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2014.09.28
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 殺人の追憶でこの映画の監督「ポン・ジュノ」という監督作品の中でも評価が高い「母なる証明」を借りてみました。以下、ネタバレあります。

 軽度の知的障害がある息子が、ある日、殺人事件の犯人として捕まる。警察のずさんな捜査、いい加減な弁護士に息子を溺愛する母親は業を煮やし、自ら息子の無実を証明するために奔走する。しかし、それは思わぬ結末にたどりつくのであった。

 えーと・・・すごい・・・としか・・・「殺人の追憶」の時も思ったのですが、この監督のストーリーをミスリードする能力は異常です。最初はそれこそ「無実を信じる母と純粋な息子の愛」を描くヒューマンドラマかと思ったら、その愛すらおぞましい・・・息子を信じるがゆえに時には犯罪にまで手を染め、次第に狂っていく母。そして、一番知りたかった真実にたどり着いた時、母が選択した行動。まるでハッピーエンドのように思えるが、狂った状態での安定・・・

 うわあうわあ・・・非常に面白かった!けど、なんだろう?わけのわからない変な感情がぐるぐる渦巻いて。見終わった後にネットで他の方の感想を見たのですが、同じように「なんだかわからないけどなんだかすごいな」という。

 でも、いわゆる風呂敷広げて投げっぱなしではありません。伏線もすべて回収し、事件にはきっちり決着がついている。映画が終わって振り返ると恐ろしく殺風景で、荒涼とした風景が広がっているような。これは殺人の追憶でも感じた「あとは見た方にお任せします」という余韻が印象的な作品と言いましょうか。

 日本で母の愛、というと野口英世の一生を描いた「遠き落日」に代表されるような耐え忍ぶ母親、無償の愛を与え続ける「いい話」として母親を描くのが普通ですが「息子を信じる」という母の愛のえげつなさというか・・・たとえるなら万引きした息子に対して店員に「この子はいい子なんです!絶対何かの間違いなんです!」と半狂乱になる母親の姿を見るようなというか・・・

 また、韓国映画にありがちな過剰な演技や派手なシーンはない、それこそ泥臭い、裏路地をずっと歩いているようなトーンでありながら、時折はっとする映像美があり。この映画を撮影した時に監督は40歳だったらしいですが、既に老練、ベテランの域を感じさせる映像美で。

 感想を一言で言えない、でも確実に「すげえ」と思わせる作品でした・・・






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最終更新日  2014.09.29 01:57:09
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