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他人から親切にされたら、詐欺かな?と思ってしまう。人間関係が希薄になっていて相談する人が誰もいなければ、騙されていると思っていても家に招き入れてしまうかもしれない。この物語は登場人物がそれぞれ個性的で、同じ環境で育ったはずの親子兄弟でさえも、違う問題を抱えてすれ違っていく。長男の妻は在日韓国人で、妻の気持ちを理解するために相手の立場になりきってしまう。次男はゲーム依存症で、借金までしてしまう。それを知らずに結婚した次男の妻は「騙された」と思い込み、姑に対し「夫の製造責任者として責任を取ってください」と言う。長女は両親と離れたくてアメリカへ留学し、プエルトリコ系アメリカ人との子供を未婚で出産する。それにしても、一つの家族にこれだけ多彩な設定をしたものだな、と感心した。そこに、絶縁状態になった家族を元に戻そうとするおせっかいな人が登場する。その人を詐欺師かもしれないと思いながら待っているのが兄弟の母だ。そこには、現代人が抱えている、すぐには解決できないような問題が凝縮されていて、頭の中はごちゃごちゃ。でも最後には、閉塞的な社会に少しでも光が差すような気がした。だまされ屋さん (単行本) [ 星野 智幸 ]
2021.02.24
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「この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物・団体等とは関係ありません」と末尾に書かれているということは、多いに関係があるということですね。10年前の作品『ナニワモンスター』で危惧されたことが未知のウイルスの出現で現実になってしまいました。厚労省は過去に中国や韓国でSARZやMERZが流行した時に、「対岸の火事」のように傍観していただけで、日本で新型感染症が流行したらどうする、という基本的な対策を何も考えなかった。おかげで、横浜港に入港した「ダイヤモンドプリンセス号」では船内のゾーニングさえできず、感染者を増やしてしまった。3000人の感染対策もできなかったのに、1億2千万人の日本の対策ができるはずもない。2020年7月出版なので、お坊ちゃまで能天気な首相が再び政権を放り出したところまでは描かれていません。フィクションだからこそできること。続編を期待します。コロナ黙示録 [ 海堂 尊 ]
2021.02.16
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ミャンマーのクーデターが起こる前に読み始めた本です。あとがきは2020年7月。「ロヒンギャ問題を解決するために明確な指針を出すのは、ミャンマー国民に絶大な人気を持つアウンサンスーチー氏が国のトップに就いているいる今が、絶好(最後?)の機会でもある」と、最後に書かれていた事とは裏腹に2021年2月1日にクーデターが起きてしまって、スーチーさんは軍部に拘束され、4回目の軟禁生活に入ってしまった。これで、また「ロヒンギャ問題」が後回しになってしまう・・・ミャンマーは他民族国家で、上座部仏教徒が多数でイスラム教やキリスト教は少数ということです。少数民族が300以上もあると報告されているが、その詳細は分からないようです。その中で「ロヒンギャ」はなぜ迫害されているかというと、少数民族でムスリムで言語も違う、という理由だけではない。とても複雑な歴史を抱えていて、読み進めるほどに解らなくなってしまいました。ロヒンギャの人たちは、ミャンマーイギリスの植民地になる前からバングラディシュとの国境沿いに住んでいて軍事政権下のミャンマーの憲法改正で国籍を剥奪されてしまった。だから、ミャンマー側からすれば、「バングラディシュからの不法移民」バングラディシュ側からすれば、「ミャンマーからの不法移民」ということになって、どの国も保護する義務がない状態なのです。スーチーさんも75歳。生きている間に民主国家が実現できるだろうか?ロヒンギャ 差別の深層 [ 宇田有三 ]
2021.02.10
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