これは、私が以前に勤めていた不動産会社の
元同僚の山口(仮名)におきた実際にあった話です。
ある日、一人の女性のお客様がご来店され
元同僚の山口が応対をしておりました。
店内にて色々な物件を紹介し
ある駅前の物件を見たいという事になり内覧へ行く事になったそうです。
その物件は築年数の割には広くてキレイで
あまり空室が出ない人気物件でもあったそうです。
目的の物件までは車で10分程度の場所だったそうなので
元同僚の山口と女性のお客様は一緒に車で目的の物件へ向かいました。
そして、目的の物件であるマンションへ到着すると
元同僚の山口は向かいの駐車場へ車を止めたそうです。
車を降りた際に
元同僚の山口が 「こちらの物件がご内覧予定の物件です」 と話し掛けながら女性の顔を見ると
女性は少し険しい表情でマンションを見上げていました。
元同僚の山口が
“外観が少し古い感じがして嫌なのかな”
と考えていると
その女性のお客様は急に
“もう内覧は結構です。お店へ帰りましょう。 ”
と言われたそうです。
元同僚の山口は急な発言にビックリしたのですが
内覧もせずに店舗へ戻ると上司に怒られると思い
“外観は古いですが、お部屋はキレイです”
“見るだけでいいので、少しだけでも見てください”
などと必死に説得しました。
女性のお客様は元同僚の山口が
説得している合間にも何か言おうとしていたそうなのですが
元同僚の山口が半泣きで矢継ぎ早に説得しているので
少しだけならと仕方なく了承してくれました。
そして、二人はマンションへ入りエレベーターで目的の部屋である4階へと向かいました。
目的のお部屋は
エレベーターを降りて右へ曲がって手前から二つめだったそうなのですが
エレベーターを降りて右へ曲がってすぐに女性のお客様が
“危ないかもしれない!
気をつけて!”
と小さな声で言いました。
元同僚の山口も
女性の言い方に何かを感じたらしく
廊下を歩きながら明らかにさっきまでとは違う空気を感じていたそうです。
二人は何かが張り詰めた空気の中を歩きました。
目的の部屋の少し手前まできた瞬間に
女性のお客様が急に叫びました!
“目を閉じて!”
元同僚の山口はビックリするとともに
力いっぱい目を閉じました。
女性のお客様は続けて
“目を絶対開けないで!
私が引っ張って誘導するからゆっくり後ろに進んで!”
元同僚の山口は言われるがままにシャツをひっぱられ
後ずさりしながらエレベーターまで戻り1階へおりてマンションの外へ出ました。
“もう目を開けても大丈夫”
女性のお客様の声とともに目を開けると
女性のお客様は何とも言えない悲しそうな表情で
元同僚の山口を見つめておりました。
そして、さらに女性のお客様は続けてこう言いました。
“あなたは二度と、このマンションには来てはいけない!”
“二度とこないでね・・・”
その表情と声は二度と会えない別れを告げる様な言い方だったらしく
元同僚の山口も二度と来ないと約束し二人はお店へ帰ったそうです。
そして後日、、、
元同僚の山口は
どうしてもあの日の出来事が気になり
女性のお客様にあの日の出来事について聞いたそうです。
すると女性のお客様は
自分自身が幼少期の頃から他の人に見えないものが見えている事や
他にも色々と分かる事があるという事を教えてくれたそうです。
そして、あの日の出来事についても説明してくれたのです。
あの時、マンションの前に車で到着した時には
廊下から小さな女の子がこちらを見ていたらしく
マンションに入ってからは目的階である4Fの
エレベーターを降りて右に曲がった廊下の一番奥で
廊下から覗いていた小さな女の子が待ち受けていたそうです。
女性のお客様はエレベーターで4Fに到着して降りた時に
待ち受けてる女の子に気付きその雰囲気から少し危険を感じたので
エレベーターを降りてすぐに“ 気をつけて” と元同僚に声を掛けたそうです。
そして廊下を歩き出して
目的のお部屋の手前になった瞬間に
奥の廊下で待ち受けていた小さな女の子がもの凄いスピードで
笑いながら寄ってきて元同僚の山口の顔の前まで来たそうです。
女性のお客様は、
元同僚の山口が、この女の子と目を合わすと危険だと感じたので
とっさに目をつむらせたそうです。
ただ、元同僚の山口の目を閉じさせた後に
その女の子は女性のお客様の事をずっと睨み続けていたそうで
二人がマンションの外へ出るまで女性のお客様の事を睨み続けて
マンションの外へ出る間際には
“お前ら許さない”
と言ってきたそうです。
女性のお客様は
“あなたに何かをしたかったのだと思うけど
危険だと判断して守ったから怒ったのだと思う”
と言っていたそうです。
女性のお客様も
あそこまで危険だとは襲われるまでは分からなかったらしく
ただ、一緒だったから守れたとも言ってたらしいです。
どこにでもありそうな話ですが、
この話は、実話です
P.S
当然、元同僚の山口は今も元気に生活しております
ただ、今でもマンションの中で小さな女の子を見ると少し怖いらしいです