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2007.03.18
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カテゴリ: Other stages
<東宝ミュージカルアカデミー卒業公演レミゼ>

東宝ミュージカルアカデミーの第一期生による卒業公演『レ・ミゼラブル』を観てきました。
池袋の東京芸術劇場中ホール。「レミコン」や「ひめゆり」を観に行きましたっけ。
ああ、なつかしい。
ブログが縁でお会いした方と楽しくミュージカルの話で盛り上がりながら昼食を食べ
ホールへ向かいました。

入場券と身分証をみせ、箱に手を入れてチケットをひく。
ぎりぎりだったせいか、残り少なく福があるか?と思ったら、T列、かなりの後ろの方
ですが、一応オペラグラスも持参したし、帝劇よりはだいぶ舞台が近く感じられる
のでまあいいでしょう。

入り口で渡された三つ折の資料を観ていたら、バルジャン役の上條さん以外はほとんどが
1980年代生まれ。どうりでロビーにきているお客さんたちの平均年齢が若いはず。
あ、阿部裕さん、岸祐二さん、そしてKAZZさんなどの姿も!
(tekkanさんもいらしたようです)

みなさん、芽吹いたばかりの後輩達を応援しに来ているのですね。

資料には、ちゃんと香盤表がプリントされたものがはさまれていました。
オリジナルとおなじようにちゃんとひとり何役もやるわけですね。
カルーセルの女性達の分け方も細かい!

コゼット、エポニーヌ、ガブローシュはそれぞれダブルキャスト(ガブも女性)で、
1幕2幕で違う人が演じるようです。

さて、いよいよ開演!

ちゃんとカーテンにはレミゼのコゼットの絵が描かれていて、本格的。
オケも編成は小規模とはいえ、一応生オケ(全6名)。山口ビリーさんがキーボード兼
指揮者のようです。(顔はみえませんでしたが、もじゃ頭がたまに見えました)

あの緊張の静寂のあと、ジャンジャージャジャン!とオケが鳴りはじめました。
そして、「ツーロン1815年」というあの文字もまさに本公演と全く同じ字体です。
紗幕があがり囚人達がスモークの中、連なって登場。
バルジャン役の上條さんだけ、ちゃんと頭がとびだしていてひと目でバルジャンとわかる!
ジャベールたちが偉そうに入場し、バルジャンを前に呼び、警棒を使って
仮釈放を告げる・・・。こうして始まりました。

驚くほどに本公演と変わらぬ本格的な発表でした。衣装・美術・照明すべて素晴らしい!
キャメロンマッキントッシュ社から特別の承諾を得ての上演と記述があり、
バリケードの規模や音楽編成は小さいながら、また細かい点は除くと
すべて本公演に劣らないレベルの素晴らしい作品に仕上がっていました。

とくにファンティーヌや1幕のエポニーヌ、ガブローシュ、そしてマリウス、
テナルディエ夫人などはそのまま本公演にどうぞという歌唱力、演技力に感じられました。
(マリウスの石井一彰さんはフイイで、コゼットの折井理子さんはマテロットで、
というようにこの夏のレミゼでも何人かアンサンブルで出演されますね)

上條さんのバルジャンはすこしお醤油風味、海岸風味な熱いバルジャンでした。
頭にねじりはちまきしてる感じです。
「自由なのか~?」の代わりに、「てやんでい!」って言いそうなかんじ。
髪をアッシュグレーに染めたというのがあくまで地毛の話で、ちゃんとぼさぼさの鬘で
登場したので安心しました。(そりゃそうですよね)

ジャベール役(25歳)なかなか冷徹でいい感じです。硬さが残り、すこし音程が不安定な箇所もあるけれど、1本通った感じがしました。顔もクールで(キムタクの顔真似専門の
あのテレビの人にちょっと似てる?キムタク似ではないところがミソ)

ジャベールのSTARSは帝劇みたいに星がちかちかしてて綺麗だった。
自殺のところは遠くに橋が見えたから、あそこからジャンプ(に見えるようやるのか?)
と思っていたら、手前の川岸からドボンだったのがツボでした。
ちゃんと渦巻いた照明のなかをコロコロ転がりましたよ。

ファンティーヌ役はまだ22歳。お母さんというより、若い家庭教師とかメイドみたいな
感じで可愛いらしい!娼婦に落ちるというのは清潔感ありすぎて無理があった
けど、一生懸命演じてました。サウンド・オブ・ミュージックのマリアなんてどうかしら?
バマタボアにステッキでぐぐっとされる場面、さすがに帝劇よりかなり控えめでした。

ファンティーヌは1幕2幕通じてひとりでしたが色がついていなくて
今後どんな方向にもいけそうという感じです。
歌唱力もあり、声質がいい、いや逆に歴代ファンテ(結構みな癖がある)にはないような
個人的にはかなり好みのいい声でした。

司教の人も色がついてない素直な歌い方。この役はやはりまっすぐ人の心に入る
ような澄んだ響きが大切なので、よかったです。
司教館での上條バルは、かなり空腹が激しかったらしく、パンは貪り食うし、
ワインも女性の手からガバっともぎとってガーブガブ飲んでました。あらら・・・。

上條バルジャン、椅子自然に倒し、(でも倒してから逃げてた?)司教の温かい
言葉を受け、かなりよろめき悶え苦しみながら、激しく独白を歌いあげました。
顔だちのせいか、顔が幾分こわばったままかたくなに見えたけど、
これが彼のバルジャンのスタイルなのかも。
最後まで、荒くれだった頑なさがどこかに残っているバルでした。

カバンを下に置くときは以外に優しく置いていました。
黄色い紙の破きかたも、わりとあっさりでした。
濃く、激しく感じられるのは、声質と顔のつくりと、声のだしかたのせいかな?

このへんから「一日の終わりに」の群集が一歩ずつ前に歩み出てくるあたり、
完全に本公演をみているかのような錯覚が。それほど本格的ということですね。
アンサンブルさんたちの声が客席にバンバン飛んできます。

赤線地帯も照明や娼婦達の配置や動きがまさに本公演のようでした。

馬車の暴走も音響と砂煙、スローモーションと進み、かなりの激しい音で馬車が止まる。
帝劇より激しくてどきっとする音。上條バルジャンはあまり大げさに苦しまず、
はさまれた人は割とすっと助け出されたように見えましたが、どうだったかな?

市長姿の上條さん、うーん。いかがわしいセールスマン風?という感じでしょうか。
ブーツもちゃんと長めです。う、つい某バルを思い出してしまふ・・。

「裁き」では結構あちこちに動き激しく悩むバルジャンでしたが、胸の24653は
昨日のブログで見たかんじよりかなり色が薄くみえました。なんだか焼印にみえなくて
やっぱりマジックでコドモが書いたみたい。
でも、最後の24653~♪の音は、オリジナルみたいに上げてましたよ。おお!

「ファンティーヌの死」そして「対決」
上條さん、荒くれバルだったけれど、ファンティーヌが死んだ後ベッドでの意気消沈は
かなりのもので、ジャベールが来てからも、しばらくうなだれて「ちょっと待ってくれ、
頼むよ」という静かなモードで、挑まれてだんだん対決気分が盛り上がるという感じ。
激しい部分もあるけれど、感情がゆっくり回ることもあるんですね。
(祐一郎バルはココは結構敏感というか切り替えが早いというかチャララーン♪の音
=ジャベールの雰囲気だけでビビビっと反応して対決体勢になりますよね)

ジャベールをやっつける棒もちゃんと椅子から取り出せ(笑)、(←ここ、ほっとします)
かっこよくあまり力を使わずにジャベールをぺしゃんこにし、ジャベールは熨されたイカの
ようにぶよよーんと伸びてました。
うまい!ほんとの(というのも失礼ですが)ジャベールみたいに苦しそう!

リトルコゼット、観たことあるなと思ったら、本公演にでていた春山椋ちゃんでした。
やっぱり上手いし、落ち着いてる!椅子とか机とか、まさに本公演となにも変わらないのでは?
そして、びっくりしたのがテナルディエ夫人。若いのはもちろんだけど、すごい美人というか華やかな顔立ちで、すごーく怖くて、面白かった。綺麗な人が怖い顔すると凄い迫力なのね。
この人このまま6-8月のレミゼで使って欲しいですわ。

テナルディエもマチャアキ+ロンブー÷2?タイプというか、とぼけてて細くて面白い
感じで、なかなか正反対なところがお似合い?の夫婦でした。
テナ夫人は例にちょっと卑猥な歌詞のところは、ビール瓶かなにか使ってて
あらら・・・なかなかダイナミックでした。

「取引」うーん、上條さん、同じキャメルのコートのはずなんですが、どうも娘を迎えにきた
父親に見えない。うーん。なんか生活指導部から派遣されたオジサマみたい。
なぜだろう?コゼットに合わせて歌うラララもあんまり優しくないな。
ここは某素敵なバルがどうしても刷り込まれているから、ごめんね上條さん。

ちゃんとお着替えもさせて(時間ぎりぎり?ここ大変だよね)目隠しもさせて、
お人形も渡して、すごい段取りが多いシーンですよね。コゼットちゃんのほうが
慣れている感じ。自分でさっさと服着て協力してたみたいです(笑)
くるくる回りはあんまり回数は多くなくてすぐ抱き上げて去っていった。

さあて、ここからが問題。

なにが問題かって、バリケードが低くて迫力がいまひとつだったこと?
いいえ、バリケードは確かにいつものアレに比べてはいけないって分かっているし、
何人もの人たちがエンヤートットと手動で動かしているのみても、「がんばれ!」って
応援したくなるし、ガブのカバンはバリケードが低いおかげで見事に届くし、
ちゃんとアンジョも引っかかって死んでいったし、バリケードはまあいいんです!
(そうそう、ガブローシュは女性だけど局田さんみたいに少年らしくてとてもよかった)

そんなことより・・・一番肝心要のかっこいい男であってほしかった
アンジョルラスがなぜ女性なの!? 信じられない!?

これはあまりにもショックでした!たしかにカッコイイ女性ですよ。背も高いし軍服は似合うし、
キリリとしたいい顔している。でもね。声が低くて宝塚風ならまだしも、ソプラノというか
全部本場のアンジョの音の1オクターブ上をファラセット交じりで歌うんですもの。
ここぞ!!というところで迫力がまったくなし。ああ・・・かなり意気消沈でした。

コゼットは初々しくて声も綺麗でかわいいし、マリウスも美形だし美声だし、ちょっとオロオロした感じなんてまさにこの夏帝劇で使える!というほど素晴らしいのに、
どうしてアンジョルラスだけが?

アンジョルラスの歌はあの音程で引き締まった声で歌い上げてこそのかっこよさで、みなが
ついていこうと思うわけですよね。

まあ全体的に女性が多すぎなんですね。男性が圧倒的に足りない。
軍隊が女性90%という感じ。だからエポニーヌの声がキーンと突き抜けるはずが、
いまひとつ女性の声のなかだと目立たない。

バルジャン、ジャベール、司教、グランテール、マリウス、テナルディエ、工場長
以外はぜんぶ女性!。ちなみにコンブも女性でした。
それもオリジナルキーでなくて、1オクターブ上。高い女性声ばかりで。
女性ばかりのシーンではいいのですが、やはり2幕のアーベーセーカフェや民衆の歌は
きついですね。うーん、残念だな、なんとかアンジョルラスだけでも男性が探せなかったの
だろうか??

最後のバルジャン、上條さんの頬を涙が伝い、顔がゆがむのをみて感動しました。
改心してもコゼットへの愛で心が解けそうになってもそれでも最後までなにか芯が残る
影が残るバルジャン、こういうのも現実味があってアリかな、と思いました。
人間が180度変わるってそう簡単にはいかないのが普通ですよね。

とにかく想像をはるかに超える本格的なレミゼを見せていただき、感動を胸に帰宅しました。
みんなすばらしかった。ほんとに熱くて初々しくて、ハラハラするところまるでなし。
色が下手についていない方が多くて、もうすぐにでも使えそうな人ばかり。

あとは、踊りはともかく、歌えて華がある若い 男性スター の卵をぜひ探してほしいです。今すぐに!ええ、いますぐに!きっとどこかに埋もれているはずです!







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Last updated  2007.03.19 15:36:38
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