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大卒の就職率が過去最悪となっているようです(57.9%)。私は、今は懐かしい、いわゆるバブル世代でして、友人同士で何社内定をもらったかを自慢しあうような風潮があった就職活動でした。私は当時入社した「都市銀行」(この言葉は死語ですね)に内定をもらって、他社は全て断ったので、1社だけでしたが、皆3~4社程度の内定をもらっているようでした。 私が言うと結構矛盾している可能性もありますが(私は大企業をやめちゃいましたが、現在の雇用を守るために、新卒を絞っているという側面もある)、最初の会社なんてある程度くじ運のようなところがありますので、就職できなかったからと言って、傷つくことはない、と言えると思います。一つも内定がもらえないと、自分自身が全面否定されている気になりがちでしょうが、そんなことはありません。社会人になってからの努力や経験の方が10年以上先を見た場合、ずっと大事になります。また、就職方法や就職先をもっと幅を広げてみる必要もあるでしょう。海外企業や外資、中堅、ベンチャーなど面白そうなことをやらせてもらえそうな企業はたくさんあると思います。 以下のランキングを見てください。過去20年間の大学生に人気のあった就職先の一覧です。驚くことに2010年でもJALが文系の5位に来ています(それまで赤字、増資、赤字を繰り返していたのに)。2008年を除き、ソニーは毎年ランキングに顔を出す人気ぶりだが、そのソニーの現状は...。ソニー、東京三菱UFJ銀行、パナソニック、なぜか全日空(1991年の私の時も3位だった! イメージがいいのだろうが、好況時は原油代の値上がり、不況時は空席で業績は変動が激しい)、トヨタ自動車、JR各社、サントリー...。就職の戦線に異状はなさそう?に見えます。 また、こういった企業は多角化していますので、自分の希望通りの職場に配置される可能性も多くはないはずです。もっとも、日本の場合、基本的に学生を育てて、戦力にするという風土が未だあるようですので、最初に入社する企業が、比較的余裕のある大企業である場合、社会人としてのイロハを教えてもらえるというメリットがあるように思えます(外資はちょっとわからない)。ただ、自分で仕事を見つけて、会社に貢献する人が最終的に生き残っちゃいますので、あまりそういった環境にどっぷり浸ると後々困るように思います。 中堅以下の企業の場合、余裕がないので、気の利くやつから使われる、という風になるでしょう。自分も学生時代、あまり変わらなかったので、偉そうなことを言える立場にありませんが、どういう仕事がしたいのか、と言うより、どういう企業が入社して安心なのか、というイメージが強いと思います。 さらに言えば、変化を拒むガラパゴス企業も結構目に付きます。 世の中、特に日本を取り巻く環境は、これほど危機意識が高まっているのに...(私のころは、日本企業がこれから世界を席巻するという感じでしたが、今はもっとネガティブな感じを受けます)。 今になって、バブル時代の楽ちん就職世代の私がアドバイスしても、仕方ないのかもしれませんが、もっと視野を広げて、いろんな業界、いろんな人、いろんな仕事を研究して、自分なりの就職先を見つけた方が、充実した社会人人生を送れるように思います。 今は、Web等で知らない人からいろんな情報がタダで入手できることが多くなっています。ただし、そのためには、自己研究と言いますか、自分が何者であるのかをしっかり見つめなおすような作業が必要になります(私は転職するときに、これを真剣に考えた)。それが出来ると、「既存の枠」にとらわれずに、方向性が決められると思います。 「良い会社」に入っても、退職金や企業年金のカット問題(これ、生涯賃金にかかわる問題)、成長鈍化で思うような仕事のできないリスク、希望職種は満員状態、硬直的で成長志向に乏しい経営陣(株式投資家の見地からはそのように映る企業が多い)...。 いずれにせよ、就職しても、なんにしても、大学を卒業してからの過ごし方の方が、それ以前より、ずっと重要ですので、あきらめずに、自分の目標なり、役割なりに集中されることが重要です。長い人生では、チャンスは向こうからもやってくるのです。 野球に例えれば、今回の打席は、厳しいボールばかり攻められて、うまく打てなかったが、次の打席にはど真ん中の絶好球が来ることもあります。その球を打てるか否かで、いろんなものが変わってきます。そういうものです。ど真ん中の球をフルスイングできるような準備が何より大事です。 応援よろしくお願いします。
2010/11/18
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いつものことですが、日本の新聞(日本経済新聞しか読みませんが)は経済見通し等に過度に悲観的だと思われます。同系列の経済TV番組(ワールドビジネスサテライト)も似たような感じです。 小谷キャスターはゲスト解説者に「ダメですよねえ」としつこく質問し、解説者も「そうですね」とその場をやり過ごすシーンがよく見られます(フェルドマン、ミコシさん、五十嵐さんは持論をしっかり述べられるが、それでも時折負けているシーンがある)。 「裏番組?」である日経CNBCなどに同じ人物が出演すると(ヴェリタストークなど)結構持論を展開するのに。 米国経済は「戦後最悪の不況」、「百年に一度の」だから、現在の回復局面もすべて まがいもの であるであるかの様な報じ方です。 日本経済も失業率が回復傾向にあっても「すぐに5%台に逆戻り」とか、現金給与支給額が20か月ぶりにプラスに転じても、TOPIXは大きく反応しませんでした。 私が一番気に入らない(といいつつ読んでいる馬鹿な自分)のは日経夕刊の「ウオール街ラウンドアップ」というコラムです。これは記者の実名が入っているため、「大磯小磯」のようなふざけたコラムとは一線を画す必要性があります。 このコラムを書く記者(Z氏)は本当にウオール街から書いているのか?と思うような感じです。なぜならCNBC、WSJ、ブルームバーグ等を読んでいると、悲観論もあるが、建設的な意見も同じぐらいあります。 週末の米雇用統計発表後の株価の反応はまさしく「建設派」が優勢だったわけですね。同コラムは「いや、それでも1500万人の失業者がいるようでは、消費の回復の足取りは...」といった感じでした。 日経新聞さんの論調は、「バブル絶頂の景気と比較すると、今の景気の状況はまったく富士山の3合目程度に過ぎず、全然だめだ」といった考え方が前提にあり、「富士山のふもと、いや、地下まで突き落とされた景気が、3合目まで回復してきた。頂上には程遠いが、少しずつ上り調子を大事にしよう」という感じにはなりませんね。 「3合目まで盛り返した」と考えるか「たった3合目」か。投資家はおおむね前者でしょうか? もちろん、あのようなバブル崩壊ののちに、楽観的に物事を構えることはできませんし、慎重な見通しを持つことは重要ですが、「グリーンシュート」を摘んでしまう議論を毎回展開していると本当に、悲観が自己実現しかねません。 日本人は元来熱しやすい国民性(言い換えると主体性なく、大衆心理に流されやすい画一的な面)を持っているので、悲観論で「洗脳」されると、本当に悲観的になっていき、不必要な「心理不況」を招きかねません。マスコミさんが不況なのは彼ら自身のレベルが低いからでしょうが、国民経済全体を巻き込まないでほしいものです。 私は金融不況の真っただ中に(2001年)監査法人系のコンサルタント会社に転職しました。当時、金融機関は不良債権の山をやっと削る覚悟ができていた時でした。今思えば「不良債権処理ビジネス」の勃興期にあったので、結構求人意欲が旺盛だったのですが、もし、「常識的な」発想のままだったら、転職チャンスを逃していたかもしれません。 その監査法人系コンサル会社は今でこそ、入社が結構大変で、100枚ほどの経歴書から数枚の面接プロセスに進み、数回の面接を経てやっと1名の中途入社が決定されるようですが、私は初面接でいきなり内定でした。今応募すれば、100%採用されないだろうと自信があります(笑)。 銀行当時の同期からは、半分冗談でしょうが「いいなあ」と言われます(内心、「じゃあ辞めればいいだろ」、と思います。今の銀行員と仕事の話をしていると窒息死しそう)。 先日、某国内大手証券会社の方と話しましたが、中途採用が再開されているようです(国内系証券でもM&Aの事情から英語が必須のあそこ)。 他人とコミュニケーションをとるときに非常識では困りますが、赤信号をみんなで渡るような考え方でも前に進みません。 私は今転職活動を行っているわけではありませんが、転職も投資も「正しい情報」にもとづいて、非常識な行動をしたいものです。 といいつつ、3月はFRBのMBS債権買い取り終了、4月は米住宅取得税控除の最終月等、目先に2010年上半期株式市場最大のイベントがありますので、投資のほうはちょっと慎重になっていますが(下がるのを待っている)。 応援よろしくお願いします。
2010/03/07
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悲しいニュースとうれしいニュースと近況のご報告 いっぺんに重なってしまいました。 悲しいニュース名優、ポールニューマンが死去。享年83歳、癌とのこと。ご冥福をお祈り申し上げます。「明日に向かって撃て」、「スティング」、「ハスラー」、「ハスラー2」(若き日のトムクルーズと共演)などが印象に残っています。特にスティングの演技が好きだった。彼の飾らない気さくでユーモアのある演技スタイルが好きでした。 うれしいニュース10万アクセスを突破することができました。これもひとえに皆様方のお陰です。ありがとうございます。今後ともご支援・ご指導よろしくお願い申し上げます。1万アクセスを突破したのが昨年の10月6日ごろでした。何かあっと言う間でした。 近況報告実はブログタイトルの変更をいたしました。ほとんど変更になっていませんが。理由は私自身が経営コンサルタントではなくなったからです。今は某バイアウトファンドにお世話になっております。いわゆるファンドでは、ディールが始まると突貫工事のような日々が続き、ブログの更新もままならない状況が継続しています。それ以上に、ブログネタのM&A情報にキャッチアップできなくなっていき、ブログ内容も短めで分析もおざなりになりがちです。前職を含め、あまり自分自身の仕事内容について語ることが少ない(守秘義務が多いため)ため、どうしても時事問題の議論になってしまうのですが、ご容赦ください。 ブログタイトルを変更しようか、ブログそのものを別の会社に移籍して、新たなブログをスタートさせようか10万アクセスに達したら考えようとしていました。結局、引き続き楽天さんにお世話になろうと考え、ブログタイトルそのものを変更することとしました。その名は「元・経営コンサルタントのつれづれ日記」で、「ほとんど変わらへんやんけえ」と言われそうですが、ブログのスタイルをそれほど変更する気がないというのが主な理由です。もちろん、ファンドにいますので、そういった観点での考え方をミックスしていくことになると思いますが、それはスパイスのようなもので、ブログ記事をファンド生活を中心としたものにはならないだろう(先のことはわかりませんが)と考えております。尚、プライベートエクイティファンドですので、アクティビストや敵対的買収を仕掛けるような立場にはないと蛇足ながら申し添えます。 もっと転職ネタを書いたらどうだとか、ファンドって何考えているの、とかいろいろご意見をいただくような機会もあるので、M&Aの旬なネタの仕入れが難しくなりつつあるので、その代りと言ってはなんですが、お伝えできる機会も作っていきたいと思います。何はともあれ、今後ともよろしくお願い申し上げます。 ポールニューマンの弁護士映画(題名なんだっけ)でももう一回見てみようか、「明日に向かって撃て」を見てみようか、時間がほしいなあ。さみしいなあ。
2008/09/28
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転職と給与について私の場合は、銀行からメーカー:約10%程度ダウンメーカーから第一のコンサル:33%アップ今のシンクタンクへ:0%(つまり同じ)経験上、採用側でも収入の下がる人を前向きに採ろうとは思わないようだ(入社後人事に聞いたりするとそのようなことをいっている)。まだまだ受け入れ側は、転職者に「敗者復活」 のようなイメージを抱いているケースがあり、そのためには転職先で、潜在的な実力(前の会社で埋もれていたとか失敗したとか)を十二分に発揮してもらいたいと考えからである。なぜなら、そもそも採用には 「当たり外れ」があり、新卒でも中途でも一定の確率で「外れる」(新卒での確率と中途での確率はまた違うとは思うが)。しかし、新卒の外れと中途の外れでは、意味が違う。前者は向いていそうな部署に配属すればまあそれで、何とかなるが、中途では職種採用が一般的なので 「つぶしが利かない」。 また、人件費コストも新卒の給与の倍かそれ以上かかるわけである 要するに採用リスクが大きいのだ。だから経験者をほしがるのだと 推測する。したがって、私は未経験業種に転職する場合は、「未経験ディスカウント」、経験者は同じぐらいから+10%程度の給与で転職するのが望ましいと考える。ただし、採用側でも、その人の持つ能力を最大限に生かしたいと考えているはずであり、たとえ一時的に同じか低くなってしまっても、将来的にはあがるようなキャリアパスを想定しているはずである(私はそのように言われましたし、そうなりました)。採用側も給与が一番のインセンティブと知っているからである。しかし、採用リスクも大きいので、入社時点はこの程度、がんばればぐっとアップ、というシナリオを好みたがる。また、採用面接の時点で、あまり給与で主張しても、入社後にどうせ「お手並み拝見」となります。給与水準もおおむね皆の知るところとなります。したがって、主張しすぎれば、入社後皆の見る目がよりいっそう厳しくなります。この辺は人の感じ方次第でしょう。気にしなくて接する人もいれば、厳しくチェックしている人もいますので。その辺を考えると、上限+10%が限度でしょうか。ただし、給与水準というのはそもそも、業種、業態、会社の業績、役割などに左右されますので、例えばメーカーの経理からサービス業の経理に転職して、同じ役職なら、下がるのではないでしょうか? この場合、役割り期待がアップして、給与がアップするなどなら自然ですけど。私はメーカーからコンサルに転職しましたが、入社後は他の人も私と同水準だったので、アップ率云々の話でなく、業種、職種がまったく違っていたからあまり前職の給与は関係なかったという例です。前職から外資系証券に転職した人は4倍になったそうですが・・・。20代ではやりがい云々を感じましたが、やりがいのある職種でも色々あるので、給与が下がるシナリオはいまいちお勧めできません。転職雑誌とかで言っているのは、正直負け惜しみなきがする。はじめての転職、最初の半年程度は 「下がってもやりがいアップで気にならない」 みたいな話をよく読みましたが、1年以上たつと給与は意味が重くなると思います。その時点で昇給チャンスがあればいいのですけど。
2007/02/11
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さて、素朴に転職とはなんだろう? 一般的には別の会社に就職することと考えられているようである。つまり、「職場を変えること」 となろうか? これでは少し単純ですね。 私は経験で、「こんな感じかな?」と思っている。職場を変わることは、誰にとってもチャンスであり、リスクでもある。しかし、その職場チェンジが自分の意思によるものか、定期的なローテーション人事かということが最初の分かれ目だと思う。最近では社内FAなど、出来るだけ希望通りの職種につけるようなインセンティブを持たせる会社もあるが、人気職種だったりでなかなか順番が回ってこないケースが多い。社内で職場を変えるといっても、A支店からB支店への異動で同じ営業職という場合、上司と顧客は変わるが、仕事内容は変わらない。A支店の営業から経理だと上司も職種も変わるが、会社は変わらない。新卒入社の場合だとよくあるパターンだ。この場合、未経験職種につく、期待と不安があるが、会社が同じなので幾分気分がらくだ。同じ社内の場合、たとえ見知らぬ同僚でも、「知り合いの知り合い」ベースで結局は人間関係がつながる。肝心の仕事内容は、がらっと変わり、交渉ごと中心からルール中心になり、知識を新たに吸収しなければならない。プレッシャーも少しある。上司にしても前職場での評価はとりあえずはリセットしているはずである。では、所属会社の変更を伴う場合はどうだろう。いわゆる転職である。これは原則自分の意思でするものだ。解雇になったとしても、その後の活動は自分の意思で行う。一般的な転職では、待遇アップややりがい求めるなどの動機がある。職種が変わらない場合、基本的な仕事内容は同じで、上司が変わり、顧客も変わる(時には前の顧客がくっついてくる場合すらあるが)。この場合、所属企業が違う(もちろん給与体系も違うが)だけで、仕事内容が同じなので、結果を出しやすく、プレッシャーも幾分軽減される。同僚の目ははじめはきついが上司の目は、期待で満ちているのが通常である(転職の場合、直属の上司が採用の第一推薦者であるため)。では、所属会社も職種も変わる場合はどうだろう。たぶん、転職希望者が一番多いパターンは「やりがい求めて違う職種」 というのが多いのではないだろうか? しかし、職種が違うと通常は顧客も違うし、会社が違うので人間関係もかなり違うはずだ。成果と人間関係とダブルのプレッシャーを受けることになる。これらのことを考えると、リスクが大きいもの順に、1会社と職種が変わる転職、次に2職種が同じでも会社が変わる転職、そして3同じ会社で職種が変わる、4職種も会社も同じで職場が違う、の順番である。3は同じ社内だと、人事に傷がつくけど、2の周りの目よりは、やっぱり甘い。となると、待遇面では、リスクの大きい順番によくなければ割に合わない。しかし、現実にはローリスク・ハイリターンが一般的だ。次に転職と待遇について述べたい。
2007/01/26
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さて、「転職もありうる」 という潜在的意識のあったままの就職活動となってしまったが、そこは学生であったのでしょう。某都市銀行に決まって、活動をしていくうちに、ファイナンスを通じてコンサルティングが出来るのなら、その必要性もないな、と次第に感じるようになった。むしろ、商業銀行(要するに預金・融資業務ですね)の付随業務として、コンサルティング・アドバイザリー業務があるのを知ったので、その方面を目指そうと感じるようになりました。また、もう一度留学もしたいと思い、MBA派遣制度への勉強(要するにTOEICですね)も少しずつやっていました。このころは、銀行側から、財務・税務・会計(簿記)・不動産やら大量の実務周辺知識に融資についてや複雑な事務手続きなどとにかく覚えることが沢山あった。銀行というところは性悪説で社員を管理しなければならない(毎年のように顧客の預金を横領するとか客から預かった小切手や手形を紛失するなどという「事務上事故」が発生し、これを予防するためには、社員に事務手続きどおりの処理を義務付ける、社員も事務手続き通りの処理をすることで免罪されるなど)。ということで最初の3年程度がすぐに過ぎてしまった。このころはほとんど転職を意識しなくなっていた。
2007/01/13
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さて、カテゴリーのひとつである転職活動についても、書いていくこととする。私は転職について語る資格があると思っている。プロフィールを見れば当然だが、転職歴が多い。単にジョブホッパーとお思いの方もいるかもしれないが、そんなことはない(と自分では思っている)。 悩んだり、相談したり、本を読んだり、いろいろもがいた。 このブログは私個人の記録をとどめることが最大の目的ではあるが、同じような境遇の方も多いだろう。悩める諸君は参考にしてくれると幸いだ。自分の社会人人生の回顧録に近い内容となるであろう。 数回のシリーズものになるが、長期にわたり書いていくつもりである。現在のところ時系列にこれまでの社会人人生を振り返って書き、都度得た教訓や経験ごとを書くこととしよう。まずは学生時代の話から・・・。 私は大学在籍中に、アメリカのミルウォーキーという田舎都市(人口60万程度のミシガン湖沿岸に属する都市。ビールの産地やハーレーダビッドソンの本社がある)に約1年弱留学していた。当初5ヶ月程度はESL(大学付属の語学履修コース)で学び、残り5ヶ月弱は学部に編入し、単位をとった。ウイスコンシン州立大学ミルウォーキー校だ。卒業生に、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領、アーノルド・シュワルツネッガーカリフォルニア州知事、そして元アイドル歌手のデビー・ギブソンらがいるそうな(一部マジソン校もいる)。ミルウォーキー校はいわゆるフツーの州立大学といっていいだろう。 そこで、美しいミシガン湖を眺めていても仕方ないので、ヨットクラブに入ることとした。ここで、ベッカーというユダヤ系の会計士と出会い、彼が大学院で勉強し、卒業後コンサルタントになりたいといっていたのを聞いたのがコンサルタントという職業を知った経緯だ。アメリカには経営者の補助として企業の経営方針などを助言する役割を担う職業があると聞き、大変興味を持った。 帰国後(90年1月ごろ帰国。直後に湾岸戦争が勃発した)、就職活動となった。私は3年生終了後、1年休学をしたのだ。 当時はバブル絶頂期で、大学生は「引く手あまた」の状態であった。信じられない大企業・優良企業に例年実績の倍以上の数で就職者が出現した。また、我々の世代は、偏差値世代の走りで、かつ、優良企業=高収入=安定、3高(学歴、収入、身長)、3K(きつい、汚い、厳しい)など、社会をなめたような就職観もあった。事実、企業の「格」や内定の数を学生同士で競い合う風潮が私の周りでは多かった。 1年間休学したので、同級生たちはすでに就職することとなり、いろいろアドバイスを受けたりもした。当時は就職はそのまま退職まで勤め上げるという風潮が一般的であった。もちろん、転職もちらほら話題になった。AERAでソニーの中途入社式の模様が記事になっていたことがあったが、ソニーの人事の話では「同期入社組みの中で、トップレベルだと思われるぐらいの基準」で選抜していたらしく、日本興業銀行から転職した人が記事になっていた。つまり、当時は中途といえど潜在能力採用で、現在の第二新卒か30歳未満程度ぐらいのポテンシャル重視の転職がまだまだ一般的であったといえるだろう。 私は、「アルク 」 という留学系の雑誌などを読んだり、留学帰国生などの話を聞いていたりしたので、転職というものを積極的に利用する人たちをすでに知っていた。したがって、不肖にも就職活動時点から、「転職も将来ありうる」 というイメージがすでにあった。 また、ベッカーのいう「コンサルタント」という職業に漫然とあこがれていた。したがって今はなきアンダーセンなどの就職情報や「アルク」でコンサルタントの人のプロフィールなどを調査したところ、超一流の大学、MBAなどの卒業生ばかりが並んでいてびっくりすると同時に気が引けてしまった。こんな感じだ「東京大学大学院卒業後入社」 とか 「一橋大学経済学部卒業、XXX入社、社内選抜でアイビーリーグMBA取得後XXX退社、マッキンゼー入社」といった具合だ。一応、アメリカ人や留学経験者からは 「コンサルタントになるのなら、まずは一般企業に入って実務を身につけた方がいい。コンサルティング会社(当時は外資系しか知らなかった)はいつでも転職可能だが、日本の企業は転職で入社できず、今しかチャンスはない。」 そこで考えた。MBAを取得しやすい企業、コンサルティング会社に近い職業に就職しようと。以下続く。
2007/01/08
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