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2026.04.20
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テーマ: 健康・薬(130)
カテゴリ: 健康


『子ども達に贈る12章』第9章―「家族」とは何か
真弓定夫先生の著書『子ども達に贈る12章』、今回は第9章をご紹介します。
**義父母から学んだこと―血のつながりを超えて**
この章は、真弓先生ご自身の生い立ちから始まります。
1931年3月6日、東京・日本橋に生まれた真弓先生。父は文化3年(1806年)から続く由緒ある鶏肉問屋「伊勢岩」で家業に励んでいましたが、先生が2歳の時に37歳の若さで胃ガンのためこの世を去りました。事情により真弓先生は、京橋で内科医院を経営していた真弓家に養子として引き取られます。
2歳にして父と死別し、母と妹(津留子さん)とは生き別れ。「お父さん」「お母さん」と呼んだ記憶は一度もないといいます。
しかし先生は、この境遇をむしろ「一生の大きなプラスになった」と語ります。血縁という垣根が取り払われた環境の中で育ったことで、身内と他人を分け隔てしない心が自然に養われたのです。
その根底には、養父母が実の子ども以上に愛情を注いで育ててくれたことがありました。先生は「いまは亡き養父母への感謝の念でいっぱいになる」と振り返っています。
**ひととひとの間の垣根をなくす**
1958年、真弓先生は生涯の伴侶・斐子さんと結婚し、次々と子宝にも恵まれます。斐子さんもまた小学校4年生の時に母を亡くしており、「他人を大切にする」という先生の気持ちを素直に受けとめ、その姿勢は子どもたちにも自然と伝わっていきました。
夫婦が家族のあり方として真っ先に大切にしたのは、ひととひとの間の垣根をなくすということでした。この考え方の根底にあるのは「ひとは本来平等である」ということ。福沢諭吉の「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」と軌を一にするものです。
垣根をつくってしまうと、その枠内のことばかりを考えるようになり、かつての日本人の美徳であった「覚他の精神」が失われてしまう。自分だけよければよいという自己中心的な風潮は、そこから生まれるのではないか、と先生は問いかけます。
印象的なエピソードがあります。次男が高校3年生の時、自宅を出て自立したいと意思表示をしました。家を出る際に告げた言葉は、「これからはお父さんともお母さんとも思わないから、そのつもりでつき合ってほしい」。
言葉だけを聞けば冷たく感じるかもしれません。しかしその真意は「これからつき合っていく人たちと同じように、お父さんお母さんのことも大切にしますよ」ということ。血縁という垣根を越えて、すべての人を等しく大切にする――先生が育児を通じて伝えてきた姿勢を、次男はしっかり体得していたのです。実際、それから現在に至るまで、心優しい次男は両親に細やかな心配りをし続けています。
**「き・く・あ」の実践―競わない、くらべない、争わない**
真弓先生は、小林正観さんの「き・く・あの実践」という本に深い共感を覚えたといいます。「き」は競わない、「く」はくらべない、「あ」は争わない。それはまさに、先生ご自身が家族やまわりの人々に接する上で重要視してきたことそのものでした。
競わないといっても、自分の成長において競うことは必要です。ただしそれはあくまでも「自分の過去」と競うこと。スポーツの記録でも、前の自分の記録を超えることが大切であって、他人の記録とくらべても意味はない。そうした生活を続けていると、毎日にゆとりと落ち着きが生まれ、「我唯足知(われただたるをしる)」という心境に至ります。
競わない生活からは、当然、他者とくらべないという考え方も生まれます。先生はこう述べています。子どもたちはそれぞれ生まれながらに異なる優れた能力を持っている。その持って生まれた良さを自然に引き出し、伸ばしていくことこそが親の務めではないか、と。
**お互いを尊重して語り合う習慣**
そして究極に大切なのは、争わないということです。家族同士でも、他者とも、同じ目の高さで意見を交わすことは重要です。しかし、それを争いに持ち込んではなりません。物事に執着したり、相手の意見に真摯に耳を傾けないところから醜い争いが生じます。まずは家族の中で、親子きょうだい分け隔てなく、お互いの意見を尊重して語り合う習慣を身につけたいものです。
先生はこの「き・く・あ」の考え方を、人間同士だけでなく、生きとし生けるものすべてに広げるべきだと言います。さらには土地・家屋・物品にまで。
もともと先生は、「私のもの」「私だけのもの」は存在しないと考えています。物品とは生きている間のわずかな期間に仮に与えられたもの、天からの預かりものにすぎない。この世の生を終える時に、すべて失われていくものだ、と。
**見えないものの大切さ**
この世には「見えるもの」と「見えないもの」があります。家族にとって本当に大切なのは、見えないもののほうだと先生は言います。
「貸家と唐風に書く三代目」という川柳があります。物に恵まれ何不自由ない暮らしに慣れ親しんだ者は、やがて怠惰に流れ、他者を思いやる心を失い、ついには家屋敷まで手放すことになる――そうした戒めです。
日本最初の民芸研究家・柳宗悦さんは、還暦祝いの席で子どもたちを前にこう語りました。
「私は還暦の祝いの返礼として、わが家の財産すべてを民芸館へ寄付することにした。お前たちには一銭も残さないからそのつもりでいてほしい」
親としてのこの厳しさの裏にある深い愛情が、心温まる民芸研究家・柳宗民さんらを育てたのではないでしょうか。
古来わが国に伝えられてきた「子孫に美田を残さず」という至言は、ほとんど死語になってしまいました。子どもに物質的な何かを残そうと汲々としている親の姿を多く見かける現状を、先生は嘆きます。
真弓先生の家には書斎もなく、子どもたちの個室もなかったそうです。いくばくかの書籍以外、残せるものはない。しかし、と先生はこう結んでいます。
「人間本来無一物。数々の想い出に織りなされた心の鏡こそ、私ども家族にとって何物にもかえがたい宝物である」
**脱薬薬剤師より**
この第9章を読んで、「家族」と「健康」の深いつながりに気づかされました。
競わない、くらべない、争わない。この「き・く・あ」の実践は、心の健康そのものです。薬剤師として日々感じるのは、心が穏やかであることが身体の健康の土台になるということ。家族の中で安心して自分を出せる環境があってこそ、子どもは心身ともに健やかに育つのではないでしょうか。
物質的な豊かさではなく、目に見えない絆や精神を次世代に受け継いでいくこと。それもまた、薬に頼らない健康づくりの大切な一歩だと思います。
次回は第10章をご紹介します。
治療より予防。薬に頼る前に、まず健康的な生活習慣を。
子どもたちの未来のために、今できることから始めませんか。





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最終更新日  2026.04.20 18:37:18
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