鈴木 セイヤ 0
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水曜日の担当は、坂田博昭です。 太田アナウンサーたちのばんえい競馬のお仕事のお手伝いで、帯広にいました。 ナイター開催なので、レースが始まるまでの時間がすごくあるんですよね。ホテルは10時にチェックアウトで出されてしまうので…いつも居場所を探すのが大変。 今回は、早めに帯広競馬場に出かけて、とかちむらで時間を過ごしてみました。 この日、平日の月曜日なので、競馬場の開門時刻は14時。 朝10時過ぎに来ても、こんな感じでまだ閑散としてました。そりゃそうだ。 でも……過ごせる場所、ありました。 競馬場に向かって右手。ペイストリーストーブハウスと、ぶた丼のきくちやさんの間に入っていくと、誰でも使えるフリースペースがあります。その中に入ると…… マテナ珈琲 とてもおいしいコーヒーを出してくれます このお店の素晴らしいのは、豆は1種類なんですが、異なるフィルターで淹れ方が4種類用意されていること。頂くと、ちょっとコーヒーがお好きな方ならすぐにわかる味の違いが楽しめます。 私が好きなのは、3番の「ステンレスフィルター」 もう、フィルター自体がステンレス製なんです。 その中にコーヒーの粉を入れて、このように落とします。 ステンレス製のフィルターの「目」は他のフィルターよりも少し粗いので、カップの中に細かいコーヒーの粉も落ちるんです。それが説明書きにある「豆そのものの味わい」の意味。 もう少し「まろやかな」味のコーヒーがお好みの方にはこちら。 柿渋リネンフィルター 要するに布のフィルターです。 調べて見ると、柿渋には抗菌作用があって、洗って繰り返し使えるとのこと。柿渋で味が変わるわけではなく、リネンをコーヒーのフィルターに使うための工夫、ということのようです。 なかなかユニークですね。 でも、愛好者は結構多いと聞いてます。 お近くで何度か出かけられる方は、飲み比べても楽しめると思います。 フリースペースは、椅子もたぶんキャンプ用かなにかの椅子なのかな。とても居心地が良くて、パソコンを開いて仕事もはかどる感じ。ここで時間を過ごすのは、おすすめできます。 ……とそのうち。 何となくいいにおいがこのスペースに漂ってきます。 間違いない!隣にあるペイストリーストーブハウスからだ!! いつもは、おいしいケーキを売るお店として紹介している、こちら。 朝一番、11時の開店と同時にお店の中は超満員! 焼きたてパンを売っているんですね。 知っているお客さん方が、開店と同時にお店の中へ。 クリームパンなどの甘いパンだけではなく、 このように惣菜パン的なものも並べられていました。 北海道に来たら…やっぱりこれでしょ!! その名もちくわツナ 北海道名物の「ちくわパン」はかなり知られるようになって来ました。 文字通り、パンの中にちくわ。ちくわの塩加減がパンに絶妙に合うんですが… こちらはさらに、ちくわの穴の中にツナが充填されております。 かじらないと、そのツナが入っているところがお見せできず残念ですが… うまいです。マジで。 パン、お店で焼いた焼きたてだし。 こんな感じで、朝のとかちむら、結構楽しめます。 観光ですと、あちらこちらに行かねばならず忙しいでしょうが、帯広の街でゆったり過ごすことが出来る方には、とかちむらはまさにおすすめスポットです。 なお、とかちむらのお店は店休日がありますので、HPなどで営業日営業時間をお確かめの上お越し下さいね。 すみません… 最後も、馬の写真じゃないです。 この1週間、馬の写真1枚も撮ってません……(汗) 帯広に行く途中で立ち寄りました。 道の駅あびらD51ステーションに展示されている蒸気機関車 明日は門別に北海優駿 日曜日には佐賀に佐賀王冠賞に出かける予定。 次回は競馬の話で。
2022年06月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も、名古屋競馬場からのリポートから。 いままさに、ダービーシリーズたけなわ。 昨日は、東海ダービーの取材に出かけてきました。 前の晩に嵐が通り過ぎていった東海地方。 夜が明けたら、こんな青い空白い雲の、いいお天気になりました。 競馬場がある弥富はすぐそこがもう海。 だから、名古屋の都心とはまた違う、こんな空が見られるのかも知れません。 先週の稿でも、同じように競馬場の空の写真をお見せしました。 その時よりも、空の青の色が濃くなって、夏が近づいてきた感じ。 これからどんどん、季節が進んでいくのでしょうね。 暑くなるよね…きっとこれから。 朝一番。活躍をアピールしてくる人あり。 マスクで顔がよく見えませんが… 丸山真一騎手 まもなく32歳。 前開催の笠松で、自身なりに調子が良かったみたい。 自己PRだけだったら、すぐには取り上げないのですが… アピール通り、この日なんと2連勝! 7R モズキゾクで差し切り勝ち 8R 11番人気のメリスで、抜け出し快勝! たまたまかも知れないけれど… 自分で調子がいい、って思ってて、結果も出るのは、本人が何かを感じることが出来ているとき。勝って上がって来て、この笑顔が出るわけですから。 競馬の場合は、騎手のプレーだけではなくて、乗る馬の能力もあるし、勿論相手もあること。それでも手応えを感じられるということは、自分の感覚とプレーと、そして結果までかみ合っていると言うことなのかも知れません。 ……って書いている間にも、今日も穴出してる(汗) もっと早く書けば良かったか。 この開催、まだ金曜日までレースあるので、引き続き注目してみると面白いかも知れませんよ。 さて、ここでちょっと休憩。 新コーナー(?) 今週の「キッチンカー」 一旦名古屋を離れて、先週木曜日、北海道スプリントカップの門別競馬場で行き会ったキッチンカーをご紹介しましょう。 FOOD432 迷彩色のキッチンカーが異彩を放っていますが…… メニューは、おいしいウィンナーを使ったホットドッグ。 手軽に食べられるものは、競馬観戦のお供にはやはりうれしい。 「超おすすめ」という、ポークチーズサンドを注文してみました。 新鮮素材を使って、勿論手作り。 そして…このスペシャルメニューは、パンがなんとバター感溢れるデニッシュです。 大きいので、このような箱に入れてテイクアウトも出来ます。 見て下さいよ。 このソーセージのプリプリ感 そして炙って少し焦げ目がついて溶けたチーズ かなりうまいです。食べ応えも勿論あり。 このお店、安平の道の駅などにも出ているそうなのですが… この日なかった「麺」っていうメニューがあるようです。 次回は是非「麺」も出して欲しい!! FOOD432のインスタグラムは @food_handmade432 まで。 さて、話を昨日の名古屋競馬場に戻して。 先日、地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップで優勝を果たした岡部誠騎手の「壮行会」のイベントが行われました。何の壮行会かと言えば、まだ大分早いですが8月・札幌のワールドオールスタージョッキーズ。 インタビューの最後に……「優勝して帰ってきます!!」 この一言に、大いに盛り上がりました。 まだ3ヶ月近く先の話ではありますが… また直前に、出場が近づいてきたところで「抱負」的な話を聞いてみたいと思っています。 メインレースの東海ダービー(SP1)。 コースは、1冠目の駿蹄賞と同じ2000m。2コーナー出口からトラックを1周半するコースです。 1周目のゴール板前 前を固めたのは、レイジーウォリアーとパピタ。そしてヒメコマチ。 その直後好位に、駿蹄賞を勝ったタニノタビト(11番桃帽) 更にその直後に、雪辱を期する笠松のイイネイイネイイネ(12番桃帽) 注目の2頭は、いずれも駿蹄賞の時より積極的な運び 前にいて、先に前へ攻め込んでいったタニノタビトに対して…… イイネイイネイイネは、たぶん、ほんの一瞬淀んだのかな… この2頭の間が少しだけ間が開いて、最後の直線 それでも、外を回してイイネイイネイイネ(一番外)が差してくる。 最後は、先に抜け出したタニノタビトとの攻防戦 見ていて、力が入りました!! アタマ差 でした。 競馬30年以上見てきて、こんなに「大きく」見えたアタマ差はなかったな、たぶん。 ダービーですから。 先に、敗れたイイネイイネイイネ。 渡邊竜也騎手、この表情。 2着の枠場に入る前に、このようにゴールの方をじっと見つめていました。 後の取材での話。「状態は、最高でした。悔しい……。(力を出し切ったのでは、の問いに)でも…ダービー、ですから。」 勝たなければ…の言葉は、飲み込んでいたかな。 ここから先は……彼自身の姿をこれから見ていく中で、私たちにもじんわりと伝わってくることなんだと思います。 岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 管理する角田輝也調教師の話「周囲が言うほど、こちらの実力が抜けているとは感じていませんでした。駿蹄賞の後このダービーまでを綿密に計算した過程、そして追い切り。ここまで馬と正面から向き合ってきて、今日のレースに臨むことが出来た結果だと思います。」 馬と正面から向き合う。 この一言が、心の深いところに刻まれました。 カモメも、上空からレースを見守っていました。 いよいよ、夏本番に入っていきますね。 夏場も、名古屋からアツい戦いをお伝えしていきます。
2022年06月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 一昨日、5月30日月曜日、名古屋競馬場に出かけてきました。 この競馬場2度目のナイター開催。前日の夜まで、先週お話した北海道・北見にいて、長駆移動してきました。確かに頑張って移動してきたけど……まさか14時スタートの1レースに間に合うとは思いませんでした。 昼イチは、いいお天気。 そして、お客さんも集まっております。 パドック。日差しが出ると、このようにみなさん庇の下で馬の様子を見ています。 そう言うルールがあるわけではないのですが… なぜかオープン当初から、パドックの前の方はこうして座って馬を見る習慣になっています。特にそんなルールがあるわけじゃないのに。自然にそうなっていったのかな? もしかしたら、座ってみると丁度馬を見るときの視線の高さがいいのかも知れませんね。 なので、後ろの方で立って見る方も、馬の様子はバッチリ見えます。 名古屋も暑くなってきたので、このように日中はミストが出ています。 この日は風もありそこまでの暑さにはなりませんでしたが、これからの季節には欠かせませんね。 この日は、スタンド脇の広場にこのようにキッチンカーが出ていました。 ナイターの日には、色んなキッチンカーが来てくれるといいですね。 この日の私の一押しは、こちらのキッチンカー。 クレープ屋さん。 新競馬場に移って客層が変わってきたので、ということもありますが…… そもそも、オヤジしか競馬場に来ない時代も、誰がオヤジはモツ煮込みしか食べない、って決めた??年配男性だって、甘いもの食べますよ。あれば。これまでなかっただけ。 笑顔で出してもらうアイスコーヒー。 おいしいコーヒーも、競馬場で出してくれる店がある場所は殆どありません。 なぜだろう。 こういうお店がキッチンカーで来てくれると、本当に有り難いです。 クレープは、普通に売っているサイズだと大きすぎて食べきれないので、「お金同じ金額でいいから」とことわって、半分のサイズのものを作ってもらいました。本当はこの倍ぐらいの大きさで、食べごたえアリですよ! 先入観あると思うんですよね。 競馬場はオジしかいない。 オジは甘いもの食べない。酒しか飲まない。 どれも、間違い。 競馬場の側にもあるし、飲食とかキッチンカーをやっておられる側にも誤解があります。 だから、そういう店が揃わない。 取材している中で、キッチンカーをやっておられる方の側の声も聞こえてきました。 「平日は、ショッピングセンターとかには人が集まらないので、行って商売になる場所を探さないといけないんです。平日は、お店出せるだけでも有り難い。いつもこのぐらいお客さん来るんですかね?」 まだ出来たばかりの競馬場でわからないけど、ナイターの日は今日ぐらいはこれからも来るかもよ、と答えておきました。 この件、名古屋に限らず、競馬場の側でもっと色々やれることがあると思っています。 競馬場としたら、その場所が賑わえばいいので。 お客さん方に滞在してもらおうと思ったら、食べ物飲み物は大切です。 さて、レースの話。 来週6月7日火曜日の東海ダービーまで、もう1週間を切りました。 丁度、有力馬の一頭である笠松のイイネイイネイイネに騎乗予定の、この方と行き会うことが出来ました。 渡邊竜也騎手 丁度名古屋に乗りに来ていたところで、お話を伺いました。 「馬は順調に来ていますよ。前回(駿蹄賞)とメンバーもそれほど変わらないみたいですし、同じ競馬にはならないでしょうから、チャンスはあると思うんですよね。」 この取材をした時点で、レースまであと8日。 だいぶ楽しみにしている様子が伝わってきました。「でも、長いですよね。1週間。あと7回も攻め馬に乗らなければならない。そこで少しでも何かあれば、それが些細なことでももう『完璧』とは言えないわけじゃないですか。長いですし、緊張感は確かにあります。」「ダービーは、『周囲の人たちの気持ち』をすごく強く感じるレースですね。オーナー、調教師、その他馬に携わってきた人々。そうした人たちの気持ち。その中に、自分がこの馬に乗せてもらうようになってからの……物語、みたいなものがあるんですよね。そういうことが、騎手としてのモチベーションになっています。」 周囲の人たちの気持ちを、強く感じるレース。 ダービーが特別なレースだと言うことが、その言葉から伝わってきました。 「とにかく、完璧に仕上げて、出す。もともとこの馬は携わったときからダービーが目標と言われていたので、最高の仕上げになると思います。」 もう東海ダービーまで、あと6日です。 この日のメインレースは、重賞の湾岸スターカップ(SP2)。 今年からこの時期に移り、条件も古馬の2100m戦となりました。 この競馬場での2100m戦は、このレースが初めてです。 頭数は6頭でしたが、初重賞制覇を目指すウインユニファイドと、4歳となり復活を期する実績馬ブンブンマルが登場して、注目を集めました。 トラックを1周半する2100m戦 最初のゴール板前では、ブンブンマル(内目緑帽赤服)がやや先んじて3番手。 最内枠から一旦下げて位置を撮りに行ったウインユニファイド(白帽緑福)がその直後。 勝負所で、ブンブンマルが一足先に動き出したところ、ウインユニファイドは即座に対応出来ず、少し間が開いてしまいました。 結局は、この動き出しの差が勝負を分けた形。 加藤聡一騎手、このポーズこの喜び。 馬は、昨年3月の中京ペガスターカップ以来、久しぶりの重賞制覇。 加藤聡一騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 川西毅調教師(写真左から3人目)の話「昨年のダービーのあたりと比べたら、骨がしっかりして馬体は格段に良くなってきています。夏場は間違いなく良くない馬だと思うので、休養させて秋は東海菊花賞を目標に。まずは東海の中距離ナンバーワンを目指していきます。」 来週は勿論、東海ダービーの話題で。 競馬のいい季節。初夏にかけて続いていきます。
2022年06月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日から来週の月曜日まで、名古屋競馬の開催。 今日は、現役最高齢競走馬・ヒカルアヤノヒメ(牝18歳)が出走したり 岡部誠騎手が通算4500勝を達成したり。 話題盛りだくさんの、名古屋競馬。 しかし…… 私、別の仕事のため名古屋競馬場におりません(汗)。 北海道・北見市にある、アドヴィックス常呂カーリングホール。 年に一度のカーリング日本一決定戦、「第39回全農日本カーリング選手権」が開催されております。 Youtubeのライブ配信の仕事を承っていまして。 このように、機材を並べて配信業務。 勿論私はアナウンサーさんでもあるので、自分でも実況したり出演したりします。 いまは、こうしたカーリングのご用でしばしば北見を訪れていますが……元はといえば、この場所この街との繋がりは、やはり競馬。もうご存じの方も少しずつ少なくなっていくのかも知れませんが、この北見は「かつて競馬場があった街」です。 初めて北見を訪れたのは、2006年11月27日。 そう……北見競馬場での最後の開催の日でした。 出来たときから、平地競馬のないばんえい競馬専用の競馬場っていうのは、4市でやっていたときもここだけだったんですよね。 北見競馬場名物「ばんば焼き」売り場 その日あまりの混雑でここまでしか近づけず。 「14:00まで予約承ります」の張り紙が、名物繁盛を思わせます。 ひゃー(笑) 確か当時のばんえい競馬の中継放送って、こういう風にガラス張りの「サテライトスタジオ」的な場所でやってたんだよな。 北見競馬場に初めて行ったのが、この競馬場最後の日でした。 翌日。北見駅から1日確か②便ぐらいしかないバスに揺られて①時間あまり。 当時の常呂町(いまの北見市常呂)まで出かけました。 カーリングの聖地と呼ばれる、当時の常呂町カーリングホール。 トリノオリンピックで本格的にカーリングのファンになり、是非一度訪れてみたいと思っていた場所でした。 常呂町は、オホーツク海に面した小さな町。 でも農業漁業がとても盛んな場所です。 常呂の港 当時は、ホタテがこのような感じで舟からトラックへ直接、ざらざらと水揚げされていました。 競馬場がなくなり、縁がすっかり途切れて行かなくなってしまった場所も、本当にたくさんあるんです。でも……北見だけはね。前々別の形で縁がつながっています。 アドヴィックス常呂カーリングホール(2015年2月撮影) いまは、通年カーリングが出来る、こんな立派な施設になりました。 とはいえ。北見での競馬の縁も、全くなくなってしまったわけではありません。競馬場は廃止になりましたが、北見駅から車で10分ぐらいの国道沿いには、地方競馬の場外発売所「ミントスポット北見」があります。 ミントスポット北見外観 2020年11月撮影 この場所にも、何度かイベントに呼んで頂いて、北見のお客さん方とご一緒に競馬を楽しませてもらっていました。 早くまた、そういう機会が戻ってくれば良いのですが………。 週明け・5月30日月曜日は、名古屋競馬2回目のナイター開催。 重賞の湾岸スターカップ(SP2)が行われます。 それまでには、私も本州に戻りますね。
2022年05月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回はまず、先日佐賀競馬場に出かけたときの話。 これまでいなかった誘導馬が、この日はいたんですよね。 担当の方には「マイン」と呼ばれていたこの馬。 競走馬名はジーランディア12歳 なかなか凜々しいお顔立ち 仕草がかわいすぎて、多分このまま丸一日見てても飽きない。 誘導馬は、佐賀競馬が今年度行っている「佐賀競馬移転開設50周年」の記念事業の一環。重賞開催日にやってきて、レースにちょっとしたアクセントを提供していま宇。 担当の方が、誘導馬もう一頭いるって。 「メテオ」って呼んでる馬なんだって。 よくよく聞いてみたら…… そちらの競走馬名はメテオロロジスト。 名前を聞いて、ん?ってなったあと、あーっ!! って。 11年前の佐賀記念の勝ち馬じゃん。 基本は「マイン」が誘導馬を務めるそうなのでうが、もしかしたら「メテオ」の方の登場もあるかも、だそうです。んー「メテオ」も見たいですね。 「うまてなし」 今年度は様々なイベントや企画が行われるそうです。 重賞日には、ご紹介した誘導馬だけでなく、生ファンファーレもレースを盛り上げていますね。 次なる企画に、乞うご期待、です。 昨日は、名古屋競馬場に行ってきました。 この日は、ようやく「本来の」落ち着いたお客さん方の集まり具合。 それでも、若い人たちとか、小さなお子さんがご一緒の家族連れなど、この日も多く見られました。 メインレースは、B級以下という条件の準重賞・あすなろ杯でした。 勝ったのは、丸野勝虎騎手騎乗の、セイオーキッド。 内目の枠の克服が鍵だったところ 丸野騎手がスタート直後うまく馬を導いて、いつでも外から動き出せる位置が取れました。むしろ外枠のデンプシーロールが内に潜り込んで、追い上げも内。あわやのシーンを作りましたが、最後はセイオーキッドが競り勝って勝利。 B級以下で、出走馬も通常の番組編成と同じで賞金準とのこと。 それでも、1着賞金は図抜けて高い130万円です。 丁度このクラスにいて力のある馬にとっては、こういうレースも一つの動機づけになることでしょう。 ソダシが日曜日に勝ったから、というわけではありませんが…… 昨日の名古屋は、「白い馬」旋風。 さすがに白毛ではありませんが、芦毛の馬が4勝と大活躍しました。 1レース サトミン 牝3歳 3歳なのに、こんなにきれいな白! 6レース ソティラス 牝5歳 8レース すんごい際どいゴール前。 真ん中から差し抜けたのが、エベレストテソーロ 牡6歳 そして最終12レース ディンゴ 牝4歳 宮下瞳騎手は、昨日3勝。 最後は、ゴーグル越しでもわかるこの笑顔でした。 ちょっとしばらく、競馬の「なくなった」町に行ってきます。 来週は、これまで撮り貯めた写真など引っ張り出して、お送りします。 次の取材は、5月30日月曜日の名古屋・ナイター開催 ナイターで初めての重賞・湾岸スターカップのリポートもお送りしますが、それは再来週で。
2022年05月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 まずは、前回に引き続き名古屋競馬場からのリポート。 もう1週間前のことになりますが…かきつばた記念の翌日・5月4日水曜日には、3歳馬による重賞・駿蹄賞(SP1)が行われました。 前日のかきつばた記念当日の熱狂には及ばぬものの、この日も朝から多くのお客様方が観戦に詰めかけていました。 もちろん、新競馬場の話題性もあるのでしょうが… 客層が、本当に大きく変わりました。いくら大型連休中とは言え、こんなに子供連れの家族客が多い競馬場を、私はこれまで見たことがありません。 レースの合間には、子供たちの嬌声がそこかしこで響き、レースが始まると父親に抱っこされたり肩車されて、走る馬の姿を熱心に見る子供たち。 いまだけ、かもしれません。 でも私は、競馬にとっての「何か新しいこと」が、この名古屋の新競馬場で起きつつあるのではないかと、そんなムードを感じています。 お昼が過ぎると、帰ったお客様もおられたようで、場内の滞留人数は明らかに減りました。いいと思います。もう、丸一日赤鉛筆を耳に差して、じっと競馬新聞見ながら最後まで過ごす、っていう時代じゃないのかも知れません。 新しい競馬場を通じて、浅くても良いからすごく広く、馬や競馬に触れる人々が増えること。そのことのかけがえのなさを、いま改めて実感しています。 この日の朝一番。 名古屋競馬の「王者」・岡部誠騎手の言葉に触れる機会がありました。 1レース。リュラネブラで見事1着!! 王者・岡部は…何かに大きなもどかしさを感じ続けている。 名古屋で彼の姿を見ていて、ずっとそのように感じていました。 思うようなプレーが出来ない、出来ていないことへの、何か押さえがたい思い。 いまの、名古屋の馬場は本当に難しい。 単にコースの形態が変わっただけではなく、「通っていい」場所、「通ってはいけない」場所。それが開催毎に、時には日ごとに、まれに一日のうちでも大きく変化していました。 もどかしさを感じているのは、彼だけではない。 全てのジョッキーが、そんななにか胸につかえたようなものを感じたまま、プレーをしているのかもしれません。 新しい競馬場が出来る、ということ。 それは、こういうことなんだなと。 そのことを、取材してきての1ヶ月間、私もプレイヤーの様子や言葉から、直に感じてきました。 王者・岡部の、会心の笑顔。 久しぶりに、マスク越しでもわかる彼のこんないい笑顔を見た気がしました。 「他の競馬場でも、内が重ければ内をあけているところはあるから。なにかモヤモヤするものがどうしても払拭できないのだけれど……気持ち的なものなのかも知れない。」 このレースの後、彼はそんな風に話しました。 馬場のことは、皆同じ条件。 しかし、難しい条件であることは確か。 そんな中で、彼にはとりわけ「負けてはいけない」馬がどんどん回ってくる。 うまくいくこともある。しかし、今まで以上に思い通りに行かないこともまたある。 彼の言葉から、そんな「王者」がいま立って、そして目にしている景色が、ほんのわずかですが垣間見えたような気がしました。 参加が決まっている「2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」への抱負も、前向きに話しました。「メンバーが素晴らしいので、様々なことを吸収したい。いつも通りの自分のプレーをしっかりして頑張ります」 その、佐賀のお話は今回の稿の後半で。 すごく強調しておきたいことがあります。 悩んでいるのは、プレイヤーだけではない、ということ。 馬場の管理を担当する、競馬場のスタッフの皆さん方にも、プレイヤーや、客側の声は届いてきています。どんな風に馬場を管理していけば良いのか。そのための研究と努力は、日夜続けられています。 「何が『フェア』な馬場の状態なのか。悩ましいところです」 内から外まで、全部同じようにただ均せば良いのか。 そうしたら、また別の意見も出るだろう。 プレイヤーは、そして馬券を買って楽しむお客様は、何を求めているのか。 「状況を作る」側でも、挑戦は続いています。 土古の競馬場とは全くレースの様相は異なり、ゴール前まで大変な混戦、接戦となるレースは、格段に多くなりました。「逃げ切った」と思った馬が、馬場の外から飛んでくる馬に捉まる、この写真のようなシーンも次々と生まれるようになりました。 改めて… 新しい競馬場が出来るということは、こういうことなのだなと。 私は取材する立場から、シンプルにそのように感じています。 メインレースの重賞・駿蹄賞(SP1) 東海地区には明確な「三冠」という概念がないのですが… この駿蹄賞が、東海ダービーを中心とする3歳主要タイトルの重賞路線の皮切りであることは間違いありません。 新競馬場に舞台を移し、距離は2000m。2コーナー付近から馬場を1周半するコースで争われました。 コーナーを回ってきて、最初のホームストレッチ直線。 ハナを主張したパピタ(1番白帽黄服)に対して アップテンペスト(3番赤帽赤服)が番手を確保 直後にレイジーウォリアー(6番黄帽紫服) タニノタビト(桃帽黄色黒色服)とイイネイイネイイネ(青帽黄色緑縦縞)は、中団馬群の内目を追随しながらレースが進んでいきました。 向正面。リプレイ映像を見て下さい。 タニノタビト・岡部誠騎手の神騎乗でした……。 内をあける馬場状態。各馬外めの良い位置を探って3コーナーに向かうところ、彼は内目にいたタニノタビトを促して加速させ、内を通って進出。仕掛けのタイミングを窺い牽制し合う先団の各馬を一気に全て交わし去り、先頭に立ちました。 結果は、大差の圧勝。 タニノタビトがまず1冠目を制覇!! ゲートに行っていた角田輝也調教師 戻ってくるバスを降りると馬を出迎え、自ら馬を引いて引き上げてきました。 こちらは、2着に敗れたイイネイイネイイネ 笠松・田口輝彦調教師(左)も残念そう。「やれることはやりました。あれ(内を突いたタニノタビトのプレー)は仕方ない。結局大差離れているのですから、勝ち馬が強かったと言うことでしょう。」 とは、騎乗していた渡邊竜也騎手 岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 内を突いた、あの岡部誠騎手のプレー。 実は、それまでのレースでも、彼は勝負の流れの中で何度も挑戦していました。結果に結びつかないレースも多かったけれど、こうして肝心要の重賞レースで結果を掴んだことは、決して単なる「たまたま」ではありません。 内側は、通っても良いところがあいていたのかも知れません。 あるいは、多少馬場が重いところを通るリスクを取っていたのかも知れません。それでも、勝負に行くべきと。 いずれにしても、彼はそういうプレーをする「準備」が出来ていたと言うこと。 内をあけなければならないこの馬場状態。そして新しいトラックのこの形状と特徴。 その中で、勝つために何が出来るか。 それをずっと追求していたからこそ出た、今回のプレー。 「王者」の「凄み」を見せつけられた気がしました。 勝ったから言えることですが、実際勝ったのだから。 やはり、岡部誠は「王者」でした。 5月8日日曜日。 佐賀競馬場に取材に出かけました。 元々は、佐賀皐月賞を取材に出かけようと思って、前々からエアチケットをとったりしてあったのですが、そこに後から2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップがイベントとして加わり、慌ただしい取材の一日になりました。 その佐賀皐月賞 ゴール前はこのような大混戦。 1番人気のザビッグレディが、後続の追撃を凌ぎきって重賞初勝利。 飛田愛斗騎手の勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 これまでの全国交流の重賞では惜敗続きだったこの馬。 目標はあくまで、5月29日日曜日に行われる九州ダービー・栄城賞。 むしろ、目標を見据えながらのそうした敗戦を経て、強くなってきたのでしょう。 そう、みんな栄城賞に出たいんですよね…。 勝てば権利が取れた今回のレース。 負けるにしても、しっかり賞金を加算して、まず出走権を確保したい。 2着のシウラグランデ 猛然と追い上げていただけに、本当に惜しいレースでした。 3月までJRAで走っていて、佐賀転入後は開催毎に使われ4戦3勝。 ここまでたどり着いたこともすごいこと、ですが… 一歩及ばず。 栄城賞に出られるかどうかは相手待ち。 管理する手島勝利調教師は、もう一頭奮闘したオリベとともに健闘をたたえつつ、今後について頭を悩ませていました。 そう…みんな出たいんです。 栄城賞。その特別なレースに。 ゴール前の大混戦も、そんな馬を巡るひとびとの気持ちの表れでしょう。 2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ・ファーストステージは、その佐賀皐月賞を挟んでふた鞍。 ふた鞍目の7レース 名古屋・岡部誠騎手が見事1着。 4番人気のプロデューサーを、勝利に導きました。 ほんとは、こうです。 大きく離れた外から、北海道・石川倭騎手が駆るクレイジースピードが猛追 このレースも、ゴール前がアツかった! 表彰式は、昨今の情勢に鑑みバックヤードの会議室で。 岡部誠騎手が1位 2位は、5Rで1着を取った岩手・村上忍騎手 3位は、5Rで2着だった兵庫・吉村智洋騎手 2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップのファイナルステージは、5月31日火曜日に浦和競馬場で行われます。
2022年05月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 大型連休。 毎年、名古屋競馬場が1年で最も盛り上がる季節。 今年は、弥富に場所を移して、新たな競馬場で迎える、大型連休のお客様方。 昨日、5月3日(火祝)かきつばた記念当日の名古屋競馬場も、一日大変な盛り上がりでした。 開門時。 オープン後一番の、長蛇の列。 開門も早まりました。 朝の1レースが始まる前の段階で、場内ぎっしり。 土古の競馬場よりも都心から離れた場所に移転して、来場は減るだろうと。誰しもが思っていました。しかしふたを開けてみれば、競馬場のスタッフの方も「想定外」と話す、この盛況ぶり。 コロナ禍がようやく「日常」の中に吸い込まれていき、様々なことをまた改めて楽しみたい、というお客様方の気持ちの表れなのかも知れません。 競馬のプレーも、熱がこもったレースが続きました。 最大のポイントは、馬場の状態。深くて重くて「通っては行けない場所」があるいまの難しい馬場に、まだ戸惑いの迷路からなかなか脱出出来ないでいる騎手もいます。っていうか、みんなそうかも。 そんな中、この人にようやく結果が出ました。 丹羽克輝騎手 3月にまたひとつ年を重ねて63歳 遅まきながら、3開催目にして当地での初勝利 ずっと手綱を取っているカガヤキファイターが頑張りました。「ホッとした……」 普段から、年を感じさせぬハイテンション。 ネガティヴさのかけらも見せないはずの彼が、ここに移ってきてから弱気を覗かせることもありました。レースがわからないと。 トンネルを抜けたここからは、またいつもの元気印でファイト溢れるプレーを見せ続けてくれることでしょう。 4レース お待たせしました。 現役最高齢競走馬・ヒカルアヤノヒメ(牝18歳)が、満を持して新競馬場に登場! 抽選休み(除外)その他で間隔が開き、リハーサルレースは一度走りましたけれども、実戦としてはおよそ2ヶ月ぶり。この日の馬体重は+9kg 主戦の尾崎章生騎手が古い怪我の手術療養中のため、この日は浅野皓大騎手を背に出走しました。 920m戦。スタート良く序盤から軽快に先団へ。 そのまま最後まで頑張り、12頭立ての7着。 無事に通算303戦目を終えました。 浅野皓大騎手の話「頑張っていると思いますよ。スタートも出るし行き脚もつくし、最後もばったりとバテるわけではなく、この馬なりに走っています。いい競馬でしたよ。」 また、ヒカルアヤノヒメの元気な姿を見ることが出来て、良かったです。 メインレースのかきつばた記念(Jpn3)は、兵庫のイグナイターが差し切って勝利。黒船小に続いてのダートグレード連勝はすごい!! 田中学騎手の「神騎乗」 内ラチ沿いが重く、絶対にそのまま1コーナーに入ってはいけない1番枠から出たイグナイターは、スタートしてすぐに逃げようとするラプタス(赤帽)の外へ。外から来る有力馬を見ながら1コーナーに向かう、理想的な展開。 最初のゴール板前の隊列。 1番枠のフリを感じさせない立ち回りで、イグナイター3番手 このガッツポーズと表情を見よ!! 田中学騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 正直、前回の黒船賞は、ものすごく重たい馬場状態が地方所属のイグナイターに向いたものと思っていました。しかし、1500mの勝ち時計1分31秒8という高速馬場でのレースでも鮮やかな差し切り勝ち。全く異なる条件で勝ちきったことには、とても大きな価値があります。 「前回の黒船賞は、重い馬場を意識して溜めて終いに走らせる調教。今回は軽い馬場なので、初めから出して行って時計重視の調教を課しました。」 ……とは管理する新子雅司調教師の話。 まだ底知れぬイグナイターの強さと、新子調教師の期待感が、伝わってきました。 高知と名古屋で続けて、ほんとうにいいものを、いいレースを見せてもらいました。 大型連休の開催は、まだ始まったばかり。 今日5月4日(水祝)は、3歳馬の重賞・駿蹄賞が行われます。 重賞2勝の牝馬・アップテンペスト 正月にこれを破ったやはり牝馬・レイジーウォリアー 笠松から重賞初勝利に燃えるイイネイイネイイネ などなど。 注目馬がずらり揃いました。 今日の駿蹄賞、そして明日明後日も続く名古屋競馬の開催に、是非ともご注目下さいね。
2022年05月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 一昨日・4月25日月曜日 新生・名古屋競馬場で、初のナイター開催が行われました。 これが、丁度日没時刻近辺の風景。 4コーナーの向こうに大きな倉庫があるんですけれども、その倉庫の向こうの空がうっすらと朱に染まる感じ。これが、この競馬場の夕方の「色」。 ナイターレースの雰囲気って、競馬場に寄り独特のものがありますよね。 名古屋の風景は、こんな感じです。 この日、お昼からびっくりするぐらい多くのお客さん方が競馬場を訪れていました。やはり「初のナイター開催」っていう話題性でしょうか。競馬場の開催初日を、入場人員で遙かに上回る盛況ぶりでした。 ナイターレースは、馬の姿がくっきりと来るよね。 ナイター開催初のメインレースは、A1級によるダイヤモンド・オープン。 勝ったのは、戸部尚実騎手騎乗のクインザヒーローでした。 内が効かない難しい馬場状態の中、ペースや仕掛けどころを見定めての、ベテランらしい好騎乗。戸部騎手自身もこの笑顔で帰還。 名古屋の次のナイター開催は、5月30日月曜日。 この日は、重賞の湾岸スターカップが行われます。 次の開催は5月3日(火祝)からの4日間。 5月3日(火祝)はダートグレード競走・かきつばた記念(Jpn3) 5月4日(水祝)は3歳馬の重賞・駿蹄賞(SP1) 5月3日には、現役最高齢競走馬・ヒカルアヤノヒメの出走も予定されています。 新競馬場に移っても、大型連休はやはり、名古屋競馬場の1年で一番盛り上がる季節。 皆さん、お誘い合わせの上、新生・名古屋競馬場にお越し下さいね! 名古屋競馬場に公共交通機関でお越しの方は、名古屋駅からのバスは便数が少ないので、近鉄蟹江駅からのバスがおすすめです。 近鉄蟹江駅は、近鉄名古屋駅からわずか10分。 小さな駅ですがコンビニもありますし、居酒屋さんや小料理屋さんもいくつもあります。競馬場に行くのも便利ですし、帰りにちょっと一杯やって帰るのにも、なかなかな町です。 近鉄蟹江駅からの無料バスは、競馬場まで渋滞しなければ所要30分弱。 大型連休期間中は、バスの便数も増えるようです。 詳しくは名古屋競馬オフィシャルHPでご確認下さい。 ヤギのチップとポテトも、新しいおうちで皆さんのお越しをお待ちしていますよ!
2022年04月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先々週、わざわざ競馬場取材をキャンセルしてワクチン接種をしたところ、副反応後遺症含めその後の体調がかなり良くなくて…名古屋競馬場のステージイベントも、リモート出演にさせて頂きました。せっかく新生・名古屋競馬場でお客様方とご一緒にレースを楽しむチャンスだったのですが…。 お客様方と、関係の皆様方には、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。 そして…そこまでして出演して喋った予想が、全く方向違いで…… こちらも申し訳ございませんでした(汗)。 この間、どこにも取材には行けなかったので…… 今回は、名古屋競馬場情報のオープン日に出会ったり行き会ったりした物事で、まだここに書けていなかったことを少し。 まず初めは、現役最高齢競走馬・ヒカルアヤノヒメ(牝18歳)の情報から 3月24日 リハーサルレースに出てきたときのヒカルアヤノヒメ 先の開催、4月8日の新競馬場オープン初日のレースは、出走希望頭数が多くていわゆる「抽選休み」(JRAの競馬で言うところの除外)の憂き目に遭い、新競馬場お披露目は持ち越しになっていました。 ところが……今開催も予定されていた今日のレースに出走せず。 心配になり、井上哲調教師に電話にて様子を教えてもらいました。 「実は、次の開催の番組が920mだということが正式にわかったので、馬主さんと相談して、よりヒカルアヤノヒメにフィットする次の開催のその920m戦に出走させることにしました。出走に向けてしっかり状態を整えていきます。」 次の開催の、最下級条件だから多分レースは開催初日で……えっと、えっと…… え? 5月3日(火祝)の、かきつばた記念当日?? 次こそは、出走表に彼女の名前がありますように。 次の話題。 実はどうなるのかと、密かに心配していたのですが… この方々も「お引っ越し」して来られました。 パドックの周辺に、土古の競馬場の時から見慣れた小屋が…… いわゆる場内公認の「場立ち予想」業者の方々です。 屋号『サブイチ』の鈴木さん。 昭和15年生まれの82歳(驚き)「昭和44年から、先代に弟子入りしてこの仕事をやってますよ。もう50年以上ですね。12年弟子としてやって、一本立ちして、それからずっとですね。競馬場の景気のピークの時から、下がっていくところまで、ずっと見てきましたよ。いいときは1レースで150人ぐらい予想打ってたときもありましたからね。」 昔ながらの、小さなメモ用紙大の紙に、特別な判子(スタンプ)を使ってペッタンペッタン買い目を売っては、お客が差し出す100円玉と引き換えに渡す。競馬とともにあり、お客さん方とともにあり、そしてこの場所とともにある仕事も、弥富の新しい競馬場で「第二章」を迎えることになりました。 「自分自身はね……これしかないからさ(苦笑)。体力が続くまでやっていきたいですね。」 鈴木さんは、パドックで馬を見てから予想を決断するスタイル。競馬場に立ち寄った際には是非予想を買ってみて下さい。予想を買ったら、気軽にレースの質問などしても全然大丈夫のはずです。 私は、嬉しかったな。 場立ち予想の方々が引っ越してきてくれて。 これもまた、競馬場の賑わいの、一つの形です。 名古屋競馬名物のヤギさんたちも、弥富にお引っ越ししてきています。 チップとポテト 立派なヤギ小屋も出来ました。 弥富では、意外と人なつっこくお客さん構ってくれてる。 ちょっと、ちゃんと2頭撮れてる写真がなかったので… 次回以降、2ショットのいい写真をお見せしますね。 全く新しいコースになりましたので、馬場の様子、皆さん気になりますよね? 今日までのレースを見ての印象は・50m直線が延びたからと言って急に差しが優勢にはならない・全体的に軽めな馬場・スタート地点は砂がこなれていなくてスベるので、出遅れ注意・コーナーがスパイラル云々と言われているが、騎手はほぼ意識していない・ただし、4角勢い込んで外を回ると確実に膨れロスする ……開催初日の取材内容も踏まえると、こんな感じでしょうか。 但し、4月8日の開催初日の取材結果で「内の砂が深いので極端に内を開けて走っている」という情報が各所出回ったと思います。実際、その日行われた東海桜花賞も、内枠の馬には苦しい競馬になりましたし。 しかし、土日を挟んで4月11日以降のレースでは、映像で見る限り全然内を空けている様子がないですよね……。このあたりは、明日名古屋競馬場に行って、再度取材してきますね。 明日は、グランダムジャパン3歳シーズンの重賞 東海クイーンカップ(1700m)が行われます。 地元からはアップテンペストやレイジーウォリアーの走りが楽しみです。 是非ご注目下さいね!
2022年04月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 新生・名古屋競馬場、いよいよオープンしました! 開門前。このように長蛇の列。 列の向こうにある外向け場外発売所の更に向こうまで。 ざっと見て5~600人ぐらいでしょうか… 開門。待ちかねたように場内に向かうお客様方。 1Rの発走前、開催執務委員長による開催宣言 G1レースの時みたい! 丸野勝虎騎手騎乗のローザキアーロが、記念すべき当地最初のレースを勝利 管理する角田輝也調教師は、こう話しました。「いいスタートが切れました。ここからが第二章のはじまり」 第二章…… 土古の競馬場で長らくやってきて、この日からは弥富。そんなプレイヤーたちの気持ちが透けて見える言葉でした。 この人に会えました。 ホッカイドウ競馬の服部茂史騎手 この日のメインレース・東海桜花賞への遠征でしたが、エキストラ騎乗もあり、早い時刻に競馬場に姿を見せていました。「門別の開幕も近いけれど、いつもと変わらない気持ちですね。」 3月に、アバラ骨を折って10日ほど調教を休んだという服部騎手。「今回の名古屋も乗れるのかなと心配したけれど、能検に1鞍乗せてもらって、鞭を打っても問題ないので、これならということで復帰しました。」 昨年は、126勝を挙げながらリーディングは2位でした。 トップは石川倭騎手の131勝。 今年はどんなシーズンになるでしょうか。 彼の笑顔の数だけ、ホッカイドウ競馬は盛り上がっていくことでしょう。 開幕の8日、メインレースは古馬の重賞・東海桜花賞(SP1) 来月行われるダートグレード競走のかきつばた記念の、トライアル競走です。 最初のゴール板前 地元名古屋のトミケンシャイリ(12番)が、外枠から主張してハナ 北海道のイダペガサス(2番)がその番手 以下、兵庫のエイシンビッグボス(5番) 直後に川崎のインペリシャブル(9番) 1番人気の高知・ダノングッドは……スタートで滑って出遅れ。 いまの名古屋は、これが怖い。 調教でも馬が走っていないスタート地点は、砂が馴染んでいなくて滑りやすい、とは、あるジョッキーの話。 直線は……インペリシャブル劇場でした。 真ん中の橙帽。反応して伸びが違いました。 一方のダノングッドは、一番外。 一旦伸びかかったかに見えましたが、そこまででした。 4コーナーで外を回って追い上げると、どうしても外に流れがちになってしまう、というのも、この日一日取材していて聞かれた話でした。 直線が長くなったから、幅員が広くなったから、と言っても、それだけで「差せる馬場」になるわけではないんですよね。 もつれる2着争いを尻目に、インペリシャブル完勝! イダペガサスは、2着争いで僅差競り負けての5着。 上がって来て言葉を交わす、服部茂史騎手と田中淳司調教師(右)。 外目の枠なら、もう少し戦い方にも幅があったのかも知れません。 内側の砂が深くて、内側を走る馬は馬場の3~4分どころを通るような馬場状態。 このあたりも、当面は勝負を分けるカギになりそうです。(この写真は、愛知県競馬組合提供) 吉原寛人騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 いよいよ、始まったな。 そんなムードに包まれた一日でした。
2022年04月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この週末は、千葉県にある場外発売所・サテライト成田(エフケイバ成田)にお邪魔してきました。 成田は、桜の名所が数多くある場所。 このサテライト成田の敷地内の桜も、本当に見事なものでした。東京のすぐ近くにある成田ですが、東京よりも少しだけ桜の進みが遅くて、この週末が丁度花満開の見頃。この週末は「桜まつり」と題して、地元の人々向けのイベントも大々的に開催されておりました。 4月に入り、様々な物事も動き出し、いよいよ春本番、という感じがしますね。 先々週訪れた佐賀競馬場での話。 この4月から佐賀では、新人騎手2名がデビュー。すでに早くもふたりとも初勝利を挙げたようです。その一方で、デビューから半年を迎えたこちらの人も、現在奮闘中です。 加茂飛翔(かもつばさ)騎手 19歳 一昨日までのデビューから半年間で、21勝という成果でした。 「悔いが残るレースが多くて…仕掛けどころ、馬場の読み、馬との呼吸、考えるべきことが多いですね。」 ……とここまで話した後で、ちょっと話しぶりが変わりました。 「少し考えすぎなのかな……」 半年間で何度か佐賀競馬場を訪れ、彼の話を聞いてきました。 「考えすぎなのかな」の部分に、この半年に経験したことの多さと、深さと、そして彼の取り組みのありようを感じました。 単に勝てるかどうか、だけではなく、「馬に乗る」ということに向き合っている、とでも言いましょうか。「新人ふたりがまた入ってくるので、これを刺激にして頑張りたいですね。」 ……というのは、率直なところでしょう。 彼の奮起と、そしてここからの更なる進化に期待したいです。 一方、ベテランも奮闘中。 長田進仁(ながたゆきひと)騎手 55歳 現在通算1877勝 今年に入っては10勝 昼一番、騎手ルームから出てストレッチをしているところで話しかけてみました。 「いや~身体はもう、あちこちガタが来ているからね(笑)。腰がきついのはいつもだし。こうして気をつけていくことだろうね。」 もうキャリアは38年になる彼。私と1個違いの、全くの同世代。 ここまで続いてきている「秘訣」のようなものが聞けるかどうかと思い、水を向けてみると、このような答えが返ってきました。 「『気持ち』やろうね…やっぱり。」「若いもんには負けん、という気持ち、とかね。いまでもレースの中で何かあったらカーッとすることもある。そういう気持ちがあるから、ここまで続けて来ているのだと思いますよ。」 私にとっては、同世代だけに身に染み入る言葉でした。 まだやれる、もっとやれる。そう言う気持ちを持つこと。 それがファイト溢れるプレーに繋がる。 どこの競馬場でも、そういうベテランがレースを盛り上げているのでしょう。 昨年は45勝でした。 頑張って続けていれば、2000勝も見えてくる。 一走入魂の姿に、これからも注目していきたいです。 佐賀の話題の最後は、かつて門別競馬場で走っていて行き会った馬たちとの再会。 ピヨピヨピピピ 4歳牝馬 秋に門別のシーズンが終わると佐賀に移籍してきて、今回で10戦目。この2戦はいずれも2着。力はあるのに、どうも勝ち切れない感じ……。 この日も、飛田愛斗を背に頑張りましたが……。 あろうことか、またも2着。ほんと、惜しい。 何とか佐賀で1つ勝つところを見たいですね。 ユイガドクソン 5歳牡馬 元々は南関東で、新馬勝ちを含めて2勝。 一昨年の春に門別に転じて、持ち前のスピードを武器に戦っていました。 とにかく、他の馬と関係なく自分勝手にビュンビュン行って勝負する、名前の「唯我独尊」を地で行く戦い振りは、見る人の興味を惹いていました。 昨年は南関東を経て、10月に佐賀に転入。 鼻出血などもあり、この3回はあっさり止まって結果が出ていませんでしたが……。 内がユイガドクソン。 ビュンビュン行って、この日は2着と穴を開けました。 これがきっかけになって、また彼らしい走りを見せてくれるといいですね。 セカイノホシ 4歳牝馬 2歳時にはフルールC3着、川崎のローレル賞2着。 昨年3歳時にも、留守杯日高賞2着と、重賞でも活躍してきたこの馬。 昨秋に門別のシーズンが終わったところで佐賀に転入してきて、なかなかこの馬らしい結果が出ていませんでしたが…前走で持ち前の速度を武器に2着と奮戦。 この日も、A2クラスに出走し、このように勝ち馬には離されましたが2着。 徐々に調子は上がって来たようです。 この馬の場合は、気性的なものもありそうなので、ようやく佐賀でも色々なことがかみ合ってきたのかも知れませんね。 ところで、このレースを勝ったラインエミネントは、昨年春にJRAから佐賀に転入してきた後、これで15戦11勝となりました。管理する池田忠好調教師も「この馬は先がある馬だから、間隔を開けながら大切に使っています。」と、馬への期待感を語りました。 春に入って暖かくなり、こうして伸びてくる馬、調子を上げてくる馬からは、目が離せませんね。 4月から、本格的に始まりました。 佐賀競馬の、移転50周年記念事業。 「うまてなし。」 刻んだ歴史をかみしめながら、一層盛り上がっていくシーズンになりそうです。 さて…… いよいよ、明後日4月8日金曜日。 新生・名古屋競馬場でレースが始まります。 開幕当日の番組も発表されました。 重賞の東海桜花賞。 遠征勢が、ダノングッドにイダベガサス、インペリシャブルなどなど。 地元勢も、トミケンシャイリにカツゲキキトキトまで。 超豪華メンバーになり、とても楽しみです。 あれ…… ヒカルアヤノヒメがいない……(汗) 番組表を見ると、頭数オーバーで除外なんでしょうか…… (事情わかったら追記します) イベント情報は、こちらから。 私は、4月12日火曜日に、場内で行われるステージイベントに出演させて頂きます。お客様方と、こうした形では久しぶりに時を過ごせることを、いまからとても楽しみにしております。 弥富の、新生・名古屋競馬場でお目にかかりましょう!
2022年04月06日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週に続いて、新生・名古屋競馬場の話題から。 22日の開場式典当日に続いて、24日木曜日にもリハーサルレースが行われました。 新しいスタンド全景。 シャープなシルエットラインの中に、ちょっとだけ曲線とか色使いが施されているところが、意外と目にしての新鮮さに繋がっているような感じがします。 コース側から。 もういまは、公営競技場のスタンドって、このぐらいの大きさですよね。 コースの直線側の長さ一杯一杯にスタンド作るとか、昭和の時代の話。 お客さん方が入る人数にもよると思うのですが、いままだ誰も来ない状況で見ると、「こんなもんじゃね?」っていう感じです。 24日のリハーサルレースに、現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメ(牝18歳)が出場しました。 パドックでは、イレ込んで暴れる馬もいる中で、実に落ち着いて、一歩一歩ゆったりと歩くヒカルアヤノヒメの姿がありました。このあたりは「年の功」といったところ。 鞍上には勿論、尾崎章生騎手 一番左の黄帽がヒカルアヤノヒメ 900m。無理をするでもなく、きっちりと走ってきました。 あ、そういえば… 結構落ち着いているように見えたけど、メンコ着けたまま走っていたな。 4月8日金曜日の新競馬場オープニングでの出走に向けて、着々と準備は整えられています。 その4月8日には、全国地方交流の重賞・東海桜花賞(1500m)も行われます。 1ヶ月後に行われる、ダートグレード競走のかきつばた記念(Jpn3)に向けてのトライアルレース。他地区登録馬を見ると、なかなかのメンバーが揃いそうな予感……。 是非、オープン初日から、新生・名古屋競馬場に足をお運び下さい。 車のない方でも、名古屋駅からわずか10分の近鉄蟹江駅から送迎バスもそれなりの便数で出ると聞きました。当初巷で言われていたような「行きづらい競馬場」という印象は、全くありませんよ。 リハーサルレースでも、口取り写真 ふざけているわけではなくて…… 本番レースの時に、どの場所でどちらを向いて口取り写真を撮ればいいのか、といったことも、リハーサルをしていました。馬や関係者の皆さん方には、むしろ協力してもらってのこの写真。 とはいえ…本番レースでは、こんなピースサインの写真、なかなかないですよね(笑)。 この日は、ナイターレースのリハーサルも行われました。 この場所の夕暮れ時の色。 季節によって、色合いが変わってくるのだろうか…… この日は、リハーサルレースの様子を見に、厩舎の方々も入れ替わり立ち替わり、コースの方に出てきていました。 この口取り写真は、角田輝也厩舎オールスターズ いままでの、厩舎から離れた土古の競馬場ではあり得なかったし、これから後の本番レースでも、こんな写真絶対ないかも。 リハーサルレースなんですけれども… みなさん、本番レース以上に、素晴らしい笑顔の口取り写真でした。 直線が50m長くなったこともさることながら、コースの幅が随分広くなりました。勢いよくコーナーを回ってきた馬が前に並んで、ゴール前で横一線、なんていうレースも増えてくるのかも。 リハーサルレースを行って、競馬場内の様々な方面から、様々な意見等も出ていると聞きました。それだけに、こうしてきっちりリハーサルが行われたことは、素晴らしいことだなと。 関係者だけでなく、馬をリハーサルレースに出すことに同意された馬主の方々もしかりです。 リハーサルレースの様子を見つめる… 愛知県競馬組合で弥富トレーニングセンター担当の太田さん トレセンの競馬場転用に、現場で尽力されたひとり。 「まだまだこれから最初のレースまでに、リハーサルレースで見つかった課題を煮詰めていくことになります。お客様方にはとにかく、一度この新しい競馬場に足を運んで、レースを見て頂きたいと心から思っています。」 リハーサルとは言え、馬や人々がこうしてレース形式で走るところを見ると、私たちも「いよいよ、この場所で競馬が始まるんだな……」という実感が湧いてきます。土古の競馬場のラストの時にはまだあいまいだった「移転する」っていう事実が、形で見えるようになってすごく現実的に感じられるようになって来たかな。 新生・名古屋競馬場の開催初日は、4月8日金曜日。 ナイターレースは、近いところでは4月25日と5月30日の開催です。 いまから本当に楽しみです。 今日はもうひとネタ。 3月27日日曜日には、佐賀競馬場で重賞・はがくれ大賞典(2000m)が行われました。 春のポカポカと暖かな日差しが降り注ぐ。 九州は、本州より、そして勿論北海道より暖かい。 国道から競馬場に入ってくる道の両脇の桜の木が、花を咲かせていました。 五分咲きと言ったところですね。 今週末には満開になっているのかな……。 ナイター開催ですが、メインレースは夕方の5レース。 重賞・はがくれ大賞典は、向正面2コーナーからスタートして、馬場を1周する2000mで争われました。 最初のゴール板前 ハナはテンから主張したアンバラージュ(青帽) 1番人気、兵庫のエイシンニシパが早々にその直後(桃帽赤袖) スマイルサルファー(橙帽青服)が、好位の外目 地元期待のグレイトパールは、スタート直後に寄られて大きく後退した後、早くも内を通って巻き返して、好位の内。 3コーナー入り口辺りから、手応えが違いすぎるエイシンニシパが、外を回ってあっという間に前を飲み込む。 はがくれ大賞典3回目の優勝。 まさに「ミスター・はがくれ大賞典」 吉村智洋騎手の勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルYoutubeの映像でご覧下さい。 2着のスマイルサルファーは、さすが昨年の兵庫ダービー・西日本ダービーの覇者。その後古馬相手の重賞では苦戦していましたが、今回は見どころたっぷりの走りでした。 「この馬には、奥があると思っている。だから、遠征もして、強い相手と戦わせている。」 渡瀬寛彰調教師は、スマイルサルファーについてそんな風に話しました。 「体もまだ成長してくると思う。勝ち馬との差は、園田金杯の時からまだそこまでは詰まっていないけれど…格付けで言ったらまだB級を勝ったばかりの馬ですから。これからも、遠征を含めて強い相手と戦いながら育てて行きますよ。」 他場の重賞を使う場合、選定されるかどうかという面があるので微妙ではありますが……選ばれるなら笠松のオグリキャップ記念も、という話も出ていました。 残念だったのは、地元佐賀のグレイトパール 昨年秋に休養から戻ってからは、大得意の九州大賞典だけでなく、年末の中島記念も制覇。佐賀記念でも4着と健闘していたところでしたが……どうもこのはがくれ大賞典には、縁がないのか。 「この馬の泣き所の爪の状態が、いまは釘が打てるぐらい良くなっています。だから馬も気にすることなく走って、結果が出ていました。それだけに、今回はスタート直後に寄られた不利が残念でなりません。その後の行き振りは良かったけれど、(馬場の重たい)内に押し込められては厳しいレースでした。」 ……とは、管理する川田孝好調教師の話。 師にしては珍しく、悔しさをあらわにしながらレースを振り返って話しました。 まずは爪の状態が順調でいて、次に巻き返す機会があるよう期待したいです。 エイシンニシパ、次は同厩のジンギとともに兵庫大賞典へ向かう予定だとのこと。 目が離せないレースになりそうですね。 この日のことは、また来週の稿で紹介していきますね。
2022年03月30日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 丁度1週間前の先週水曜日。 超久しぶりに高知に出かけてきました。 桂浜 高知市街から車で15分ぐらいで、太平洋に出ます。 高知に来たら、坂本龍馬さまにちゃんとご挨拶しないとね。 ……といいながら、桂浜のこの大きな銅像を拝むのは初めてでした。 五台山から見た、高知市街 市街地の中にあるひろめ市場の、鰹の藁焼きを見せるお店で。 勿論、高知競馬場にも行きました。 古谷さんがリポートしているとおり、この競馬場での年に1度のダートグレード競走・黒船賞当日でした。 イグナイター(赤帽) 田中学騎手のガッツポーズ そして場内の歓声を切り裂くような雄叫び 喜び爆発! レースが始まる前に、拍手。 そしてレースの後も……。 4コーナーで実況の橋口アナウンサーが、イグナイターの進出をコールしたとき、場内からはどよめきと歓声がない交ぜになった「熱気」がたちのぼりました。 これが、「なくならなかった競馬場」が、いま持っている、熱量。 まさに、高知は死なず そして 高知は一日にして成らず、だ。 夕方に黒船賞が終わった後も、夜まで熱戦は続きました。 高知に来て、久しぶりに吉原寛人騎手に会えました。 左が吉原寛人騎手 右・多田羅誠也騎手と懇談中 様々な競馬場で経験を積んできた吉原寛人をして、改めて「勉強になった」と言わしめた高知での3ヶ月間で、実に47勝。 そう言う馬が集まっているとしても、その騎乗振りはさすが。 多田羅騎手にも「なかなか難しいかも知れないけれど、何とか機会を作って他場で乗る経験を早いうちからした方がよい。」とアドバイスしていました。 その吉原騎手は、21日からドバイに出かけているはずです。本人曰く「ドバイ経由で金沢に帰る(笑)」と。 後ドルフィンマイルのフルフラット。 楽しみにしましょう。 多田羅誠也騎手の方は、この日のファイナルレースで通算200勝達成! ゴール前 渾身の追い込みが決まる この日は、黒船賞のダノングッドでも、内を突いてあわやの3着。 存在感を示しています。 次は、アンティキティラのル・プランタン賞かな。 引き続き目が離せない存在です。 昨日、3月22日火曜日 新生・名古屋競馬場の開場式典が行われました。 開場式典に先立って、スタンド施設の内覧会も行われました。 2階有料席エリア 午後には、模擬レースも行われました。 あくまでも「模擬」レースではありますが… この新競馬場最初のウィナーは、ジェイエルスマイル(内側) 角田輝也調教師、細川智史騎手が、この競馬場「最初の勝者」となりました。 夕方行われた、開場記念式典 愛知県知事が臨席し、挨拶しました。 土古の競馬場のラストの時には、まだあまりピンときていなかったのですが…この弥富の新しい競馬場に足を運んで、そこで走る馬たちの姿を見ると、一気に「ここへ移ってくるのだな」というムードが盛り上がってきました。 レースが始まるのは、4月8日。 その時までまだまだ、準備作業は続いていきます。 来週は、ナイターで行われる模擬レースの模様も、リポートしますね。 あとは、行ければ、佐賀に。
2022年03月23日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 名古屋、土古の競馬場の開催が終わりました。 私は、最終開催日には競馬場には行けなかったので、ダートグレードの名古屋大賞典が行われた3月10日が、競馬場とのお別れでした。 とても賑わいました。 3月11日も、多くの人々で賑わっていたのでしょうね。 先週の開催では、その名古屋大賞典の他、3月8日には3歳・東海地区デビュー馬による重賞の中京ペガスターカップ(SP2)が行われました。 3コーナーから出て、馬場を1と1/4周する1600m。 短い4コーナーまでの先行争いを、枠番有利に1番人気パピタ(白帽)が制してハナ。 ゴールドスノー(黒帽青服)は2番手でピッタリマークする形。 2番人気のシノジマニヨラサイ(緑帽緑服)は、中団外目につけて エムエスムーン(赤帽)は内ラチ沿いを進む。 パピタとゴールドスノーの競り合いがずーっと続いて4コーナー 外に出してまくり上がって来たのがプライムデューク(外の橙帽) 脚色が違いました。 外から来たプライムデュークが、直線半ばで前を捉える。 鮮やかな勝利! この3歳世代、名古屋所属の牡馬にようやく重賞勝ち馬が出ました。 敗れたパピタ。しかし、一杯になりながらも2着は守ったあたりが底力。 「まだ乗り出して日が浅くて、トモに力がついていないもの。マイペースで持ち味が出る馬だが、状態がひと息の上に後ろからピタッと来られては厳しかった。これから良くなっていけばもっとやれる馬のはず。」……とは、レジェンド丹羽克輝騎手の話。 ゴールドスノーは、馬体調整の意味も含め少し間隔を開けて臨んだにもかかわらず、馬体重はマイナス2キロでした。 「トビが良い馬で、調教の動きは本当にいいんですよね。シュッと動いていけるタイプの馬なんですけれども、やはりまた馬体が減っていたのは……行く馬がいなくて思い通りの番手戦だったのですが、せめて2着は欲しかったところです。馬が良くなってくればもっと走ると思っています。」 友森翔太郎騎手は、そのように振り返りました。 勝ったプライムデュークの大畑雅章騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 揉まれたらダメな馬。展開に注文がつくだけに、戦歴が示すとおり成績にはムラがあります。ただ、今回のようにハマれば使える脚はある馬。大畑騎手によれば、まだ追随に苦労するほど状態面がイマイチだったということなので、この馬もこれからの成長と良化に期待したいところです。 そして、3月10日にはダートグレードの名古屋大賞典(Jpn3) コースを1周半する1900m戦。最初のゴール板前。 兵庫のジンギ(青帽緑服)が、主張してハナ。 その後ろにアナザートルース(水色服)、ケイアイパープル(橙帽桃服) クリンチャー(緑帽)は中団 向正面でフカして行ったジンギを、まずはケイアイパープルが追いかけてレースが動く。注目のクリンチャーは、一呼吸ふた呼吸動き出しが遅れ、直線入り口ではこのように、ケイアイパープルが完全に逃げ込み態勢を築いていました……が……… クリンチャー 届くんだ。驚きました。 2着のケイアイパープル 相手を後ろに置いて、展開的には理想的。 これは仕方ない……。 ジンギにも驚かされました。 向正面で仕掛けていったのは、2コーナーでソラを使いかかったこともあって、集中を切らすことのないよう動かしていったとのこと。結果的には「逃げ馬こうあるべし」という戦い振り。消耗戦の中で3着を守ったこの結果は、着順以上に評価していいと思います。 十分成長は示した上に、田中学騎手「まだ奥はある」と。 宮本博調教師。 この馬のいいところ、という質問への答えは、昨年勝ったときと同じでした。 「長く活躍してくれるところ」 芝のレースからキャリアをスタートさせ、クラシック戦線でも一定の活躍をし、重賞も勝って、その後ダートへ。あとないのは、G1タイトル。大目標は、大井・帝王賞。今度こそ、のタイトル獲得が期待されます。 川田将雅騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 土古の名古屋競馬場とは、これでお別れ。 ほんと、これまでありがと。 キャリアの長い騎手や調教師は、皆一様に「寂しい」と話していました。 とは言え、そうした思いは、この場所との繋がりの長さによって、みんな人それぞれ。 一方、一様なのは、弥富のレースへの期待感。 塚本征吾騎手 キャリア1年「まだ1年しか乗ってませんから…(苦笑)。レースの展開とかが、ここ(土古)とは全然違うと思うので、レースが楽しみですね。」 細川智史騎手 キャリア2年 「ここでは、肝心なときにやれなかったのが悔しいです。昨年のヤングジョッキーズトライアル。くじ運は悪いは、うまく乗れないは……。新しい競馬場では、流れを変えて、大切なときに活躍できるよう、頑張りたいです。」 加藤聡一騎手 キャリア6年「通算500勝に、年間100勝。重賞も最後に2つも勝てて、この競馬場でやらなければならないと思っていたことは、全てやりきった。いまはそんな気持ちです。いまの世で、新しい競馬場が出来てそこでプレー出来るなんて、なかなかないこと。そこに立ち会えるのは、本当に良かったと思います。」 木之前葵騎手 キャリア9年 「生活のリズムが変わると思うんですよね。ここ(土古)までの移動がない分、時間が出来て、例えばレースの前のコンディショニングにももっと気を配ることが出来たりとか。レースの中身も含めて、どんな変化があるのか、いますごくワクワクしています。」 加藤利征騎手 キャリア27年 「この場所で、競馬が続けていけるのかどうかという(景気低迷期の)どん底を経験している人は、みんな今回の移転に思いがあると思います。『続けて来て良かった』と。自分も、移転が決まってからは『何とか新しい競馬場で競馬がしたい』というモチベーションが生まれて、それを頼りにやってきました。ここまでやってこられたからには、成績云々もさることながら、とにかく新しい競馬場で頑張っていきたいですね。」 新しい、弥富の競馬場。 3月22日には関係者や報道関係者向けに開場式とプレビューがあります。 模擬レースなども行われた後、弥富の開幕日は4月8日金曜日。 開幕の4月8日には、重賞の東海桜花賞も行われます。 来週は、弥富の新競馬場からのリポートをお送りします。
2022年03月16日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 いよいよ…… 最終開催の週を迎えてしまいました。 昨日、3月8日の開門直後。 今週の名古屋は、ずっといいお天気で日中は暖かくなるという予報。 この青空こそ、「土古の競馬日和」の象徴。 先着来場サービスでもらえる、黄色のクリアファイル 名古屋競馬場の懐かしい風景があしらわれています。 今週は、みんなこれを持って観戦。何となく場内が黄色い雰囲気に染まる。 午後に入って徐々にお客様方が増えてきました。 このあと、クライマックスの11日金曜日に向かって、一層多くの方が訪れることでしょう。 後ろ姿は、広報ご担当の白井さん。 昭和49年(1974年)にこの場所で働き始めて、ここまで来ました。 「なんか……ふわふわする感じだよね。レースは同じように行われているのに」……というのは、長くこの場所に縁があった方だからこその感覚でしょう。 「ハイセイコーブームの頃だったよね。あと、厩務員ストで皐月賞が5月になったりとかも覚えてる。広報・番組・裁決・その他諸々…警備関係の仕事以外は殆ど経験したんじゃないかな。実況もやったことあるけど、これはうまくいかなくてすぐにお役御免になったかな(笑)。」 白井さん的に思い出にある出来事、ってなると…「年末の大一番として名古屋大賞典(開設当時は12月に施行)が出来たことと、」「アラブで超強かったマリンレオ。サラブレッド相手にも負けない強い馬だったけれど、そのサラ系のレースでの取り扱いについて、なかなかJRAなどとの調整がつかなかったこと。」「(たぶん2005年の)JBCを開催するときに、東海菊花賞と日程がかぶっていて、その調整にも苦労したこと。」……私たちが競馬を楽しむ裏側で、スタッフの皆さんの様々な労苦があったなぁとしのばせる内容でした。 名古屋競馬場には、こうしてもう半世紀近くもずっとおつとめの方も何人かおられます。きっとそれぞれの心の中に、それぞれの「名古屋競馬場」とその思い出があるのだと思います。 先週、「レストランあらぶ」はこの場所が場外発売所となっても営業を続けるとお伝えしました。その一方で、今週いっぱいで閉店と決めている飲食店もあります。 パドック脇の飲食店。麺の「勝や」 左右のお店と一緒に、親族一族で経営されてきたとのこと。 代々続けて、「恐らく」50年以上は続いてきたはずだとか。 入れ替わり立ち替わりお客さんがやってきては、「つるっ」と麺を飲み込んで、また馬場の方に戻っていく。そんなクイックな感じが小気味いいお店。日本の「ファストフードのはしり」は、舶来のハンバーガーショップなどではなく、こうした伝統的な麺を出すお店だと実感します。 私の台のお気に入りの、かき揚げきしめん 580円 かき揚げが割と早く売り切れになるので、早めにお越し下さい。 スタンドのゴール板前あたりの2階では、特別展示が行われています。 「73年間の軌跡 金シャチけいばNAGOYAヒストリー写真パネル展」「とっておきの競馬の話&写真グランプリ 受賞作品展示」 こちらは、13日日曜日まで展示が行われています。 是非お立ち寄り下さいね。 選ばれた写真、かなりいいです。 そのほか、名古屋競馬場クロージングイベントの案内は、こちらの特設サイトでご確認下さい。 名古屋の「王者」 岡部誠騎手にも、いまの思いを聞きました。 「寂しいね。やっぱり、ずっとやってきた競馬場だからね。」 と話した後、このように続けました。「移転して、弥富で競馬は続く。それでもこれだけ寂しいのだから……かつて廃止で競馬場がなくなってしまった人たちは、これよりももっともっと寂しい思いをしたのだろうなと、いまそんなことを考えています。」「自分の同期でも、荒尾やら福山やらが(競馬廃止で)なくなった人もいる。いまの自分たちよりももっと寂しかっただろうなと思うとね……」 「いまは馬券が売れているけれども、それがいつまでも続くわけではないと思ってる。だから、弥富に移ったら、いま以上にもっと競馬を盛り上げていかないとと、そんなことをこの機会に改めて思っています。」 いま、この競馬場を引っ張っている人のひとりは、間違いなくこの人。 そして、弥富でも。 改めて、そんな風に感じさせられる言葉でした。 ここで、ひとつお知らせ。 門別から名古屋に転入後奮戦していたアマクミナイデヨが、門別に帰ることになりました。 昨年11月30日 名古屋競馬場への転入初戦 この転入初戦で快勝した後、様々なメンバー、様々な条件で戦ってきました。 色んなことがかみ合わないと、勝つのが本当に難しいのが競馬なんだな。 そう思わせる名古屋での戦い振りだったと感じています。 門別では順調なら恐らく、北斗盃(4月28日)を目指すのではないかと思います。 本来力のある馬だけに、改めての活躍が楽しみです。 ちなみに……明日、門別での今シーズン最初の能力検査があるのですが…… アマクミナイデヨの弟が登場します。 馬名はカッテニシヤガレ ですって! 田中淳司厩舎ゆかりの、ポアゾンブラック産駒 こちらも、明日どんな走りを見せるか楽しみです。 話を名古屋に戻して…… 昨日は、3歳馬の重賞・中京ペガスターカップが行われたのですが… そのリポートは、明日行われるダートグレードの名古屋大賞典とともに、次週のこの稿で。 今週の稿の締めくくりは、やはりこの馬です。 現役最高齢競走馬 ヒカルアヤノヒメ 牝18歳 今日3月9日の12レースに出走し、これが自身の302走目 この名古屋・土古の競馬場での234走目ラストランでした。 「いつもと違う夕方のレースで、お客さんも多かったからか、今日は随分パドックでうるさくなったわ。」とは、馬を引いた井上哲調教師。 今日は、主戦の尾崎章生騎手に手が戻りました。 尾崎章生騎手の話「(スタートして)速かったねー。馬が自分から行こうとしていたので、馬の気持ちに任せてそのまま運びました。次に向けて、いいレースになりましたね。」 次走は順調なら、4月8日金曜日の弥富開幕日になると思います。 あと2日。
2022年03月09日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回も、名古屋競馬場からのリポートです。 もう、最終開催日まであと9日になった、土古の現競馬場。 開催が弥富の新競馬場に移転した後は、しばらくの間場外発売所として存続します。 スタンドの一角にある レストランあらぶ 私が競馬を始めて、初めてこの競馬場を訪れたときからある。 調べてみたらやはり、もう30年以上やってるんですって 入り口付近のレジで食券を買うと、マイクで「○○、いちー」とキッチンに注文を伝える声が響く。 お店の看板メニューの あらぶセット 780円 ラーメンに入っているチャーシューは、昼のいいタイミングで行くと、トロトロの出来たてが出てきます。 この場所での本場開催がなくなったあとも、この場所での場外発売が行われている間は営業するとのこと。平日は他店と交代での営業なので不定休。JRAの馬券発売がある土日は休まず営業しているそうです。 まずは、今週来週で名古屋競馬場を訪れる方は、是非お立ち寄りください。 様々なところで、カウントダウンとその雰囲気が満ちあふれています。 事務所棟には、引っ越し会社のトラックが。 昨日の時点で、あと10日 今日は、あと9日…… 次開催は、いよいよファイナル。 3月10日木曜日には、ダートグレード競走の名古屋大賞典(Jpn3)が行われます。 来週は、開催が終了した後の12日土曜日・13日日曜日まで、様々なイベントが行われます。競馬の舞台裏が見られるバックヤードツアーや、パドックでの撮影会など、なかなか盛りだくさん。 詳しくはこちらの、クロージングイベント特設サイトをご覧下さい。 所属馬にとっても、今週来週でこの土古の競馬場でのラストランを迎えます。 1月31日に301戦目のレースを走った 現役最高齢18歳牝馬のヒカルアヤノヒメ。 昨日、井上哲調教師にお話を伺ったところ…… 「いま休ませているけれど、来週の最後の開催に出るよ!」 写真は、昨年12月22日に通算300走目のレースの時のもの まだ確定番組が出ていませんが… ヒカルアヤノヒメの登場は恐らく、8日火曜日の開催初日になると思います。 また是非ご声援ください。 (以下追記) C級選抜「はい上がれ!しゃちほこ賞」が組まれたので、ヒカルアヤノヒメの出走は2日目・9日水曜日になりました。なんと最終12R。(追記終わり) もう一頭。これからご紹介する重賞・若草賞に出走の話があった 3歳牝馬のアップテンペスト。 若草賞には出てきませんでした。 こちらは井手上慎一調教師の話が聞けました。 「馬主さんからお話をいただき、このまま名古屋に残って東海ダービーを目指すことになりました。」 2月15日にスプリングカップを優勝した際のアップテンペスト 使っていく日程が見えてきたので、一度リセットしてまた一から仕上げていくとのこと。 当面、次の実戦予定は4月21日の東海クイーンカップだそうです。 さて、メインレース 3歳牝馬による1400m戦・若草賞(SP1) グランダムジャパン3歳シーズン 開幕戦です。 スタート後、最初のゴール板前 新春ペガサスCの勝ち馬・レイジーウォリアー(青帽)が主張してハナ アマクミナイデヨ(緑帽)は、速度的にこれには及ばず番手 船橋所属のラッキーミーティア(橙帽)は、更にその後ろの3番手。 断然人気の高知・アンティキティラはその直後(もう一頭の緑帽白服) JRA1勝、転入後連勝のグレタ(赤帽桃服)は、行けなかったな… 3コーナーでアンティキティラがそのまま内を回って進出開始。 勢いが、全然違いました。 後続を振り切りにかかるレイジーウォリアーに、ただ一頭襲いかかっていきました。 まさに一騎打ち。でも、勢いとしては直線入り口で勝敗は決していたかな…。 とにかく、勝負所で動き出してからの行き脚の破壊力が、格別でした。 これ、ゴールの時のアンティキティラ 抜け出して一頭になると……やはりこんな感じ。 やめようとしたり、内に行こうとしたりしていたんでしょうか……。 騎手が懸命に矯正してる。 門別で活躍している間も、気性的には本当に難しいところを見せていた馬。 話を聞くと、高知でも馬の周りの方々が苦労しながら馬を扱っているみたい。 別府真司調教師が「この馬だけは、調教の時も気をつけてみていないといけない」と話すほど。多田羅騎手は、調教で何度も振り落とされたことがあるそうです。 馬の活躍は…単に馬の強い弱いとか、レースでの騎手のプレーが云々、というところだけにあるわけではないのだということを、改めて思い起こさせる馬です。 この馬に携わっている人々、みんなの勝利。 多田羅誠也騎手も、上がって来てまずはこの表情 しかしすぐに、破顔一笑。 このエクボの可愛らしさは何なんだ。 多田羅誠也騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 別府真司調教師によると、このあとはグランダムジャパンの路線を歩むとのこと。 当面の目標は、すでに勝利経験のある佐賀のル・プランタン賞(4月10日)、そして園田ののじぎく賞(5月12日)。順調にそのまま川崎・関東オークスまで使えるのであれば、その時にはシリーズの優勝を間違いなく争っていることでしょう。 逃げて粘ったレイジーウォリアーも、勝ち馬には完敗だったとは言え、3着は7馬身離して「パーフェクトな2着」でした。攻め寄せてくるライバルを振り切ってみせた内容は、これも秀逸。今回からは、丸野勝虎騎手に手が戻っていました。 塚田隆男調教師によれば、こちらはアップテンペストと同様、当面東海クイーンカップから駿蹄賞、そして東海ダービーと進んでいく予定だとのこと。こちらも目が離せません。 名古屋の土古の競馬場。 この場所での競馬も、残りあと僅か。 少しでも縁のあった方は…是非競馬を開催しているうちにお越し下さい。 来週も、名古屋競馬場から。 最終開催のリポートです。
2022年03月02日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 引き続き、先週の開催の名古屋競馬場のリポートです。 先週金曜日18日、レディースジョッキーズシリーズの最終戦と、メインレースにはアメジストオープンが行われました。 10時30分の開門時刻直前 皆さん「新たな日常」を意識し、静かに整然とオープンの時刻を待つ レディースジョッキーズシリーズの「この日」に合わせて休みを取って来た、という熱心なお客様とも行き会いました。金曜日と言うこともあり、この日はなかなかの盛り上がりでした。 この日の朝一番の「顔」 笠松所属の森島貴之騎手 33歳 この日は、朝の1鞍(騎手変更で当日1鞍追加)の騎乗のために名古屋に来ていました。 時節柄、マスクを着けたままですが…さわやか系の顔立ちが魅力のイケメン騎手。 日頃意識していること、と聞いてみると… 「やはり、お客さんにアピール出来る騎乗、レースをすることじゃないですかね。」…と一言。「当たり前のことなんですけど…一生懸命やったら、見ていて面白いと思うんですよね。いまでも一生懸命やっているつもりではありますけれども、ああいうこと(昨年の休催)があって笠松競馬がなかなか注目されなくなっているところで、もっとアピール出来るレースをしないと、と、いつも思っています。」「よその競馬場のことですけれども、高知とか、僕らが見てても面白いですもんね。レースが。だから馬券が売れているのもわかる。自分たちも、もっとアピールするレースが出来ると思うんです。」 笠松のプロパーの所属騎手は9人。年かさとしても、40代前半の騎手と、あとははたち前後の若手が多い中で、30代前半の森島騎手はまさに中堅のなかの中堅。 現状は成績的にも「中堅」といったところですが、こうした意識が笠松での競馬を面白くしてくれるだけでなく、これから上昇していくべき笠松競馬場全体のムードを引っ張っていく。そんな存在になるのではないでしょうか。 あと25勝で、300勝の一区切り。 そういうタイミングで、また話を聞いてみたいと思いました。 今開催も、登場してきました。 3レース ブタノカックーニ 今回もこの覆面。 いつからつけてるんだろ…… 入場の前には、とってしまうメンコです。 レース結果は、今回も3着……。 「なかなかしっかりとしてこないですね。今日もふらついて走ってしまって…」 ……とは、手綱を取った塚本征吾騎手の話。 もうしばらく追いかけてみようかな。 レディースジョッキーズシリーズの2個レースは、メインレースを挟んで9Rと11Rで行われました。残念ながら、騎乗前のセレモニーや写真撮影などのイベントは、コロナのせいでなし。 ほんとに…コロナの奴め…… オミクロンの奴め…… 9レースは、ニシノステラで川崎の神尾香澄騎手の勝利 馬の力が生きる逃げ。先手を主張して上手に運びました。 この笑顔。会心の勝利。 一方、1番人気のテイエムクイーンで敗れた、笠松の深澤杏花騎手はこの表情。 今日は組み合わせ的に、難しいレースだったかな…。 勝負に行くべきところで、馬を動かして勝負に行ったところは、いいレースだったと思います。 ただ、勝ち馬がすんなり逃げては…でしたね。 メインレースを挟んで11Rは、木之前葵騎手が乗ったマテラシオンが、こちらも逃げ切り。 昨年の最後の3ヶ月を、レース中の怪我で棒に振ってしまった彼女。 レディースジョッキーズシリーズも、高知と岩手は欠場となり、今回の地元・名古屋が唯一の出場機会になりました。 「休んだ3ヶ月間で、ものすごく色々なことを考えて、成長できた」……新年早々、そう語った彼女。今回、いつもと違うレースを経験して、どんなことを感じただろうか。きっとこの機会にも、自分のこと、競馬のこと、様々なことを感じ取る経験にしていたのだろうと、私は勝手に思っています。 興味深かったのは…彼女、女性だけのレースの経験、なかったんですね。彼女がデビューした時には、もう女性騎手のこういうイベントレースは、女性騎手の数が足りずに男性に交じって走る形になっていたってことか。 口取りの際には、遠いところにいるお客さん方からも声援が飛んでいました。、 宮下瞳騎手は、2戦とも2着。 本人は悔しかったろうけれども……勝負になるレースを、したよね。どちらも。 その存在感がさすがでした。 一方……自身がそう思っているだろうから有り体に言いますが、やらかしてしまったのがこちら。高知の濱尚美騎手。レースをご覧頂ければわかると思いますが……上がって来た後も、反省しきりでした。 総合優勝は、濱尚美騎手。盛岡と高知での貯金が生きました。 ただその会見の時にも、やはり今回の名古屋の2走の反省が、どうしても出てきてしまいましたね。 正直、今年になって彼女がまだ1つしか勝っていないとは、この日の取材の準備をするまで気がついていませんでした。 やはり高知は、馬だけでなく人の方も激戦区、ということもあるでしょう。高知での仕事の中で、いま彼女がどんなことを感じながらやっているのかということに思いを致せば、彼女自身には恐らく、今回優勝できた、ということよりも、自分の競馬そのものに対して思っていること、取り組まなければならないことが、すごくあるのかも知れません。 優勝を励みに、というよりも、名古屋まで来て感じたことを大切にしながら、頑張って欲しいです。 左 2位の神尾香澄騎手 右 3位の宮下瞳騎手 こういうシリーズをやると、どうしても勝った負けたに目が行ってしまうのですが… 例えば、宮下瞳騎手はこの日、11鞍全部のレースに騎乗していました。 例えば、木之前葵騎手はそこまでたくさん乗るわけではないけれど、名古屋で調教師と話をしていれば「パワーのある男性ではなく、葵を乗せたいタイプの馬というのはいる」と明言する人もいます。 レディースジョッキーズシリーズは、そうしてそれぞれの戦いの場で成長してきた姿を、女性騎手が一堂に会して披露する場、だと思うんですよね。 それこそ、最初の森島騎手の話ではないけれど、「アピール」の場。 そうすることによって、自場の調教師や馬主、競馬ファン、ひいては、これから「馬の仕事に就こう」と思っている若い女性たちにとって、何かが伝わる場になっていくのではないでしょうか。 最後に…… 前回ご案内したこの馬。 カツゲキキトキト 9歳 メインレースの10Rアメジストオープン(1600m)に出走 11月の準重賞・とちのき杯を勝って以降3ヶ月ぶりの実践でした。 レース道中 右の桃帽がカツゲキキトキト 勝ったアドマイヤムテキから、半馬身差の2着でした。 丹羽克輝騎手の話 「驚いた。まだ全然攻め馬やっていないのに、ここまで走れるとは。勝負所で仕掛けたら反応して最後までしっかり走った。立派な馬だ。これなら、こういう平場のオープンならまた勝てるかも知れないね。」 長く競走馬として走り続けることも、競走馬の価値。 順調に過ごして、またすぐに元気に走るところを見せてくれればと思います。 この馬もまた、この場所の競馬にとってかけがえのない1頭です。 次の名古屋の開催は、2月28日月曜日からの4日間。 3月1日火曜日には、グランダムジャパン3歳シーズンの若草賞(1400m)が行われます。 地元名古屋の出走メンバーは流動的ですが、強力な遠征馬も揃って面白いレースになりそう。是非ご注目くださいね!
2022年02月23日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も、名古屋競馬のリポート。 昨日2月15日火曜日に、重賞のスプリングカップの取材に出かけてきました。 ここで競馬が楽しめるのも、あと半月あまり…… 最終開催日の3月11日まで、あと23日か…… 厩舎関係者の口からも、「なんだかやっぱり寂しいな」の声がよく聞かれるようになりました。 朝一番、この方に行き会いました。 横井将人(よこいまさと)騎手 44歳 一昨年まで、年感で250前後の騎乗数だったのが、昨年は5割増しの370. 騎乗数が増えた分だけ、存在感もここに来てじわじわと増しています。「とにかく、1頭でも多く調教に乗ることですね。厩務員さんたちも大変なので、早い時刻から調教に乗って……信頼感もそうしているうちに出来てきますし。」「走る馬には、そうそう出会えないのはわかっています。でもそれも、たくさん調教に乗っていればいずれそう言う馬を任せてもらえる時も来ると思っています。」 私たちは普通、レースの時しか騎手の姿を見る機会がないのですが… それは、騎手の仕事の、ほんの一部分。 攻め馬つけて、馬がレースに出られるコンディションを保ち、レースに送り出すこと。それ「も」ではなく、それ「こそ」が、騎手にとってのとても重要な仕事。 そこにいて、ただレースに乗れるわけじゃないのも、騎手のありよう……。 3頭の真ん中が横井騎手 そもそも、たくさん勝つトップ騎手ですら、負けることの方が勝つことよりも断然多いのが競馬というスポーツ。だからこそ、負けながらどう「勝ち」を目指すか、というひとり一人のありようが、魅力的でもあるんだと思います。 地味、ではなく「地道」。 そういうことが、競馬を支えているのだと、改めて感じました。 宮下瞳騎手が、この日2勝。 明後日18日金曜日には、ここ名古屋で「レディスジョッキーズシリーズ」が行われます。 「少人数(5人)になってしまいましたが、それでも見てておおっ!と思わせるレース、盛り上がれるレースをお見せしたいです。」 …と意気込みを話してくれました。 実はその明後日18日金曜日、メインレースの10Rオープン特別に、前回重賞で2着と奮闘した、キーグラウンドが出ます。主力級の評価を受けての登場となりそうですが… 「最内枠を引いてしまって…前回のようにいっそゲートを出なければ、後半勝負で同じようなレースが出来るんですが、そんなときに限ってゲートを出てしまったりして(苦笑)。今回は『試練』ですね。」 同じレースには、「あの」カツゲキキトキトも登場します。 昨年9月30日の重賞・ベイスプリント 内側緑帽がカツゲキキトキト 外のナムラマホーホに惜敗…… 現在の主戦・丹羽克輝騎手の話 「昨年も結果を出しており、立派な馬。ただ今回は休み明けで、厳しい戦いになるかもしれません。」 出てくるとなるとね…どうしても目が行ってしまうよね。 どんな姿を見せてくれるか、楽しみです。 この方にも、お目にかかることが出来ました。 丸野勝虎騎手 15日火曜日は、6Rをノーブルアイランドで勝利。 今季はここまで戦列を離れており、今週の開催から復帰しました。 顔を合わせると「あけましておめでとうございます(笑)」と、ジョークを交えて応じてくれました。 復帰となった14日月曜日には、地方競馬通算2800勝を達成。 「このあと年末まで、怪我することなく頑張りたいですね。」 名手の復帰は、レースを一層興味深いものにしてくれることでしょう。 さて、いよいよメインレースの話。 昨日15日火曜日に行われたのは、3歳馬のやや距離の長い重賞スプリングカップ(1800m)。 向正面から出て、コースを1周半。 前の開催の梅桜賞を逃げて勝ったアップテンペストが好発好ダッシュでハナ。 遠征馬もいますし、1頭ぐらい突っ張る馬も現れるのではないかと思われましたが…先行争いになる余地もないほど、あっという間に抜けて先頭に立っていました。 2番手集団は、イイネイイネイイネ(桃帽黄色の服)や兵庫のベルレフォーン(橙帽紫の服)、直後のシノジマニヨラサイ(黄帽緑服)、プライムデューク(内ラチ沿い緑帽)など一団。 3コーナーあたりで、イイネイイネイイネがただ1頭押し上げてアップテンペストに迫り、レースはそこから一騎打ちの様相。 アップテンペストが、勝負所で一度詰められたところでフカして行き、最後は持久力勝負。 逆転もあるか?の激戦でしたが… アップテンペストが凌ぎきって勝利。 イイネイイネイイネは、惜しかった… 「攻めて行く馬が他にいなくて、自分で脚を使って行った分届かなかった。でも、もう1頭(挑んでいく)馬がいれば、確実にこちらが勝てていた。馬も以前よりとても良くなっていた。」 岡部誠騎手は、力を込めてそのように話していました。 引き上げてくるアップテンペスト 実は、管理する井手上慎一調教師はレースの前、「レース間隔が詰まっていて、馬も少しスクんだところがあったので、出来は正直前回ほどではない。」と話していました。それでも今回、この強さ。井手上調教師はホッとした表情で「本当に立派な馬。まだまだもっと強くなる馬だと思う。」と語っていました。 再来週の若草賞(3歳牝馬・1400m)への出否は、馬の状態次第とのこと。 スタッフと喜びを分かち合う、加藤聡一騎手 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 井手上調教師とも話したのですが… 転入初戦の年末・笠松のライデンリーダー記念の内容が秀逸でした。何頭も絡み合っての生きっぱなしのレースで、最後勝ち馬以外には差されることなく粘り強く最後まで駆けたあの走りのあと、距離を延ばしても力強い走り。あとの課題は、2回前のように砂を被る位置になった場合に、それを凌げる精神面の力でしょうか。 もしかしたら、「しかるべきタイミング」で岩手に戻るのかも知れません。 仮にそうだとしても、井手上調教師自らが話していたように「しっかりとした状態、しっかりとした競馬が出来る馬にして、返してやりたい。」という気持ちは、名古屋競馬を応援する立場の私としても同じ。 「それが、馬を預かるということの『責任』だから。」 井手上調教師は、最後にそのように締めくくっていました。 明後日18日金曜日 レディスジョッキーズシリーズ そしてメインはアメジストオープン ご注目くださいね!!
2022年02月16日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 週明け月曜日、馬産地日高・浦河に立ち寄りました。 十勝から、日高山脈を抜いて日高側に出る「天馬街道」で浦河に入ると、このような素晴らしい晴天の中、生産牧場の放牧地で馬たちが雪の上を元気よく走り回っていました。 あっ!こっち向いた!! 目の保養でした……。 浦河に立ち寄ったのは、種馬場・イーストスタッドで行われた種牡馬展示会を取材で訪れるためでした。 気になる新種牡馬が、お披露目となりました。 サンライズソア 8歳 父シンボリクリスエス 母アメーリア 3歳時から、ジャパンダートダービー2着など活躍していましたが、なかなか重賞勝ちに恵まれなかったこの馬。5歳の春の名古屋大賞典で念願の初重賞制覇を果たしたのでした。 2018年3月 名古屋大賞典 最後の直線 口取り 騎手はミルコ・デムーロ ほんとうに、ようやく…という重賞制覇で、河内洋調教師がホッとしたような表情でレースを振り返っていた囲み取材が、印象に残っていました。 サンライズソアはその後、平安ステークスも制覇。 私は、競馬場での姿しか見ていないので… 種牡馬展示でのお披露目の姿は、随分大人しいなと。そんな印象でした。なにせ、レースの前後は飛び跳ねるみたいな感じで人間たちを手こずらせるような馬でしたから。 とは言え、当時からレースに行けばしっかり集中して走る馬。しかも最後までやめずに頑張るので、数々の大舞台で勝利にこそ恵まれなくても、常に善戦を続けていました。気持ちが出る面が、レースではいい方向に向いていたのでしょうね、きっと。 どんな仔を出してくれるのか、いまから楽しみです。 種牡馬展示会は今週いっぱい、日高・胆振地区の各種馬場で順次行われています。まさに「もう春はそこまで」の季節を感じるイベント。 その模様は……また古谷さんがきっと書いてくれるのではないでしょうか(未確認)。 ここからは先週の名古屋競馬場の話。 先週金曜日4日の重賞・梅見月杯(SP1)当日のことです。 この馬が、名古屋に移籍してきました。 ブタノカックーニ!! (協力・競馬エース) JRAで3戦してサッパリの成績。名古屋では3歳の相当下級条件からの再出発となりました。 真ん中の桃帽がブタノカックーニ 3着でした。 塚本征吾騎手の話「まだからだが太くて緩くて…しっかりしていませんね。ふらふらして走っていますから。馬が良くなれば、このぐらいの相手ならもっといいレースが出来ると思うのですが…」 コンディション良く続戦してきた暁には、是非皆様ご声援下さい! 短期移籍で来ていたこの方とも、早くもお別れ…… 菅原辰徳騎手 先週金曜日までで、名古屋での短期移籍終了となりました。早い… 56戦2勝の成績でした。「多くの馬に乗せてもらっていた反面、結果が今一つ残せず、残念だし、悔しい気持ちも強いですね。」 ……今回の短期移籍の成果について、こんなふうに率直に語っていました。「しっかりと位置を取ることを意識していました。元々スタートは上手でないので、そこを意識して、名古屋のスタート後の先行争いをしっかり出来るようにと思って乗っていました。」 名古屋でのレースでは、馬の実績や人気にかかわらず、勝負所から仕掛けて前に接近し、見せ場を作るレースが随所に見られていたと感じました。「そうですか…どうなんだろ(苦笑)。まあ、少しでも見せ場を、という思いは常に持っていますね。」 2月4日 7R ヘーメルで1着! 枠番を利して好位の内目を取り、直線でタイミング良く抜け出すファインプレイでした。「技術的に(今回の短期移籍で)急に向上するっていうことはないですけれども、違う環境で攻め馬に参加したりレースに乗ったりすることは、勉強になりますよ。」 そういえば…短期遺跡に来た当初話を聞いたときに、「社会勉強」って話していたっけ……。 今週月曜日には岩手に移動し、もう岩手での新シーズンに向けての仕事に打ち込んでいることでしょう。 「自分のキャリアハイが70何勝かなんですけど、そこから少しずつ下がっているんですよね。新シーズンの目標は、まずはその数字を超えること。そしてその上を目指して頑張りたいです。」 短期移籍にやってきたのも、自分の中で感じている「何か」を乗り越えたい、という、そんな気持ちからだったのかも知れません。 冠協賛レースの記念撮影で。安部幸夫調教師らとともに。 彼の話をじっくり聞かせてもらったことがなかったので… 取材する私にとっても、今回はいい出会いでした。 3月から、岩手での大きな活躍を期待しています! さて…メインレースは、名古屋大賞典トライアルの重賞・梅見月杯(1900m) 向正面からコース1周半するレースの、最初のホーム側直線 目の覚めるような発馬を放ったトミケンシャイリ(桃帽橙服)があっさりハナ 直後にいる緑帽が、JRAから転入初戦で1年ぶりのレースとなる、ウインユニファイド 直後の内目にいるナムラマホーホ(黒帽桃服)は、思いのほかいいポジション 兵庫から参戦の注目馬シェダルは、好位の外(橙帽赤袖服) このあとは…もう逃げたトミケンシャイリの独壇場…… ナムラマホーホが食い下がるが… 4馬身差でトミケンシャイリ勝利! 2着ナムラマホーホ シェダルは伸びを欠き、更に7馬身後ろの3着…… シェダルの吉村智洋騎手は「今日は、よくわからないです。勝った馬が強かったのでしょうけれども……動き出しの反応は確かに良くなかったですね。」 兵庫に転入後2勝の内容から期待されていただけに、次の巻き返しが期待されます。 一方、ナムラマホーホの方は、レース後騎手調教師ともに好ムード。「良い位置を取って上手に競馬が出来ました。(難しいところがある馬だが)馬自身の成長も感じますね。」 …と、岡部誠騎手は好感触を得たようです。 トミケンシャイリの今井貴大騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 逃げたときの強さが改めて印象づけられた格好、ですが… この馬が勝ったときは毎回言っているんですけれども、「逃げなきゃレースできない」馬ではないと思うんですよね。溜めて差しての競馬でどれだけのパフォーマンスを発揮するのかが楽しみであるのと同時に、これからは勝つためにそう言う競馬が求められる局面も出てくるでしょう。 前回勝ったとき申し上げましたが… この馬の真価は、競馬場が広い弥富に移転したあとに発揮されるのではないかと。そちらを楽しみにしているところです。 来週も、名古屋の話題で。 2月15日は、3歳の重賞・スプリングカップ(1800m)です。
2022年02月09日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、昨日の名古屋競馬場リポートです。 まず、1件こたつ記事から。 一昨日1月31日の名古屋3Rに現役最高齢の18歳牝馬・ヒカルアヤノヒメが出走。10頭立ての8着。デビューから通算301戦目を、無事走り切りました。 (この写真は、主催者広報提供) 主戦の尾崎章生騎手が戦列を離れており、今回は塚本征吾騎手が手綱を取りました。彼がヒカルアヤノヒメに乗るのは、昨年6月以来2度目。ヒカルアヤノヒメ 18歳 2004年4月10日生まれ塚本征吾騎手 18歳 2004年2月20日生まれ 塚本騎手の方が1ヶ月半早く生まれてました(汗)。(この写真も、主催者広報提供) 塚本征吾騎手の話(後日取材)「半年前に乗ったときと、元気さは変わらなかったですね。18歳とは思えません。驚かされます。途中で走るのをやめるところもなく、頑張ってくれました。」 まずは次回の出番まで無事に過ごして、次の機会にも元気な姿を見せてくれればいいですね。 続いて、先週・高知の全日本新人王争覇戦 まずは、出場出来た人。 浅野皓大騎手。 前の週の段階で欠場者の代わりに予備からの繰り上がりが決まっていて、出場の機会に恵まれました。 出場の感想を聞くと…… 「難しかったですね。」 と、一言。「馬の特徴は事前に話を聞いていたのですが、それをレースの中で踏まえて乗ることが出来なかったです。コースへの対応も……。悔しいです。これをいい経験が出来たと捉えて、今後に生かしていきたいです、」 楽しみで出かけた高知でしたが…結果は単に着順だけでなく、内容としてもほろ苦いものとなったようです。 ひとつの経験で、何かが劇的に変わるわけではないけれど…。 そこで感じたことを、続く舞台でどう表現できるか。注目していきましょう。 そしてこちらは… 出場できなかった人…… 笠松(岩手から短期移籍)の岩本怜騎手 遠征前日に、笠松で騎手のコロナ感染がわかり、遠征を断念。結局高知で乗っているはずの日は笠松での騎乗となりました。「とても残念です。周囲も、もう何十人もの方々に『残念だったね…』と言われました。それでも、翌日は笠松で乗り代わりの馬の騎乗依頼を頂いて乗れて、有り難かったです。」 右 黒帽2番が岩本騎手 早いもので、笠松への短期移籍ももう来週の開催まで。 「怒られたりしたこともありましたけれども、いままでと全く違う人々と仕事して過ごす時間は、本当に勉強になりました。人間関係。馬のこと。新鮮なことがたくさんありました。先週ようやく1つ勝てたので、来週の最後の開催も頑張りたいです。」 来週の笠松は、月~金の5日間開催。 収穫だけでなく、どれだけ結果を携えて岩手に帰れるか。 まだまだ最後の挑戦は続きます。 この日も朝から、めっちゃ元気! レジェンド・丹羽克輝騎手 62歳 最近は、わたしが話を聞きに寄っていくと… 「もう乗るのがエラくて(大変で)…」 しかし、連日変わらず、ファイト溢れるプレーを見せています。 この日は、もうすぐ3月までで弥富に移転するため閉場となる、現名古屋競馬場の話になりました。「そりゃあ、寂しいよ。だってさ、小学生の頃からここに来てるんだもん。当時は父親の兄が馬持っててさ、連れてきてもらったのさ。その時に、いや~馬っていいな、競馬っていいな~って。それで、中学の時にもう厩舎に入ったからね。それからずーっとここで乗ってる。」 「丹羽さんなら、馬を動かしてくれる。」 そう話し、騎乗依頼をする調教師は、少なくありません。還暦を過ぎても「腕」で買えるジョッキー。まさに、名古屋の「レジェンド」。思いの詰まったこの土古の競馬場でも最後まで、そして舞台を買えて弥富の競馬場でも、まだまだ存在感を発揮しつづけるでしょう。 明後日金曜日の重賞・梅見月杯には、10歳馬サンデンバロンといつものようにコンビを組んで出場します。前回は珍しく大敗してしまったサンデンバロンですが、彼の手腕できっと巻き返してくるに違いありません。こちらも楽しみです。 さて、昨日のメインレースの話に行きましょう。 3歳牝馬の重賞・梅桜賞(SP2)は、コースを1周半する距離1800m戦。 向正面からスタートし、半周して正面での隊形 1番人気のアップテンペスト(橙帽赤い服)がスタート後あっさりとハナを取り ヒメコマチ(青棒)やゴールドスノー(赤帽)が続いてこれが一団。 2番人気の笠松・ドミニク(後ろの集団の白帽)らが第2集団を形成するような形で、レースが進みました。 優勝の行方は、あっさり決まったと言っていいかな… 逃げたアップテンペストが、向正面では後続の追撃を一旦引きつけておいて、3コーナーからライバルを引き離していきました。 ここからはもう独走! 後ろの馬群からドミニク(白帽)が抜け出してくるのですが、もう前は遙か彼方へ… 加藤聡一騎手は、これまで金沢で2つ、笠松で2つ重賞を勝っていましたが、名古屋での重賞勝ちはこれが初めて。昨年ずっと語っていた「念願の」地元競馬場での優勝を、この土古からの競馬場移転前に掴むことが出来ました。 まさに「破顔一笑」という感じですね! 加藤聡一騎手の喜びの声は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 アップテンペストは元々、シーズンオフで岩手から転入してきていた馬。今後の去就が注目されます。 残念だったのは、2着のドミニク レース映像を見るとわかるように、向正面で外に出して進出を図ったところに、外から別の馬が先んじて上がっていき、内に押し込められる形で動き出しが遅れました。これもまた展開……。勝ち馬との間の8馬身ほどの正味の力差はないでしょう。終いにはしっかり脚を使っているだけに、また巻き返しの機会があるに違いありません。 今週の名古屋の開催は、金曜日まで。 4日金曜日には、古馬の重賞・梅見月杯(SP1・1900m)が行われます。
2022年02月02日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 オミクロンがすごすぎて…週末の佐賀も、昨日の高知も取材に出かけるのを見合わせました。窮屈すぎる世の中ですが…仕方がありません。 気持ち的には、自分のためが7割、事後現地に何か起きたときに、自分のせいではないとしても何となくモヤモヤした気持ちになるだろうなぁと思うのが3割。 人によっては「考えすぎだろ」と言う人もいるでしょうし、人によっては「この状況では当然」と言う人もいるでしょう。事ほどさように、いまの世の中こうしたことについての考え方は、人それぞれで思った以上の隔たりがあるので……何が正しいとも言えないですし、何が起きても誰かが正しかったとか誤っていたとかは、一概には言えないでしょう。 高知の話は、出かけた皆さん方が様々なところに書かれるお話を、楽しみにすることにします。 ただ……週末の佐賀・花吹雪賞(3歳・1800m)は、取材に行きたかったな…… 高知から遠征したアンティキティラが、直線で差し伸びて快勝!(すみません、この話題こたつ記事です)(この写真は、佐賀競馬広報から提供されました) レース後の多田羅誠也騎手のインタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルのYoutube動画でご覧下さい。 アンティキティラは、ホッカイドウ競馬出身。 5月の段階で、強敵相手の新馬戦(フレッシュチャレンジ)を勝ち、その後しばらく結果が出ないレースを続けながらもシーズン通して戦い、シーズンラストにはオープン特別とオープンのJRA認定(ウィナーズチャレンジ)を連勝して、高知に移籍しました。 2021年5月12日 門別でデビュー戦を勝ったときのアンティキティラ(外1番) 当時騎乗していた山本咲希到騎手が……「全くレースに集中していない。まだ覚えなければならないことがたくさんありすぎる。課題だらけ」……と、実に厳しい表情で話したことが、馬自身が見せた終いの強烈な脚力とともに印象に残っていた馬でした。 門別のシーズン終盤の連勝、そして高知の連勝の際には、外から見る限りは、騎手が促したところで反応してしっかり動き出して勝てている印象。デビューの頃と比べれば、気性面の成長も感じ取れる内容でした。 今回のインタビューの映像を見ると、多田羅騎手も「気難しいところがある馬」と話していますね。馬の成長もさることながら、門別時代もいまの高知でも、馬の周りの人々がこの馬の力を引き出す技術と工夫を駆使してレースに臨んでいるのでしょう。 まだまだこの馬の能力には、ヴェールに隠された部分があるのかも。 次は3月1日・名古屋の若草賞、と、別府調教師から具体的にレース名も出たようなので、もしここに出てくるようなら改めてそのレース振りに注目していきたいです。 さて、先週の名古屋のお話から、あと2つ。 ここからは、ちゃんと取材した記事です(笑)。 火曜日18日には、重賞の他にも3歳馬の特別戦(1400m)が行われました。 勝ったのは、JRAからの転入初戦だったグレタ。 最後は少し詰められましたが、この1馬身差は楽勝の類い。 JRAから転入初戦。秋の福島1150mで未勝利戦を勝った直後の転入だけに、動向も含めて注目される馬です。 岡部誠騎手の話「短い距離を使われていたから、力んで走るところがありましたね。まだ馬の調子も全然だと聞いていますし、これからどういう風に変わっていくかじゃないでしょうか。」 これから、どんな道を歩んでいくのでしょう。 実績が実績だけに、次回の登場がとても楽しみです。 20日木曜日には、古馬の重賞・マイル争覇(SP2)が行われました。 出来れば逃げたい、前で運びたい馬が揃った組み合わせ。 しかしながら、名古屋の1600m戦は毎度おなじみ、最初のコーナーまでの距離が短い。 トミケンシャイリの今井貴大騎手が、先手を主張。 ゴールドリング(橙帽青服)はその直後に控える形 1番人気のタイキメサイア(橙帽桃服)は好位3番手 もう1頭、人気になったキーグラウンドは、発馬直後のダッシュがつかず後方 レース中盤でゴールドリングが早々と脱落したあと、トミケンシャイリに食い下がるタイキメサイアと、後方からぐいぐい脚を使って追い上げてきたキーグランドの3頭の競馬になりました。 外から、キーグラウンド(黒帽)もよく詰めているんですが… 最後まで脚色が衰えなかったトミケンシャイリが、4馬身差勝利 先週の重賞は、2つとも今井貴大騎手でした。 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 昨年10月、秋の鞍を勝って3歳3冠を達成したあと、園田・楠賞、笠松グランプリ、東海ゴールドカップと、苦戦が続いたトミケンシャイリ。ここでの復活Vは、改めてこの馬の力を示し、期待感も持たせる結果でした。「やはりこの馬は、冬場は調子がよくないね。結果が出てホッとしました、」 ……と、管理する竹下直人調教師も話していました。今後の進路については、馬の状態を見ながら、とのことで、明言はありませんでした。 この馬、どうしても名古屋で勝とうと思うと逃げになるので、その印象が強いのですが……弥富の広いコース、絶対合うと思うんですよね。8月のペリドットオープンを差し切って勝ったように、脚が溜まれば終いに強烈にその脚を繰り出すことも出来る馬。春以降、新たな活躍シーンを見せてくれるのではないかと、期待しています。「出遅れたけれど、その分終いにいい脚を使えたから、むしろ良かったかも知れません。今日はしっかり走ってくれて、レースには満足しています。」……と、キーグラウンドの宮下瞳騎手。 こちらも、忙しい流れに合わせて走るより、自分のペースを守って勝負所でしっかり脚を使わせた方が良さそう。もしかしたら、弥富に変わって良さが出るかも知れません。 この夕暮れの風景が見られるのも、あとわずか。 土古にあるこの名古屋競馬場のファイナルは、3月10日がダートグレード競走の名古屋大賞典。そして3月11日がラスト開催。 そのあと、弥富に移ってのレースは、4月8日が初日です。
2022年01月26日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、名古屋からのリポートです。(取材日:1月18日火曜日) 開門前の様子 良いお天気ですが…この直前まで雪が舞っていて、とにかく寒い! 取材日の前日、1月17日月曜日 2R キタノインスパイアで、戸部尚実騎手が通算3000勝達成! (この写真は主催者広報提供) 翌18日火曜日に、記念セレモニーが行われました。 セレモニーでのインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルのYoutube動画でご覧下さい。 資料画像です 昨年11月の東海菊花賞・ナムラマホーホで勝利 58歳 デビューからまもなく39年「怪我は本当に多くて…でも、治る怪我ばかりだったから、ここまでやって来ることが出来ました。がむしゃらに頑張るでもなく、平常心でコツコツやって来たのが良かったのかな。」 彼の歩んできたみちのりが、うっすらと見えてくるような、そんな言葉でした。 彼もまた、その存在、レジェンドの域に達しつつあります。 師匠、兄弟弟子揃って、しっかりとしたときの流れを感じさせる記念写真になりました。 今年は例年以上に、シーズンオフのある競馬場から各地に短期移籍で冬季移動する騎手が多くなりました。 岩手から、菅原辰徳騎手 28歳 年が明けて13年目 オミクロンにつき、マスクはしたままで。 一昨日17日から騎乗を開始しました。 その初日に早速1勝。 騎手紹介式でのインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。「佐賀・高知・笠松とシーズンオフには短期移籍してきたんですが、今回は4~5年ぶりですね。笠松に行ったときにも名古屋で乗る機会はなかったので、今回が初めて。2月中旬に岩手で調教が始まるまでの帰還で色々考えたら、名古屋しかないな、と思い、主催者にお願いして受け入れて頂きました。」 レース後の上がりのシーンをカメラで狙っていたところを見つかり、まんまと睨まれる(汗)「名古屋は、水沢よりも1コーナーまでの距離が長いので、最初の先行争いが激しくて重要だという印象です。(滞在期間中の)具体的な目標、というより『社会勉強』だと思っているので、様々なことを吸収して、結果も残したいですね。」 騎乗開始の初日から湧かせている彼の姿が、これからもっと存在感を増してくることでしょう。 たまたま…もうひとり名古屋に来ていました。 同じく岩手から、岩本怜騎手 20歳 年が明けて4年目 先週の開催から、笠松へ短期移籍して騎乗しています。「一昨年は佐賀、昨年は大井に短期移籍で行く予定だったのに、コロナで行けなくなって……今年は短期移籍で移動している人が多くて、もういっぱいだった競馬場もあったのですが、笠松で受け入れて頂きました。」「(岩手での)昨シーズンが不振で……」と切り出す彼。 「色々考えて試している間に『軸がブレてた』んですよね。乗り方とか、鐙の長さとか。それでいま笠松では、これっていう形で乗って、良い感じです。前の開催で惜しいレースがあったのに勝てなかったので、とにかく次の開催で1つ勝ちたいですね。」 来週火曜日には、高知の全日本新人王争覇戦への遠征も控えています。 「ひとり(浦和の赤津和希騎手)を除いて、みんな後輩なんですよね。ここは先輩の力を見せられるように頑張りたいです。その高知も含めて、とにかく色んな所で乗りたい。これは騎手をやめるまで変わらないと思います。違うところで乗る経験が、力になると思うんです。」 レースのあと、何事か言葉を交わしつつ一緒に上がって来る 左が岩本零騎手 右が菅原辰徳騎手 メインレースは、3歳馬の重賞・新春ペガサスカップ(1600m)でした。 最初のコーナーまでが著しく短い、名古屋の1600m戦。 先行争い激化を想定していたのですが…… 大外からレイジーウォリアーの行き脚が優って、あっさりとハナ。 最初の正面では、このようにすんなりと隊列が決まって、レースはこのまま勝負所まで流れて行きました。 まさに「すんなり」 前の並びもかわるどころか、むしろレイジーウォリアーがアップテンペストを一方的に突き放していきました。 7馬身差 今井貴大騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 今井騎手は、それまで乗っていた丸野勝虎騎手が戦列を離れている間の2戦、見事に代役の務めを果たしました。時期的にも、結果が求められる局面だっただけに、今日の勝利も含めて価値があります。 今週の開催は、金曜日まで。 明日20日木曜日も、古馬の重賞・マイル争覇(SP2)が行われます。 土古のこの競馬場でレースが行われるのも、このカレンダーにある日だけになりました。 あっという間だな…きっと。
2022年01月19日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、佐賀競馬場のリポートです。(取材日:1月11日) 昼イチ。佐賀競馬場のイメージソング「It's a green dream」が流れる場内。 九州に到着した朝は「気温2度」とか言われてびびっていましたが、お日様が出ている午後はポカポカとしていい陽気です。 1Rが始まる前、いきなりこの方に行き会いました。 北海道から短期移籍中 松井伸也騎手 昨季は、川崎所属(門別デビュー馬)のコーラルツッキーで重賞のノースクイーンカップを勝ち、シーズン終盤には実績馬チャイヤプーン(名古屋の東海菊花賞に遠征して2着)との出会いがありました。 今年は、福山から北海道に移ってきて10年目。 いつ大きな波が来てもおかしくないだけに、新たなシーズンでの活躍が楽しみな人でもあります。 3年前に短期移籍で佐賀で乗ったときには、スーパージンガで重賞の花吹雪賞を勝つ活躍。 今回は、佐賀でどんな活躍を見せるでしょうか。 3レース 三小田幸人厩舎の2頭が、装鞍所に入ってきたときからすごく気になる。 キリシマムテキ このメンコ、初めてつけてレースに臨んだんだそうです。 ピヨピヨピピピと、ミスターほとんどパーフェクト メンコがかわいい~~ ピヨピヨピピピは、昨年門別でシーズンをほぼ通じて走ってから、この秋佐賀に移籍。 この日のレースは惜しくも2着……。佐賀での勝利も時間の問題なのではないかと。 ところで、このメンコ。厩舎のスタッフの方の証言によると……「あのメンコ2枚あるんですよ。前走(的場文男レジェンドカップで)的場さんが乗ったときに、メンコの右頬のところにサインしてくれてたんですけれども……今日のはどうでしょうね?」 見る限り、この日のメンコにサインらしきものはありません。 次回のレースの時には、的場さんのサイン入りのメンコを着けてくるのか、それともそのメンコは「記念」ということでもうお蔵入りなのか…?? 次走のピヨピヨピピピは、メンコの右頬の部分にご注目ください(笑)。 この人も、短期移籍でこの日から佐賀に参戦。 岩手の小林凌騎手 これから1ヶ月半ほどの佐賀滞在となります。「短期移籍で乗るの、初めてなんですよ。牧場とかに行ってたことはあるんですけれども…所属の調教師にも『行った方がいい』と言われていたこともありますし、新しい勉強になるかなと思いました。佐賀は以前(騎手交流の)M&Kの時に何度か乗ったことがあるだけなんですけれども、昔よく来ていた競馬場ということもあって決めました。」 ん?聞き逃しそうになったんですが…… 昔よく来ていた??「母方の実家が福岡で、ここ、近いじゃないですか。中学生の頃、よく祖父に連れてきてもらっていたんですよね。」 小学生の時にはもう競馬の仕事を志していたとのことですから、その子供の頃に佐賀に来たというのも、競馬自体に興味があってきていたそうです。 「締め切りの時の音楽とか、建物や周囲の風景、何もかもがその当時と全然変わらなくて……なんだかすごく馴染んでます(笑)」「目標は、佐賀にいる間に10勝。頑張ります!!」 競馬がない間、佐賀のレースも岩手で楽しめるのかな? 是非ご声援くださいね! この日のメインレースは、今年新設された全国交流の重賞・第1回ゴールドスプリント(1300m)でした。 レースの話に入る前に、パドックで引き続き「メンコミュージアム」 ドラゴンゲート このメンコ、ミスカゴシマです。 石川慎将騎手の色だから、彼のイメージのメンコっていうことですかね…??? ミスカゴシマなのに、怖そう……(汗) 佐賀には1400mの重賞はあっても、1300mという重賞はこのレースだけ。先手を取りたい馬も多くエントリーし、加えて内から4馬幅ぐらいあけたところを皆が走りたいような馬場状態で位置取りが重要な鍵になることから、戦前から激戦が予想されていました。 スタート直後。 注目された先手はロトヴィグラス(緑帽)があっさり奪い、外からドラゴンゲート(橙帽)とダノンジャスティス(桃帽一番外)がついていく形。 ステラモナークは「さすがにこのメンバーではみんな速すぎて」(レース後の下原騎手)先団の後ろ。 ミスカゴシマ(内目赤帽)も行ききれず。ダノングッド(最内黒帽)もこのあと1コーナーを回るところでもう外を狙って一旦広報へ。 このあと、驚いたのがロトヴィグラス。全然脚色が衰えず、3コーナーではむしろ後続を突き放して大きな見せ場を作りました。 しかし…後ろから上がって来たダノングッドの脚色が違いすぎました。直線に入っても勢いの差は歴然。 内枠をひいてしまい、難しいレースになるかと予想されていましたが…… 終わってみれば4馬身差の圧勝。 これで名古屋から笠松、そして年が明けて佐賀と重賞3連勝。 レースのあとの帰り際、多田羅誠也騎手に少しだけ話が聞けました。 「強くなったと言うより、名古屋を勝った後、前回の笠松あたりから本当に馬の状態がいいんです。体調が良すぎて、調教の時にもうるさくなって苦労するぐらいで……。今日もいい走りをしてくれました。」 この口取りの前も、間も、ダノングッドの元気なこと…(苦笑)。 10歳でも、ますます盛ん、といったところでしょうか。 次は、黒船……なのかな?? 佐賀の次の重賞は、1月23日(日)に2歳馬の花吹雪翔。 それが終われば…その次は、2月8日の佐賀記念ですね。 世の中の状況も状況で…… 次は、いつ来られるかな……? 来週は、名古屋の話題になる予定です。
2022年01月12日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 明けましておめでとうございます。 2022年が、皆様にとって素敵な一年になるよう、お祈り申し上げます。 今日は、昨日の名古屋競馬場のリポート。 新年最初の重賞・名古屋記念が行われました。 冬の青空は、とても澄んで見えます。 風は寒いけど…… この人に、久しぶりにお目にかかることが出来ました。 木之前葵騎手 9月末の落馬事故で負傷し、3ヶ月間戦列を離れていました。 1月1日から始まる開催から復帰。 その1R、今年名古屋競馬の最初のレースで見事!復帰戦Vを飾りました。(主催者広報提供 外5番が勝ったジャスミンシャワー)「(落馬事故がスタート直後だったので)また転ぶんじゃないかと怖さもありました。でもレースに行ったら展開も向いて、あれ、勝っちゃった~っていう感じでした。馬も自分も休み明けで、勝てて良かったなぁって。」 アイーン ……ではなく 昨年9月29日の落馬事故で鎖骨の折れた部分。 肩と言うより、首の下の肩へ繋がる部分の骨ですね。 プレートでガッチリ固定して、治癒を待ったそうです。「こんなに大きな怪我で、長くレースを離れたのは初めてです。3ヶ月のうち、2ヶ月はまるまる休みました。競馬も見てましたね。色んなことを考えましたよ。人の競馬を見ていて、いままで自分がどんな風に仕事をしてきたかとか……休んでいる間に、客観的に自分自身を見つめることが出来たように思います。勝ちたい、勝ちたい、ばかりが先に立つ自分に気づいて…いまは心持ちは大分違うと思いますね。」「12月に入ってから、馬の世話とかの仕事から、リハビリも兼ねてスタートしたんです。馬の手入れなんかが改めて楽しくて、馬かわいくて……」「やっぱり、私、馬好きだなって、ずっと馬に乗っていたいなって、そう思ったんです。」 「やっぱり、私、馬好きだなって、ずっと馬に乗っていたいなって、そう思ったんです。」 衒いなく、そう話す彼女。 昨年は、年の初めから所属厩舎を変わって心機一転の年でした。 とてもいい意味でそれまでとはだいぶ違う雰囲気でレースに臨んでいる彼女の姿を、旗からずっと見ていました。その姿は、昨年の念頭に話していたとおり「それまでへの感謝」と「仕事への(新たな)モチベーション」の現れだったのでしょう。 そして…年の終盤は、思わぬ形で戦線離脱。 ただそのレースに乗っていない最後の3ヶ月で、その年最も大きな「収穫」を、彼女は得たのかも知れません。 この日、7Rのアオイラブリーで勝って、今年2勝目 「馬のリズムを大切にして、乗っていきたいです。でもその中でも、積極的なレースを。」 まずは怪我なく。 その上で、更なる活躍から、目が離せない2022年になりそうです。 次の話題。 年末、12月30日の笠松・ラブミーチャン記念で競走除外となったこの馬。 アマクミナイデヨ 写真は、11月30日名古屋転入初戦を勝った時のもの 管理する今津博之調教師の話が聞けました。「体調は大きな問題はなく、今日(4日)から調教を再開しています。間に合えば1月16日火曜日の新春ペガサスカップ(1600m)、間に合わなければ1月30日日曜日の中京(ダート1200m)も視野に入れながら調整します。ただこれだけの馬なので、無理はせず馬の状態と相談しながらの次走になりますね。」 心配されていたアマクミナイデヨのファンの皆さん、ひとまずご安心下さい。 先日、この馬の写真をTwitterにアップしたところ、お母さんのバカニシナイデヨからずっとファンだという方からもリアクションを頂きました。 バカニシナイデヨも重賞にも何度も出ていた活躍馬で、私もかつて門別で本場実況を担当していたときに、彼女が勝ったレースを実況していました。人気的にはばかにされてましたが(笑)、上級条件のレースで末を伸ばして競り勝つ、なかなかの勝ち方でした。 お母さんが中距離で活躍できていたように、娘のアマクミナイデヨも名古屋では調教から折り合いながら走れる雰囲気を出しており、距離が延びての活躍も期待できるかも知れません。 うーん、距離を延ばして先々に向けての足固めをして欲しい気もしますし、一方で中京の1200m戦でJRAの馬たち相手の速度勝負も見てみたい気もしますし。 いずれにせよ、その動向にご注目下さい。 さて、この日のメインレース。 これがスタートして最初のゴール板前。 先行争いは内から、エイシンエンジョイ、メイソンジュニア、ゴールドリング、タイガーアチーヴの4頭で折り合うことなく激戦。 直後にいる白の帽子桃色の勝負服が、1番人気のナムラマホーホ。 先行集団は案の定サバイバルバトルとなり、生き残ったエイシンエンジョイに、3コーナー辺りから詰めていったナムラマホーホが襲いかかって、直線は完全に2頭の一騎打ちに。 ゴール 写真判定になりましたが…… ナムラマホーホの岡部誠騎手は「え?写真判定なの??」と、上がって来た段階で勝利を確信。 「完全に前に出ているんだけど、そこで止まってしまって…行き出せば反応はきちんとする馬なんだけどね」と、この馬の力量の確かさと難しさを、レース後同時に語っていました。 エイシンエンジョイも、陣営は「行き脚がつくのに時間がかかるので、どうしてもああいう形になってしまうけれども、自分の形で競馬は出来て、頑張ってくれたと思います。」(管理する笹野博司調教師)と、納得の表情でした。 岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 管理する藤ヶ崎一人調教師は「自分としては、長めの距離がいい馬なんじゃないかと思っています。調教の時には常にパートナーを置きながらになるなどまだ難しいところのある馬で、そこをケアしていきながらですね。」 次走は未定ということでしたが、地元戦で長めの距離と言うことになれば、次走は2月4日の梅見月杯(1900m)が有力候補になるでしょうか。 世の中の状況も、穏やかならぬものがありますが… 特に状況が激変しなければ、週末は佐賀に出かけてこようと思っています。
2022年01月05日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日、12月29日はばんえいダービーの帯広競馬場に出かけ、いま深夜に札幌まで戻ってきました。 馬たちを追いかけながら観戦するお客様方の姿。 今回は制作側の裏方役で、出演はなし。 1月2日の帯広記念当日は、出演させて頂きます。 2021年、長い1年でした。色々ありました。 いやむしろ…競馬の世界では「何もなかった」のかも知れません。 人によって、立場によって、そして状況によって……感じた時の長さや起きた出来事は、それぞれ違うと思います。 それが、コロナ禍とコロナのあとの世界なんだと思います。 取材に出かけるモチベーションも、このブログで見聞きしたことに触れて下さる読者の方々の存在だけが頼りでした。ここまでご覧下さった皆様に、心から感謝申し上げます。 明日。年の最後に有り難いお話しをいただき、お客様方と一緒に過ごす機会を頂戴しました。(北海道の場外発売所・Aiba石狩のイベント情報です) 明日12月30日。Aiba石狩で皆様方のお越しをお待ち申し上げます。 このPOPにも書いておきましたが… 「みんなで集まって、盛り上がろうぜ!!」 みなさま、良い年をお迎え下さい。 年が明けたらすぐに、名古屋に行こうと思っています。 来週はそのリポートで。
2021年12月29日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 交流重賞の名古屋グランプリ(Jpn2)は明日12月23日ですが… 名古屋競馬場に、本日前乗り(笑)。 ということで、今週は名古屋競馬の話題です。 一昨日、12月20日月曜日の4レースで、加藤聡一騎手が通算500勝を達成しました。(この写真は主催者広報からご提供頂きました) 今日22日に、場内でこの通算500勝達成のセレモニーが行われました。 年内に、当面の目標を達成した形。 セレモニーでは「素直に嬉しい」と話していました。 今日22日も、7Rをタイガーブルズアイに騎乗して勝利。 これで、今年の名古屋競馬場での勝利数が99になりました。 「あと1つ!」 自場での年間100勝は、今年最後の数字的目標。 残り2日で達成して、更なるステップアップにつなげていくことでしょう。 先週は、笠松の準重賞をイイネイイネイイネで勝利。 年の終わりに、存在感が増してきました。 来年は、どんな活躍の道を歩んでいくだろうか。 一方、こちらは怪我から復帰を果たしました。 マスクでわかりづらいですが… 浅野皓大(あさのこうだい)騎手 調教中に立ち上がった馬から落ちて、手首を骨折。 3ヶ月もの間戦列を離れました。「落ちたとき、丁度手を突いたところがコンクリートで、ポッキリ折れてしまいました。粉砕骨折していたらもっと長く罹ったかも知れませんが、単純な骨折で幸いでした。もう痛みはないですし、(折れた骨の部分を支えていた)ボルトも外れましたので、すっかり大丈夫です!」 今年は、戦列を離れる期間が長くなった彼。 ここまでの騎乗数は、昨年の半分となりました。 デビューしてまるまる2年。いまはとにかく、騎乗馬を獲得すること。そして、ひとつでも上の着順を獲得してアピールすること。これに尽きるのではないでしょうか。「とにかく…まず1つ勝ちたいですね。」 やはり、勝利が何よりの薬になることでしょう。 これまで以上に「果敢な」騎乗振りを、期待したいです。 現役最高齢、17歳牝馬のヒカルアヤノヒメが、今日の10Rで通算300回目のレースを走りました。 主戦の尾崎章生騎手とともに。 レースは、近歴着外馬ばかりの選抜戦だったとはいえ、ダッシュよく飛び出して1コーナーでは4番手。その後の粘りは書きましたが、元気が失われていないところを見せてくれました。、 レースのあとも、無事に帰還。 砂を被った馬体が、この馬なりの激戦を物語る。 競馬というスポーツのありよう、だと思うんですよね。 スポーツだからこそ、そのときの勝負で強いことだけでなく、例えばこのヒカルアヤノヒメのように「長く続ける」と言うことにも価値がある。 馬券ばかりに傾倒してしまっているいまの競馬に向けての、ひとつのアンチテーゼ。 こういうことの価値が広く人々に受け入れられるかどうかが、人々が彼女の姿から何かを感じ取れるかどうか、ということこそ、競馬という物事が続いていくためのカギなんだと思っています。 17歳。そう遠くない日に、彼女も引退するときが来ます。 そのとき、私たちが何を感じ、どういうことが人々に伝わっていくのか。 改めてそういうことに思いを致しつつ、彼女がレースで走る姿を見ておりました。 明日の名古屋競馬場は、ダートグレード競走の名古屋グランプリ。 競馬場の弥富移転を控え、2500mで行われる最後のこのレースになります。 明日は、「強い者が勝つ」競馬の面白さを、みんなで堪能しましょう!
2021年12月22日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先月、九州に取材で出かけた際に、この場所にも足を運びました。 (取材日:11月12日) 通り沿いに、今でも残る「荒尾けいば」の看板 旧荒尾競馬場跡 荒尾競馬が2011年末で廃止になったあとは、場外発売所(BAOO荒尾)として運営されています。 かつてのままの入場口 先に申し上げておきますが…ここから先、殆どがかつての荒尾競馬場そのものの風景が残っています。 私が前回荒尾競馬場を訪れたのは、まだ競馬が開催されていた2011年 東日本大震災が起きた6日後。 10年ぶりの訪問。 しかも、荒尾競馬は2011年の暮れの開催を最後に、廃止されています。 建屋の風景が、全く当時のそのまま残されていたことに、少なからず驚きを覚えました。 荒尾名物 パドックの真ん中にそびえる大楠の木も、残っていました。 パドックの騎手服紹介板もそのまま スタンドの中では、馬券が売られています。 この風景が、10年前と全く同じ。 この日は、川崎競馬と佐賀競馬の馬券が売られていました。 スタンドの反対側、かつて馬が走るコースがあった側に出ることも出来ます。 もう、このまままた競馬やれや!っていう感じのたたずまい。 しかし…かつてコースがあった側に目を向けると…… コースはもうありません。 更地になり、一部は駐車場として整備され、その他の場所も現在造成中。 10年前にスタンドから同じ方向を撮った写真がみつかりました。 10年前。まだコースを馬が走っていた頃の荒尾競馬場 海の向こうの雲仙岳の姿は勿論、今も昔も変わりない。 ちなみに、その10年前に馬たちが走っていた頃の競馬場の風景 2011年3月17日の荒尾競馬場 同じく2011年3月17日 スタンドの脇から、この向こう側のコースがなくなってしまった方面に行くことが出来ます。 スタンド脇の通路。 この通路の傍らに、小さな石碑を見つけました。 石碑の脇の立て札。もう文字が殆ど剥げ落ちてはっきりとは見えないのですが…よく見るとこのように書いてあります。 「この記念碑は、荒尾競馬場創設の発起人である平川彦一氏・三村藤太氏・宮崎震作氏の三氏により、昭和三年の第一回荒尾競馬の施行から荒尾市と熊本兼の主催として施行されるまでの沿革を記すと共に、荒尾競馬創設三十八周年を記念して昭和四十一年五月二十日に建立されたものです。」 石碑には、このように刻まれていました。 (一部大変かすれているので、読み間違いもあるかも)「大正十五年八月一日 宮内出目海水浴場ニテ三村宮崎平川競馬場設立打合セ 中島昭寛代議士 祐野鶴平氏ト會見 設立願ヲ八月五日縣ニ提出ス 畜産組合聯合會長三善信房氏介入 昭和三年三月二、三、四日第一回競馬施行 地元有志三十名倶楽部組織ヲ行ヒ聯合會ト合同挙行 観衆三萬余 盛會ナリ 九年八月縣畜産組合聯合會單獨開催トナリ 平川彦一地元代表トシテ監督依願セラル 十二年七月馬匹組合聯合會ニ改組廿三年五月法律改正 熊本縣廳 荒尾市役所主催トナリ??邦彦参与シ現在ニ至る 其ノ間三十八年也 之ヲ紀念シテ昭和四十一年五月廿日之ヲ建設ス」 この場所で初めて競馬が行われた昭和3年3月2~4日の開催で、観衆が3万人あまり。1日あたり1万人としても、大変な盛況だったと想起されます。 確かに、この場所に「競馬があった」ことの証…… 駐車場側から見た、スタンド全景 駐車場の奥、海に近い方角に、新たな建物が建設中 実は、競馬場廃止から10年経って、ようやくこの競馬場跡地を中心とした再開発の計画が動き出しているようです。それに伴って、ここまでご覧頂いた旧荒尾競馬場の施設は全て撤去され、現在運営している場外発売所・BAOO荒尾も来年6月には新たに建設されるこちらに移転することになっています。 特にお願いして、工事現場を見せて頂きました。 年明け1月にはまず建屋の外観が完成して、仮囲いが取れる予定だとのこと。 平屋建てですが、屋根部分の一部には、有明海を望むことが出来るテラスも設置されると聞いています。 BAOO荒尾リニューアルを知らせるポスター 確かに、この場所にはかつて競馬場があって、馬が走り、人々が集っていた。 その「痕跡」を改めて目の当たりにして… なんて言うかな…… 競馬って、何だろうって。何のためにあるんだろうって。 そんなことに思いを致さずにはいられませんでした。 その競馬の「痕跡」も、もうまもなくこの世から消えてなくなります。
2021年12月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週末の12月5日日曜日、佐賀競馬場にお邪魔してきました。 「Green Dream」さがけいば とはいえさすがに季節は冬で、向正面の木々の緑も一部はオレンジ色に染まっていました。 やっぱり…九州に来ると、北海道や本州とは、空の色が違うなーって感じます。 同じ青空でも、青の種類が違う。光の色そのものが違う。 空気は冷たくなっても、空の色と日差しの暖かさは、まさに九州のそれでした。 この人の話を聞かないとな! 門別から短期移籍で佐賀に来ている、若杉朝飛(あさと)騎手 19歳 11月24日に浦和で行われた、ヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンドで見事勝利をあげ、大逆転でファイナルラウンド進出を決めました。 門別で、苦労して苦労して、半年で1勝しかあげられなかったのに、このように「肝心なところ」で勝てるとは、見ているこちらもびっくり。 「前の馬がどんどん行って、位置が少しずつ下がったんですけど、ああこれは前が随分行っているんだなと思いましたし、焦ったり慌てたりということもなかったですね。あとは、どこを突いていこうかとか余計なことを考えずに、とにかく馬の力を全部出すことだけに集中していました。」 レースを振り返って、こんな風に話す若杉騎手。 「いまの自分は、一度にたくさんのことを考えてやろうとしても、無理だとわかっています。だから、とにかくいまできることをやろうと。いまはそんな風に考えながら乗っています。」 そう衒いなく語る若杉騎手。 少し環境を変えて取り組む間に、少しずつ見えてくる「自分」というものを感じているようでもありました。 取材の前日、12月4日には、8Rをリュウジンで勝利 自身の通算3勝目を挙げました。(写真はイメージです。そのレースの写真ではありません) 佐賀での騎乗が年末まで、と思っていたら、その翌日に大井、そして中山。 最後まで駆け抜けたとき、彼にとってのこの2021年っていう年が、どんな風に感じられるのでしょうか。 そこで感じた思いを携えて春を迎えた彼と、また門別で会えるのが楽しみです。 この方が、どんどんと勝利を重ねています。 山口勲騎手 51歳 この日も1R(写真)と8Rで2勝 先週末の開催が終わって、地方競馬通算勝利数が4995になりました。あと5つで、ものすごい区切りを迎えることになります。(他にJRAで1勝) 主催者広報さんが、Twitter上で「ほとパーメーター」っていうのをやっています。山口勲騎手の様々な表情が窺える勝利の写真とともにカウントダウンが進行中。「#ほとパーメーター」で検索してみて下さい。 しかし…「ほとパー」って……うまいことキーワード嵌まってる(笑)。 4コーナーの攻防 ここまでに脚を温存し、チャンスある位置を取れているかどうかが勝負の分かれ目 さて、この日12月5日のメインレースは、古馬の1400mの重賞・佐賀ウインターチャンピオンが行われました。 先行争いのあとの最初の1コーナー ロトヴィグラスが先手を主張してハナ 少し後ろにチェキラ(内)とスーパースナッズ その後ろの3列目の内が1番人気のミスカゴシマ(白帽) テイエムノサッタやノーフィアーが外に並んで好位はひとかたまり。 うちを空けなければならないコースで、1番枠を引いてしまった1番人気のミスカゴシマは、2コーナーを回りきるところまではこのような感じで内に押し込められる格好。ちょっとマズいのかな…と思わせるシーンもありましたが、向正面で外に出す僅かなチャンスを、馬も人も見逃しませんでした。 最後の直線。に蹴出しを図るミスカゴシマ(内から3頭目)に 後方待機のタガノキトピロが、襲いかかりましたが… 最後は、ミスカゴシマが半馬身凌ぎきって勝利 ゴール後、普通は向正面で減速したら1コーナーの方に戻って来るのですが、このときはそのまま4コーナーの方から正面のお客さん方の前を通って「ウイニングラン」 地元の記者の方からは「石川慎将騎手、いつもじゃないんだけどやるんだよね~」と教えてくれました。しまった…知らなかった……。 石川慎将騎手のレース後のインタビューの模様は、佐賀競馬公式のYoutube動画でご覧下さい。 平山宏秀調教師(写真中央)の話「1番枠は心配だったけれど、うまく乗ってくれました。最後は詰め寄られたように見えるかも知れないけれど、寄って来られたらまた自分で出て行くタイプの馬なので、来てくれたのはむしろ良かったと思います。これだけの馬、勝ててホッとしています。」 石川慎将騎手の話にもあるように…文字通り佐賀競馬を代表する馬として活躍を続けるミスカゴシマ。自場だけでなく他場への遠征も積極的に挑戦して存在をアピールしています。 この日のパドックでのミスカゴシマ 「いつも自場ばかりで走っていたら、相手も同じでレースの『形』が変わらないから…遠征にも出かけて他場の馬とも戦うことで、馬は強くなると思うんです。」 平山調教師は、常々そんな風に話しています。 それを実現できる強さがあるのが、ミスカゴシマの魅力と言えるでしょう。「この馬は、厩務員がすごく手をかけてやってくれてます。朝の運動だけでなく、昼にも2時間ぐらいマシンに入って運動させるぐらい。日頃から他の馬の5~6倍は運動しているんですよ。この馬にはまだ強くなる余地があると思っています。」 …と平山調教師。ミスカゴシマの強さを裏付ける話でした。 佐賀競馬の年末の大一番・中島記念(12月26日)のファン投票では、堂々の1位に推されたミスカゴシマ。気になる次走なんですが… 「ファン投票1位という期待に応えたい気持ちもあるのですが…強い遠征馬もやってくる年明けのゴールドスプリント(1月10日 1着賞金500万円)に挑戦させたいと思います。」 ゴールドスプリントでは、佐賀地元勢の代表として、遠征勢を迎え撃ちます。 さて… 来週はどこの競馬場の話にしましょうかねぇ……
2021年12月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週は、11月18~19日の名古屋の話題をお伝えしたのですが… そのあと、笠松に出かけたり…… 11月24日笠松グランプリ当日 最終レースの風景 「ばんスタ」のお仕事に呼んでもらって、帯広にお邪魔したり… イルミ輝く帯広競馬場 あちらこちら巡っているうちに… 名古屋競馬場に戻ってきました(汗) 先週お伝えした東海菊花賞が、前の開催の最終日。 笠松の開催を挟んで、昨日11月30日が、今週の開催の初日。 2歳の重賞・ゴールドウイング賞(SP1)の取材に出かけました。 名古屋も、大分寒くなってきましたが…皆さん元気。 名古屋のレジェンド・丹羽克輝騎手62歳 11月の最初の週の開催は、なんとリーディングでした。 今年ここまで56勝。昨年が37勝ですから、今季の奮闘を数字が裏付けていますね。 「からだが、えらい……」 顔を合わせるたびにそんな風に冗談で言う彼。 しかし、レースの方では連戦、ファイト溢れるプレーを見せています。 真ん中6番が、丹羽克輝騎手 この日は勝利がありませんでしたが、敗れたレースで上がって来て馬の感想を述べた後「この馬の力で、最高のレースは出来た。」…と、そのレースごとに「ベストを尽くす」ことにおいて、ブレはありません。 先日はカツゲキキトキトでの勝利もあったように、「馬を動かす」彼のプレーぶりから、目が離せません。 こちらもベテラン、戸部尚実騎手 58歳 先々週の東海菊花賞のときの勝利騎手インタビューのお礼をこちらが述べると、その話を振り返ってこう補足してくれました。 「今年、(重賞の)SP1を、5つも勝ててるんだよね…先週の馬(ナムラマホーホ)も、その前の名港盃と自分が重賞の時にタイミング良く乗って勝っているし、急遽頼まれて乗った大井の馬(ノーブルサターンの梅見月杯)でも勝てたしね。」 流れの良さを感じている様子でした。 ちなみに、あとの2つはブンブンマルでのスプリングカップと中京ペガスターC。 この日も、10Rのセイペイシェンスで鮮やかな勝利 昨日のレースが終わった段階で、通算3000勝まであと12。 年内の達成もありそうです。 いい流れのまま、年末まで駆け抜けていけるよう、期待しつつ注目しています。 加藤聡一騎手 26歳 実は前開催で、少し長く話が出来ました。でも、話したその日がやや奮わない成績だったので、もっといい流れの時に取り上げようと見送って今回。昨日11月30日は6R7Rで2勝の活躍でした。 笠松にも積極的に攻め馬を手伝いに行き、レースでも騎乗依頼を受けて活躍。先週の笠松開催でも開催4勝の活躍。 「自分なりには、これから騎手としてどういうことに取り組んで行くべきか、いまは凄く考えていますよ。」 ただ毎日攻め馬に乗って、名古屋と笠松で頼まれたレースに乗る日々を、漫然と過ごしていていいのか。こういうことは、彼だけではなく、どんな仕事を生業にしているひとでも考えることでしょう。いまの彼は、多分そういうことを考えるべき時だし、出来ることがあれば取り組んでいいときだし、思ったときがそういうことの好機なのかも知れません。「まずは、年内に通算500勝。しっかり決めたいですね!」 その区切りまで、昨日の競馬が終わった時点であと9。 その道しるべを過ぎたその向こうに、彼は何を見据えて歩いていくのだろうか。 すごく気になるし、見届けたい。 いま、そんなふうに思わせる、とてもいい「お年頃」の彼です。 さて、ここからは馬の話。 昨日の4レースで、現役最高齢馬のヒカルアヤノヒメ(17歳牝)が、またひとつ戦歴を重ねました。通算298戦目。 ちょっとゴトゴトとした歩き方ではありますが、とても元気 どうしても寒くなると調子が落ちる傾向がある馬。いま、少し毛が伸びてきた印象はありますが、まだまだ姿を見ると活気が感じられます。 内側がヒカルアヤノヒメ 無事に、そして元気に帰ってきました。 「何とか、(4月に移転したあと)弥富でレースを走らせたいんだよね…」 …とは、管理する井上哲調教師。 それまで元気に頑張って欲しいものです。 クラス的には、JRAから来た3歳馬とかと戦わなければならず相当苦しいところですが、今回も姿を見ることが出来てほっこりとした気持ちを味わうことが出来ました。 8R 名古屋に大物がやってきました。 この日のオープンの特別(1400m)が転入初戦。 アマクミナイデヨ・2歳牝 今津博之厩舎 門別でデビューし、フレッシュチャレンジ(JRA認定新馬)とオープンで2連勝したあと、重賞のフルールカップで3着。この実績をひっさげてくれば、注目しないわけにはいきません。 直線半ばで、概ね勝利確定 戦前から「負けられんでしょう」と語っていた大畑雅章騎手。 無事に緒戦を終えて、喜びと安堵が合い混じった表情で帰還。「3コーナーでちょっと気合いをつけたら、すーっと加速していった。ギアはもっと何段も上がると思うし、まだまだこれからの馬。」 管理する今津博之調教師は 「ものすごく期待している馬、ではありますが…調教でも、今のレースでも、妙に折り合うところがあったり、まだ緩いところもあるので、本当にこれからどう成長していくか、というところだと思います。距離も、今のところは短い方がと感じているので。」 一応、年末の笠松・ライデンリーダー記念。 今のところの目標は、来年春の全国交流の若草賞だそうです。 さて、この日のメインレース。 ゴールドウイング賞は、名古屋年内唯一の2歳馬重賞で、距離は1600m 3コーナーからスタートして、最初のスタンド前 大方の予想通りミトノオオイ(3番)内目の枠から先手主張。 ただ、7枠のパピタ(9番)とレイジーウォリアーがピタッとついてくる。 1番人気のエムエスムーンは、超不利な大外枠からの発進。立ち回りで行為の内目の位置は取った者の、「ガッツリかかってしまって…」(村上弘樹騎手)このあと力を発揮できず。 勝負所で隊列が一気に縮まってきて、直線では大混戦の攻防になりました。 外からまくり上がって来たのが、シノジマニヨラサイ(一番外の黄帽) エムエスムーン(桃帽黄服)は外に持ち出したものの伸びず やって来るのはその後ろにいる笠松のドミニク(桃帽赤袖服) 外から2頭が伸びて… ドミニクが僅かに先着 シノジマニヨラサイが大健闘でしたが惜しくも2着 その後ろ、内にいるレイジーウォリアーが3着 風貌からして相変わらず「勝負師」の雰囲気を醸す、向山牧騎手 この日も、いい仕事をしました。 向山牧騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 管理する後藤正義調教師(写真一番左)のところには、同じオーナーの所有馬で現在3戦3勝のシルバがいます。2戦目で対戦したところでオーナーと「使い分けていこう」という話になっているとのこと。いまの時点での距離適性で、年末のライデンリーダー記念はシルバ。ドミニクの次走は少し距離のあるところを窺って、ということになりそうです。 年明け1月18日に名古屋で行われる1600m戦・新春ペガサスカップあたりに登場するかも知れません。 最後に、調騎会をまとめる後藤正義調教師に、聞きました。 「とにかく競馬が再開されて良かった。まだまだ苦しい状況は続いているけれど、こうやって今回のように、一つひとつ結果を積み重ねていけば、いずれ理解されるときが来ると思いますから。自分たちに出来ることはそれだけです。」 次週はまた、どこかの場所の取材リポートをお届けしますね。 どこかな…??(笑)
2021年12月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週の名古屋競馬場は、本当に様々な出来事がありました。 宮下瞳騎手の国内通算1000勝達成 ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド 重賞の東海菊花賞 それぞれの合間に、レースを巡る様々なこと… 宮下瞳騎手の通算1000勝は、本当に多くのメディアで取り上げられていました。達成した18日木曜日だけでなく、記念セレモニーが行われた翌日も、多くの報道関係者が訪れてその様子を取材していきました。 11月18日 2R リアルスピード 一番右、宮下瞳さんの「1」のポーズはわかるが… 厩務員さんの「2」のポーズはなんだろう(謎) 一番左が、所属の竹口勝利調教師 その右が、馬を管理する藤ヶ崎一人調教師 あまり伝えられていなかったことをひとつ。 この日の記者会見で、将来について聞かれた彼女。こんなことも話していました。 「調教師もやってみたい」 周囲には、そのようなことを話す機会はあったそうですが、私はそれなりに長らく取材したり、トークショーをやらせて頂いたこともありましたが、「調教師」って具体的に聞いたのは初めてでした。 折しも、翌日には高知の別府真衣騎手が調教師試験に合格と発表されました。浦和の平山真希調教師は、騎手を引退した後すでに10年にもわたって活躍しています。 そういうことについても、女性を特別に取り上げる時代の終わりは、近づいているのかも知れませんね。 11月19日に行われた、記念セレモニーの様子。 多くのお客様方の祝福を受けていました。 ん……?? よく見ると、レースで見かけなかったふたりの姿が… 怪我で欠場中のふたり。セレモニーには駆けつけていました。 左・今井貴大騎手(レース中の事故で負傷) 右・村上弘樹騎手(調教中に負傷) 今井騎手は背中を負傷。次週(すなわち今日)の笠松でトミケンシャイリが出るのに合わせて復帰の予定と話していました。(その言葉通り、今日復帰しました。) 村上弘樹騎手は、首を痛めたとのこと。もう1ヶ月休んでいますが、来週の名古屋開催から復帰の予定。「ゴールドウイング賞には乗らないと」とは、本人の話。やはり同様に、期待するお手馬の存在が、復帰への大きなモチベーションになっている様子でした。 竹口勝利調教師から花束を受け取る 写真左後方は、兄弟子の宇都英樹調教師 何にしても… 一つの、とても大きなイベントでした。 18日木曜日の、ヤングジョッキーズトライアルラウンド。 リポートは地全協のHPなどでも伝えられているので、ここでは外伝を。 朝一番、同期ツーショット。 左が、昨年のこのシリーズでは大活躍した、細川智史騎手。 今年もファイナルラウンド出場をかけて、この日が勝負駆け。 右、笠松の深澤杏花騎手は、今年前半の笠松開催自粛の影響で、ヤングジョッキーズシリーズに出場できませんでした。「出たかったのに…」と残念そうな表情を見せていました。 同期・細川騎手には「是非ファイナルに乗って欲しい」とエール。 丁度、宮下瞳騎手1000勝達成の日と重なり、ヤングジョッキーズシリーズに乗りに来ていた女性騎手にも記者の方から「是非話が聞きたい」というオーダーが出ていました。 右が、高知の濱尚美騎手 左は深澤杏花騎手。 宮下瞳騎手の活躍について「自分には想像もつかない」と話すふたり。 深澤騎手は同じレースに乗っていて、「後ろからだったけど、聞こえてきた実況で(宮下騎手が)勝ったとわかって、すごい!と思って見ていました。」と。 レースでも、色んなことがありましたが… 勝ったのはこの二人。 金沢の金子千央騎手と、魚住謙心騎手 二人揃ってファイナル進出決定とは凄い! インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 明けて翌日 11月19日金曜日には、古馬1900mの重賞・東海菊花賞(SP1)が行われました。 向正面から、馬場を1周半するコース。 序盤から、各馬の駆け引きが際立つ流れになりました。 最初のホームストレッチ 主張して先手を取ったタイガーアチーヴが引っ張る流れに、ナムラヘラクレス、シーアフェアリー、兵庫のコスモバレットらがついて行く展開。人気の北海道・チャイヤプーン(2頭並ぶ黄帽の外側)も、この集団の直後につけて大きな第1集団を形成。 第2集団は3馬身ぐらいあいて、ナムラマホーホ(写真右後方の緑帽)以下が続きました。 勝負所で、チャイヤプーンが絶好の手応えで前に攻め込んでいったときには、正直「この馬」と思いましたよ…後方の集団からはナムラマホーホが飛び出して前にとりつき、これも確かにいい脚ではありました。 一旦抜け出すチャイヤプーンだったんですが… 追い出されたら、やはり内にもたれて走るのもやめて減速。 松井伸也騎手の姿に、この馬を操ることの難しさが窺い知れます。 彼をして…ですから。 そこを、ナムラマホーホ しっかり伸びて、ゴール前差し切り 「勝ちに来たのに…残念……」と松井伸也騎手。「道中もったままでいるときにはスムーズに走るのに、いざ追い出すとああなってしまう。」と、改めて状況を説明しました。 臨場した村上正和調教師も「これは騎手のせいではないので…勝ちたかったが仕方ない。」と、無念の表情。自信を持っての遠征だっただけに、「来年の大目標は道営記念」というその行く先に向けての課題が、改めてはっきりと見えた一戦でした。 一方、勝ったナムラマホーホ 会心の勝利だったか、戸部尚実騎手も引き上げてきてこの笑顔 戸部騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 次週も、名古屋の話題で。 次の重賞は、11月30日火曜日に、2歳馬の重賞・ゴールドウイング賞です。
2021年11月24日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週末、久しぶりに佐賀競馬場に取材で訪れました。 5月の九州ダービー栄城賞の時以来ですから、半年ぶりの訪問。 「ほとめきナイター」開催中の佐賀競馬場。 1Rの発走は15時過ぎ。 日曜日のこの日は、老若男女幅広い層のお客様方が競馬場を訪れていました。来場客が老齢化して云々…的なことをよく言われますが、佐賀競馬場に関しては全くそんな雰囲気はありません。 JRAの各場メインレースも発売されておりました。 この日は、エリザベス女王杯で盛り上がっていました。 先週から、レースの映像が提供されるようになりました。 スタッフの方の話では、当然、お客様方の集まり方は全然違うと。 みんな、こうなることを待っていた。 というか、こうなったから、こうして集まって競馬を一緒に楽しめるようになった。 見た目明らかに20歳代、若者のグループ3人組に話を聞きました。 ひとりはネット投票でも参加していた、経験者。 もうひとりは、馬券を買うのが2~3回目ぐらい。 そしてもうひとりは、完全に初心者。馬券を買いに来たと言うよりは、始めて競馬場で馬が走るところを見に来たと。 場所があるからこそ、馬券を買うという「経験」も生まれる。 レースを走る馬を見るという「経験」にも繋がる。 お客さんと触れて味わった、久しぶりの感覚でした。 初めて、この人に会うことが出来ました。 加茂飛翔(かもつばさ)騎手 2002年7月生まれの19歳 先月デビューの新人ジョッキーです。 中学の時に、叔父さんに勧められて競馬場に入門した、という話は、別の取材で聞いていました。話してみると、その叔父さんも、騎手を目指して佐賀競馬場で働いていたとのこと。競馬場での様子も、そして「騎手を目指す」ということの実情も、全てわかっている方からの勧めだからこそ、この道をと思い定めた面もあるのかも知れません。 その後、騎手の養成課程に入学して、今に至る。「家族など周囲には反対されました。競馬場に入ることを勧めてくれた叔父でさえ『厳しい世界だ』と話しました。でもその時点では、もう騎手になりたいっていう気持ちは全く揺らぎませんでしたね。」 騎手という、人々から注目される世界で活躍したい。 そんな気持ちが、プロデビューするまでの彼を支えました。「入学したときに9人いた同期が、すぐに4人になって、最終的には2人ですよね。訓練時代に大変だと思ったことはないけれど、同期が減ってしまったときには正直、精神的来ましたね。どうなるんだろう…って。実際、最終的には2人なので、デビューしてレースに行って、大勢で走るのに慣れていなくて、そこは苦労しました。」「いくらいい騎乗で接戦しても、勝たなければ意味がない。よく(所属の)大島静夫調教師から言われます。自分もそう思いますし、いまはとにかく、一つでも勝つことと思っています。目標としてはちょっと大きいかも知れませんが、飛田(愛斗)さんがマークした記録を目指したいです。」 その記録というのは、新人騎手のデビューから1年間での最多勝利記録127勝。 目指すものが身近にいる、ということも、彼のモチベーションを更にアップさせていることでしょう。「いま意識していることですか…そうですね……ゲートが難しい。ゲートの中でどうやって馬を御して、スムーズに出すか。色々やり方があるので。それを身につけないと。あとは、レースの中での仕掛けどころを意識して、丁度いいタイミングで仕掛けられるかどうか、レースのたびに確かめています。」 ズボンには、こんなかんじで「つばさ」の文字。 かわいく、赤い翼の絵も描いてある。「『飛翔』で『つばさ』って、なかなか読めないじゃないですか。とにかくいま、名前を憶えてもらわないとと思って作りました。」 加茂飛翔 = かもつばさ ご声援下さいね! 今週から、佐賀競馬にもう一人「新人」が増えました。 ホッカイドウ競馬から短期移籍でやってきた若杉朝飛(わかすぎあさと)騎手 門別閉幕後すぐに佐賀に移動して、すぐに翌週から騎乗しています。「門別よりも、朝が全然早くて…まずは早く生活に慣れることからです。頑張ります!」 とにかく、全て「佐賀流」で一度やってみて、そこから振り返ってみたときに、門別に帰って生きることが出てくると思うんですよね。とにかく、今はなりふり構わず、で、頑張って欲しいです。 出かけてみると、思いもかけず話題には行き会えるもので… 9Rで、倉富隆一郎騎手が区切りの1600勝達成! 自厩舎のダノンディアマンテ 馬も、2戦続けて惜敗のあと、待望の初勝利 プラカードを持っているのは、所属の川田孝好調教師 さて話は遡りますが…メインレースは夕方の6R 2歳馬の重賞・カペラ賞は、コースを1周半する、1800mで争われました。 これが最初のゴール板前を過ぎたあたり。 向正面ですこし牽制しあうような感じになりつつ、1番のストロングブックが内から先手。 直後にブルーデイジー(緑帽)とモーモーグリーン(桃帽)。 中団の内目にサンカハラ(2番)がいて、 その横に人気のタケノサイコウ(黄帽)と、ザビッグレディー(4番)が並びました。 勝負所で、タケノサイコウが行き始めると、直線ではあっさりと前に並びかけて… ここから交わし去る脚の速さが、目をひきました。 飛田愛斗騎手(服は馬主服です)、ゴール前で小さくポーズ このあと、馬の首筋をポンと叩いて馬をねぎらいながらのゴールでした。 もう、当たり前にこういう馬を依頼されて 勝つこと自体は当たり前ではないけれど… 周囲は驚かないよね、とくに(汗)。 デビューしてから、1年1ヶ月です、この人。 明日18日には、最初で最後のヤングジョッキーズシリーズ、最後のトライアルに望むべく、名古屋競馬場に参戦します。 「ファイナルに行けるように、頑張ります」…短く抱負を語っていました。 タケノサイコウは、JRAで夏に2戦しただけですぐに佐賀に移籍 佐賀ではこれで、土つかずの7連勝での重賞制覇となりました。 熊本産の馬だけに、こういう馬の活躍がまた話題になったらいいですね。 これから、九州も急速に寒くなってくる季節、ですが… またホットな戦いに触れるために、この場所を訪れたいと思っています。 次は月が変わってすぐ、あたりかな…。 明日明後日は、名古屋に出かけてきます。
2021年11月17日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 もう1週間前の話になりましたが… 先週木曜日の門別・最終日「外伝」 阿部流騎手 「今シーズンは?」と水を向けると… 馬に関してはやはり、うまく行った馬、うまく行かなかった馬、色々あるみたい。 ただ「今季、休んでなくない?」と尋ねると。 「ああ、そうですねぇ。」と。 レースや調教中の怪我のリスクもありますし、シーズン中の体調管理も大変なのが騎手の仕事。それらを乗り越えてのシーズン皆勤 「家族のおかげです」 体調面でも、気持ちの面でも、やはりそこ、ですよね。 もう見た目かなり摩耗している鞍なんですけれども… デビューのあと、初めて自分で買って使い始めた鞍を、いまでも大切に使っているとのこと。 思い入れがあるんですって。 抽選に当たってお越しのお客様方も、シーズン最終日を盛り上げて下さっていました。 写真右の10番キングスレジェンドが、追い上げて勝利 小野楓馬騎手 この勝利で今季87勝。最終的にはリーディング5位 今季の目標をクリアしました。 「3位ぐらいまであるかなっていう所にも痛けれど、桑村さんがまず抜け出して、落合さんも。最後はギリギリになってしまって…レースは、まだまだ日々勉強ですね。」 8Rアルマブレイド 五十嵐冬樹騎手(内)が勝利 彼にとって、どんなシーズンだっただろうか… たぶん、どこかでそれを話してもらう機会が、あるんだと思います。 11Rの道営スプリント ついに…この馬が…… アザワク(内) スティールペガサスを振り切って勝利 恐らく、これまでの彼女のレースの中で、一番のスタートダッシュ。 あれだけ飛び出して前に出られると、速度がある馬もそこからのしをつけて追いかけては行きづらいですよね…。この馬の持つ「武器」が存分に生きたレースだったのではないでしょうか。 パドックでのアザワク メンコとマスクがおそろいでした。 いよいよ最後の12R道営記念 往時には及ばないけれども… こうしてコースの際にお客様方が並んでレースを待つシーンには、少しだけ胸が熱くなりました。 レースの方は、もうクインズサターンの独壇場 こちらは、2着のオタクインパクトと宮崎光行騎手 クインズサターンの直後の位置を取り、勝負所からは一緒に動いて「もしかして!?」の見せ場を作りました。 さすが勝負師・宮崎さん 表情には残念さもにじんでいるように見えますが…最後に魅せてくれました。 上がって来て、勝利の喜びを分かち合う落合騎手と安田武広調教師 安田武広調教師 競馬に関しては、文字通り「寝ても覚めても」のひと。 「夜中に急に思い当たることがあったり、様子が気になったりして、馬房まで見に行くことも良くありますよ。」 常々そんな風に話す、安田調教師。 常に考え、手を施し、そしてレースを使って「結果」が出て、また考える。 ひたすらそれを続けて積み重ねて、シーズンが進んでいくのでしょう。 「馬に関しては、いいことも、良くないこともどうしてもあります。でも、最後にみんなで笑顔になれるように、みんなで頑張っています。やはり競馬は、人ですから。若い人も頑張ってくれてここまでやってこれているし、またこうしてみんなで笑顔になれて良かったです。」 門別ではもう恐らく、来年を目指す馬たちが厩している頃。 このコースで次の世代を担う馬たちの姿を見る季節も、またすぐにやってきます。 人と、馬との縁を紡いでくれたこの場所に、感謝……。
2021年11月10日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 北海道に来ています。 緊急事態宣言が終わって1ヶ月。 再拡大防止のための営業制限も解除になりましたが… 祝日の夜と言うこともあって、街は閑散。 やはり、かつての活気がそのまま戻ってくるわけではないですね。 右を見ても左を見ても、同じような感じですから… 色んなことが「まだまだ」だし、「これから」なのかも知れません。 JBC当日。 昨年は、釧路に赴いて、ばんえい競馬の場外発売所で「サイレント予想イベント」でした。 今年は、いつもお邪魔しているAiba石狩で、ちゃんと言葉を発する(笑)場立ち予想で、お客様方とJBCデーを楽しませて頂きました。 設営した、場立ち予想会場 一緒にJBCを楽しんで下さったお客様方に、感謝……。 本場とはまた違う、JBCの楽しみに満ちあふれていました。 明日は、いよいよ門別のシーズンファイナル。 道営記念の下馬評では、あまりにも混戦過ぎて、一体どうなるんだろう…の重いが募るばかり。 あと1日か…時が経つのは、本当に速いですね。
2021年11月03日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 東京にいます。 渋谷・スクランブル交差点 世の中の雰囲気も少しずつ変わっていってはいますね。 でも、センター街とか正直全然人がいない感じ。 まだ「動き出したばかり」だからなのか。 やはり世の中は「元に戻ろうとはしていない」のか。 なんだかよくわからないですね。 競馬の世界は、変わってないです。ぜんぜん。 これもまた、動き出したばかりだからなのか、もう元に戻ることはないのか。 少し時間が経ってしまいましたが… 先週木曜日 10月21日の名古屋競馬場のリポートです。 名古屋市内 土古にあるこの競馬場で行われるレースも、もうあと半年足らずです。来年4月には、弥富市にあるトレーニングセンターに場所を移してレースが行われることになります。 なんだか、コロナのドタバタで、「もうじきさよなら」の雰囲気がいまひとつ盛り上がってこなくて…そこは、競馬場の広報担当の方も頭を悩ませているようです。 今やっている全ての重賞、この場書庫の条件では、最後なんだよね…。 私は、遙か太古の昔の(笑)社会人になりたての頃からの、この名古屋やこの競馬場との縁なので。感慨もありますね。 こういう「場所との縁」って、訪れたて関わったことのあるひとそれぞれにあるはず。そんな「縁」を実感しに、是非移転の前に名古屋競馬場を訪れて頂きたいと思っています。 遠方の方々は、恐らくそれが、この土古の競馬場を訪れる、最後に機会になると思います。大きなレースの時よりも、「いつものこの場所」が味わえる通常の開催の日に起こしになるのがいいのではないでしょうか。 この場所で、皆さんとお目にかかるのを、お待ちしていますよ! さて、この日のプレイヤー。 遠征でやってきた、この人に会うことが出来ました。 高知の多田羅誠也騎手 23歳 一昨年4月のデビューで、3年目 デビュー年48勝、昨年66勝と来て、今年はここまで49勝 「今年は怪我で休んでいましたからね。でも、勝率はいいはずですよ。」 確かに!そうなんです。 1月に腕を骨折して、4月まで3ヶ月間戦列を離れていてこの数字。 騎乗数が少ないので、勝率は昨年の11%から13%にアップしています。 これはもう純粋に、中身の濃い仕事が出来ていると言うことではないでしょうか。 「何とか残り2ヶ月半頑張って、昨年と同じ数字(勝ち鞍)にまではもっていきたいですね。」 どこかで見た、多田羅騎手のプロフィール資料のニックネーム欄に… たらちゃん…って、書いてあったんですよね。 なので、公認なのかなと思って水を向けてみました。 ほんとに「たらちゃん」でいいのかと。 「いいですよ。なんでそうなったかわかりませんけど(苦笑)。みんなに知ってもらえるなら。周囲の人たちは、普通に『せいや』とか『たたら』って呼びますけどね(笑)。」 そりゃそうだよね。「せいや」の方が、なんだかかっこいいし。 でも…どこかのイベントか配信かで、「たらちゃん、ブレイク中」って話したら、女性の初心者系の出演者には結構ウケました。なので、「たらちゃん」も悪くないのではないかと。 ということで、皆さん「たらちゃん」ということでお願いします。 その、たらちゃんも勿論出場した、今年のゴールド争覇(SP1・1400m) 11月に行われる、この距離の全国交流競走としては大一番に当たる笠松グランプリのトライアルということもあり、地元東海勢だけでなく、各地から精鋭が集いました。 賑わい、やや戻る 最初のゴール板前 川崎のドンフォルティス(先頭の桃帽)がスタートダッシュ良く、外から先行争いにあっさりと決着をつけました。すると、更にその外の大外枠だったダノングッド(2番手の桃帽)がこれに追随するように番手。1番人気のトーセンレビュー(写真中央の桃服橙帽)は、この2頭を行かせて直後の好位で位置を取りました。その外にいる黄色帽がカツゲキキトキト。 終わってみると、この序盤の「展開」が勝負の鍵となりました。「いつも動き出しに苦労する馬が、今日はすぐに反応して出て行けた」(多田羅騎手)というダノングッドが、勝負所から進出。直線入り口で楽々と前に並びかけ、これを巡って他馬が追いついていけるかどうかという攻防になりました。 上がって来た多田羅誠也騎手も、この満面の笑顔 会心のレースだったことでしょう。 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬公式Youtubeチャンネルの動画でご覧下さい。 別府真司調教師は… 「高知で走っていても(同厩舎の)スペルマロンが強いので勝つのは難しい。こうして遠征で勝てたのは本当に良かったと思います。せっかくこうして勝てたので、次は笠松グランプリに挑戦するつもりです。」 実は…高知にはコロナのこともあり最近出かけられていないのですが、別府調教師とは高知に私が出向かなくても、名古屋に遠征してきているので、本当によく、それこそ毎開催お目にかかっているような感じです。四国からなら車だけで移動できるとは言え、高知から名古屋までの輸送は自場で走るのとは違い確かに「遠征」。それを何度となく、そして難なく普通にこなせる「チーム力」も、見逃すことは出来ません。 今回は、南関東からも多数参戦していました。南関にはない「適鞍」を求めて、チャンスがあると思えばこうして多少の輸送による遠征は、それが出来るチームにとってはもう当たり前のこと。名古屋には全国交流競走も多くあるので、「今年名古屋○回目だよ(笑)」という話も調教師から聞かれるほど。 人の経験値、そして馬の経験値。 そういうことを改めて感じさせられたこの日の結果でした。 名古屋は、来週の開催は重賞なし。 次の重賞は、11月19日の東海菊花賞です。 あ、その前に… 明日28日は笠松で、2歳牝馬のラブミーチャン記念ですね。
2021年10月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この週末は、帯広に行きました。 帯広に行く道すがら、ちょっと寄り道して夕張に寄りました。 紅葉が楽しめました。 大体、こんな感じの位置関係ですね。 道路の脇も、少し奥の方に行けばこの色づき加減 シューパロ湖 夕張市街 町中を流れる川岸 街から少し下りてきて、新夕張駅近くにて 思いもかけず特急列車が来ました いずれの写真も、撮影したのは先週土曜日なんですけれども… この週末から週明けに駆けての冷え込みで、紅葉もこのあと大分進んだのではないでしょうか。 太田アナウンサーも伝えられているように… 北海道は、もう冬の装いになっています。 先週木曜日 エーデルワイス賞当日の門別競馬場 お客様をお迎えできたことは、本当に良かったです。 事前に応募された方500名に限って入場可能 11月3日のJBC2歳優駿当日 11月4日の道営記念当日 いずれも、事前の入場の募集は締め切りとなりました。 当日は、抽選に当たり連絡が来た方のみ入場できます。 門別の場合、そんなにたくさんお客様がお越しになるわけではないのですが… それでも、人がいるのと全くいないのとでは、場所の「雰囲気」が違いますよね。 3年目の若手・小野楓馬騎手が、シーズン終盤に正念場を迎えております。 この10月14日は、1レースをファンスマイルで勝利 ひとつは、シーズン始めに立てた目標の「リーディング5位以内」 ひっじょーに微妙な、ポジションに来ております。 昨日19日のレースが終わって、小野楓馬騎手81勝で4位。 でも80勝で五十嵐騎手 79勝で落合騎手 目標までは、もう一踏ん張りですね。 もう一つ…この日話したのは「今年中に、何とか通算200勝を達成したいですね」 こちらは、昨日19日のレースが終わって、あと5勝です。 まずは無事にシーズンラストまで乗ること。 そこで結果を振り返って、彼が何を感じるのか。 また話が聞ければと思っています。 エーデルワイス賞は、まれに見る激戦になりました。 最後の直線 勝ったスピーディキックは… 重なってますが、左から4~5頭目 よく差して来たよね…ここから…… 岩橋勇二騎手 レースの後、この日は笑顔で帰還 この馬で彼がリリーカップを勝ったときに、私は門別競馬場にいなかったので… なんだかようやく、岩橋騎手が笑顔で引き上げてくるところに立ち会えたような気がしました。 例えば、栄冠賞で惜敗したあたりのシーズン前半には、想像もしなかった流れなのかも知れません。 これが競馬っていうことだし、仕事ってそういうものなのかもなと。 とにかく、信じる物事を続けていくこと。 その先に何があるかは神のみぞ知るところなのかも知れません。 でも……なんかあるんだよね。やっぱり。信じて、続けているから。 シーズンも終わりがけのここで、岩橋騎手からなにか胸に迫るような「メッセージ」をもらったような気がしました。 メインレースの後の最終レース 勝った服部茂史騎手を、マフラータオルを掲げて出迎えるファンの方。 声を出して応援してはいけない。 なので、これが今の時代の応援の仕方。 熱心なファンの方々の姿にも、本当に頭が下がります。そして、私も感謝。 明日21日木曜日の門別は、2歳牝馬の重賞・ブロッサムカップ。 でも私は…たぶん名古屋にいると思います。 来週は、恐らく名古屋でのお話をお送りします。
2021年10月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、一昨日10月11日月曜日、重賞の「秋の鞍」が行われた、名古屋競馬場でのお話です。 早速ですが…今週の笠松プレイヤーズ。 プレイヤー取材に行けない笠松のプレイヤーを、名古屋で発見する都度取材するコーナー。 前回の大原浩司騎手に続いての登場は… 深澤杏花(ふかざわきょうか)騎手 まだ19歳だ…。 昨年4月デビューで2年目。 笠松の開催が再開されて3開催で、5勝。 昨年デビューしてから年末までで13勝でしたので、「勝つ」ことの経験は少しずつ、しかし着々と積み上げている感じがあります。 この日は、名古屋所属馬3鞍の騎乗がありました。 前の名古屋開催でも、4日間の開催で10鞍乗っていました。「笠松の開催が終わった後の日曜日は休みなんですけど、(名古屋競馬の)弥富トレーニングセンターに調教の手伝いに行っています。未明の2時に出発して、ゆっくり行って3時半到着。大体10頭ぐらいですね。営業っていう意味もあるんですけれど、笠松で乗るのとはまた馬の感触が違っているので、勉強になります。トレセンなので馬が落ち着いているな~って。」 「実際、名古屋も人手が足りないみたいで、調教に乗ればありがとう、って言ってもらえますし、こうしてレースでも騎乗依頼をもらえるので、本当に有り難いです。いまは、お休みよりもとにかく馬に乗ること。馬漬け、ですね(笑)」 レースのあと、調教師に馬の感触を報告 「今から思えば、デビューしたあと笠松が休催になる前までは、攻め馬してレース乗って、の繰り返しが、流れ作業みたいになってた部分があったかなって、今思うとそう感じます。それが、笠松が休催になって、レースがなくなって…」 自分は、何なんだろう… そう思いながら、レースのない日々を暮らしていたそうです。攻め馬はあって、馬には乗るのだけれど、自分は誰?何の職業の人?と、ずっと問いかけながら過ごしていたと。「いまこうして笠松でもレースが始まって、笠松がなくならなくて、本当に良かったと思っています。自分は今のところ、性格的なものも含めて、笠松でないとやっていけないと思うから。」 いまは、馬に乗るしかないから。 …そんな風に、シンプルに意気込みを話してくれました。 「まだまだ未熟なんですけど…応援よろしくお願いします。1番人気とか、注目されている馬で飛びすぎなので、そういう馬でしっかり乗れるようにいまはなりたい。頑張ります!」 この日は、久しぶりに現役最高齢のヒカルアヤノヒメ(牝17歳)にも騎乗 さて、メインレースは、3歳馬の1400m戦・秋の鞍(SP1) ちなみに、今年の全国の全重賞の中で、タイトルに助詞の「の」がつくのは他に… 金沢「お松の方賞」 高知「金の鞍賞」 …この2つだけ。 このレースは「賞」とか「盃」とかすらつきません。 インパクトのあるタイトルだ! 昨年からレース自身の路線変更で、距離は1400mに、そして今年は1着賞金800万円と、「楠賞指定競走」のサブタイトルを待つまでもなく、この路線の3歳馬たちの頂上を目指す戦いまさに「セミファイナル」の位置づけが明確になりました。 今年も、兵庫1頭、高知1頭、大井3頭と、他場からも多数参戦し盛り上がりました。 最初のゴール板前 東海ダービー馬・トミケンシャイリが、外目の枠から機先を制してハナへ。 1番人気の兵庫・イグナイター(写真中央の黒帽)は、好位グループの内目で機を窺う 勝負所の3コーナー手前から、イグナイターが仕掛けてトミケンシャイリに襲いかかっていくのですが… 直線で、再度突き放すトミケンシャイリ(この写真は、主催者広報からご提供頂きました) 今井貴大騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。(この写真は、主催者広報からご提供頂きました)「今日は朝から、逃げばかり決まる馬場だったので、(竹下直人)調教師と話したところ、この作戦で自分とイメージが一致していました。本当は、前走のように中団で控えるレースがしたかったけれど…今日は勝つにはこの戦法でした。でも、あの控えて差すレース振りが素晴らしかったので……」 私も同感です。前走のオープン、行きたがるところをなだめながら進み、追い出されると放たれた矢のように伸びて快勝! この馬は、まだまだ秘めているものがあるように思います。 楠賞へ向かうかどうかは微妙ですが、地元東海でも秋には笠松グランプリという大きなレースがあります。これからの動向が注目されます。 一方、1番人気に推されたイグナイターは。2着… 笹田知宏騎手 残念そう…「好位の内から、というのはイメージ通り。外に出していくところもスムーズでしたし、仕掛けていくタイミングも思った通りだったのですが……並び駆けたところで相手がもう一度加速していきました。今日の所は、相手が自分より走ったと言うしかないですね…。」 1頭だけ馬群から飛び出してトミケンシャイリを追いかけていったシーンは、この馬の力を示した走り。実に見応えがありました。園田に行って、更に走りがグレードアップした印象。 次走は楠賞でしょうか…いずれにしても、やはり目が離せない馬ではあります。 大山真吾騎手 大井のミラコロカナーレに乗って、3着 「スタート直後に挟まれてしまって、位置取りが悪くなってしまいました。終いは伸びていますし、力のある馬だと感じました。」 高知から、西日本ダービーに続いての名古屋参戦となったブラックマンバは、4着。 岡村卓弥騎手の姿も、また目にすることが出来ました。 「この大外枠だったので、後方からになってしまいましたね。後半は外を回りたくなかったので、間に行きました。あとちょっとで3着、あるかなと思ったのですが…でもこのメンバーでよく走ってくれていますよ。」 やはり、全国交流のレースは面白いですよね。 それぞれの馬たちが、各々キャラクターを競って走る、まさに「力試し」。 この日も名古屋では、それぞれの人馬が、それぞれのパフォーマンスを見せてくれました。 明日は、門別でエーデルワイス賞か… あまり寒くならなければいいのですが…
2021年10月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週、9月30日木曜日 緊急事態宣言が全国的に解除される、前日。 名古屋競馬場は折悪しく、そのタイミングで重賞競走の開催日でした。 勿論、無観客。 願わくば、無観客開催最後の日……。 翌日10月1日からは、お客様方をお迎えして開催されています。 先日新規開業した沖田明子調教師が、前日9月29日に初勝利をあげました。 (写真 主催者広報提供) 写真左からふたりめが、沖田調教師。 インタビューの模様が、名古屋競馬公式Youtubeに上がっていますので、ご覧下さい。 私も、取材に出かけた日に話を伺うことが出来ました。「初出走とか初勝利は、やはり嬉しいですね。今年中…っていうのは難しいと思うので、年度替わりの来年3月までに、10勝出来ればと思っています。そうできるように、いまは『地盤』をしっかりと作っていかなければと思っています。」 先週ご紹介した、門別の森山雄大調教師とか、この沖田調教師、あと名古屋には榎屋充調教師も30歳代。こうした厩務員出身の若手の調教師が、志を持ってこの道に進んでいくことが、とても大切なことだと思うんですよね。騎手を経由して、だと、どうしても調教師としての稼働時間が短くなりますし、また騎手というそれでなくてもすごく特別な職業から更に特別な職業へ、では、どうしても調教師へのなり手が少なくなる。 大勢いる厩務員の方々の中から、調教師を目指していく人たちがもっと増えていくことが、層を厚くするためには大切なことではないでしょうか。(写真 主催者広報提供) 「いま、厩舎にはスタッフが二人います。こないだ面接してまた一人、若い人も入ってくる予定です。そういう自分よりも若い人たちが、自分の姿を見て『自分もやってみたい。調教師になりたい』という仕事をしたいと思うんです。」 名門の錦見厩舎で厩務員をしていて、名門だからこそ馬に関する経験はものすごく積めても、そういう雰囲気は醸成されにくい中で、ここまでしてきたのかも知れません。だからこそ、馬に関することは学んできたことを生かしながら、厩舎の雰囲気はまた別の流れを作りながら、という思いもあるのかも知れません。 新しい風が、吹きはじめている。 そんな感じがします。 超久しぶりに、この方にお目にかかることが出来ました。 笠松の大原浩司騎手 いま笠松では、取材で出かけてもプレイヤーの話を聞く機会は殆どありません。なので、笠松に出かける機会も自然になくなってしまっていて、自ずと笠松のプレイヤーの話をここでご紹介する機会もなくなってしまっています。 この日は、大原騎手が2鞍乗りに名古屋に来ていて、きちんとお話しを伺う僥倖に恵まれました。 「残ったみんなで、前を向いて頑張れています。攻め馬の数も多くて大変なこともあるけど、それもレースがあるからのことと思うと、いまはモチベーションが違いますね。」 「自分は、周囲のおかげもあって、たくさん乗せてもらって勝たせてもらって、ありがたいです。」とも。9月から競馬が再開して、ここまで11勝の活躍。 何より、この笑顔が見られたことに…ほんとうに救われました。 「ここから先、もうやるしかないので」 彼の話の最後の一言が、とても印象に残りました。 名古屋リーディング2位の今井貴大騎手が、年間100勝に到達しておりました。 「引き続き、例年以上にいい流れで来ていると思っています。130勝は行ったことがないと思うので、そこを目指して」 突然ですが、今日の「レジェンド」 丹羽克輝騎手 62歳 勝って上がって来て、ポーズも頂きました。 この日も2勝して今季38勝。 早くも昨年の勝ち鞍を超えました。 いつも一生懸命、が口癖の彼。 馬、動かしちゃうんですよね…気持ちのなかなか入らない馬とか。 なので、騎乗依頼も絶えないんでしょうね。 私は、取材に出かけて彼の姿に触れるたびに、気合いを入れられております(汗)。 彼がいるから、私も頑張れる。そんな思いで見ていられる人のひとりです。 この日のメインレースは、北陸・東海交流のベイスプリント(1400m) 金沢から3頭が参戦して、フルゲートになりました。 予想通りサノマナが先手 その直後にタイガーアチーヴ 先団の後ろに、カツゲキキトキト(緑帽・丹羽騎手) 1番人気のナムラマホーホは中団(写真右端 青帽岡部騎手) 勝負所でカツゲキキトキトが、前走から手綱を取る丹羽騎手の叱咤に応えて前に攻め込んでいき、レースが動きます。 お客さんが入っていたら… このシーンで大いに湧いただろうな…… カツゲキキトキト、やったか! のところに ナムラマホーホ強襲!! ナムラマホーホ 7月の名港盃(1900m)に続いて、1400mでも重賞制覇。 岡部誠騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルのYoutube映像でご覧下さい。 カツゲキキトキトと丹羽騎手は、クビ差2着……「勝ちたかったよ……動かしていないと、すぐにやめてしまう。この馬の本来の力を出せば、負けるはずのないレース。騎乗としては納得出来る騎乗はしたけれど、残念。」 最後に、もう一言 「自分の中では、2着はもうビリと同じ。競馬は勝たないと。」 この言葉に、聞いているこちらの背筋が伸びました。 名古屋、次の重賞は10月11日月曜日 秋の蔵(SP1) 3歳馬の重賞で豪華メンバーが揃います。 お楽しみに!
2021年10月06日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 緊急事態宣言が、明日30日木曜日でまた一旦終了と決まりました。 10月1日からは、いま無観客での開催になっている競馬場でも、入場が可能になるのではないでしょうか。 今週は名古屋競馬が開催中。 名古屋競馬オフィシャルHPを見ると、10月1日からは予め準備されていたとおり、お客様方の入場が可能になるようです。 名古屋競馬オフィシャルHP トップページのスクショです 9月29日正午現在の情報 明日は、北陸・東海交流の重賞ベイスプリント(SP1)なんですが… 明日は残念ながら無観客です。 ネット経由や場外発売所等でお楽しみ下さい。 さて…競馬の話は、引き続き先週お邪魔した門別の話。 重賞のお話しは、古谷さんが選評も含めて詳しく伝えて下さっているので、私は勝手に決めた「推し馬」の写真でも。 先週の水曜日には、メインレースのフローラルカップの一つ前で、牝馬の順重賞・ひだかオープンが行われました。 勝ったのは、1番人気に応えてネーロルチェンテ ネーロルチェンテ(黄帽5番)は 逃げたクオリティスタート(黒帽青服2番)を交わし サイファリス(赤帽3番)の追撃を振り切る 会心の勝利に、石川倭騎手もこの表情 思えば、今季の牝馬戦線はこの馬がずっと主役を務め続けてきました。 早めに攻め込み一旦先頭に立ちながら攻め込まれた、ヒダカソウカップ、そしてノースクイーンカップ。その後、ダートグレード競走のブリーダーズゴールドカップは、地元馬最先着。 今季、いわゆる「肩掛け」は取れなかったけれど、新しくできた「準重賞」で一つ結果を出すことが出来ました。 米川昇調教師は、先週の段階では「このあと、使うところがないんだよな…さすがに道営記念というのは……」と、思案顔でした。調子自体はいいようですし、さて、次はどこに矛先を向けてきますか…。 翌、9月23日 5Rの2歳牝馬未勝利戦を、ウェズランディアが勝ちました。 管理する森山雄大(たけひろ)調教師 1986念生まれの35歳という 昨年開業の若手調教師 2歳馬での勝利は初めてだそう。 昨年は1勝で終わりましたが、今季はこれまで7勝。「何とか今季10勝を目指して」 …と、シーズン終盤に向けて意欲を示していました。 前回もご紹介したA2-2組の特別戦を、我が心の推し馬・カツゲキダイオウが勝ちました。 乗っていたのは、今回も亀井洋司騎手 こちらは、ほっと安堵の表情でしょうか。 前走の後も調子は良く、休養の原因になった骨折箇所も全く問題ないとのこと。 亀井騎手もここに来ての復活、そして活躍に手応えを感じている様子でした。 先週は、火曜日に3勝。そしてこの日この1勝で、計4勝。昨日の競馬が終わった時点で、通算勝利数が296勝でした。区切りまであと4勝! そういえば、知る人ぞ知るマッスルマニアで知られている亀井騎手ですが…最近はまってるトレーニングとかはあるんだろうか? 聞くの忘れた……またいずれ聞いておきます(笑)。 門別も、来週からは入場OK、ですよね? また、事情の許す方は、競馬場でお目にかかりましょう。
2021年09月29日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 カーリングの仕事で、2週続けて週末に稚内に行ってきました。 宗谷岬 20日月曜日撮影 太田アナウンサーはストーブの話をしていましたけれども、帯広よりも300キロ以上北にある稚内は、意外とそこまで寒くない。最低気温も10度を下回ることはないですし、この週末はお天気がとても良くて、日中は汗ばむ感じ。現地では多くの皆さんが半袖でした。 今日22日水曜日は、門別競馬場に来ているんですけれども… 競馬事務所前 木々が色づいて、少しずつ、しかし着実に秋の装い。 この、色合いの違いが、北海道のでっかいどうなところなのかな… この、ナナカマドが赤く実ってくると、北海道の秋っていう感じがしますよね。 今日は南風が吹いて寒さはありませんが、来週あたりはどうかな?? さて、競馬の話。 先週、大ベテラン・井上俊彦騎手にお目にかかることが出来ました。 今季は、4月のシーズン開幕週にレースに参加したあと、故障で戦列を離れていました。昨シーズンも怪我で8月の騎乗を最後に戦列を離れ、新しいシーズンこそはと騎乗振りを楽しみにしていた矢先の戦線離脱。 8月31日に復帰。 先週の9月15日水曜日にその復帰後初勝利があがりました。 「今回は膝の故障だったので…きつかったです。(肋骨6本骨折だった)前回は、いつでも乗れるという感じだったけれど、今回はさすがにもう乗れないのかなと思うこともありました。復帰できて良かったです。」 56歳。キャリア39年目。 「鉄人」と思っていた彼から、そんな言葉が聞かれ少なからず驚きました。 「(所属だった)林和弘調教師のことも…もう二重にショックで…。」 年も1つ違い。ずっと所属騎手として一緒にやってきていて… 自身の「いま」とか「これから」 思うところも、ものすごくたくさんあったのでしょう。 「もういまは、とにかく乗れる限りは、という感じです。頑張ります。」 笑顔で語ってくれました。 気がつけば、全国通算(JRAでの勝利も含めた通算)2000勝まであと25勝です(9月22日現在)。大きな区切りには、是非立ち会いたい。この目で見たい! 「2000勝?あといくつなの?……全然意識ない(笑)。まあぼちぼち頑張ります。」 ……だそうです(汗)。 マイペースが、一番、なんですよね、きっと。 怪我なく、まずはシーズンラストまでの活躍を、楽しみにします。 突然ですが、「今日の阪野学」 夕方、久しぶりに彼の笑顔が見られた。 調子も、流れも…とにかく何かがいいようだ。 9レース ハーリーバーリーで1着! やはり、笑う門には福来たる、だ。 返す刀で、10Rエムティアンでも1着!! 会心の騎乗に、この笑顔 ようやく調子が上がって来たというエムティアン 来月の盛岡・OROターフスプリントを目指すそうです。(山口竜一調教師談) メインのフローラルCまで3タテ、とはならなかったけど… こういう好プレーが出るのが、彼の魅力。 今日は石川倭が4勝。五十嵐冬樹が重賞含め3勝。 それに勝るとも劣らぬ、終盤の阪野学の2勝が示す「存在感」でした。 門別は、明日も重賞 古馬の短距離重賞・ウポポイオータムスプリントです。
2021年09月22日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日、名古屋競馬場では、西日本ダービーが行われました。 緊急事態宣言の延長に伴い、名古屋競馬場は9月30日まで無観客です。 今日は、4日間開催の初日。 久しぶりに初日に競馬場に取材に行き、現役最高齢の競走馬・ヒカルアヤノヒメ(牝17歳)の元気な姿をお伝えすることが出来ます。 昨日、9月14日の1レース これが通算294戦目。区切りが近い! やはり夏場は体調が良かったからか、毎開催…概ね2週間に1回になりますが、コンスタントにレースに出ておりました。 10頭立て7着 このあと来月あたりから、3歳馬が古馬と一緒に格付けされるようになると、相手関係は苦しくなります。成績的にはなかなか期待するのが難しい状況になって来ますが…元気にレースに出続けるというのも、競技としての競走馬の価値。素晴らしい記録だと思います。 あと6戦で、300戦、ですか。 区切りに意味があるかどうかわからないけど…そのレースを無事に迎えるよう、応援したいです。 ところで、その1レースを勝ったのが、ゼンカという馬。 乗っていたのは、この人。 今井貴大騎手 髪の色が変わっていました。勝負服とマッチしている感じで似合う。 いつも髪をやってくれている方にお任せで、この色にしてもらったとのこと。 実はこの日一日が終わってみると、今井騎手なんと5勝。 昨日14日現在で今年の勝ち鞍が98になりました。 トップの岡部誠騎手が名古屋だけで160以上も行っているので、リーディングってなると難しいのですが…やはり今年は順調なペースで勝ち鞍が伸びていますね。 今井騎手と言えば、やはり気になるのは東海ダービー馬・トミケンシャイリの動向です。 「前開催のオープンに出ようという予定もあったんですけれども、体調が整わず回避しました。次走は『秋の鞍』(10月11日 3歳1400m)一本で調整中です」 …とのこと。前走8月の古馬混合のオープン特別を、今までと異なる差しの戦法で勝って、東海ダービーを勝った時を更に上回るパフォーマンスを発揮してくれるのではないかと、期待しています。 前走 8月6日のオープン特別を勝った時のトミケンシャイリ 次回の登場を楽しみにしましょう。 さて、メインレースの西日本ダービー いわゆる生え抜き馬のみに出走権利がある、この西日本ダービー。 当地のダービー馬・トミケンシャイリは、JRAデビュー馬のため出走権がありません。日程的に合わない地区もあって、ダービー馬の参戦は兵庫からだけとなりました。 それでも、あの3頭大接戦のうちの2頭、スマイルサルファーとシェナキングの2頭が参戦したことは、レースの興趣を大いに盛り上げました。 コースを1周半する名古屋の1900m その最初のゴール板前 逃げ宣言をしていたダイセンハッピー(9番)の番手に、ハナも取れるのではないかという好発好ダッシュを決めた東海ダービー2着馬・ブンブンマル(3番)と、名古屋の2頭が引っ張る流れ。 注目された兵庫の2頭は、好枠を得ていたスマイルサルファーが内目の3番手を確保したのに対して、外枠だったシェナキングは2~3列目5,6番手の外目。スマイルサルファーがこのまま、絶好位でレースを進めて… 内から2頭目がスマイルサルファー じっくり我慢して、短い直線の、それも半ばあたりで満を持して前を交わす 会心のレース運びに、大山真吾騎手はゴールの瞬間力強く拳を握る 渡瀬寛彰調教師と喜びを分かち合う 大山真吾騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬公式Youtubeチャンネルの動画でご覧下さい。 あの、兵庫ダービーの激戦はやはり本物だったと思わせるレースでした。 スマイルサルファーのレースの巧みさと、強さ。 そして、不利な状況を克服して際どく迫った、シェナキング…… 吉村騎手はレースの後、「やはり外枠では…悔しい」と絞り出すように離していました。わずか1馬身の着差ですから、馬の力は示したといえるでしょう。ただ、結果がついてこなかった。 ブラックマンバ(写真左)も、終いは追い上げて3着。別府真司調教師は「距離がどうかと思っていたけれど、よく頑張ってくれました。」と話しました。 さて…スマイルサルファー こうなると、次の目指す先が注目されますね。 渡瀬調教師との懇談の中では、岩手とか、地元で古馬との対戦とかいろいろな話が出て、要するにこれから決まっていくんですけれども… 先ほどトミケンシャイリが目指すとお知らせした、名古屋の「秋の鞍」という話も出ていましたね… ダービー馬対決がもし見られたら、これは注目のレースになるはず。 スマイルサルファーの動向もまた、一層目が離せなくなりました。 名古屋は、次開催途中の9月30日まで無観客開催です。 10月1日は、緊急事態宣言が解除されれば解錠する方向とのことですが…開催情報とともに必ずHPなどでご確認下さい。
2021年09月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、先週の開催の名古屋競馬場から。 (取材日:9月2日木曜日) また、逆戻りですよ…。 例えば音楽業界とかは、何かと我慢が出来ない状況で、色々と「話題」にもなっているようですが… 競馬業界は、我慢してます。ひたすらに。 ほんと、ひたすらに。 地方競馬の場合は、感染拡大防止対策を率先して行い、そして行うように求める立場の、地方公共団体(例えば名古屋競馬なら愛知県)が主催者となって行っているわけですから、物事において「慎重」になるのは、当然のこと。まずは、競馬関連施設で「間違い」があってはいけません。 しかし…それだけでいいのかな?と。 「じゃあどうやったらいいのか」をいうことを、公からも積極的に、そして率先して発信していく必要があるんじゃないでしょうか。そうしないと、今困っている人たちが、立ちゆかないまま消えて亡くなってしまうから。 だから、先日の常滑のフェスのような事件が起きるんじゃないかな…。 「困っている人たちの勇み足」で済ませていいんだろうかと。 例えば、イギリスで国家的実験として行ったイベント。 データを取って、それを科学的知見と照らしあわせて分析して、どうやったら、どう動けるようになるか、ということを探る。具体的に出来る方法を積み上げて、現実に実施していく。そしてまた効果を確かめる。 そういうことがないとな…。 名古屋競馬は、初めのうちやってました。ほんとに色んなことを。 例えば、マークシートの記載台に密集しないようにするには、とか。入場者の連絡先を手に入れるという困難な作業に、どうすれば取り組めるか、とか。ソーシャルディスタンシングの方法とか、感染拡大防止対策の呼びかけの横断幕の中身に至るまで。 記載台を使わずにこの厚手のエチケットカードの上でマークシートが記入出来ます。 帰る際に、裏面の欄に連絡先を書いてもらって出口で回収するという仕組み。 昨年9月に、一旦閉まった競馬場がサイドオープンしたときと、いま世の中は何も変わってない…。 世の中が、増えたら閉めて、減ったらあける、の動きしかなくて、そこに追随しなければならない状況の中では…。細かいこと考えて色々やっても、結局意味ないよなと。 競馬場スタッフの皆さん方の心中は、察するにあまりあるものがあります。 恐らく、競馬だけじゃなくて、どこもそうなっているんじゃないかと。 もう…同じようにあけて閉めて、の繰り返しでは、正直もたないです。 でも競馬業界は、我慢してます。ひたすらに。 この業界も、競馬開催は何とか出来て、馬券が売れて、それで助かっている人ばかりじゃない。そういうことを忘れてはいけないと、改めて思いました。 私が名古屋競馬場を訪れる2日前。 8月31日の第8レースで、大畑雅章騎手が通算2000勝を達成しました。(資料画像 2000勝達成時の写真ではありません) 2000勝は大きな区切り。 大畑騎手の喜びの声は、名古屋競馬オフィシャルのYoutube映像でご覧下さい。 無観客開催中ではありましたが、翌9月1日にウィナーズサークルにて、表彰式が行われました。 映像は、その模様です。 3年前の7月に、1600勝の時に、長く話を聞いていました。 そのときには、「2000勝が現実的になって来た」と話した大畑騎手。 その2000勝の大きな区切りを達成して、そしてこれから。 また何かの折に、たっぷり話を聞ければいいなと思っています。 さて、9月2日木曜日のメインレース グランダム・ジャパン 古馬シーズンの一戦 秋桜賞(SP1) ぐるり馬場を1周の1400m戦 これに先立つ…はずだった金沢の読売レディス杯が開催中止でなくなった影響もあり、遠征馬5頭とこのレースとしても多くの馬たちが他場からも集まりました。 最初のゴール板前 前回転入戦を逃げて勝ったサノマナ(写真左の橙帽橙服)が、スタート直後一気に前へと出て行って、大方ハナだろうと思われた園田のステラモナーク(その右の黒帽紫服)は番手戦。外に佐賀から遠征のミスカゴシマ(緑棒)、内に大井のグランデストラーダ(ステラモナークの向こう側)。 ステラモナークが…たぶん、作戦ではなかったんじゃないかな…この形は。 勝負所で、好位の内目をずっと回っていたグランデストラーダが、ただ一頭で逃げたサノマナに襲いかかっていき、これを交わすとあとは独走。 管理する藤田輝信調教師(写真一番右)と 赤岡修次騎手のレース後のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 レースの後、どこからともなく「一頭違いすぎる…」という声が聞こえてきました。 グランデストラーダは、ライバル陣営をぐうの音も出ないほどに打ちのめした、それほどの迫力のある強さでした。 次のレディースプレリュードで、いよいよ戴冠となるかどうか。注目されます。 昨年この秋桜賞を勝ったサラーブと、同じ馬主(シルクレーシング)の馬が、同じ調教師のもとで、同じ騎手を背に勝ちました。元々は赤岡騎手の予定ではなかったのですが、それまでの本田正重騎手が乗れなくなってしまい、週末の高知に急遽の騎乗依頼があったとのこと。巡り合わせ、なんでしょうね。 私個人としては、もう1頭、この馬に行き会うのが楽しみでした。 佐賀から参戦 ミスカゴシマ この日は、名古屋の戸部尚実騎手とのコンビで4着。 パドックでも、なかなかのグッドルッキング 夏には強くて好調、輸送もこれまでどおり大丈夫だったと、平山宏秀調教師。 レースの後は戸部騎手も「すごく乗りやすかった」と、満足そうな表情で引き上げてきました。 世の中が落ち着いたら、また佐賀にこの馬を応援&取材に行きたいです。 次回は、こちら 9月14日火曜日 西日本ダービー!! 有観客…なのかな……?? それとも……
2021年09月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 最近は、北海道にいることが多くて… 安平町を通りかかったので、「道の駅あびらD51ステーション」に立ち寄ってみました。 早くも、地物のハロウィンかぼちゃ(笑)が売られていました。 でかい… そして、もう秋ですね。ハロウィン。 面白いので、農産物の販売スペースに立ち寄ってみました。 ジャガイモ 右から、メークイン・べにあかり・男爵・きたあかり・とうや・インカのめざめ すごいね、こんなある。 もちろん、場所の名前の通りD51もいます。 この日も黒光り半端ない。 この場所でも、コロナの影響で様々なイベントが中止になってしまいました。 また状況が落ち着いたら、是非この場所にもお立ち寄りください。 安平町の旧追分町エリアにあります。 雲の出方が、夏真っ盛りとは大分違う。 門別競馬場の「色」も、もう秋の雰囲気になって来ました。 重賞の話は、もう太田さんから出たので… それ以外のレースの話。 カツゲキダイオウっていう馬が、およそ9ヶ月ぶりにレースに登場しました。 昨年3歳時、1200m戦を中心に大活躍してA級まで昇級。冬は兵庫に冬季移動して、そちらでも2勝をあげていました。 しかし…兵庫で骨折してしまい、門別に戻ってきました。剥離骨折2カ所で、結構大変だったみたい。 8月26日 10RのA1-2組戦 7番 亀井洋司騎手 直線で見る間に突き抜けて、見事優勝 順調に行ければ、すごく活躍できるのではないでしょうか。 楽しみです。 明日の門別は、2歳牝馬の重賞・リリーカップ。 エーデルワイス勝(Jpn3)に直結する、楽しみなレース。 ですが…… 門別は今週から無観客。 ステイホームでお楽しみくださいね。
2021年09月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週の名古屋競馬場の開催のリポートです。 (取材日は8月19日木曜日) 先週は、前線停滞に加えて台風なんかの影響もあって、荒天が多かった名古屋。私が出かけたこの日も、お昼前後にかけて結構な雨降りとなりました。 「こういう馬場だから、気を遣うんだよね…」…とは、レースの合間に岡部誠騎手。 この天候条件の中、馬の様子を探りながらベストを尽くしていプレー。 競馬はリアルの中で行われている競技だと、改めて気づかされます。 宮下瞳騎手の、国内通算1000勝が近づいております。 10R エルミニョンヌと宮下瞳騎手(写真左) この日は、このレースの他に1つ前の9Rも勝って2勝 翌8月27日は勝利がありませんでしたが… 現在、976勝。あと24勝で、区切り。 「そろそろカウントダウンでも始めましょうか?」…と、宮下瞳騎手本人に水を向けると「そういうふうに言われ始めると、なかなか進まなくなるので!(笑)」 笑顔で叱られてしまいました(汗)。 ということなので、皆さん、暖かく成り行きを見守って頂ければと。笠松競馬が言われているとおり再開されれば、数字の進みも早くなると思います。 この日のメインレース 名古屋デビューの2歳馬による準重賞・若駒盃(1400m) 昨年までの「特別」から準重賞に格上げされ、1着賞金も180万円 レースでは、デビューから2連勝のスウィートアローラが注目を集めました。 最初の直線の先行争い スウィートアローラは、この時点では第2集団の外目(桃帽 黄色に青袖服) この位置で控える形かとも思われましたが… 1~2コーナーで、スウィートアローラは番手まで進出。そして勝負所で前を捉えに行くのですが、さすがにここまで脚を使うと終いは苦しくなります。 残り200mを切って 内ラチ沿いのにスウィートアローラ(桃帽) 並ぼうとするエムエスムーンは(青帽)、勝負所から一足先にまくり上がってここ 一番外から突っ込んできたのが、ほぼ最後方でレースを進めたザトウイチ(一番外の黄帽) ザトウイチが一気の差し切り勝ち スウィートアローラは、エムエスムーンは差し返したものの、2着… 大畑雅章騎手も、会心の勝利で笑顔「スタートだけ、立ち上がるところがある馬なので気をつけました。今日は展開も向いたけれど、よく走ってくれました。前回からシャドーロールをつけて、馬がシャキッとしてきましたね。」 馬の周りの人々も、馬が力を発揮できるように工夫を凝らし、馬もそれに答えて色んなことを憶えながら頑張っていく。 勝ち馬だけでなく、それぞれの馬たちがまだ若さを残しながらも、懸命に成長の道を歩んでいます。 東海地区で2歳馬の重賞となると、10月末の笠松・ラブミーチャン記念(牝馬)と、11月末の名古屋・ゴールドウイング賞、年末笠松のライデンリーダー記念と、3つだけ。この世代の路線が本格化するのは、恐らく年末年始以降。 それまでの間は、これから出てくる馬たちも含め主役を変えながら、そして他場からの転入馬も加わりながら、徐々に戦力の構図が定まっていきます。 どの馬が抜きん出てくるのか、それぞれのレースで興味が尽きません。 (パドックの内側で、馬たちの様子を見てる…) 名古屋の2歳馬たちの動向は、またタイミングをとらえてお伝えしていきますね。 今日8月25日の時点では、まだこうですが… 来週の開催は、どうなるかな…… 入場等の情報は、その都度主催者HPでご確認ください。
2021年08月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この一週間、昨日まで北海道にいました。 先週水曜日は、門別競馬場。 先週は、台風の影響がありやなしや、という北海道でした。 こんな感じで、低い雲が微妙な感じで空を覆うと、なんだかその景色も壮観。 敢えて逆光のまま 夜になったら、こんな色になりました。 私、そこまで「カメラ小僧」じゃないんですけど… この場所でカメラ持ってるとね、本当に、色んなタイミングでシャッター押したくなります。いいカメラお持ちの方なら、余計そうなのではないでしょうか。 自由に行き来できる世の中になったら、是非皆さんの使いつけているカメラを持ってお越し下さい。 この日のレースは、2歳牝馬の重賞・フルールカップでした。 内・スティールルージュが 外・エイシンヌプリの追撃を僅かにしのいだ! 阿部龍騎手 角川秀樹調教師は モーニングショーの栄冠賞に続き、今季の2歳重賞2勝目 「牝馬の角川」と言われるほど、数おおくの牝馬の活躍馬を送り出してきた角川秀樹調教師のもとで、また1頭スター候補が出現しました。 翌8月12日は、ブリーダーズゴールドカップの日。 競馬場には行かず、道内某所で場立ち予想トークを開きました。 飛沫防止カーテンの、こちらがわとむこうがわ まだ…かな。 でも、必要とされているのがこういうことなんだな、っていうことも、久しぶりに感じることが出来ました。 この日ご来場くださり、一緒に競馬を楽しんで下さった皆さん。 ありがとうございました。
2021年08月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週は、名古屋競馬場に出かけてまいりました。 先週の名古屋は、ちょうど台風が日本に近づいてくる、という段階。暑かったですね。そして風も欠航吹いていました。 私は取材に出かけられませんでしたが… 8月4日水曜日には、地元生え抜き馬限定の3歳馬の重賞・湾岸スターカップが行われました。 勝ったのは、駿蹄賞・東海ダービーともに3着と健闘していた、スプリングメドウでした。(主催者広報提供)(主催者広報提供) 岡部誠騎手のレース後のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube動画でご覧下さい。 翌日、スプリングメドウを管理する井手上慎一調教師の話を聞くことが出来ました。「これまでチークピーシズをつけていたものを、ホライゾネットに換えてみたんですよね。スタートはいまひとつでしたが、(レース前半で)馬の間を縫うように追い上げられたから、効果があったんじゃないでしょうか。この馬の場合は、キックバックを気にするかどうかが問題で、気にせず走れたと思います。」 ホライゾネットを持ってきてくれて、説明をしてくれました。 ホライゾネットつけると、こんな感じか… 飛んできた砂を浴びると、このネットの網目に砂が詰まって見えなくなるんじゃないかという心配もあるのですが… 「こういうものを使い始めるときには心配していたけれど、そこは全く問題ないですね。」 その馬に馬具をつけて、実戦でどういう反応になるか、効果が出るのか。 これはやってみなければわからない部分もあるようです。 馬が成長する、レースで高いパフォーマンスを発揮するようになるプロセスの中には、このように馬の周りの人々の「創意工夫」や「挑戦」があることも、見逃せません。 次走は、9月14日火曜日に行われる、西日本ダービーの予定。 遠征勢も強力な馬たちがやってきそうですが…迎え撃つ地元勢の筆頭格として、頑張って欲しいです。 翌8月5日木曜日 来月2日に行われる牝馬の重賞・秋桜賞のトライアル、準重賞のコスモス賞が行われました。 距離は、本番と同じ1400m。 スタート直後 最初のゴール板前 人気を集めたゴールドリングがすんなりとハナに立ち、もう一方の注目馬ニュータウンガールがこれをマークするように番手の位置。この2頭が前を固めてしまい、もはや盤石…と思われた3コーナーで、波乱が待っていました。 ペースが急に落ちたのか、隊列が縮まり、ゴールドリングが早々に余力を失い脱落。ニュータウンガールが抑えきれずに先頭に立ちましたが… 直線で失速したニュータウンガールに各馬襲いかかる。 とりわけ、外からものすごい勢いで来たラブリーイレブンが、まとめて差し切って優勝! ゴールドリングは、鼻出血でした。 前走まで自身初の3連勝と、名古屋に戻ってきてから徐々に調子も上げてきていただけに、本当に残念。鼻出血の出走停止期間は8月25日までで、本番の秋桜賞にはかからないけれど…出否は馬の状態次第になるのでしょうね。 ニュータウンガールは、ライバルのアクシデントにより目算が狂いました。 岡部誠騎手もレース後、「最後の最後でハナだけ交わせばと思っていたのに…」と語り、残念そうな表情を見せました。 抜け出すとやめる面は相変わらずのウィークポイント。 金沢の時のように、最後まで気を抜かない形になればものすごい走りをするのに…。 一方こちら。笑顔はじけるのが、勝ったラブリーイレブン陣営。 川西毅調教師(写真中)も「いい脚持ってるでしょ?」と、手応えを感じている様子でした。 山田祥雄騎手(写真右)も、会心の騎乗だったのでしょう。 グランダムジャパン・古馬シーズンも終盤となる、秋桜賞は9月2日。 金沢の読売レディス杯が中止になってしまいましたので、秋桜賞は恐らくシリーズの優勝を窺うメンバーが集結することでしょう。 戦いの行方は、果たして…??? 翌、8月6日金曜日。 開催最終日には3歳以上によるペリドットオープン(1600m)が行われました。 ここには、古馬に混じって東海ダービー馬のトミケンシャイリが登場。 前回の3歳馬同士の準重賞・けやき賞では、1600mで先行するのに不利な外枠となり、行った馬を追いかけて結果後ろから差されて敗れたトミケンシャイリ。今回は2番枠を引き、その立ち回りが注目されました。 逃げなかったんだよね… 1周目。 兵庫から転入初戦のナムラムツゴロー(木之前騎手の青帽)が行く構えを見せると、あっさり控えて好位。カツゲキキトキト(黄色帽)や、もう1頭転入初戦のナムラヘラクレス(橙帽赤服)もついて行き、トミケンシャイリはその後ろの4番手(馬の間に見える黒帽橙服)。 トミケンシャイリが向正面で外に出して仕掛けられると、コーナーを回りながらあっという間に前を捉えて交わし去りました。 初めての古馬相手のレースで、5馬身差の完勝! 上がり3ハロンが、なんと驚きの、37秒7。 駿蹄賞も東海ダービーも、逃げ先行で押し切り勝ちだったのですが、今回は全く違う競馬で全く違うパフォーマンスを披露しました。 今井貴大騎手の話「少し暑さがこたえる感じはあるけれど、調教はしっかり積んで出来は良かったと思います。道中で馬の後ろにつけている間は、少しハミに乗ってかかる感じがあったけれど、外に出して3コーナーからはビューンと行って、今までにない走りをしました。こういう競馬の方が合っているんじゃないでしょうか。」 こちらは…この日の段階では次走未定でした。 8月下旬にあったはずの笠松・岐阜金賞はなくなり、9月当地の西日本ダービーは、JRAデビュー馬のために出走権利がありません。 もしかしたら、世代限定戦はもう終了で、古馬の重賞戦線での活躍を目指していくことになるかも知れません。 明らかに一皮むけた感じがあるトミケンシャイリの、次の登場機会がとても楽しみになりました。 8月の名古屋はめちゃくちゃ暑いですし、重賞レースも少ないんですが… こうして、秋の飛躍を誓う馬たちの奮闘に、是非ご注目くださいね。 次開催、2歳馬の準重賞・若駒盃は、8月19日木曜日です。
2021年08月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 週末まで、北海道におりました。 ずっと新千歳空港に行っていたので…競馬の話題がないな(汗)。 いまはあまり北海道に移動してまで門別競馬場にお出かけになるということは、差し控えた方がよさそうですが…いずれ北海道外から来られるようになったときのために、大抵の方は通る新千歳空港のインフォメーション(笑)。 3階にあるフードコートからは、飛行機の離発着の様子を眺めることが出来ます。広々とした空港の風景は、この場所ならではの絶景。 この2週間、新千歳空港でドはまりしていたたべものがあります。 それは…アイスコーヒーの上にソフトクリームをのせた、コーヒーフロート。 北海道に来たら「ソフトクリーム」というのは、定番の食の楽しみかも知れません。それを、コーヒーとともに味わえる。これはひとときの食の楽しみとしては、とても贅沢です。 例えば、このコーヒーフロート。 ソフトクリームは、北海道産の牛乳を使って、新千歳空港内で作っている特別なものだとか。そりゃおいしいはずです。 だって、雪印パーラーだもの。 もちろん、「空港ソフト」と名付けられたソフトクリーム自身も美味。 濃厚な感じがするけど、すごい甘いというわけでもない、ミルクのおいしさです。 こちらも、ミルクのおいしさがウリ 見た目じゃわかんないか… だって、よつ葉乳業のソフトクリームだもの。 そりゃおいしいです。 こちらは思ったよりあっさりしてて、甘みがほどよい感じ。 こちらは、渡してくれるお姉さんの笑顔が素敵な、コーヒーフロート。 カップにかいてあるので、店はわかっちゃうか…。 有名なルタオのショップ。ターミナルビル2階のスイーツ店が並んでいる一角にあります。 こうした、スイーツ店のソフトクリームもおいしいのですが、探してみたところコーヒーに乗せてフロートで出してくれるお店は、どうだろ…ここぐらいだったのではないだろうか。 次回、他にあるかどうか探してみよう。 とは言え。 コーヒーフロートは、やはりコーヒーの方も大切ですよね。 最後の方はソフトクリームはコーヒーに溶けてしまい、コーヒーを中心に味わうことになりますから。 これはもう、お姉さんのTシャツに店名が書いてあるな。 ターミナル4階の「雪ミク」の向かいにあるプロント。 ここのコーヒーフロートの侮れないところは、出されるソフトクリームが北海道の観光地何カ所かで味わうことが出来る「岩瀬牧場」のソフトクリームであること。 おいしいソフトクリームの「定番」といえる岩瀬牧場ソフト コーヒーの「定番」のひとつ、プロント 「定番」と「定番」のコラボ。 コーヒーの苦みがソフトクリームのおいしさを際立たせて、なかなかの味です。 最後にご紹介するのは、変わり種。 ソフトクリームも、コーヒー味の「モカソフト」で出てくるコーヒーフロート。色味からして、独特の雰囲気を醸し出しています。 ターミナル2階。スイーツ売り場の一角にある東亜珈琲店。 そもそも珈琲専門店ですから…ベースになる珈琲の味わいが、ほどよい苦みですでに独特。それに加えてソフトクリームにも珈琲の風味をふんだんに織り込んで、まさに「コーヒー・オン珈琲」。珈琲好きにはたまらない逸品です。 あ…店を訪れたときには気がつかなかったけれど、通常の白いソフトは「サロベツ産牛乳ソフト」って書いてある。これ、人間より牛さんの方が遙かに多く暮らしているという、道北サロベツ原野に近い豊富町あたりのソフトかな。現地に行くと、何もない道を通り過ぎて小さな街に出てこのソフト食べるお店に巡り会うと、その「経緯」も含めてとてもおいしい、という物件。 この「サロベツ産牛乳ソフト」でコーヒーフロート作ってくれるのかな…これは今度確かめてみよう。 というわけで。 いずれ遠方から新千歳空港を通って門別競馬場に出かける時には、是非行きか帰りで「コーヒーフロート」を試してみて下さいね。 最後に、ちょっとだけ競馬の話(汗)。 こういうことをやることにしました。(北海道・石狩市にある場外発売所「Aiba石狩」の情報です) ただ周囲の状況に流されて、立ち止まっていても、何も起きないので… 動き始めることにしました。 状況に鑑み、かつての「イベント」という形ではなく、とてもシンプルな「場立ち予想」。私が一日中、皆様方が馬券を買いながら競馬を楽しむこの場所に立って、予想を披露したり、話したり、その他諸々。 コロナ禍で、馬券以外の楽しみ「全てを失った」感がある競馬界ですので… こうしたことも、裸一貫、文字通り「ゼロからのスタート」でやります。 感染拡大防止対策は、ほんと、半端なくやります。 現在設営検討中 来週、8月12日木曜日 ブリーダーズゴールドカップ当日 場外発売所Aiba石狩でお待ちしています。 来週も競馬の話なしじゃ怒られるので… ちょっと名古屋に行ってこようと思います。 今日の湾岸スターカップは出かけられませんが、明日も楽しみな馬が出てくるみたいなので。 暑いですしコロナも面倒なことになっていますが… みなさま、どうかお体に気をつけてお過ごし下さい。
2021年08月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 北海道におります。 新千歳空港 午前6時 北海道はいいお天気です。 ずっと北海道にいるので、取材に出かける先は門別競馬場。 昨日・7月27日撮影 青い空 白い雲 日差しを浴びると暑いですが、それでも蒸さない分快適 やはり門別は、他のどこの競馬場とも違う独特の雰囲気があります。 ネットでレースを見ているだけだと、どこの競馬場もそんなに景色は変わらない、ってなってしまうんですが、実際にはそんなことない。 地方競馬の競馬場で、門別競馬場ほど花の姿と色を楽しむことが出来る場所はありません。 スタッフ皆さん方が、昼の速い時刻から手をかけて整えておられます。 こんなに色彩豊かな場所は、競馬場でなくてもなかなかないんじゃないかと。 お越しになる機会があれば… レースだけではなくて、こうした雰囲気も含めた「居心地」を楽しんで欲しいですね。 特に、発表とかされていないのですが… 競馬場のある日高町のとなり町・平取町(びらとりちょう)で例年行われている、子供たちによる「馬の絵コンテスト」の優秀作品が、競馬場内で掲出されていました。 馬産地の子供達に、子供のうちから少しでも馬に興味を持ってもらおうという、この平取町ぐるみの企画。かつては、平取町の生産馬品評会の表彰式の席上で、この馬の絵コンテストの優秀作品の披露と表彰も行われていました。ところが、コロナ禍の影響で2年連続で品評会自体が中止。で、今年は競馬場で子供達の馬の絵を目にすることが出来ました。 来週・8月4日水曜日の門別の開催は、びらとりDay レースに平取町にちなんだタイトルがつけられ、平取町の産品や軽種馬生産についての様々なプロモーションも行われます。 昨日は、2歳馬の中距離重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップ(BG1)が行われました。 スタート直後 速度の違いで、自然にモーニングショー(写真中央緑棒青服)がハナへ そのすぐ外にシャルフジン(橙帽赤縦縞黒袖の服) 更にその一つ外に、1番人気のエイシンスコッティ(橙帽黒縦縞) シャルフジンが少しかかり加減でモーニングショーを追う展開で勝負所まで前の並びは殆ど変わらず。そこからシャルフジンが前を交わして出て行きました。 最後の直線 抜け出したシャルフジン 一方のエイシンスコッティは、直線に向いてもはや手応えなく後退… シャルフジン 強かった! 検量前上がり 服部茂史騎手も笑顔で馬をねぎらう 完勝…でした。 短距離でも時計も出る馬だし、まず勝てるだろうと思った栄冠賞が、伸びを欠き敗退。今から思えばあのレースは、この馬にとっては距離が短くて馬のフィジカルの特徴を生かせず、レースがしづらかったのでしょう。レース前半で少しかかるところも見せていましたが、何とか我慢して最後はどかんと後続を突き放す強さ。フィジカル面のレベルの高さと、精神面とがかみ合った結果と言えるでしょう。 モーニングショーは、まさかの逃げ戦法。 ただ、阿部龍騎手にレースの後話を聞くと、勿論これは作戦ではなく、成り行きで「逃がされた」ものだったみたい。「枠順が逆だったら…」とも話し、相手にとって格好のペースメーカー&ターゲットになってしまった展開面を、敗因の一つに挙げていました。 レースはとても上手に走っていたそうで、次回雪辱への意欲をにじませていました。 直線で全く「何もなかった」のが、1番人気だったエイシンスコッティ。 角川秀樹調教師は、「わからない…また勉強してきます」と話しました。レース直後の段階では、敗因についての言及はなかった。これからそれも探りながら、立て直していくことになるんだと思います。 JBC2歳優駿への道のり まだまだこれから、色んなことがありそうな気がします。 まずは、いま頑張っている馬たちが無事で成長していってもらいたいですね。
2021年07月28日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 いまは北海道にいるのですが… 先週、霧で門別の重賞が流れたり、その分また今週2つ重賞があったり、バタバタと。 そういえば…先週の門別の話。 霧のことはみんな書いてるのに、その前の先週火曜日に行われた星雲賞のこと、誰も書いてないよ… 先週、9月13日火曜日の門別競馬場。 このときは、まだそこまで暑くはなかったんだけどな… 昨年覇者・クインズプルートが断然の1番人気 速度と、この距離への適性を買われて、注目を集めました。 レースは、クラヴィスオレアが内から線香の構えを見せたところに、外枠のクインズプルートが並びかけ、その2頭で後続を離しながら行く展開。 クラヴィスオレアが早々に後退して一頭になったクインズプルートが、直線に向いてややリードを取ったままでゴールを目指しました。 しかし… 残り200mを過ぎたところから、後続がみるみる差を詰めてクインズプルートに襲いかかっていきました。 勝ったのは、外! ベテラン・宮崎光行騎手騎乗の、クラキングス 馬は待望の重賞初勝利となりました。 こちらは、先にあがって来たクインズプルートの小野楓馬騎手 いかにも、残念そうな表情… 「折り合ってはいたんです。ただ最後に手前を変えてくれなくて…」 恐らく、自信を持って臨んでいたであろうから… その残念さも談話からうかがい知れます。 管理する安田武広調教師は 「あれで、勝ちパターンだと思ったんですけれどもね…また立て直してきます」 彼のことだから…また、なぜこうなったのか、考えに考え抜くんだろうな。そして、その答えを次の仕事に反映させて、また馬をグレードアップさせて送り出してくれるのではないでしょうか。 一方、勝った宮崎光行騎手。 この勝利で、全国通算2200勝という区切りを迎えました。 表彰式の後、少し話をしました。 負けた小野楓馬騎手を気遣いながら、こう話していたな。 「どうして、あそこまで追いかけていったんだろうね…まあ、自分もここまで来るには、何遍も負けて失敗して、今があるわけだからね。」 2200の数字の重みを一層感じさせる言葉でした。 勝った数の、何倍も負ける。それが競馬。 さて、明日22日木曜日は、いよいよ門別の3歳3冠路線の終着点・王冠賞(H2)が行われます。 7月22日(木) 門別競馬場11レース 王冠賞(H2) 外・1800m(主催者公式HPから抜粋しました) なんと言っても、北斗盃・北海優駿とここまで2冠を勝ってきているラッキードリームが、3冠を達成するかどうかが最大の注目です。 北海優駿でのラッキードリーム リーチを僅かに退けて、2冠達成! 決戦は20時40分発走 是非ご覧くださいね。 さて…来週は何の話にしようかな……。 いよいよ、始まりましたね。
2021年07月21日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先日、函館競馬場に取材でなく一人の客で行ってきました。 本題に入る前に。 しっかし…ほんと、当たらんね。 JRAの入場券(汗)。 「指定席」じゃなくて、一般席の「スマートシート」を頼んだ方が良いのかもだけど…ちょっと良い位置の「指定席」で見たいじゃないですか。でも当たらん。 私は、落選したあと当日までの、たまたまログインしたタイミングでキャンセル席が取れました。めちゃくちゃついてました。本当に「たまたま」。 何時間もパソコンの前で「更新」の繰り返しとか…むりなので。 でも、チケットゲットできて良かったです。 JRAの競馬場自体久しぶり 去年来られなかったから、函館競馬場2年ぶり 中に入れた時点で、やっとこられた~っていう感慨… スマートシートっていう 要するに一般席を石版で割り振った指定席 1個あけで使われていて、それでも更に人数で間引いてる感じですね。 その場にいる人数がとてもすくないので、ゆるーい時間が流れます。 レースが始まると、皆さんコースの際に下りてきて観戦。 4コーナー方向のスペース かつては、やきとり弁当のハセガワストアとか、ラッキーピエロのハンバーガー売るテントとか、地元の飲食店の出店のプレハブとかが、所狭しと並んでいた場所。 それらが何もない、っていう寂しさはあるけれど… 一方で、ここってこういう場所だったんだ、っていう新鮮さもあった。 恥ずかしながら…その奥にある馬頭観音 初めてお参りしました。 色んなものがそぎ落とされた感じで、本当にレースやって馬券売ってる、それだけ。 すごく「スリム」で「シンプル」になった競馬場。 でも…それで気づくこともあるのかなと、実感。 この先、コロナ禍が一区切りついたあと 競馬場っていう場所がどうなっていくのかなと。 すごく考えさせられた一日でした。 例えば… みんなが花の姿を楽しみに来る、っていうのも、競馬場のひとつのありようかもしれないわけですし。 来週こそ、門別の話…かな。 今日の札幌は、とても暑いです。
2021年07月14日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週、名古屋競馬場に行ってきました。 雨模様。 そんな中でも、幾人かの方々と行き会うことができました。(取材日=7月1日・2日) 宮下瞳騎手 第2回競馬功績者表彰(農林水産大臣賞)受賞「素直に有り難いことですね。」と、まずは受賞についての感想。「色んな見られ方をしていることは、承知しています。もっと勝っている人たちでも、光を浴びないひとはいて、その中でこうして女性ということで注目されて、正直偏見とかもいっぱいあります。それでも、私の姿を見て、少しでも頑張っていこうという女性の力になればという思いは、常に持っています。」 いま、世の中では「男女共同参画」が叫ばれ、女性が何かと取り上げられる世の中になりました。とはいえ、やはり社会の今の状況の中での女性、っていう捉え方をすると、本当のところでの理解が、男性側からも女性側からも、なかなかうまくいかないことがあるのも事実。 取り上げられる立場としては、難しいところもあるのかなと。 常々思っていました。 取り上げるこちらの側としては、少し戸惑ったり躊躇したりするところもあるから。 しかし、こうして「女性の活躍」として取り上げられることについての、彼女の答えは、明確でした。「とても大切なことだと思います。」「私自身、自分より若い、たとえばいま兵庫の佐々木世麗騎手が活躍していますけれども、そういうことに私自身がようし頑張ろうと、勇気づけられることもあるんです。」 彼女の言葉には、何の飾りも、衒いも、感じられませんでした。 これが、彼女のアスリートとしての「強さ」なのかな。 とりわけ男性が幅を利かせる社会の中で、やってきたことで、積み重ねられた何か…。 このテーマ。これからも臆することなく掘り下げていければと思っています。 マスクをしてますが…塚本征吾騎手 この取材日の前日、6月30日に2勝して、現在通算11勝「展開が、少し見えるようになってきた気がします。周囲の様子を見ながらやれるようになってきた感じですね。」 もうすぐ、初めてのヤングジョッキーズシリーズが始まります。「まずは、予選突破、ファイナル進出を目標に!」(資料画像です) 塚本騎手の、ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンド登場は、9月14日の金沢。是非ご声援ください! 名古屋でも、新馬戦が開催ごとに行われています。 私が取材に行った7月2日も、2鞍行われました。 7月2日 4レース スウィートアローラ 父ザファクター 母メカマハロ 戸部尚実騎手も、勝ってあがって来て、破顔一笑「怖がりなところがあって、道中で仕掛けて前を交わそうとすると外へ行ってしまいそうだったので、番手で控えました。そのあたりの精神面が成長してくれば、もっと良い走りができる馬だと思います。」 塚田隆男調教師(写真左)も、ゲートからバスで帰ってきて、勝ったと知ると小さく拳を握りしめていました。 「(能検で良くなかった)ゲートは、中間1回だけ練習しました。上もうちにいるけど(その日の1レースに出走)、この馬も怖がりなところは同じで…そこが課題ですね。」 結果もさることながら、新馬戦はやはり競走馬としての「第一歩」 敗れた馬も含めて、このあとどう変わってくるか、ですね。 続く5レース ドラゴンズアイ 父マツリダゴッホ 母ビューティサフラン 加藤聡一騎手 注目された馬を無事勝利に導き、安堵の表情「新馬戦って、初めて勝ったんです。(人気になっていた)一つ前のレースで勝てれば良かったですけれども…」 一時、競馬自体が苦しくなってきたときに、なかなか各場で2歳馬を育てていくということが難しくなっていた時期がありました。それがいまは、馬の購買に補助金がついたり、新馬戦にボーナス賞金が出たりと、各場でいわゆる「生え抜きの馬」を育てていこうという気運が高まっています。 名古屋でも、年々2歳馬の導入・デビューが増えてきていて、若い騎手も2歳馬に携わる機会が増えてきました。その中で学んでいくことも、きっと多いはず。 聡一ジョッキーの言葉は、とても新鮮でしたし、その言葉自体で今後のこの場所の競馬に期待を持たせてくれる感じがしました。 角田輝也調教師(写真左)の話「スピードタイプという印象ですね。笠松で携わった厩舎でしっかり調教されていて、こちらできちんと結果が出て良かったです。名古屋でドラゴンズアイっていう、こういう名前を馬主さんがつけられているので、親しみを持って応援してもらえると良いですね。」 ドラゴンズファンの皆さん方は、是非この馬の動向にご注目ください。 名古屋モーニングフィーバー 絶賛開催中! 午前中に発送するレースの3連単は、払い戻し率77.7%とおトクです!! 出てますよ! 大きいの 実は名古屋は、また今日8日水曜日から新たな開催が始まります。 今日のメインレース・11Rけやき杯(準重賞)には、東海ダービー馬・トミケンシャイリが出走します。 引き続き、ご注目くださいね。 来週は…重賞もあるから、門別かな。
2021年07月07日
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