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ドイツで家畜の飼料にダイオキシンが混入し、卵や豚肉が回収される騒ぎになっているそうだ。 →ドイツ:家畜飼料にダイオキシン 卵や豚肉、大量回収騒ぎ廃油などを利用した合成脂質が家畜の飼料に混じっていた疑いがあり、最高でEUの基準を78倍も上回るダイオキシンが検出されたそうだ。この飼料の販売先の4700件の農家は暫定的に生産中止に追い込まれたとのこと。ドイツの卵は危なそうな気がするが、なんだかよくわからないニュース。というのは....1)なぜ廃油を使って飼料を作るとダイオキシンが混入するの?2)EUの基準ってどれくらいの濃度?3)EU基準の78倍のダイオキシンってどれくらい危ない?で、調べてみた。実は全く同じような事件が43年も前に日本で起きている。【カネミ油症事件】福岡県のカネミ倉庫の油を使った配合飼料によってニワトリが40万羽も死に、1万4000人が吹き出物や内蔵疾患などの健康被害を訴えた1968年のカネミ油症事件である。これはカネミ倉庫のライス油にダイオキシンが混入していたのが原因。食用油は脱臭のため製造途中で加熱するそうであるが、当時はパイプの中に加熱したPCB(ポリ塩化ビフェニル)を流して食用油を加熱していた。ところが、カネミ倉庫では工事作業者が誤ってPCBのパイプに穴を開けてしまい、そこから食用油の中にPCBが混入してしまった。PCBには不純物としてダイオキシンが入っており、このダイオキシンによりニワトリが死に、健康被害が起きたようである。ドイツより、はるかに深刻な事件だ。1)なぜ廃油を使って飼料を作るとダイオキシンが混入するのか? 日本ではカネミ油症事件をきっかけに1975年からPCBの製造・輸入が禁止されているが、1979年に台湾で同様の事件(台湾油症事件)が起きている。 油を作る工程でPCBを使うというのは、かつては一般的であったのであろうから、古い製法で作った油にはカネミ油症事件のようにダイオキシンが混入する可能性があるのだろう。 だから、いつどこで作られたかわからない廃油を使うと危険で、 ダイオキシンが混入するリスクがあるということだと思う。 2)EUの基準ってどれくらいの濃度なの? こちらのブログの記事→ダイオキシン報道2011によれば ドイツで混入していたダイオキシンの量は58ng/kg 基準値は0.75ng/kgとのこと。 1ng(ナノグラム)は10億分の1g。すっごく微量だ。 オリジナルの記事は→Dioxin scare: German feed fat 'contains 77 times limit' こちらのページにも→EUによる食品中のダイオキシン濃度の基準値EUの基準値が載っており 0.75ng/kgというのは植物油についての基準値で、EU基準の中でもっとも厳しい値である。 ちなみに豚肉は1ng/kg、鶏肉は2ng/kgである。3)EU基準の78倍のダイオキシンってどれくらい危ないの? ドイツの事件のダイオキシン濃度はカネミ油症事件のライス油に含まれていた ダイオキシンの量と比べてどうなんだろう? 調べてみたら、 あった、あった。→カネミ油症ライス油中のダイオキシン分析の論文。 これによれば、ライス油中のダイオキシンの量は600μg/kg=600000ng/kg ドイツで検出されたダイオキシンの濃度の1万倍だ!桁違いもいいところ。4桁も違う! また、この論文には油症を発生させる最低限のダイオキシン摂取量も書いてある。 0.067mg(=67μg=67000ng)なのだそうだ。 ドイツで検出された58ng/kgの汚染された油を何g摂取すると油症が発現するか? 67000÷58=1155kg=1.1t なんと1トン! 仮に卵にも同じだけのダイオキシン汚染が起きていたとすると、 油症発現までに必要な卵の数は? 卵1個70gとして計算すると.... 1155000÷70=16502個 4年半毎日10個ずつ汚染卵を食べ続けるとカネミ油症が発現するということ。 ということは、 ドイツのダイオキシン卵をひとつ二つ食べたところで、健康被害は起きない 大騒ぎするほど危なくない というのが、ボクの結論。 報道に振り回されるのでなく、冷静に対応したいものですね。 それにしても、日本は公害先進国というか、いろいろなことを経験しているのですね。
January 10, 2011
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