マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2007年01月30日
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カテゴリ: 2007年01月読書
[1] 読書日記


  昨日書いた、

  <
  かつハリウッドで作品がガンガン映画化されているような作家に対して、何となく
  引け目を感じていた


  に続く、その理由は実際のところ、嘘では無いまでもあえて書かなかった理由の為に、
 適切とは言いがたいものとなっている。

  それは、

  本を読んでいる人に較べると本は読んでいないけれども、全く本を読まない人と較べれ
 ば、多少は読んでいる方と自認、あるいは思い込んでいる立場に立っている以上、「あの
 本やあの作家も読んでいなくて、よく本好きだなんて言ってられるね」と面と向かって
 言われてしまう、あるいはそう思われているのでは無いかとこちらが思わされてしまう状況
 は、避けたい。

  そこで有効になってくるのが、

  あえて「知らん振り」を決め込む事である。
  そして読まない理由を適当にでっちあげるのである。
  昨日書いた記事がまさに、その「理由」である。

  これが昨日あえて書かなかった理由にして、作家食わず嫌いへと自身を走らせる最大の
 理由でもある。

  で世の中には、私と同様な考え方や言い訳をしている人間が多少はいるのではないかと、
 推察される。自己正当化や、認知的不協和の緩和は心理学的な統計データ上において有意
 な数字なので。

  そんな私の同類に是非お薦めしたいのが、

斎藤美奈子 「文壇アイドル論」(文春文庫)

  である。
  先刻、読了。

  作家論。
  そこに登場する面々は、村上春樹、俵万智、よしもとばなな、林真理子、上野千鶴子に、
 立花隆、村上龍、田中康夫と言った、誰もが知っている「文壇のアイドル」たち。

  しかし、

  今更、村上春樹や村上龍は読めない。
  よしもとばなな、林真理子は作品数が多すぎて何から手をつけて良いのか分からない。
  仮に読んだところで、今更それを公言するのは恥ずかしい。

  私がマイクル・クライトン、トマス・ハリスに感じたのと同様の引け目を上記の中の
 誰それかに対して感じている人は結構いるのでは無かろうか?

  そんなあなたに、そんなとき、

  どの作家の本も気軽に手に入る本ばかりなのだから、本当はそのものを読んでみるのが
 当然良いのだけれども、本番行為に臨む前にハウツー本で勉強するのも、いきなり資本論
 に手をつける前に初心者向けの入門書を読んで頭にある程度の知識を入れてから取り掛か
 るのも、場合によっては有効である。

  というわけで、上記の作家を好きな人達が読んでも楽しめる本ではあるのだけれども、
 読後感として抱いたのは、これは「上記の作家を食わず嫌いな人」にこそ薦めたい一冊、
 という感想。

  実は食わず嫌いを前々から克服をしたいと思っていた人、この機会に食前酒ならぬ読前
 本として、先にこの本を読んでみてはいかがでしょう?
  読みやすいうえ、分かりやすいですよ。





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最終更新日  2007年01月30日 19時35分23秒
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