裏読書日記

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2008年05月19日
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ラッシュライフ
作家の伊坂幸太郎さんという人は、『オーデュボンの祈り』で第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した方でこれが第2作目になるそうです。(新潮社大西さん談)
・・・自らトランクを開け、歩き出したバラバラ死体。神様の仕組みを暴くため、教祖を解体する信者たち。鉢合わせした二人の泥棒。ひょんなことから拳銃を手にした失業者。金で買えない物はないと思っているアブラギッシュな富豪。常軌を逸した謎、交錯する十余の人生、唯一無二にして問答無用の結末。これぞミステリの醍醐味!・・・という内容紹介を読んでどうしようもなく読みたくなって、せがんでゲラを読ませていただいたというわけです。

嬉しいことに期待通りの面白さ。多くの登場人物が所狭しと動き回る様子は恩田陸さんの『ドミノ』に似ていながら、この特徴はとある視点にあります。仙台駅の周辺という限定された場所で起こる事件が次第に次第に交差していくのですが、その交差の仕方が独特です(あぁこれ以上話してしまうとオチを言ってしまう・・)糸が絡み合って一本の紐になると言うよりは、バラバラの紐が手品みたいに瞬時に一本になってしまう感じ。「なるほどー!」と思わず唸ってしまいました。『ドミノ』に感動した人はついでにこれも読んでみてください。

登場人物をひそかに繋ぐアイテムがいくつかあるので、そのあたりに注目してみるのも面白いかもしれません。謎アイテムも疑問は後半一気に氷解します。惜しむらくはページが終わったあとも、謎が残ってしまう点。「まあそれはそれで解決なのかもしれないけど、気になるぞ~」というネタがいくつかあって未だに非常に気になっています。一本になった糸がもう一度ほつれて広がっていってくれれば(続編も含めて)それはそれで面白いのでいいのですが…

あと、面白いなぁと思ったのは、登場時に「こいつは曲者っぽい、かなり重要な役回りになりそうだ。」と思わされた人物が割とさりげなく幕から消えていって、いかにも小市民っぽい人に限ってスポットライトが当てられる事になるところです。人生どこで主役になる場面があるかわからないという良い例かもしれません。
とにかくちょっと毛色の変わったミステリです。ある意味で大きなパズルを解いているような気分で読めますので、パズル好きの人にもオススメできる作品ではないでしょうか?私はこれを読んだことでがぜん前作も読みたい!という気分になっています。

それはさておき、新潮ミステリー倶楽部賞ってどうなっちゃったの?もしかして第5回で終わり?(2002/7/31掲載)





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Last updated  2008年05月19日 08時21分38秒
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