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2006年07月26日
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カテゴリ: 環境・自然
 国内の森林の3分の1を占める広葉樹林で、代表的なコナラ、ミズナラといったブナ科樹木が集団で枯死する「ナラ枯れ」の被害が、ここ数年で急速に拡大している。景勝地の森林にも飛び火し、効果的な対策が見つからないまま、景観などへの悪影響の懸念が被害とともに広がっている。
カシノナガキクイムシの成虫。左がメス、右がオス=森林総合研究所提供

 清水寺や銀閣寺などの名所が集中する京都・東山。昨年8月、国の歴史的風土保存地区に指定されている国有林で、コナラやシイ約230本の表面に直径2ミリの無数の穴が開いているのが確認された。赤茶色に立ち枯れたり枯死寸前だったりした80本が、被害拡大を防ぐため切り倒された。

 岐阜市の景勝地、金華山の国有林でも昨年9月以降、ドライブウエー沿いのコナラなど25本が立ち枯れ、夏の緑の中で季節はずれの紅葉のような無残な姿をさらしている。「観光だけでなく、市民にとっても特別な山だけに被害は深刻です」と林野庁岐阜森林事務所。だが、有効な対策は施せていない。

 犯人は米粒ほどの虫だ。体長4、5ミリの甲虫カシノナガキクイムシ(カシナガ)。木1本に1000匹以上が侵入し、枯らしてしまう。

 カシナガによるナラ枯れは戦前からあったが、本州の日本海側で集団枯死が確認されたのは80年ごろ。その後も拡大を続け、同庁によると04年度末までに19府県で被害が出た。04年度の被害面積は計1114ヘクタールと、5年で3倍に広がった。

 以前は散発的で、すぐ終息していたが、十数年前から一度発生した所で翌年以降も起き、さらに周囲に広がるようになったという。

 とりわけ関係者を驚かせたのは福島県内での急拡大だ。03年度まで県西部の一部にとどまっていた被害は04年度、一気に県中央部の猪苗代湖周辺に達し、会津地方をほぼ覆った。被害面積も1年で2.3倍に広がった。

 直線距離にすると1年で40キロ以上も進んだことになるが、原因ははっきりしない。同庁森林保護対策室の担当者は「それまで年2~10キロ程度だった拡大のスピードをはるかに上回った」と、対策の見直しを急いでいる。

 被害拡大の原因を研究している京都府林業試験場の小林正秀主任は「人が森林を利用しなくなったためだ」と話す。

 カシナガが好む樹齢50年以上の大木は、昔こそ薪や炭として使われていたが、60年代以降に燃料が石油中心に移ると利用されなくなった。近年はカシナガの繁殖に適した老木に成長している。

 木の幹に薬剤を塗ったり、ポリエチレンを巻いたりなど様々な予防法が実施されているが、本数が多いとすべてを処理するのは難しい。現状では枯れた木を切り倒し、内部のカシナガを殺して被害拡大を防ぐのが最も有効な方法だ。

 だが、最近は大木を切る技術を持つ人も少なくコストもかかる。京都・東山では80本を切るのに約500万円かかった。

 被害は今も進む。日本海側では今年になって山形県北部から秋田県境に迫った。県境から世界遺産のブナ森林、白神山地までは約120キロだ。

 同庁は森林の病虫害で最重要の被害だとして、今年度から自治体の駆除事業への補助を増額したが、小林主任は「ナラ枯れは火事のように、あっという間に広がる。被害を見つけてから対策の予算を組む現在のやり方では間に合わない場合が多い」と指摘している。 (参考=朝日新聞7月26日)





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最終更新日  2006年07月26日 22時30分32秒
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