マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2008年10月30日
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カテゴリ: 2008年08~12月読書
[1] 読書日記


   < こんにちは、我が敬愛なる紳士淑女の皆さま。ようこそ。
    ようこそ、私どものショーへ。
    これからの二日間、お腹がいっぱいになるまで
    さまざまなスリルを味わっていただこうと存じます



  事故で四肢麻痺となった、元科学捜査官のリンカーン・ライムと、
  彼の手足、目鼻となって現場で動く女性巡査のアメリア・サックスが、
  タイムリミットに迫られる状況下で、
  作品毎に個性的な敵役と、「名探偵」VS「名犯人」の頭脳戦を繰り広げる、
  「リンカーン・ライム」シリーズ第5弾、

ジェフリー・ディーヴァー 「魔術師(イリュージョニスト)」(文藝文春)



  を読了。


  今回の敵役は、著者の言葉を借りれば、
  < デヴィッド・カッパーフィールドとハンニバル・レクターを合わせたような
  イリュージョンの達人にして、明晰な頭脳を誇る、残酷な殺人鬼「魔術師」。
  ライムにとっても、殺し屋「コフィン・ダンサー」以来の好敵手。
  手品やイリュージョンのテクニックとトリックを駆使して、警察の目を欺き、
  ニューヨークの各所で、奇術のネタに見立てられた、さながら舞台公演のような
  連続殺人を重ねていく。


   < さてさて、本日これからお目にかけますのは、
    そのフーディーニが窒息の危険を冒して演じましたマジック、
    その名も“手持ち無沙汰の絞首刑執行人”の再現版でございます



  と、今作では敵役のキャラクターがまず魅力的。

  それに加えて、今回は物語の開始早々、「密室からの犯人消失」を描き、
  事件の立ち上がりスピードがとにかく早い。その早さたるや、シリーズ随一。
  ミステリ好きとしては、その「密室からの消失」という意匠も嬉しい。

  更に、物語中で語られる手品の手法や、物語を彩るイリュージョンの世界も
  楽しく、興味を惹き付けて離さない。

  ジェフリー・ディーヴァーお馴染みの、中盤のジェットコースターのような
  サスペンスや、終盤のドンデン返しに次ぐ、ドンデン返しは言うまでもなく。

  これまで読んだ、シリーズ5作品の中では、「 コフィン・ダンサー 」に次いで、
  2番目に好きな作品(3番目は「 ボーン・コレクター 」)。









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最終更新日  2008年10月30日 09時51分40秒
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