マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2008年06月02日
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カテゴリ: 2008年04~07月読書
[1] 読書日記


   < 「絶世の美男子で、全能で、女の子の気持ちはすべてわかっている光源氏というS
    が、Mの女の子たちをいたぶりまくる」

    これは、世界の生んだ、最初の偉大なSM小説といえます。光源氏は自分の意思で
    振る舞っているように見えるのですが、じつは、大和朝廷の女の子たちが、読者と
    して集団的に「育てあげた」理想のSにほかならず、読者の意のままに動いている
    のです。


  というようなことも書いてあるが、
  主に、
  < キリストの磔刑像こそがMの起源 >、
  < キリスト教徒というのは、全員がMです >、
  < ユダヤ=キリスト教の神さまこそSそのものです >、
  < SMというものは、鞭が神から人間の手に渡った瞬間に生まれたもの >、
  < Sの誕生と同時に近代が生まれた >、
  < サドを俟って、サディズム、つまり、先行して存在していたMのカウンターパートと
   してのSが誕生した
>などと、
  < 「SMをキリスト教との関わりから、文明史的に考察する」 >試みの一冊、

鹿島茂 「SとM」(幻冬舎新書)



  を読了。
  他にも、欧米系SMの「鞭」と「革」に対して、何故日本では「紐」と「縄」なのか、
  など。
  一応の知的好奇心は満たせる一冊。
  作者もエピローグで書いてあるが、< SMの実践的指南書 >でも< SM業界(そういう
  ものが存在しているとして)のインサイド・レポート
>の類ではないので。


  ちなみにブログの公開の際に、一部引用文がわいせつ、公序良俗に反するとして削除を
  求められたので、他の引用文と差し替えるはめに……。杓子定規的な規制は本当に面倒
  くさく、映画のレビュー等でも何度書き直しを要求されたことか。     





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最終更新日  2008年06月03日 02時29分12秒
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