マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2010年01月12日
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カテゴリ: 映画鑑賞記
  『ほえる犬は噛まない』や、
  『殺人の追憶』、
  『グエムル 漢江の怪物』の、
  ポン・ジュノ監督、
  待望の長編作品、



『母なる証明』(2009年,韓国)

  を昨日鑑賞。 
  (公式サイトは こちら


   < 「この子を守るのは私しかいない…。」
    殺人事件の容疑者となった息子を救うため、
    真犯人を追っていく母親の姿を極限まで描き出す


  とは、
  この映画宣伝のコピーであるが、
  まさにそういった内容。  


  まず映画の冒頭シーンからして、
  目を見開かされる。
  その意味するものを、
  読み解くべく、
  否応も無く映画へと没入させられる。


  映画が進む中では、

  当初、
  自分の母親も含めて、
  母親とはそういう存在なのかも、
  とは思いつつも、

  主人公の息子に対する、
  そのあまりに粘着質な愛情に、
  気持ち悪さをも感じていたのに
  (単純に主演女優の醸す雰囲気が
   生理的に受け付けなかっただけかも)、

  中盤以降にかけては、
  いつのまにか母親に共感し、
  その行動に納得してしまう自分がいた。


  そしてラスト。

  タイトルの意味を考えさせられ、
  真犯人も明かされ、
  動機も語られ、
  もう静かに終わっていくのかと思いきや、
  なかなかエンドロールとならない。

  ダラダラと続くその映像を見ながら、
  あそこで終わっておけば良かったのに、
  とクライマックスの興奮も半ば冷め、
  微妙にガッカリもしてしまった。

  けれどもそんなものは
  一時の気の迷いと言わんばかりに、
  絶妙なエンディングを見せてくれる。


  要するに、
  テン良い、中良し、終わり良しの
  三拍子そろった作品。

  勿論、
  テーマも良いし、
  題材も良いし、
  物語も役者も良い。

  おすすめ。


  ちなみに、
  ミステリ(サスペンス映画)として
  鑑賞するならば、
  その伏線の回収や、
  真犯人の正体よりも、

  やはり、
  犯人のある行動についての動機が、
  秀逸。
  「なるほど」と思わず顔が綻んだ。





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最終更新日  2010年01月12日 19時28分05秒
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