今年も残すところあと二日。
早いねぇ。とことん早いね。
僕のブログももうちょいで7000です。凄いね!(*゚▽゚)
多分年内にはいくんじゃないかなぁ。どうだろ。いけばいいな(*´ω`)
小説も書きました。
今回はちょっと長いんで、暇な人、時間のある人はゆっくりと読んじゃってください。
では。来年も変わらずよろしくお願いしますね。
二話
さくらに誘われたのは初めてだった。
中学からの付き合いとはいえ、高校に入ってからは一緒に遊んだ事もなかったし、帰った事もなかった。
時間的に言えば、俺は暇だけど、さくらは毎日部活でかなり忙しい。
地理的に言っても、お互いの家は学校をはさんでちょうど逆方向にあるので一緒に帰れる道など無い。
だから正直、一緒に帰ろうと言われたときは少し動揺した。
が、さくらの目を見ると冗談やひやかしではないことは明らかだったので
誘いを断らなかった。
俺がうなずくと、さくらは急いで部室に着替えに行った。
しばらく教室で待っていると、足音と共にさくらが戻ってきた。
全力疾走だったんだろう。息がかなりあがっていた。
お待たせ、と一言だけ言うと、さくらは生徒昇降口の方へと歩いていった。
俺もそれについた。
校舎から外に出ると、雪がちらついていた。
朝よりもさらに寒く、改めて冬の到来を肌に感じた。
「高橋、雪が降ってるね。」
寒さか、それとも何か他の理由か、さくらの声はかすかに震えていた。
「さくら。一緒に帰るって言っても、いきなり道が違うよな。どうする?」
「決まってるじゃん。こっちから誘ったんだから、高橋の家まで送るよ。」
「でもお前が俺の家まで来て、また自分の家へ帰るとなると2時間以上はかかるぞ。親御さんが心配する。」
「大丈夫だよ。帰りは走れば30分もかかんないからさ。心配御無用!」
「でも・・・」
「いーからいーから」
さくらに圧倒され、俺らは校門をでてすぐのT字路を左折し、俺の家の方へと向かった。
しばらく、学校の授業や部活、テレビの話などをしながら歩いた。
話をしていると、さくらは中学時代からほとんど変わってないというのが鮮明に感じられた。
安心した反面、さくらの時折出る声の震えに心配もつのった。
何か悪い事でもあったんだろうか。
悩み事でもあるんだろうか。
それとも単に俺の思い過ごしで、寒いだけなんだろうか。
確認しようと思ったが、震え以外に全くそういうそぶりは見せなかったので思い込みだと決着付けた。
先ほどちらついていた雪は本格的に降り始め、アスファルトの色が黒から白へと変わっていった。
そんな中、話題も尽きることなく、あっという間に俺の家に着いた。
さくらの表情をうかがうと、少しだけ寂しそうな表情をした。
「高橋、今日は無理言ってごめん。でも一緒に帰れて楽しかったよ。」
「俺のほうこそ家まで送ってもらって。帰り、一人で大丈夫か?」
「最初に言ったでしょ?大丈夫。早く帰んないとお母さんが心配するから・・・」
さくらの家は母子家庭で、お母さんと2人で暮らしている。
ただでさえ部活で遅いのに、この雪の中、心配しないはずがない。
「そっか。わかった。気をつけてな。」
玄関先で挨拶を交わし、別れた。
家へ入ると、母さんが出迎える。
「おかえりなさい。寒かったでしょう。」
俺は頭に降り積もっていた雪を払い、居間へと向かった。
いい匂いがする。食卓を見ると、今日はカレーだ。
席に着き、食べ始めると母さんが話しかけてきた。
「そうそう、一樹、あんたの同級生で母子家庭の女の子がいるじゃない。えーっと、なんて子だっけ。」
「ん。あーさくら・・・小林の事?」
「そう、小林さん!」
「小林がどーかしたの?」
「それがねぇ、あそこのお母さんが倒れて入院なさってるらしいのよね。いや~たいへ・・」
「ちょ、ちょっと母さん!それいつの事?!なんで倒れたの!!?」
「ど、どうしたのよいきなり。聞いた話によると、昨日らしいわよ。なんでかは詳しくは知らないけど・・・」
それを聞いて俺は青ざめた。
どうして気づいてやれなかったのか。
誰もいない寒い家へと一人帰らせてしまった。
きっと誘いは意思表示だったに違いない。俺に気づいて欲しかったはずだ。
情けなさで居ても立ってもいられなくなり、カレーはまだ半分ほど残っているが、玄関へと駆けた。
「一樹、どこに行くの?!」
その質問に答えられるほどの余裕はなかった。
玄関を出ると、雪は依然としてしんしんと降っている。
足元を見た。
道には三人の、いや正確には二人だが、雪のおかげで足跡がまだ残っていた。
さくらと一緒に帰ってきた足跡、そして、さくらが帰る時についた足跡。
俺は迷わずさくらの帰る時についた足跡をたどった。
幸運な事に、俺ら以外の足跡はほとんどなく、さくらの進路が手に取るようにわかった。
三本の足跡をたどるような形で俺は走った。
雪はなおも降り続ける。
しばらくすると、雪のせいで俺の家へと向かう二人の足跡が消え、帰りのさくらの足跡だけになった。
それでも消えた二つよりは断然新しいので、はっきりと跡になっていた。
足跡は予想通りさくらの家へとは続いていなかった。
学校に着くとそこから校門をくぐり、中庭の方へと続いていた。
もう真っ暗だ。
目を凝らして、辺りを見渡す。
ベンチにかすかに人影が見えた。
足跡もそこへと向かっている。
俺はゆっくりと近づく。
気配に気づいたのか、人影は顔を上げた。
人影は俺を見て驚いたようなそぶりを見せた。
「え、高橋・・・?なんで・・・」
「ったく、こんなとこで何してんだよ。風邪ひくぞ。」
俺の口から出た精一杯の言葉だった。
つづく
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