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2019.04.20
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経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”

 たとえば私が新卒で最初に入った会社は入社後5年ぐらいで倒産しました。その時から私の意識は「会社の存在に人生を依存したら危険だ」というもの。それからは社内での肩書きより、自分の技術をあげる、社内の縦のつながりではなく、横のつながりでコネクションを作ることを重視しました。

 結果、幾度も転職をし、そのたびに収入を増やす(長年勤めることによる定期昇給、ベースアップには期待しない)というやり方で。さすがに年齢が年齢なので、これ以上は望みませんが、「明日、会社が倒産しても次の当てがある」状況を常に意識し、そのための準備(ポートフォリオの作成、新しいツールを自主的に覚えるなど)をするようにしています。

 今の世の中、「え?あの大企業が?」ということはこの国では多くて。たとえば10年前、東芝がこんなことになるなんて誰が想像したでしょうか?白物家電業界から日本の企業がほとんど撤退しているなんて。

 そして何より、これから労働人口はこの国ではがた減りになることがわかっています。若者は一方的な売り手市場。にもかかわらず最低賃金程度で一律にバイトを募集する、優秀な人材が欲しいといいつつ、大卒の新卒者を一律20万円程度の初任給で雇おうとする日本企業が、外資系に月額40万で東大、京大といったエリートをかっさらわれる。

 終身雇用は「社内であまりいい成績が出せてなくても、まじめに勤めれば報われる」という前提が会社都合が悪くなるとリストラを平気でする、企業経営側の姿勢を失われた30年で知っている。

 だからこそ、「終身雇用がない、つまり、愛社精神のサービス残業に意味がない。給料分の仕事しかしません。どんなに仕事が残っていても定時に上がります」という考え方をされる。

 こうなると「残業代を払わない、ブラック体質を改められない企業から消えていく」という市場原理になればと。

 「お前の代わりはいくらでもいる!なんて言っている会社の仕事とは、逆に今の会社じゃなくてもいくらでも働き口がある」と開き直る。そうなると終身雇用ができず、生産性が安定しなくなって本当に困るのはだれか?

  先日、全国の港湾作業労働団体が一斉にストライキを起こしましたが、その引き金になったのが月額最低賃金16万4000円すら確約できない、とする経営側の言葉です。これって年収200万円程度の話ですよ・・・どれだけ働き手を馬鹿にしているのかと。

 社員の生活を守らない企業から人がどんどん流出する。これまで経営者が散々甘えてきたツケであり。





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最終更新日  2019.04.20 09:33:10
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