニャン子は最期はバラバラに解散した。
メンバーは数人しか芸能界に残れなかった。

今回48プロジェクトでは、秋元康は「地域密着型・リスク分散」「計画的な新キャラの提供」で延命対策を取っているようである。

だが、長期的視野でこのゲーム性を維持するのは困難だし、そもそも秋元康のような飽きっぽい人がそのような事を考えているとも思えない。
なにしろ、AKB48では第三のリスク「人気上昇に伴うファン離れ」は既に始まっているのだ。

ファンは成熟したAKBから未完成のSKE、NMB、HKTに流れるだろうが、それも永遠には続けられない。

おニャン子クラブの数少ない生存者・生稲晃子がテレビでAKBのメンバーに言っていた
「気を付けて!秋元先生はすぐ手を離すから!」

秋元ら運営側があと数年で莫大な収益を確保し、商品価値を見いださなくなったら・・・
48グループのメンバー達はおニャン子のように・・・いや、サービスが終了したオンラインゲームのキャラクターのように見捨てられるだろう。




最初に私は「48株式会社」があったら株を買いたいと書いた。

もちろん、ある程度値上がりをしたら売る前提で、、だ。


投資家として、長く持ち続けられるタイプ株ではない。





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最終更新日  2012/02/28 03:38:29 AM
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