マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2008年10月01日
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カテゴリ: 2008年08~12月読書
[1] 読書日記


  出版早々に買っていながら、永らく放置している間に、
  『このミステリーがすごい!2006』の1位に選ばれ、
  第134回直木賞や、第6回本格ミステリ大賞を受賞し、
  いつまにやら文庫化し、そして映画の公開も間近に迫った、



東野圭吾 「容疑者Xの献身」(文藝春秋)
   (読んだのは単行本の方だけれど、写真は文庫版の方を)

  を読了。

  何故、今まで読まなかったんだ?
  と、疑問に思うほど、読み出したらあっと言う間に読み終わっており、
  おっと思わせる作品だった。

  形式は、倒叙もの(ドラマ「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のように、初めから
  犯人が誰かは明かされている)のミステリながら、殺人の事後共犯者であり、この
  物語の主人公でもある石神という数学教師が、どのようなトリック(手段)を用い
  て、殺人の実行犯の親子を警察の手から守ろうとしたかは伏せられた、実質はハウ
  ダニット(方法が謎)が主体のミステリ。

  探偵役は「探偵ガリレオ」の湯川学(物理学者)で、事件隠蔽の「頭脳」である犯
  人・石神との対決(知恵比べ)を描いている作品でもある。
  漫画「デスノート」の「夜神月」対「L」や、ジェフリー・ディーヴァーのリンカ
  ーン・ライムシリーズのような味わい。

  とにかくスピーディーな展開も相まって、最初から最後まで一気に読みたくなる作品。
  犯人・石神の動機(「献身」の理由)も良い。

  ただラストは、この物語のトリックや動機に比べてると、見劣り、ビシッと決まらな
  かった印象。「ここまで書く必要があったのだろうか?」とか、「違う書き方でも良
  かったのでは無かろうか」と感じてしまう。





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最終更新日  2008年10月01日 09時10分07秒
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