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[1] 読書日記 昨日書いた、 <マイクル・クライトン、トマス・ハリス、トム・クランシーなどのベストセラー作家 かつハリウッドで作品がガンガン映画化されているような作家に対して、何となく 引け目を感じていた> に続く、その理由は実際のところ、嘘では無いまでもあえて書かなかった理由の為に、 適切とは言いがたいものとなっている。 それは、 本を読んでいる人に較べると本は読んでいないけれども、全く本を読まない人と較べれ ば、多少は読んでいる方と自認、あるいは思い込んでいる立場に立っている以上、「あの 本やあの作家も読んでいなくて、よく本好きだなんて言ってられるね」と面と向かって 言われてしまう、あるいはそう思われているのでは無いかとこちらが思わされてしまう状況 は、避けたい。 そこで有効になってくるのが、 あえて「知らん振り」を決め込む事である。 そして読まない理由を適当にでっちあげるのである。 昨日書いた記事がまさに、その「理由」である。 これが昨日あえて書かなかった理由にして、作家食わず嫌いへと自身を走らせる最大の 理由でもある。 で世の中には、私と同様な考え方や言い訳をしている人間が多少はいるのではないかと、 推察される。自己正当化や、認知的不協和の緩和は心理学的な統計データ上において有意 な数字なので。 そんな私の同類に是非お薦めしたいのが、 斎藤美奈子 「文壇アイドル論」(文春文庫) である。 先刻、読了。 作家論。 そこに登場する面々は、村上春樹、俵万智、よしもとばなな、林真理子、上野千鶴子に、 立花隆、村上龍、田中康夫と言った、誰もが知っている「文壇のアイドル」たち。 しかし、 今更、村上春樹や村上龍は読めない。 よしもとばなな、林真理子は作品数が多すぎて何から手をつけて良いのか分からない。 仮に読んだところで、今更それを公言するのは恥ずかしい。 私がマイクル・クライトン、トマス・ハリスに感じたのと同様の引け目を上記の中の 誰それかに対して感じている人は結構いるのでは無かろうか? そんなあなたに、そんなとき、 どの作家の本も気軽に手に入る本ばかりなのだから、本当はそのものを読んでみるのが 当然良いのだけれども、本番行為に臨む前にハウツー本で勉強するのも、いきなり資本論 に手をつける前に初心者向けの入門書を読んで頭にある程度の知識を入れてから取り掛か るのも、場合によっては有効である。 というわけで、上記の作家を好きな人達が読んでも楽しめる本ではあるのだけれども、 読後感として抱いたのは、これは「上記の作家を食わず嫌いな人」にこそ薦めたい一冊、 という感想。 実は食わず嫌いを前々から克服をしたいと思っていた人、この機会に食前酒ならぬ読前 本として、先にこの本を読んでみてはいかがでしょう? 読みやすいうえ、分かりやすいですよ。
2007年01月30日
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[1] 読書日記 マイクル・クライトン、トマス・ハリス、トム・クランシーなどのベストセラー作家かつ ハリウッドで作品がガンガン映画化されているような作家に対して、何となく引け目を感じ ていた。 恐らくその理由は、 ・「今更」という時流を逃した感。 ・時流を逃した故に国内で出版されている本が多作になりすぎて、何から手をつけたもの やらという後発ゆえの戸惑い。 ・そしてそんなに多作なのに、今から逆にドップリはまってしまったらどうしよう、 という読む前からのいらぬ心配。 などのない交ぜになった思いではなかろうかと思っている。 だけど今回、そんな引け目を今まで感じさせられ続けてきた作家のひとりである、 ジェフリー・ディーヴァー 「監禁」(ハヤカワ文庫) に意を決して挑み、読了。 感想は「いや~、やっぱ面白いわ」の一言に尽きる。 中にはハズレ本もあるのだろうけど、このクラスの作家になると作家名は「ブランド」。 野のものとも山のものとも知れぬ作家の作品に較べて、磐石の安定感がある。 最初の50ページも読んでしまった日には、ページを捲ってしまったこちらが悪い、と 言わんばかしに続きを読み進めさせられてしまう羽目に陥ってしまう。 「引け目」は一種の食わず嫌い。 食わず嫌いは何かと損をする、と改めて体感させられた一冊。
2007年01月29日
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[1] 読書日記 訳者のあとがきに、 <スティーヴン・キングは、 二〇〇〇年に上梓したエッセイ、“On Writing”で、 「ここ三、四年で読んだなかでもっともおもしろかった小説」 の一作として本書を挙げている> と書かれていた、 ジャック・ケッチャム 「地下室の箱」(扶桑社海外文庫) を読了。 監禁・虐待がテーマの小説。 妊婦のサラが拉致られて、監禁された上、ひたすら暴行を受ける物語。 何というか、まあ色んな意味で普通。 淡々と読んでいたら、淡々と終わってしまったという感じ。 とにかく普通。 相も変わらずキング大絶賛の本は……ってなモンです。
2007年01月23日
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[1] 読書日記 <近頃では漫画雑誌からもライブ感がだんだん失われてきて、 「最初からすべてがお約束で始まるコンテンツ漫画」や、 「一度人気が出たエピソードは連載終了まで続ける、一部常連客とベッタリ関係の、 談合入札漫画」ばかりがハバをきかせるようになってきているのは、 寂しい限りです> とは、某漫画の作者の「あとがき」のことばである。 ちなみに某漫画とは、荻野真「怨霊侍」の<2巻>です。 上に挙げ連ねられているような漫画だろうと楽しんでいる読者なので、この作者のように 「寂しい」とまでは思いません。 ただ読者の立場から言わせてもらえば、どちらかと言うと、その「コンテンツ漫画」や 「談合入札漫画」を作っている製作者サイドの思惑に乗せられて、無邪気に「面白いよね」と 感想を述べている読者や、逆にその事をわかって乗せられてるんだみたいな態度を取りながら 「お約束だよね~」と、しったか口調で語る読者が増えている事が、寂しい限りです。 というか、その二種類の読者しかいないのではないかとさえ思います。 本当に本(漫画)を楽しむ。 その本(漫画)に対し、感想を述べる、評価をする。 って、何なのか? って、どういう事なのか? なんて事を、少し考えてみたり。 お粗末さまでした。
2007年01月16日
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[1] 読書日記 田代裕彦 「キリサキ」(富士見ミステリー文庫) ★初期のメフィスト賞受賞作家の作品を読んだような懐かしい感じのする、トリッキーな 作品。 というよりも、殊能将之「ハサミ男」に、(ネタばれ)井上夢人「ダレカガナカニイル…」 の大ネタを取り入れた作品と言った方が、適当。 ★挿絵や表紙で主人公が着ているコスチュームが、学園の制服だというならば、全校集会の 様子の画もしくは、学園女子との喧嘩シーンは是非欲しかった、というのが一番の感想。 要は、この制服を着ている人間が複数人いる光景を見てみたい。 恐らくその景色こそが、この作品の中でもっともミステリアスな箇所に違いないから。 ★最後の一行は意外と好き。
2007年01月09日
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