里の種

里の種

2007/06/30
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カテゴリ: 記憶
幼い頃、父親は地域の消防団に入っていて、夜になると、その訓練か会合かによく出掛けていった。夜中遅く帰ってくると、父は、僕ら子供たちにお菓子をくれた。起きていたのか起こされたのか、電灯の明かりの下、パジャマ姿でお菓子を受け取ったときの嬉しさを、今もはっきりと覚えている。作家の向田邦子のエッセイに、夜遅く酔って帰ってきた父親に、子供たちみんなが起こされて、眠い目をこすりながら土産の折り詰めを分け合って食べる。という場面があった。それが、戦前のことだと考えると、向田さんは良い家庭に育ったのだなと、つくづく思う。と同時に、時代は変わっても父親というものは、いつもこんなことを繰り返していることが、おかしくも懐かしく感じられる。

亡き父の声思い出せぬほど時隔ち虫鳴く夜の月影親し





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最終更新日  2007/06/30 09:10:50 PM
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