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2005年10月01日
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カテゴリ: こころの旅

「大切なのは、 どれだけ多くをほどこしたかではなく、
                  どれだけ多くの愛をこめたかです」

     by マザー・テレサ

数年前、母は緩和病棟という一般病院の中にあるホスピスに入院していた。
TVドラマにもなったその病院には、遠くから最期の場とその病棟を選んで入院される方も多い。誠心誠意対応して下さる若い先生や看護士さんには頭が下がる。
そして多くの方は最後の一ヶ月ほどをそこで過ごして、旅立っていかれる。

小さなその病棟には6つ程の個室とちょっとしたラウンジと患者さんが好きなものが作れるように小さなキッチンがあった。末期の患者さんばかりの病棟なので、介護の人たちも軽く挨拶を交わす程度で話すことはあまりない。

ある時、その小さなスペースに私と同年代の女性が3人居合わせたことがある。
私は母を、そして一人の方はまだ若い女の子を看護している。そして患者さんとして入院している方のところには、毎日子供さんがお見舞いに来ている。
同じ年代で、生きるということに向き合っている私達だけれど、思いはそれぞれだ。

私は、たくさんの「ありがとう」と頭の下がるような医療で母を看取ることが出来た。
けれど、きっと子供を看病している女性は、できることなら自分が変わってあげたいと心底思っていたと思う。そして子供を残していく決意をして、ホスピスを選んだお母さんはどんな気持ちで過ごしているのだろう。
生きるということは、本当にままならないものだ。「生かされている」ということだろうか。

窓の外には雄大な山がそびえている。その山は、太古の時代からこうして人の命の移り変わりを見てきたのだろうか。そんな雄大な自然の流れに比べたら、人間の命の時間というのはなんと小さなものだろう。
でもそんな小さな時間であるのなら、精一杯やりたいことをやって、楽しんでいこうと、澄んだ空に向かってそびえる山を見て思った。

それから、母は自分の希望通り家に戻り、家で亡くなった。
今でも、その病棟で実際に対応して下さった、まだ若い先生や看護士さんのことを思うと、心が温かくなる。

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最終更新日  2005年10月01日 11時21分39秒
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