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『今年最後の演奏会は大好きなマーラーにしよう!』と決めていたわけではないのですが、結果的にそうなりました。ダニエレ・ガッティ指揮、フランス国立管弦楽団によるマーラー9番です。ただし、その後思い立って母に年末に行われる『第9』のコンサートをプレゼントすることにしてしまったので、正確に言うと「ドイツでの今年最後のコンサート」ですが。私がマーラーの交響曲で一番好きなのは3番なのですが、最高傑作は9番という声が多いですね。また、マーラーの作品の中で一番「死」を連想させるのがこの9番だと言われています。日本で大震災が起きて、生と死について思いを馳せることの多かったこの年の最後にこの曲を聴くことになったのも、運命のいたずらというか、何か象徴的な感じです。最近外出続きで疲れが溜まっていて、前半は時折眠気が襲ってきたりもしたのですが、4楽章を聴きながらまたしても涙ぐんでしまいました。ガッティ氏はなんとこの長い交響曲を暗譜で振りました。9番は人気もあるし、演奏する機会も比較的多いのだろうとは思いますが、驚きです。今までそれほど大好きな指揮者というわけではなかったのですが、今夜の演奏で私の中ではかなり株が上がりました。相変わらずちょっとうるさかった(振りながら声を出すので)んですけどね…。でも、音楽に入り込んで、力が入って思わず声が出てしまうというのは理解できるので、許します。(<って自分、どれだけ上から目線なんでしょう~)近いうちにガッティ氏が振るマーラーの3番を聴いてみたいものです。今年の秋はあまりめぼしい公演がなく、例年よりも大分コンサートに行く機会が少なかったような気がします。年内は12月27日にサントリーホールでNHK交響楽団の第9を聴き、来年はこのまま行くと1月29日のブダペスト祝祭管弦楽団で幕開けです。来年も沢山の素晴らしい演奏に出会えますように
2011年12月07日
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葉加瀬太郎さんのドイツでの初コンサートを聴きに行って来ました。お名前はもちろんずっと前から知っていましたが、これまではバラエティ番組等に出演しているところを数回見たことがあるくらいで、彼の演奏を生で聴いたことがありませんでした。また、テレビでは葉加瀬さん自作の曲の演奏しか耳にした事がありませんでした。でも、数年前にロンドンに移住され、最近は『自分の原点に帰る』ということでクラシックの演奏に力を入れているそうで、彼がどんな風にクラシックの曲を演奏するのか聴いてみたかったのです。また、3月の大震災後、精力的にチャリティコンサートを開催されているようでしたので、彼の人となりにも多少興味がありました。本公演のチケットは公演1週間ほど前には既に売り切れだったようです。会場の9割か、もしかしたらそれ以上は日本人で埋め尽くされていました。デュッセルドルフにはまだ8000人もの日本人が住んでいるのですから、誰でも名前を知っている日本人音楽家がコンサートをするとなれば、そりゃあチケットの売れ行きもいいでしょう。じっと座っていられないくらい小さな子供連れの方も私の席のすぐ近くにいて、演奏中に物音を立て続けるので、それにはちょっと閉口しましたが。こちらでは通常、平日のコンサートの開演時間は8時であることが多いのですが、今回は7時半、しかもオケのコンサートではないということで、早く帰宅できるだろうともくろんでいました。が、後でこの読みが大甘だったことを思い知らされる羽目に…。この公演はドイツ日本修好150周年記念イベントの一環だったようで、しかもスポンサーの銀行が東日本大震災のためのチャリティーも行ってくれたため、開演前にたっぷり色々な方々のご挨拶があったのでした。それも、日独両方の言語(つまり全て2度ずつ)で行われたため、実際の開演時間は8時過ぎだったというわけです。公演は休憩を挟んで2部構成でしたが、プログラムも想像していたのとは少々違い、クラシックオンリーではありませんでした。クラシックの演目と葉加瀬氏が作曲した曲が半々くらいか、自作の曲の方が多いくらいだったでしょうか。クラシックの演目を目当てにしていた私にとってはちょっと拍子抜けでしたし、彼の演奏自体も総じて自作の曲の方が良かった気がしました。クライスラーの「プレリュードとアレグロ」の演奏はものすごく素晴らしかったですが。アンコールではNHKドラマ『てっぱん』の主題歌だったという「ひまわり」という曲を演奏してくれました。演奏前に彼がなぜその曲を選んだか話してくれたのですが、震災後の1週間、日本では普通のテレビ番組が一切放送されず、この連続ドラマも打ち切られていたそうです。そして再開されたドラマを見た東北地方の沢山の人が「震災前に毎日聞いていた曲をまた聴くことが出来て、元気が出ました」という手紙をくれたそうです。私はそのドラマを見ていなかったので曲も知らなかったのですが、彼の演奏を聴いていたら涙が溢れてきました。私も以前は会社と家の往復の単調な毎日に辟易し、時には愚痴をこぼし、明日も明後日もその後もずっとこの何の変哲もない日常が続いていくことを疑わずに過ごしていました。ところが今年3月に祖国が未曾有の震災に見舞われ、確かなものなど何もないということ、たった1つの出来事が人生を一変してしまうことがあるのだということを身をもって知りました。そして、何の変哲のない日常を送れるという事がどれほど貴重なことであるのかも。その後、いつ何があっても後悔しないよう、1日1日を大切に生きようと決心し、思ったことはちゃんと相手に伝え、やりたいことは実現に向けて努力してきたつもりでした。でも、震災から半年も過ぎるとそれすらも忘れ、いつの間にかまた些細なことに不満やストレスを感じるようになっていたのです。葉加瀬氏の話を聞いて、そしてその後の彼の演奏を聴いて、あのときの自分の心境を思い出すことができました。このコンサートを聴きに来て、本当に良かったと思いました。アンコールの2曲目は葉加瀬氏が大好きだという「O Holy Night」でした。神聖な気持ちになるクリスマスキャロルを聴きながら、世界中の人が楽しいクリスマスを迎えられるように祈りました。そして2012年はなるべく自然災害の少ない年となり、東北地方の人たちが今年より1日も多く笑顔で過ごせるよう、切に切に願っています。
2011年12月05日
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9月になり、やっとヨーロッパの音楽シーズンも始まりました。私にとっての今シーズンの開幕コンサートは、シャルル・デュトワ指揮、フィラデルフィア管弦楽団でした。単にアメリカの一流オケがこの辺りに来るのがめずらしいのと、このオケが破産宣告をしたばかりだったので寄付のつもりでチケットを購入したのですが、本日のプログラムはチャイコフスキーのバイオリン協奏曲とベルリオーズの『幻想交響曲』。今月3日に母校が全国大会初出場を決めましたが、自由曲がこの『幻想交響曲』の第5楽章なのです。期せずしてタイムリーなプログラムとなりました。チケットは100ユーロ近くもしたのですが、席は2階の桟敷席の殆ど一番後ろ…。手すりからぐっと身を乗り出さないと指揮者すら見えません。その列はかなり空席があったのですが、あいにく私の両隣は埋まっていたので、身を乗り出すと迷惑になるため、じっと我慢。「高いチケットなのにこんな席?!」と普段なら少々頭に来るところですが、今回は「ま、チケット代の一部は寄付だからしょうがないか~」とあきらめもつきました。第2の故郷、アメリカには甘い私です(笑)。1曲目のバイオリン協奏曲はソリストの姿が見えないこともあってか、あまり感動はありませんでした。私にとって、このコンサートのメインはやはり『幻想交響曲』。この曲とは今年何かと縁があるようで、母校が自由曲として選ぶ前に、以前所属していた吹奏楽団も今年の定期演奏会のメインに選んだということもあり、個人的に思い入れがあります。オケの生演奏は吹奏楽とはまた一味違い、5楽章のクライマックスでは鳥肌が立ちました。先日、所属している吹奏楽団の指揮者と話していたら、次のコンサートのテーマは夜、夜の影という感じを考えていると言っていたので、5楽章を提案してみようかな。コンサートの前までは正直なところ、『破産宣告したオーケストラって一体どんな風なんだろう?』と思っていました。メンバーがすっかりやる気を失って、だれだれの演奏だったり、もしかしたら有名な奏者などは早々に逃げ出して、失礼ながら二流の人しか残っていないのでは?という心配も少なからずありましたが、演奏は総じて素晴らしかったです。最近のフルオーケストラのコンサートではめずらしく、アンコールも披露してくれましたし、満足して帰途に着きました。今シーズンも沢山の素晴らしい演奏に出会えますように。
2011年09月07日
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日本で観劇することのできた演目2つ目は、ミュージカル『スウィーニー・トッド- フリート街の悪魔の理髪師』です。私が根っからの演劇人だと思っている大竹しのぶさんと市村正親さん。日本に帰ってきたら、何かどちらかが出ているお芝居を見たいと思っていろいろ探すのですが、いつもスケジュールが合いませんでした。このお二人が共演、しかも私の滞在中に公演があるとなったら、チケットを買わないわけには行きません。滞在中に開催されているのは大阪公演でしたが、全く問題なし。元々、本社の人達や昔の友人たちに会うために3~4日関西に出向くつもりだったからです。今回、一人での一時帰国ということもあり、行動にあまり制限がなかったので助かりました。大竹しのぶさんの舞台を生で拝見するのは、ずっと前に大阪で「奇跡の人」を観て以来です。市村正親さんは…思い出せないくらいもっと前のようです。が彼には偶然、お会いしたことがあります。もう20年位も前になるかと思いますが、母と「ミス・サイゴン」を観に行った際、開演時間の大分前についてしまい、会場近くのATMにお金を下ろしに行きました。そこへその公演に出演される予定の市村さんがやってきたのです。近くで見たらかなり身長が低くて(失礼!)驚きましたが、舞台上の彼は本当に大きく見えるんですよねえ…。このミュージカル、スリラーだということ意外、全く何の予備知識もなく観てきました。当日になって、斉藤暁さんや武田真治さんも出演していることを知ったくらいです。武田さんには正直それほど期待していませんでしたが、非常にいい味を出してました。ミュージカル自体も久しぶりでしたが、ものすごく良かったです!歌もコーラス、ソロともに迫力があり、何度も鳥肌が立ちました。面白かった~!!(<と言ってはいけないのかな?)特に印象に残ったのは、新製品のパイのアイディアを出すシーンでの主演の二人の掛け合い。最後の方はほとんどアドリブだと思うのですが、あれは毎日内容が変わるのでしょうか?だとしたら、ネタ探しも大変でしょうね…。この日、一番客席が沸いたのは「総理大臣は?」という問いに対する「噛んでも噛んでもきりがない」という答え。私も心の中で「うまい」とうなりました。ちょうど管総理の辞任騒動真っ只中でしたからね(苦笑)。今回の一時帰国中、バレエとミュージカルと2つも観られて、しかもどちらも『あたり』だったので、本当にラッキーでした。次回も何かいい公演に当たるといいなぁ。そろそろシエナも生で聴いてみたいです~。
2011年06月11日
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里帰り中、自分の好きな人が出る演目を何か見たいなあと思っていても、ちょうどスケジュールが合うことはめったにありません。今回の滞在中はめずらしく2度も観劇することができました。1つ目は渋谷Bunkamuraオーチャードオールで開催された熊川哲也さん率いるKバレエカンパニーの「ロミオとジュリエット」。熊川さんの踊りが昔から大好きで、日本にいる頃はよく観に行ったのですが、日本を離れてからは1度も生で見る機会はありませんでした。というわけで、今回はおそらく10年ぶりくらいです。チケットを買ったのが遅かったのであまり良い席ではありませんが、贅沢は言えません。5日が楽日だったのですが、OBステージの練習とかぶっているため、4日のチケットを購入しました。相手役は英国ロイヤルバレエ団のロベルタ・マルケス。彼女のジュリエットを見たら、他の人はもう見られない!というくらいはまっていました。本当に当たり役ですねぇ。彼女が有利なのは、あどけなさの残る顔もそうですが、欧米人にしては身長が低い点だと思います。ジュリエットは14歳と言われていますから、やはり長身のプリマだとちょっと違和感があります。ましてやロミオ役より背が高いとなったら、やはり興ざめです(<前のパートナーのデュ○ンテとかね…)。ジュリエットはもちろんのこと、彼女は少女役すべてがとっても似合いそう。3年ほど前にロンドンで『眠りの森の美女』を見たのですが、そのときのオーロラ姫も確かマルケスだったと思います(プログラムが手元にないので未確認)。きっと『くるみ割り人形』のクララや『コッペリア』のスワニルダなんかも似合うだろうなあ。熊川さんも相変わらずオーラ全開で圧倒的な存在感でしたが、やっぱりちょっぴり体力が落ちている感があり、年齢には勝てないのかな?今回私の目はマルケスのジュリエットに釘付けでした。でも、主役の二人がとにかくものすごくお似合いで、本当にジュリエットとロミオに見えて、素晴らしかったです。ストーリーも何もかも知っているのにもかかわらず、最後は泣けました…。Kカンパニーの次のツアーの演目は『白鳥の湖』のようですね。熊川さんのジークフリート、見たいなああああ。ドイツツアーもやってください~。
2011年06月04日
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本日はまた大好きなマーラーを聴きに行って参りました。マイケル・ティルソン・トーマス指揮、サンフランシスコ交響楽団です。実は今、ライプチヒでは国際マーラーフェスティバルの真っ最中。私の好きなあちこちのオケがこぞってマーラーを演奏しております。本当ならば私もこちらへ行きたかったのですが、元々5月28日は年に1度の日本デーが予定されていました。日本の花火が見られる貴重な機会なので、なるべく出向くようにしています。その後、所属している吹奏楽団に28日に行われるとあるイベントの出演打診があり、そのためにスケジュールを空けておきました。が、出演するかもしれなかったイベントは、結局折り合いがつかずおじゃんになりました。さらに日本デーは日本で大震災が起きたため、お祭りは自粛となり、なんと10月に延期。『こんなことならライプチヒへ行けばよかった~』と思っても後の祭りです。開演は17時でしたが、電車の乗り継ぎを検索したところ、最寄り駅を15時51分に発車するトラムに乗らないと間に合わないことが分かりました。が、ふと気づいたら既に15時41分!!慌てて家を出て、駅に向かって走りました。ぎりぎり間に合ったのですが、電光掲示板を見ると「次の電車は8分遅れで運行しています」との表示が。またか!!中央駅での乗り換えには7分しか時間が無いので、8分遅れではどう考えても間に合いません。仕方なくパートナーに電話して泣きつき、車で中央駅まで送ってもらいました。急いでホームへ行くと、今度は乗るはずだった電車が5分ほど遅れているとのこと。またか!!結果的に遅れていたトラムに乗っても間に合ったことになりますが、このことはもちろんパートナーには口が裂けても言えません…。なんだかコンサートのたびに全力疾走している私。ドイツ人は時間に正確と言われているようですが、この国の電車の遅れ、突然の運休は本当にひどいです。幸い電車はそれ以降特に大幅に遅れることも無く、コンサートホールも駅から近いので、開演20分くらい前には到着しましたが、どっと疲れました。ホールの入り口の前に同じオケの知り合いが立っていたのでびっくり。立見席のチケットを買おうと思って並んでいたところ、ちょうど彼の前の人で売り切れてしまったそうです。その後、同じ吹奏楽団の別の知り合いもやって来て、結構みんな立見席狙いで当日にだめもとで来るんですね。私は聴きたいコンサートは逃したくないので、さっさと定価で買ってしまいますが。本日のプログラムはマーラーの6番のみです。今年2月に聴いたウィーンフィルに続いて2度目になります。サンフランシスコ響とトーマス氏のマーラーは定評があるようなので正直かなり期待していましたが、私はあまり良いとは思えませんでした…。客席は『ブラボー!!』の声が飛び、スタンディングオベーションでしたが。なんだかここ最近、アメリカのオケを聴くとがっかりすることが多いです。単に自分の好みがヨーロッパのオケ寄りなのか、もしくは今日は雑念が多すぎて純粋に音楽に入り込めなかったのかもしれません。逆に言うと、彼らの演奏だけではこの曲の持つ世界観に入り込めなかったと言うことにもなりますね。やっぱりライプチヒで大好きな3番を聴きたかったなあと思いながらホールを後にしたのでした。
2011年05月29日
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本日は佐渡裕さん指揮、デュッセルドルフ交響楽団のコンサートに行って来ました。今年はドイツ・日本友好150周年にあたり、各地で色々な催しが行われているのですが、このコンサートもその一環だったようです。私は去年発売になってすぐにチケットを買ってあったので、オケの練習が後から入ってしまいましたが、そちらは休ませてもらいました。デュッセルドルフは折りしも「ユーロヴィジョンソングコンテスト(ESC)」というイベントの真っ最中。ヨーロッパ中からコンテスト出演者の応援を兼ねた観光客が来ていて、おまけに展示会も開催されているため、なんだかやたら人が多い!今回は前回の教訓(詳しくはこちら)を活かし、開演時間の2時間以上前に家を出て、時間が余ればウィンドウショッピングでもすればいいやなんて思っていたのですが、これでちょうどいいくらいでした。臨時列車増発しまくりのため、トラムが全然前に進まなかったのです。ESCの会場へ向かう若者を尻目に、私はいそいそとコンサートホールへ。こちらの最寄り駅で降りるのは、さすがに年配の方ばかりでした。ホールへ向かう人の流れに逆らって歩いてくる日本人がいるなあと思って見ていたら、うちの会社の人だったので思わず苦笑。今回のコンサートは1部が邦人作品で、2部が最近とみにメジャーになった(笑)ベートーヴェンの交響曲第7番というプログラムでした。1部は武満徹氏の『オーケストラと笙のためのセレモニアル』、細川俊夫氏の『笙と弦楽四重奏のためのランドスケープV』、そして黛敏郎氏の『バッカナール』の3曲。日本週間前とあってか、「これでもか!」とばかりに和のテイストです~。邦人作品に詳しくない私は3曲とも初めて聞きましたが、いい曲ですね。笙も生で聞いたのはおそらく初めてですが、こんな音がするんですねえ。形といい音といい、ミニミニパイプオルガンという感じ…。これなら西洋音楽で使ってみようかと考える人が多いのも納得です。でも、私が一番気に入ったのは黛氏の『バッカナール』でした。かっこいい曲ですね!佐渡さんに合っていて、ノリノリの指揮でした。この曲、吹奏楽版とかないのでしょうか?もしあったら一度やってみたいなあ。実は今回、チケットでは席は5列目とあったのですが、実際には前から3列目のど真ん中で、佐渡さんが目の前ほんの1.5メートルくらいのところの近さでした。演奏を聴くにはちょっと前過ぎる感はありましたが、佐渡さんや演奏者の表情がよく見えて、それはそれでとっても楽しめました。佐渡さんは相変わらず汗びっしょりかいての熱いタクトで、奏者もそれに一生懸命応えているのが好感度高かったです。特に、弦のトップの人たちは弓を切りまくっての熱演でした。告白しますと、私はこのオケは野外コンサート等で数回聞いたことしかなく、その時に自分の中で「お金を払ってホールまで聴きに行く価値は無いオケ」に分類してしまっていました。なので、この市に住んでいた時期も他のオケのコンサート以外でこのホールに出向くことはなかったのです。レベルはともかく、こんなに熱の篭った素晴らしい演奏をするオケだったとは私の失礼をお許しください~。前日にものすごくショックなことがあり、夜はほとんど眠れず、この日もまだかなりへこんでいたのですが、がんばって聴きに行って本当に良かったです。佐渡さんとオケにうんとパワーをもらい、おかげで元気が出ましたやはり音楽の力は偉大ですね。1つ物足りなかったのは、アンコールが無かったこと。アンコールが無くても、今日は佐渡さんのお誕生日だったので、団員がサプライズで「HAPPY BIRTHDAY」でも歌ってあげるのでは?と内心期待していたのですが、それもなし。席がステージに近かったので、勇気があれば一声お声をかけたかったのですが、もちろんできませんでした。ごめんなさい!でも、心の中で『マエストロ、おめでとうございます!!』と言いながら幸せな気分で帰路につきました。
2011年05月13日
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気持ちが前向きになってきたところにタイミングよく、今日は以前からチケットを買ってあったコンサートの日でした。ヤニック・ネゼ=セガン指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団で、メインはマーラー5番。私は実はこの指揮者の名前を聞いたことがなかったのですが、ここ数年ヨーロッパの有名どころのオケで立て続けにデビューが続き、かなり勢いに乗っている方のようです。開演は20時で、最寄り駅を7時少し前に出るトラムに乗れば、7時半ちょっと前にコンサートオールのある市の中央駅に着くはずでした。が、ドイツの鉄道といえば…そう、遅延ですいつもなら時間に余裕を見て1本前の電車に乗るようにしている私ですが、今日はちょっとのんびりしてしまったのが運のつき。トラムの駅で待つこと15~20分。その間、乗るはずだった電車が電光掲示板に現れたり消えたりするのを見て、嫌な予感がしていました。発車予定時刻を6分ほど過ぎた頃、突然構内アナウンスがあり、「工事の影響で7分遅れて到着予定」とのこと。遅れると分かっていたなら、もう少し早くアナウンスしてくれればいいものを…。とりあえず来たトラムに乗って、時計とひたすら睨めっこしていましたが、乗り換えの駅まであと5つと言うところで残り時間があと8分ほど。これは絶対に間に合わないと思い、急いでパートナーに連絡し、中央駅に来てくれるようにお願いしました。中央駅には次の電車の発車1分弱前に着きました。こちらの電車はほぼ毎回必ず2~3分くらいは遅れるので、もしかしたら間に合うかもしれないと思い、ホームまで猛ダッシュ!が、こういうときに限ってすでに電車はホームに入っており、定刻どおりに発車してゆきました…。急遽呼び出されたパートナーは当然のごとくご機嫌斜め。でも、今日のプログラムはマーラー5番のみなので、遅刻したらコンサート全てを聴けなくなる可能性があるため、間に合わせるには車で送ってもらうしかなかったのです。私もダッシュしたので気分が悪くて口数も少なく、社内には重苦しい雰囲気が漂いましたが、なんとか開演時間15分くらい前にコンサートホールに到着することができ、めでたし、めでたし。ところが、蓋を開けてみたら、プログラムは1部がベートーヴェンのピアノ協奏曲5番。休憩を挟んで、2部がマーラーの5番という2部構成だったのでした…。つまり、次の電車で行って遅刻しても、最悪マーラーだけは聴けたことになります。(<これはパートナーには内緒!)プログラムに終演予定は22時15分頃とあったので、私は22時31分発の電車に乗ろうとコートもクロークに預けずにいました。演奏が終わって拍手喝采の中、そっと携帯の電源を入れて時間をチェックすると、すでに22時35分。乗るはずだった電車にはもう間に合いません。まだ客席がスタンディングオベーションをしている中、急いでコンサートホールを後にしました。最寄り駅に着き、すぐに近距離列車(Sバーン)の時刻表をチェック。すると数分後にデュッセルドルフ・ケルン方面行きの電車があるではないですか。Sバーンは停車駅が多いので時間がかかるのですが、次の電車が来るのは早くても30分後のはずなので、ホームで突っ立っているよりはマシと乗り込んでしまったのが運のつき…。デュッセルドルフ方面行きの電車ならすべて私の住んでいる市を通過するだろうと思ったのに、気づいたら全く別の市に連れて来られてしまっていました…。しかも、アナウンスが入り、線路工事のため、そこからバスに乗り換えてデュッセルドルフに向かえとの事。これからバスでデュッセルドルフ中央駅へ向かい、そこからさらにトラムに乗り換えたら、あと2時間くらいはかかりそうです。バス乗り場に向かったところ、デュッセルドルフ空港駅行きというバスがあったので、そちらに乗ることにしました。こちらの方が少なくとも我が家に近いので…。バスに乗ったのは本当に久しぶりですが、それにしてもバスって良く停まりますねえ。やっと空港に着いたときは、もう真夜中ちょっと前でした。そこから我が家の近くに止まるSバーンに乗り、ようやっと家に帰ることができました。なんと終演後、2時間近くもうろうろしていたことになります。私が特に電車と相性が悪いのか、それともドイツの鉄道全般が酷いのか…。いずれにしても『これからはコンサートのときは必ず1本早い電車に乗ろう』と固く心に誓ったのでした。
2011年04月10日
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猫の日である本日、大好きなウィーンフィルを聴きに行って来ました。『このフレーズ、前にも書いたような気がする…』と思って確認しましたら、去年の猫の日にも確かにウィーンフィルのコンサートに出かけていた私。ウィーンフィルはこの日にドイツのNRW州に来るのが慣例なのでしょうか?あいにく先週ひいてしまった風邪がまだ治らず、体調不良。日曜日にタバコの煙をたっぷり吸ったのが良くなかったのか、気管支炎のような症状になってしまい、嫌な咳が出ます。しかも今日は気温が低く、夜に外出するのはあまり気が進まなかったのですが、自称ウィーンフィルのおっかけ、しかも演目が大好きなマーラーとあっては、行かないわけには行きません。今朝、ドイツ鉄道はストをしていたので、もしかしたらまだダイヤの乱れが残っているかもしれないと思い、かなり早めに家を出ました。ところが地元のトラムが遅れていて、余裕を持って乗ろうと思っていた近郊列車に乗れず…。これでは一体何のために早く出かけたんだかわかりません。幸い、次の列車はほぼ定刻に目的地に着いたため、コンサートには遅刻せずに済みました。今夜のプログラムはマーラーの「交響曲6番」のみなので、休憩がないのです。つまり、ちょっとでも遅刻したら最後、自分の席で聴くことは先ず不可能。ドイツの鉄道関係には毎回はらはらさせられます。今夜の指揮者はセミヨン・ビシュコフ氏です。実は私にとって彼はちょっぴりいわくつき。去年の6月、小澤征爾の指揮でベルリンフィルのコンサートが開催されるはずだったのですが、小澤氏の食道がん治療のため、公演がキャンセルになりました。そのコンサートを代理で振ることになったのがこのビシュコフ氏だったのです。が、私は当時師の名前すらろくにしらず、しかも演目もすべて変わってしまっていたので、そのコンサートに同じ代金を払うのがどうにも納得できませんでした。なので、その旨手紙に書いて、チケットを返却し、代金を返してもらった経緯があるのです。というわけで、彼の指揮は初めてでしたが、とっても分かりやすいですね。これなら私も一緒に演奏できそう…というしょうも無い感想しか抱けませんでした。すみません。マーラーの6番はマーラーの交響曲の中ではかなり人気がある方だと思いますが、私はどうもあまり…。もちろん、マーラーの交響曲は全て好きなのですが、私の中では6番はそれほど上位にはきません。色々な要素が詰め込まれすぎている感じがして、『ちょっと凝りすぎじゃない?』と思ってしまいます。おそらく、吹いている方は楽しいのかもしれませんが…。ということで、今回は正直、全身が打ち震えるような感動はなかったのですが、演奏はさすがでした。特にホルンとラッパの数々のソロがいつもながらとっても良かったです。ウィーンフィルの新しい首席ホルン奏者(多分)の方、特にファンと言うわけではないのですが、彼のソロが始まるといつの間にか力を入れて応援してしる私です。難しいと言われるウィンナーホルンなのに演奏がいつも安定していて、素晴らしくいい音ですよねぇ。去年が生誕150周年、今年が没後100周年という事で、ここ数ヶ月マーラーを聴く機会が多く、嬉しい限りです。今年のうちにどこかで1番好きな3番を生で聴ける事を切に願っています。
2011年02月22日
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今年2011年はドイツ(正確にはプロイセン)が日本と通称・友好条約を結んで150周年の記念の年です。そのため、ドイツ各地で様々なイベントが予定されています。日本でのオープニングセレモニーには皇太子様が出席されたようですね。ドイツでも先日ベルリンでオープニングセレモニーが行われ、それと同時にお能のドイツツアーが始まりました。ドイツの「リトルジャパン」、デュッセルドルフ市の公演はツアー最終日。去年、社内メールで本公演の事を知り、直ぐにチケットを申し込みました。お能は大昔に日本で1度観たきりです。初めて観劇したものの、せりふは分からないし、動作も最小限だし、あまり面白くないなあと思い、その後遠ざかっていました。が、成田美名子氏という漫画家さんがお能についての漫画を描き始め、それを読んでから面白さが分かってきました。今回の演目は『船弁慶』でした。あらすじが分からないと楽しめないと分かっていたので予習したところ、物悲しく静かな前半と荒々しい後半の2種類の舞台が楽しめる作品との事。お能は主役(シテ)が1人なので、前半の静御前と後半の平知盛の幽霊の両方を演じるわけで、これはかなり大変そうです。ちょうどデュッセルドルフで大きな展示会が開催中のためか、道路がかなり混んでいて、私達が会場に着いたのは開演時間ぎりぎりでした。フランスでは日本文化を敬愛している人がとても多いのですが、ドイツでお能ってどうなんだろう?と内心心配していたところ、会場はほぼ満席。日本人よりもドイツ人が断然多く、嬉しくなりました。(<後で分かったのですが、どうやら殆どが招待客だったようです…。それでもちゃんと足を運んでくれたのは嬉しいですが。)開演前にデュッセルドルフ日本総領事館の総領事やデュッセルドルフ市長など、来賓のご挨拶がありました。さらに、金春流の方々によるお能の楽しみ方、『船弁慶』のあらすじの説明などがあり、これはとても良かったと思います。特にお能を初めて観る人にはかなり観劇の助けになったのではないでしょうか。さらに上演中もドイツ語字幕が出たので、初歌舞伎では寝てしまった我がパートナーも今回は楽しめたようです。2時間近くたっぷり日本文化を楽しみ、満足して会場を後にしました。観劇前に夕食を食べる時間が無かったので、その足でレストランを求めてうろうろ。私的にはお蕎麦屋さんで日本酒の気分でしたが、終演が10時近くと遅かったので、断念。パートナーが食べたいと言うので、お寿司にしました。と言っても、ちゃんとした和食店ではなく、ファストフードのようなお店。握っているのも日本人ではないようでしたが、お味の方まあまあ…。でも、お値段はほぼレストラン並だったので、もう行かないかな。お能を見て、キ○ンビールを飲んで、お寿司を食べて、日本を満喫した夜でした。
2011年01月27日
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今日は元々はどこにも出かける予定はなかったのですが、またしてもコンサートを聴きに行ってきました。隣町の音楽大学の英国式ブラスバンドのコンサートです。以前某国の吹奏楽団で一緒に吹いていた男の子Pくんがその後イギリスに留学し、有名なブラスバンドのメンバーになりました。そのPくんから去年、1月22日に私の住んでいる市の隣町でコンサートをすると聞いていたのです。それで、その音楽大学のホームページ等、インターネットであちこち調べてみたものの、その日に該当するコンサートは見つからず。結局あきらめて、マーラーの7番を聴きに行くためにコンセルトヘボウのチケットを購入してしまいました(詳しくはこちら)。ところが土曜日の晩、私が電車でケルンに向かっている最中にオケの友人から電話がありました。コンサートホールに着いたので携帯の電源を切ろうとして、初めて気づいたのです。メッセージを聞いてみたところ、その私の知り合いPくんが出るコンサートのチケットが1枚余っているけど行かない?という内容。もうちょっと早く言ってくれたらなぁがっかりしていたら、その友人が翌日私の住む町でもコンサートがあると教えてくれたというわけです。彼いわく、Pくんがまた出演するかどうか分からないけど…とのことでしたが、ブラスバンドは元々好きなので、出かけてきました。結局Pくんと直接話すことはかないませんでしたが、ステージ上には他の知り合いもちらほら。ここ2年くらい、こういうことが続いています。音楽好きな人って、自分から色々手を広げていたり、他の団から助っ人を頼まれたりするので、あちこちで鉢合わせするんですよね(苦笑)。それにしても、ドイツにおけるブラスバンドの普及率は目覚しいものがあります。私が以前ブラスバンドに所属していた頃は、ドイツでまともに活動しているバンドは確か他に2~3団体あるだけという話でした。ところがここ5年くらいでその数は一気に増えたらしく、最近はドイツチャンピオンシップ(コンクール)まで行われています。ドイツではフリューゲルホルンよりもはるかにマイナーだったコルネットの売上、この分では急上昇しているのではないでしょうか。私もまたブラスバンドを再開したいところですが、どの団体も練習場所が遠いので、今は時間的にちょっと無理そうです。今回コンサートを聴きに行ったバンドが家から一番近いのですが、残念ながらこのバンドはこの音大の学生しかメンバーになれません。もっともっとブラスバンドがメジャーになって、ご近所にも団体ができるまで待つことにします。
2011年01月23日
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2011年最初のコンサートはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です。去年初めて生で演奏を聴き、かなり気に入りました。今現在の私の三大お気に入りオーケストラは、1位ウィーンフィル、2位がこのロイヤルコンセルトヘボウ、そして3位がゲヴァントハウス、となっています。今回のコンサートはケルンのコンサートホールで開催されましたが、公共交通機関の料金がチケットに含まれていました。これは新しく始まったサービスで、インターネットでチケットを申し込み、自分でプリントアウトする場合、このスペシャル切符も申し込み、コンサート前にプリントアウトできるシステムなのです。飛行機のチケットですらもEチケットの時代だし、まさにこんなサービスを待っていました。私は以前からインターネットでチケットを購入しているのですが、チケット代の他に毎回、発行手数料と郵送料を取られます。ドイツの郵便局はあまり信用ならんので、念のために保険をかけると、さらに保険代も上乗せされます(<私はかけたことありませんけど)。これが結構馬鹿にならない金額になるんですよね~。さらにケルンまで電車で行くとなると、かなりの額の電車賃が必要になります。大体、コンサートのチケットには「なるべく公共交通機関をご利用ください」と書いてあり、そのコンサートが開催されるエリア内であれば無料で移動できるようになっています。が、ケルンの場合、私の住んでいるエリアとは違う鉄道会社の管轄になるため、ほぼ全額の電車賃が必要になってしまうのです。今まではそれがちょっとネックなっていましたが、その心配もなくなり、これからはケルンまで出向く事が増えるかもしれません。本日の指揮者はピエール・ブーレーズ氏でした。プログラムを購入するまで正確な年齢は知らなかったのですが、なんと御年85歳。指揮者は長く活躍される方が多いですね。日本を代表する世界の小澤氏も、早く腰の持病を完治されて、また素晴らしい演奏を聴かせてていただきたいものです。そして本日のプログラムは、アントン・ヴェールベンの『管弦楽のための6つの小品』とマーラーの『交響曲第7番』です。もちろん、マーラー大好きな私は7番を目当てに出かけていったわけですが、ヴェールベンという作曲家の作品は初めてでした。短い曲で、「う~ん」と思っているうちに終わってしまいましたが、悪くはなかったです。でも、かなりモダンな感じの作風でした。そしてそして、コンセルトヘボウのトランペット軍は今日も全員ピストン式でした。これって何か理由があるのでしょうか?ドイツに対する何らかの確執があって、ドイツ式(ロータリー式)は使わない伝統とか…。そういえば、うちの会社はオランダに本社があった某コピー会社と、ドイツに本社があった某プリンター会社が合併してできたのですが、ドイツ人とオランダ人は常に張り合っており、あまり仲がよろしくないのです。もしかすると、オランダとドイツの間には深くてくら~い溝があるのかもしれません。閑話休題。コンセルトヘボウのメンバーはマーラーとなると途端に生き生きしますね。「マーラーならまかしとけ」という自負が全身から滲み出ているかのよう。前回聞いた5番に負けず劣らず、素晴らしい演奏でした。次はコンセルトヘボウで私の一番好きな3番を聴いてみたいです。そしてブーレーズ氏の指揮もさすが大御所の貫禄でした。最初からずっと眠そうな感じで表情が全く変わらなかったのですが、休憩無しで2曲連続です。さすがに演奏時間が1時間を越えたあたりから、疲れが出てくるのではと内心心配していました。ところが、最終楽章の前、表情がきりっと引き締まり、あきらかに顔つきが変わったのです。最後の音がびしっときまった直後「ヴラウボオ」の大声が二階席から飛びました。『ちょっと早すぎでは…』と思っていたら、ブーレーズ氏も思わず苦笑、でした。このコンサートホールは出入りの際に階段を上り下りしなければならず、アンコールのとき氏は「疲れるから(多分)」と階段を上るのを省略していたのがおちゃめでした。なにせ85歳というご高齢ですからね…。今年5月にもケルンに再登場されるようですが、お体を大切にしてほしいです。
2011年01月22日
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パートナーと一緒にGiora Feidmanというクラリネット奏者のコンサートへ出かけてきました。クレズマー音楽と言うジャンルをご存知でしょうか?東欧やドイツに住んでいたユダヤ系住民の音楽で、映画『シンドラーのリスト』で流れていた、物悲しい曲もクレズマーです。このFeidman氏はドイツではかなり有名で人気のあるクレズマーミュージシャンなのです。私のパートナーがこのFeidman氏のクラリネットが大好きで、以前にも1度コンサートチケットをプレゼントしたところ、とても喜んでくれました。去年のクリスマスは直前に義母が亡くなったため、例年のようにはお祝いしないことになったので、パートナーにはプレゼントの代わりに手紙を書き、このコンサートのチケットを添えて渡したのです。本日のコンサートはD市の教会で行われました。つまり、座席指定はなく、チケットは1階席と2階席の2種類のみです。開演は8時で、パートナーは7時に家を出れば十分と言い張りました。ところが、私が少々危惧していたとおり、7時半の到着はちょっとばかり遅すぎました。まず、教会が市内の繁華街の近くにあるため、車を止めるスペースがなく、時間を大分ロスしてしまいました。結局パーキングハウスに駐車してそこから歩き、会場に着いたのは開演20分ほど前。その時すでに1階席の椅子はほぼ全て埋まっていました。いくら指定ではないとはいえ、それほどすぐに席が埋まらないと高を括っていたパートナーはかなりショックを受けたようです。ところどころ席が空いていましたが、それらは大きな柱の影などで、演奏者がまるで見えません。チケットにも「席によってはステージが見えない場合があります」と小さく書かれており、彼にそれを伝えて、早めに行ったほうがいいと忠告したのですが、聞いてもらえませんでした。まあ、音さえ聞こえればステージが見えなくてもたいしたことないかと思っていたので、それ以上強くは主張しなかったのです。ところが、教会の備え付けの長椅子が並んでいる後ろの通路に普通の椅子に腰掛けている人が15人ほどいました。パートナーは私達もそこに座ろうと言い、柱の後ろに並べてあった椅子2つをそこに運び出しました。「移動する前に係員に聞いたほうがいいんじゃないの?」と言っても、大丈夫の一点張り。すると、開演直前になって係員の一人が私達の隣に座っていた老夫婦のところへつかつかとやってきて、「ここに座っていられると開演できません椅子を元の位置に戻してください」と苦情を言いだしました。なんと、その列に座っていた15人ほどの人たちは全て、私達と同様、勝手に椅子を移動してそこに座っていたようなのです。どうりで列の左右で椅子の数が違うと思った…。隣の人が怒られているので、私は移動しようと席を立ったのですが、パートナーは知らん顔しています。苦情を言われたのは隣の夫婦だけで、自分はまだ何も言われていないから、というのが彼の言い分です。私はそこに座ったときからずっと周りの人の目が気になっていたところ、係員に怒られたので、いたたまれなくて困惑するばかり。すると、私達が入ってきたときに席を探してくれようとした男性の係員が来て、パートナーは彼に直接「移動してください」と注意されてしまいました。やっと席を立った彼に係員は「椅子を元の場所に戻してください」と言ったのですが、彼は「主催者側のアレンジが悪すぎる」と言い返し、そのまま立ち去りました。これにはさすがに係員もむっとしていました。私達が少しでも良い席を求めてうろうろしていると、また同じ係員がやってきて、2階ならまだ席が沢山あると言いにきました。でも、ちょっと待って。私達は1階席のチケットを持っているのに、なぜ2階席に行かなければならないの???私が腹が立つのはこういうところです。入り口では、チケットを持っているかどうかをチェックしているだけ。一旦中に入ってしまえば、誰でも空いている好きな席に座れるわけです。この1階に座っている100人くらいの観客の仲に、2階席のチケットしかもっていない人が数割はいると断言できます。もしくは、主催者側がお金儲けのために1階席のチケットを実際の座席数より多く売りすぎた可能性もあります。いずれにしても、正規の料金を支払った人間が2階席に行かなければならないのは納得できません。パートナーにはめずらしく「これがドイツ人だ、典型的ドイツだ」とご立腹。これ、普段は私の口癖なんですけれどね。最終的に私達は1階の大きな柱の真後ろの席に落ち着きました。私の席から見えたのは、弦楽カルテットのバイオリン奏者2名のみ。パートナーは肝心のFeieman氏が見えないのがとても残念らしく、ちょっとふてくされていましたが、私は内心、自分達が他の人より遅く来たのだから仕方ないと思っていました。どうせステージが見えないなら、純粋に音だけを楽しもうと目をつぶってみました。ところが、音に集中していたら、今度は雑音が気になって仕方ありません。街中なので外を走る車の音がするのはしょうがないとしても、鍵を何度も落とす人がいたり、携帯の電源を切っていない人がいたり、ベビーカーを持ち込んでいる人がいて、赤ん坊が何度も声を出したり…。いくら教会でのコンサートとはいえ、無料のチャリティコンサートではないのだから、赤ちゃん連れは辞めて欲しいものです。Feidman氏はジョージ・ガーシュインやピアソラの曲も披露してくれ、演奏はとても良かったです。でも、コンサート中も隙間風が入ってきてかなり寒く、その分100%は楽しめませんでした。パートナーは「演奏は良かったけど、(席や対応に)がっかりした」とのこと。次回はコンサートホールで開催されるコンサートを聴きに行こうとめずらしく意見が一致したところで、久しぶりに日本のラーメン屋さんで腹ごしらえをして、帰途につきました。
2010年01月20日
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本シーズン初のコンサート(聴きに行く方)は、教授こと坂本龍一氏のピアノコンサートでした。珍しくオケのコンサートではありません。私の住んでいるエリアは来年2010年にヨーロッパ文化都市になることが決まっていて、良いコンサートは来年に集中しているのです。教授がD市に来ると知ったとき、チケットを2枚申し込みました。クラシックのコンサートはあまり好きではないパートナーですが、映画音楽は好んで聴くので、喜ぶだろうと思ったのです。で、ちょうどコンサートの前日が結婚記念日と言うこともあり、プレゼントしようかななんて考えたわけです。ところが、我がパートナーは「世界のサカモト」を知らなかったんです~。映画『戦場のメリークリスマス』も知らないとのこと。それじゃあ行っても退屈かもねと思い、申し込んだチケットをキャンセルし、1枚だけ買いなおしました。もちろん、その際にちょっとだけ席をグレードアップするのも忘れずに。日本人ばかりなのかな?と思っていましたが、結構ドイツ人も沢山聴きに来ていました。やっぱり6対4くらいで日本人が多かったですが。いや、7対3くらいだったかもしれません。でも、「チケット求む」の紙を持った人が何人も居たりして、教授のドイツでの人気の高さを感じました。オープニングはいきなりとってもモダンで、メッセージ色が強い感じの曲。鍵盤にはほぼ触れず、バックに流れている音に合わせてピアノ線を直接はじいたりとか、パフォーマンス性の高い曲でした。正直、あまり私の好みではなかったので、「これが2時間続いたら絶対寝てしまう」とぞっとしました。が、そのうちだんだん普通のピアノコンサート(?)になってきて、主に映画音楽を披露してくれました。途中でとても私好みの曲があり、「この曲は好き!今までの中で一番!!」と思い、一杯拍手したところ、「今の曲はモリコーネの作品です」とMCが…。教授、申し訳ない!全体的に静かなやさしい曲が多く、気持ちよく聞かせていただきました。が、ずっとこういう曲が続くとなぜか「薬のコマーシャルみたいだなあ」と思ってしまったりして…。あまりいい聴衆ではないですね。でも、初めて生で聞いた『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲はものすごい感動でした。まだ学生だった当時の色々な感情が唐突にふわっとよみがえってきて、ちょっとだけ瞳がうるんでしまったくらいです。ピアノは誰が弾いても音が出る楽器ですし、この曲も難しい技巧なんて必要ない曲なのでしょうが、こういうところがやはりプロのすごいところなんでしょうね。プロのすごさと言えば、自動演奏ピアノ(と言うのですか?)とのデュエットも圧巻でした。コンサートが始まる前からステージに2台グランドピアノが置いてあり、「一体誰とデュエットするんだろう?」と気になっていたのですが、2台目のピアノは伴奏用(自動演奏用)だったというわけです。これもしっかりした技術があるから可能なんでしょうね~。休憩なしでほぼ2時間半、たっぷり聴かせてくれました。開演当初は「失敗したかも?!」なんて思ったりもしましたが、いいコンサートでした。なんとなつかしの名曲「Behind the Mask」もやってくれたんですよ!アンコールがやまないので、聴衆にむかって「もう寝る時間」と動作で示したのがかわいらしかったです。それにしても、坂本美雨さんて、この教授とあのアッコちゃんのお嬢さんなんですよね。毎日この二人のピアノが家に流れている中で育ったんですよね。うらやましいと言うか、すごすぎる~
2009年10月09日
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年が明けてから、コンサートレポートが少ないな~と思っている方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。実は今年の私、『新車貧乏』&『歯医者貧乏』なのでございます。世界的な不況の折、私も経費削減中で、贅沢は自粛していました。そのため、久しぶりのコンサート鑑賞となり、今夜は今年初めてのウィーンフィルのコンサートでした。ケルンフィルハーモニーの今シーズンの目玉(多分)、ウィーンフィル特集の第4回目。今日が最終日となります。指揮者はこれも私にとっては初めてのダニエラ・ガッティ氏。イタリア人の指揮者です。本日のプログラムは以下の通りです。1. ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』序曲2. ストラヴィンスキー『カルタ遊び』3. プレヴィン『ハープ協奏曲』4. メンデルスゾーン『交響曲第4番 イタリア』今週は小旅行から月曜日に帰ってきたこともあり、少々疲れ気味。体調もいまいちで、火曜日は楽団の練習を休んだくらいだったのです。帰宅がかなり遅くなるのは目に見えているし、前回のウィーンフィルのコンサートはいまいちだったし(詳しくはこちら)、わざわざ出向いてがっかりするのは嫌だな~とちょっと心配していました。でもでも、さすがは私の大好きなウィーンフィル。やはりオペラの曲を演奏させたら世界一ですね。軽快なリズムがとても心地よく、美しい音に包まれているうちにだんだん元気になりました。『ハープ協奏曲』の独奏者はフランス人のメストレ氏。女性が断然多いハープ奏者の中ではめずらしい男性奏者で、ウィーンフィルのソリストでもあります。以前は女性の入団を許可していなかったウィーンフィルなので、ハープ奏者も男性なのかな?なんて勘ぐりたくもなりますが、ウィーンフィルに初めて入団を許された女性は確かハープ奏者でした。余談ですが、メストレと入力したら、『雌取れ』と変換されました。いくら彼がイケメンだからといって、これはあんまりですよね(苦笑)。聴衆(私も含め)が耳慣れない協奏曲でほんの少し中だるみした感がありましたが、プログラム最後の『イタリア』ではまたまたさすがの演奏。知っている曲というのもあるのでしょうが、やっぱりこういう曲が似合いますね。というか、ガッティ氏がこういう感じの曲がお得意なのかもしれません。このガッティ氏、以前から名前だけは知っていましたが、どうも気分が乗ってくると声を出してしまう癖があるようですね。本番のステージ上という事を忘れてしまうのでしょうか?時々「うぉ~」とかなり大きな声を上げて、聴衆がびっくりして隣の人と顔を見合わせる、なんていうシーンもありました。プログラムが終了したのが22時過ぎだったので、今日はアンコールはないだろうと思いきや、1曲演奏してくれました。私も以前演奏したことのあるヨハン・シュトラウスの「ペルペトゥーム・モービレ」を速めのテンポで聞かせてくれました!あまりにも急ぎすぎて、バストロンボーン奏者が席に着かないうちに曲が始まっていましたが…(汗)。オーケストラのコンサートではあまりアンコールに応じてくれませんが、ウィーンフィルの場合、ニューイヤーコンサートのレパートリーを聞かせてくれることが多いですね。本物のニューイヤーコンサートにはなかなか行かれないので、ちょっと得した気分になります。メンバーの急な若返り等があり、これからもウィーンフィルの追っかけ(笑)を続けるか少し迷っていましたが、今回はかなり満足しました。実は来年2010年はエッセン市(とルール地方)がドイツの『文化首都』となることが大分前から決定しています。普段「この辺りにはあまりいいオケが来ない」とぼやいている私にパートナーが「2010年はきっとすごいよ!」と言い続けていましたが私は正直なところ、あまり期待していませんでした。今週に入って、エッセンのコンサートホールの来シーズンのプログラムが郵送されてきました。以前、定期会員だったことがあるので、いまだに送ってくるのです。それを何気なく見てびっくりベルリンフィル、ウィーンフィル、パリ管弦楽団、ロイヤルフィルハーモニー、コンセルトヘボウ…と世界の一流どころが勢ぞろいしているではないですか指揮者もロリン・マゼール、クルト・マズアといったすでにエッセンに何度も来ているマエストロの他に、私が待ち続けていた小澤征爾の名前がベルリンやウィーンまで出向かなければ聴けなかった小澤氏の演奏をやっと地元で聴くことができます。コンサートは1年ほど先ですが、うれしくて早速チケットを予約しちゃいました。他にも人気がありそうなプログラムをチェックし、厳選して予約。あとは女性トランペッター、アリソン・ダルサムの演奏は是非生で聴いてみたいし、パートナーはオペレッタの曲を集めたコンサートに行きたいと言っています。来年のために、「文化首都貯金」を始めなくては!
2009年05月14日
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母親が送ってくれた日本の雑誌をぱらぱらめくっていた私の目がとある箇所で釘付けになりました。「ギエムのボレロを観た」という記述があったのです。「ギエムを観に行った」だけならば、「ああ、また日本でツアーをやったのね」と思うところですが、『ボレロ』というので驚きました。バレエ好きの方はご存知でしょうが、シルヴィ・ギエムというのは100年に1度の逸材と言われているバレエダンサーです。もうかなりのお年になるのに、まだバリバリの現役。閉まった体つきで、めちゃくちゃかっこいい超人おばさん(<失礼!)なのです。『ボレロ』の振り付けでなんと言っても有名なのは、モーリス・ベジャール氏の手がけたもの。ベジャール氏は、自分のめがねにかなった限られた人にしか踊ることを許可しませんでした。今でも踊ることのできるダンサーは世界で10人ほど。天才ギエムはもちろん許可を得ましたが、数年前に自分でこの曲を踊ることを封印してしまいました。今回は2007年に亡くなったベジャール氏の追悼ガラということで、特別に解禁したようです。でも、これが本当に最後の最後らしいです。はあああああ、信じられない。まさか、あのギエムがまた『ボレロ』を踊るとはしかもそれが今回限り、日本だけだとは日本の皆さん、うらやましすぎます。ドイツに住んでいると話すと、時々「クラシックやオペラの本場でいいですねぇ」と言われることがあります。楽器をやっているので、特に同じ趣味の方々から言われることが多いです。確かに、日本よりは大分安く、一流オーケストラの演奏を聴くことはできます。が、それでも私の住んでいる辺りでは、年に数回あるかどうか。やはり首都か国外まで行かなければ、なかなか素晴らしいコンサートには出会えないのが現実です。そして、ことバレエに関して言えば、絶対に日本の方が上!です。毎年、一流のバレエ団が公演してくれて、おまけにインターナショナル・バレエ・フェスティバルなんてものまで開催されて、有名ダンサーがこぞって来日。ギエムもほぼ毎年来日しているようですが、彼女はドイツで踊ったことなんてあるんでしょうか?日本のバレエファンはきっと世界一恵まれています。そういえば、アメリカで話題になった「Blast!」も、何度も来日しているのに、ヨーロッパツアーなんて全然やってくれないしなあ。オペラだって、有名どころははるばる日本まで来てくれますよね(<チケットむちゃくちゃ高いけど)。そうそう、去年は私の大好きなウィーンフィルも来日公演を行いましたっけ。東京に住んでいれば、わざわざアメリカやヨーロッパまで行かなくても、全ての一流のエンターテイメントが楽しめるような気がしてきました。日本の各国料理のレストランの豊富さも、ちょっと他の国では見られないくらいですよね。やっぱり東京ってすごい街です。ドイツの田舎町なんて、足元にも及びません
2009年04月16日
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本日はパートナーと一緒に隣町のコンサートホールで行われたコンサートに出かけてきました。出演はサンクトペテルブルク室内管弦楽団、ゲスト(ソリスト)はトランペット奏者のセルゲイ・ナカリャコフ。最近は自分の出演するコンサートで忙しく、プロの演奏を聴くのは久しぶり。おそらくは今年最後の演奏会ですし、ナカリャコフの生演奏を聞くのも久しぶりなので、期待が高まります。以前、ナカリャコフが出演する演奏会にパートナーを連れて行ったことがあります。そのコンサートで初めて「ベニスの謝肉祭」の生演奏を聞き、衝撃を受けた彼は、すっかりナカリャコフのファンになりました(今だに彼の名前も言えませんが)。というわけで、今回のコンサートも私からのプレゼントです。プログラムは全部で4曲。1部では楽団がエルガーを演奏した後、ナカリャコフがメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲をトランペットで演奏。2部では楽団がチャイコフスキーを演奏した後、ナカリャコフがモーツァルトのホルン協奏曲をフリューゲルホルンで演奏という構成です。正直、私は協奏曲(ナカリャコフ)のみが目当て…。2曲目にやっと彼が登場したときは、嬉しくて思い切り拍手してしまいました。久しぶりに生の音を聞きましたが、相変わらずものすごくやわらかくて素晴らしい音色です。でも、今日はどうも体調がいまいちのご様子。風邪でもひいているのか、何度か彼らしくないミスもちょこっとありました。とはいえ、それでも普通の人よりも数倍素晴らしい演奏ですが。第2部が始まり、指揮者とともにナカリャコフが舞台に出てきたので驚きました。よほど具合が悪くて、先に協奏曲を演奏した後、すぐにホテルに戻ることになったのかもしれません。曲も通常より短くカットされていたような気がしました。すごくがっかりしましたが、その後室内管弦楽団のメンバーが意地を見せて(?)、素晴らしいチャイコフスキーを聴かせてくれて、落胆もちょっと帳消しになりました。さすがプロですね~。あまり(というかほとんど全く)期待していなくて、ごめんなさい!その後、彼らはアンコールとして、ピアソラの曲を演奏してくれました。「リベルタンゴ」は以前所属していた吹奏楽団でも演奏したことがあり、私にとっては思い出の曲。クラシックのコンサートでこの曲を聴くとは思っても見ませんでしたが、すごくかっこよかった!です。指揮者が舞台袖に引っ込んだとき、フリューゲルホルンを持ったナカリャコフの姿がチラッと見えて、「やった~」と思いました。もうとっくにホテルに着いているだろうと思ったのに、もう1度出てきてくれたのです。まさか2曲もアンコールがあるとも思っていなかったので、嬉しいサプライズでした。曲は「G線上のアリア」で、これまた高校時代の思い出の曲。短い曲ですが、彼の包んでくれるような優しい音にたっぷり癒されました。でも、アンコールが「ベニスの謝肉祭」じゃなかったということは、やはり体調が悪いのかもと心配になったのも事実ですが。もしかしたら、ドイツでの公演だし、クリスマス前ということで、バッハを選んだのかもしれませんね。プログラムに「終演後ナカリャコフがCDにサインします」と書いてあったので、もちろん並びました。本当は「私もトランペットやってます」と言って、サインに名前を入れてもらい、握手もしてもらっちゃおう~♪なんて思っていたのですが、恥ずかしくて何も言えませんでした…。だって、めちゃくちゃ美形なんですよ~。目の前で見ると写真で見るよりさらに色白で、さらさらのブロンドで、まさに王子様。日本での人気絶頂期が今だったら、きっと「トランペット王子」と呼ばれていたでしょうね。彼の演奏を生で聴くたびに、『天はニ物を与えず』って絶対嘘だ!と思ってしまいます。憧れのナカリャコフ氏にサインをもらったCDにチューしながら帰途につきました。運転席のパートナーはそんな私の様子を横目で伺っています。…そういえば、いたんだっけ(爆)。
2008年12月16日
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今シーズン、ケルンにウィーンフィルが4回来ることになっています。今夜はそのシリーズの3回目。指揮はクリストフ・エッシェンバッハ、プログラムはシューベルトの『未完成』とブルックナーの6番でした。余談ですが、以前は『未完成』といえば8番でしたが、最近は7番なんですね。先日のブログに書きましたが、私は酷い風邪ひき中。月曜日は欠勤し、火曜日は職場で1日中鼻をかみ続けていました。鼻水が収まったと思ったら、今度は咳です。コンサートで咳き込んでしまったら顰蹙だし、体調もいまいちなので、行くのはやめようかと思いましたが、せっかくのチケットがもったいないので、やはり出かけることに。こちらでもやはりレベルの高い(人気のある)オケのチケットはそれなりに高いんです。直ぐに取り出せるようにのど飴を準備して、早めに家を出ました。ドイツ鉄道を利用するのはザルツブルク音楽祭以来ですが、今日も今日とて、しっかり遅れてくれました。そんなことだろうと思って、1本早い電車に乗ったので、コンサートには間に合いましたが…。本当に毎回イライラさせてくれます。開演前に入ってきたメンバーを見て、軽くショックを受けた私。先日、ウィーンへ行った際、憧れの国立劇場でのオペラを初体験してきましたが、そのときの演奏がウィーンフィルではなかったことはブログに書きました。ところが、ステージに上がっているメンバーのほとんどがその日と同じ顔ぶれではないですか?『も、もしかして、今日は二軍・・・?』な~んて思ってしまったのです。これは私の勘違いと言うか、勉強不足です。私は国立劇場管弦楽団=ウィーンフィルという認識でいたのですが、正確に言うと違うのですね。国立管弦楽団のメンバーの一部がウィーンフィルのメンバーになれるシステムだそうです。私が国立管弦楽団のオペラを鑑賞したその夜、ウィーンフィルはムジークフェラインの黄金の間でムーティー氏の指揮でコンサートをしていました。そのため、私はそちらが本物のウィーンフィル(つまり「一軍」)で、オペラの方は二軍と学生エキストラだったのかな?なんて思ってしまったのです。普段私が知っているウィーンフィルより、メンバーがかなり若く見えたのも勘違いした要因。失礼しました…。今回は他人の咳がやたら耳について、そのたびに身がすくみました。「演奏中に咳が出たらどうしよう?」と多少過敏になっていたとは思いますが、それにしても風邪ひきのお客さんがとても多かったようです。やはり体調によっては、自粛することも必要ですね…。1つの楽章が終わったら、ここぞとばかりに咳をしだめ(?)するのがドイツ人ですが、今日はものすごかったです。2楽章が始まる寸前に、のど飴の包みを開ける音があちこちからがさがさ…。ケルンのコンサートホールでは、周りの人の迷惑にならないよう、ガードローブに無料ののど飴が置いてあるんですが、まさかそれが仇になるとはなんだか指揮者と楽団員が気の毒になってしまいました。聴衆は演奏が気に入らなければブーイングできるけど、演奏者は聴衆のマナーが悪くても、ブーイングできないですものね。せいぜい手を抜くくらい?(<やめて欲しいけど…)自分の体調不良と周りの人のマナーの欠如により、残念ながらあまり楽しめなかったコンサートでした。それに、私はやはりあまりブルックナーが好みではないようです。ウィーンフィルは夏に聴いたマーラー3番がとにかく素晴らしかったので、それ以降はつい採点が厳しくなってしまいます。それにしても最近のウィーンフィル、女性団員の増加と団員の若返りでも目指しているのでしょうか???
2008年10月15日
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ポザウネンコアのメンバーと一緒に、オペラを観に行ってきました。誘われたときは、作品が現代物と聞いて、正直あまり乗り気はしませんでした。ただ、バンドのメンバーみんなで行こうという趣旨だったので、私も行くことにしました。結局参加したのはポザウネンコアのメンバー6人と我がパートナーの合計7名。メンバーの一人が都合が悪くなったため、その人のチケットがパートナーに回ってきたのです。出し物は一応オペラということになっていますが、出演者はどうやら金管奏者だけのようです。この作品がドイツでは初演ということ以外、ほとんど何も知りませんでした。あまり期待していなかったので、ろくに予習もせずに出かけたのです。でも、出演する金管アンサンブル(Mnozil Brass)の演奏がかなりすごいらしいと聴き、期待が高まってきました。吹奏楽団のメンバー2人に会場でばったり会い、少し話をしたところ、彼らはこのアンサンブルのファンのようでした。とにかく演奏が素晴らしいとの事で、もし話が退屈でも音楽は楽しめるな~くらいに思っていたところ…。実際に観てみて、いい意味ですごく驚きましたこんなステージは初めてです。コミック・ブラス・オペラとでも言えばいいのでしょうか?金管楽器奏者7人(トランペット3、ホルン(ビューグル?)1、トロンボーン2、チューバ1)がずっと出ずっぱりで、音楽だけでなく、演技も担当するのです。カナディアンブラスをご存知であれば、彼らのステージにもっと演劇を加えたという感じです。演奏のレベルはすごく高いし、演技も上手、歌もなかなかで、何より7人の息がぴったり!動いたり踊ったりしても演奏が乱れず、最後までパワーも落ちず、素晴らしかったです。休憩を入れて2時間強、目も耳もたっぷり楽しませてもらいました。インターネットで検索してみたら、彼らは今後数ヶ月はドイツ語圏をあちこち周っているようです。こちらに住んでいる方、必見(必聴)ですよ~。なんと、彼らは日本公演を行ったこともあるようです。日本の方も、機会があれば是非CD, DVDも出ています~。
2008年09月25日
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3ヶ月ほど前にチケットを買って、楽しみにしていたコンサートに出かけてきました。ロリン・マゼール指揮、ニューヨークフィルの2日間連続コンサートの第1夜で、今日の演目はブルックナーの『交響曲第8番』。開演30分くらい前に会場に着くと、手に「チケット求む!」の紙を持った人がちらほら。マゼール氏はバイエルン放送交響楽団の主席指揮者を長く勤めていたせいか、ドイツではかなり人気があるようです。自分が前回彼の演奏を聴いたのはいつだったのか思い出せませんが、やはりドイツだったのでしょうか。中に入ってみると、意外にもかなり空席があり、特に前から7列目くらいはほぼ全部が空席で、すごく目立っていました。バスで向かっていた招待客が事故にでもあったのか、はたまたコンピュータのエラーでしょうか。ちょっと異様な光景でした。肝心のコンサートですが、う~ん、個人的にはかなり不満足でした。演奏はもちろん上手ではあるのですが、ちっともわくわくしないと言うか。日本の吹奏楽コンクールでよくありがちな、そこそこ上手いけれど、とても生真面目でつまらない演奏を聴いているような感じ…。演奏中、ずっと余計なことを考え続けていたコンサートも久しぶりです。非常に傲慢に聞こえるのを承知で言いますと、「ニューヨークフィルってこんな程度だったっけ」と思ってしまいました。演奏後、ブラボーの声がかかっていましたが、私は「え~っ?!」と思いながらぱらぱらとしか拍手しませんでした。1週間前、ウィーンフィルに天上の世界を垣間見させてもらったばかりだったので、自然と比べてしまい、余計がっかりしてしまったのかもしれません。それとも、ブルックナーが自分の好みではないだけ・・・?チケット代、損したなあ。アンコールもなかったし、終演後に外へ出たらかなり雨が強く降っていたしで、こんなことなら家にいたらよかった!と思った夜でした。
2008年09月05日
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本日は久しぶりにクラシックのコンサートに出かけてきました。欠勤中(自宅療養中)なので、本来はこういう外出は控えるべきなのでしょうが、手術の日程が決まる前にチケットを買ってあったのです。リハビリの一環と言うことで、どうかお許しを~!!ピアニストのラン・ランがEssenに来るというのを偶然に知り、チケットを購入しました。ラン・ランって、ドイツではものすご~く人気があります。以前1度、演奏を聴いたことがありましたが、そんなに良かったかな?と不思議だったので、もう1度聴いてみたかったのです。バレンボイムの名前もあり、『彼の指揮でピアノ協奏曲かな?』と思いきや、なんと彼もピアノ担当。つまり、ピアノの連弾のコンサートなのでした。私は知らなかったのですが、このコンサートは今開催中のドイツ・ピアノフェスティバルのコンサートの1つでした。このフェスティバルは5月15日から開催されており(7月26日で終了)、NRW州のあちこちで色々なコンサートがあったようです。なんと、私の好きなユンディ・リーやポニーニ、アルゲリッチまで来ていたようで、「知らなかった~!!」と後悔しきり。これからは行きつけのコンサートホールのプログラムだけでなく、もうちょっとしっかりチェック入れなければ…。演目は1部はラベルの『マ・メール・ロワ』とリストの『ドン・ジョバンニの回想』(原曲はモーツァルト作曲)。休憩を挟んで、2部はバルトークの『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』。1曲目は1台のピアノを2人で、2曲目はピアノ2台を使っての演奏。3曲目は打楽器奏者2人を迎えて、4人でのアンサンブルでした。連弾を生で聴いたのは初めてですが、かっこいいですねえ。『マ・メール・ロア』はオーケストラアレンジ版の方を聴きなれていたので、正直ピアノ1台では物足りなく感じました。でも、2曲目はものすごかったです!鳥肌、感涙もの。この演奏を聴けただけで、このコンサートに行った価値がありました。曲が終わるか終わらないかのうちに拍手の嵐が起こり、なかなか鳴り止みませんでした。3曲目はちょっとモダンすぎて、私の好みではありませんでした。終わり方も静かなので、聴衆もかなり盛り下がってしまった感じ…。プログラムの1部と2部の順番を逆にすればよかったのに!と思いました。(<余計なお世話ですね)アンコールにモーツァルトの小品を演奏してくれたのですが、ピアノは2部のままのセッティングだったので、二人はほぼ背中合わせ。それなのに、緩急のつけ方など、きっちり合うんですよね…。やっぱりプロはすごい休憩中、迎えに来てもらう時間を告げるためにパートナーに電話したところ、CDショップが開いていたので覗きました。そこで、ずっと前から買おうと思っていたラン・ランのカーネギーホールのリサイタルCDを今更ながら購入。お店の前に、「コンサート終了後、ここでバレンボイムとラン・ランがサインをします」と看板が出ていたので、寄ってみることにしました。たまたま席がCDショップ側だったので、終演後に行って見たら、まだ4組くらいしか並んでいませんでした。これならばすぐに順番が周ってくるだろうと、サインをもらって帰ることに。が、二人がなかなか出てこなくて、かなり待たされました。サインは一人1回ずつとのことで、私はラン・ラン氏には彼のCDのブックレットの表紙に、バレンボイム氏にはプログラムの彼の紹介ページにサインしてもらいました。ラン・ラン氏は他の人には「L.L.」というなんだか間抜けなサインをしていましたが、私はアジア人だったせいか、ちゃんとした(?)サインをしてもらえました。バレンボイム氏のサインはほとんど楷書で「Daniel」と書いてあり、まるで幼稚園児が書いたみたい…。でも、いい記念になりました。
2008年07月24日
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帰国してからと言うもの、毎日朝から晩まで出かけていた私たちですが、今日は小休止。実家でお餅つきをするというので、家にいることにしました。パートナーにとってはもちろん初体験。あまりお餅は好きではないようですが、それなりに楽しみにしていたようです。私が小学生くらいまでは、毎年年末に祖父母の家に集合して、親戚の家全部のお餅をまとめてついたものでした。しかも、白餅にはまだ臼と杵を使っていたので、大変だったと思います。大人たちは1日中忙しそうでしたが、子供は気楽なもの。つきたてのお餅をあんこや大根おろしにまぶしたものを食べさせてもらい、ご満悦でした。実家ではもう何年も餅つき機を使用しているそうです。伸し餅を3枚分くらい作った後は、私の大好きなかき餅(のり餅)を数本。最後についたお餅をからみ餅にしてみんなでいただきました。実家の辺りでは、大根おろしにおしょうゆ、白ゴマ、青海苔をたっぷり入れてお餅に絡めて食べるのが慣わしです。私は辛味餅だと思っていたのですが、父は絡み餅だと思っている様子。どちらが正しいのかな?夜はずっと楽しみにしていたギエムの日本公演。実家から一番近い、川口での公演を観に行ってきました。ギエムとお付き合いの長い東京バレエ団との共演です。シルヴィ・ギエムはフランス人のバレエダンサーで、100年にひとり出るかという天才と言われています。一度生で彼女の踊りを見てみたいと切望していましたが、ドイツでは公演を見る機会がなく、今回私が日本に滞在している間に日本公演があると知り、すぐにチケットを購入したのでした。どうもドイツではバレエはあまり人気がないようです。かの有名なアレッサンドラ・フェリの引退公演もなかったし…。その点、日本のバレエファンはとっても恵まれていますね。今回の公演、私の期待が大きすぎたことを差し引いても、落胆度がかなりのものでした。まず、「白鳥の湖」の第2幕の抜粋を20分ほどギエムとパートナーのムッルが踊り(コールドは東京バレエ団)、その後20分の休憩。休憩後、東京バレエ団が「テーマとバリエーションズ」を踊り、15分の休憩。最後に振り付けをしたラッセル・マリファント氏とギエムの共演でコンテンポラリーの「PUSH」を披露しておしまい。午後7時半の開演で、なんと8時55分には終演でした。ギエムは確かに素晴らしかったけど、彼女の踊りが見られたのは、ほんの40分程度。彼女ももう40を超えているので、体力的にこれ以上は無理なのでしょうか。でも、これでチケット1万円はちょっと高いなあ。本日のちょっとした収穫は、吉岡美佳さん。ベルリン国立バレエ団で客演されたこともあり、お名前は時々インターネットで拝見しておりました。初めて生で彼女を見て、俄然彼女が主役を踊る公演を観てみたくなりました。またマラーホフと共演してほしいな~。ベルリンにバレエを観に行くことを来年の目標の1つにしたいと思います。
2007年12月27日
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ドイツに住んでいると、11月は一番嫌な季節です。めっきり寒くなるし、夏時間が終わって朝はなかなか明るくならないし、夕方はすぐに暗くなるし、祝日も1日だけだし、何も楽しみがありません。11月の終わりになるとクリスマスマーケットが始まり、出店が沢山出て、夜もにぎやかになるので、まだマシなのですけれど。それまではちょっと油断すると、すぐに鬱になってしまいそう。幸い、この時期は芸術関係のシーズン真っ最中なので、私はなるべくコンサートや観劇に出かけるようにしています。素晴らしい芸術に触れられるくらいしか、ドイツに住むメリットはないですから(<なんて言い切ってしまっていいのでしょうか?)というわけで、今年もバレエ(詳しくはこちら)、ミュージカル(詳しくはこちら)、コンサート(詳しくはこちら)と堪能しましたが、それももうおしまい。今、引き出しにはチケットは1枚も残っていません。あとは12月に日本で行くバレエ公演だけとなってしまいました。1年が経つのはあっという間ですね。年明けはせっかく日本にいるので、可能ならば歌舞伎でも見に行きたいな~と思っております。パートナーにとっては初めての日本のお正月、どうせなら徹底的に日本文化に触れていただこうという狙いなのですが。クラシックのコンサートやバレエにも興味を示さない我がパートナー、おそらく連れて行っても寝てしまうだけかもしれません。この秋は結局、オペラを1つも見にいけなかったのが残念です。来年も沢山の素晴らしい舞台に出会えますように!な~んて、ちょっと気が早過ぎですね。
2007年11月20日
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ウィーンフィルは私が一番好きなオーケストラです。追っかけをしたいと思うくらい大好きなのですが、なかなか聴きにいく機会がありません。というのも、このオケは普段はほとんどウィーンでしかコンサートをせず、後は大きな音楽祭に出演するくらい。そして、これらの音楽祭もほとんどがオーストリア国内だし、おまけにチケットがめちゃくちゃ高いわけです。そんなウィーンフィルも時々はコンサート旅行を行ってくれます。インターネットでたまたまドルトムント市でコンサートがあると知り、早速チケットを買い求めました。我がNRW州にウィーンフィルが来てくれるなんて、めったにないことなのです。プログラムはビゼーの交響曲第1番と、マーラーの交響曲第1番(巨人)でした。今夜のコンサート、指揮者は来年のニューイヤーコンサートの指揮をする事に決まっている、ジョルジュ・プレートル。恥ずかしながら私はこの指揮者のことをよく知らなかったのですが、オペラ界ではかなり有名な方のよう。往年のマリア・カラスとよく競演したと言うので、お歳を調べてみたら、なんと83歳お元気です。ビゼーもすごく良かったのですが、1楽章が終わって拍手がぱらぱら来てしまい、演奏する方も聴くほうも、集中力が途切れてしまったのが残念でした。指揮者も怒ったように振り向いて、「シーッ!」と身振りで注意したくらい。いまだに1曲目の1楽章の後で拍手をする人がいるというのが驚きます。ドイツのコンサート開場の大半を占めているるおじ様・おば様方は一体どういう人達なのでしょうか?マーラーの1番は比較的演奏会でよく演奏される曲ですが、私は生で聞いたのは今回が初めてでした。Tbが4人、Hrは8人並んでいるのを見ただけで期待が高まりますが、Tpはなんと一人だけ。こんな編成、あるのかな?と不思議に思っていたら、1楽章のファンファーレはバンダだったのですね!CDでしか聞いたことがないので、知りませんでした。プレートルはフランス人で、フランス人作家がお得意らしいので、マーラーはどんな風になるんだろう?と思っていましたが、本当に良い演奏でしたとても80歳を越えているとは思えない力強さ。演奏が終わった後、素晴らしい長編映画を見ていたような錯覚に陥りました。満員の会場がスタンディングオベーションに湧きかえり、ちょっとおぼつかない足取りで舞台袖と行ったり来たりするプレートル氏。その後、指揮台に上がったと思ったら、なんとアンコールを演奏してくれました。聴衆はもちろん大喜びで、アンコール後はまた大拍手。その後、今度は「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を演奏してくれて、嬉しいサプライズにまたびっくり。まるで『ニューイヤーコンサート』を先取りした気分でした。また彼の指揮がすごくいいのです。粋というか…。皆さん、2008年のニューイヤーコンサート、必見ですよ!
2007年11月17日
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皆さん、ご存知でしたでしょうか?ドイツではこのミュージカル、まだやっているんですよ…。Bochumという市にスターライトエクスプレス専用劇場があり、その劇場が我がパートナーのお得意先なので、割引券をいただいたのです。日本では確か大昔に川崎麻世が出演するとかで話題になっていましたよね。もう15年くらい前でしょうか?その頃から、一度は観てみたいと思っていたので、やっと願いがかないました。ドイツではもう19年上映されていて、ロングラン記録を更新中だそうです。毎日上演されているけれど、本当にまだ満員になるのか?というのが行く前の私の素朴な疑問でした。いざ劇場に着いたら、ロビーは結構にぎわっていて「お~!」と思ったのですが、まだ開場していなかったので、早く着いた人がたむろしていただけでした。やはりかなり空席が多く、4割か、下手したら3割の入りというところ。会社のイベントで来ているらしきグループ、東欧(ロシアか?)から来ているらしい団体さん以外は、小さな子供連れの家族が目立ちます。なんだか客席を見ているだけで気分が盛り下がってしまいます。結論から言いますと、やはりいまいちでした。元々あらすじも凝ってないし、勢い(迫力)が売りのミュージカルだと思うので、それがなくなったらもう見ていられない感じです。一番の見所であるローラースケートもあまり迫力がなく、がっかりしました。演じている方も、毎日空席の目立つ劇場では、モチベーションを維持するのが大変だろうと思います。このミュージカル専用のシアターなので、元を取るまでは壊せないのでしょうか。それとも、ロングランの記録更新のためだけに続けているのかも…。いずれにしても、1度観ておけば十分。ところで、このミュージカルの出演者はどうやって見つけるのでしょうか?普通のミュージカルスターにローラースケートの特訓を受けてもらうのか、はたまたローラースケートの上手な人に歌やダンスの特訓を受けてもらうのか…。気になるところです。いずれにしても、大変な努力が要ることは確かでしょうから、そのプロ根性には頭が下がります。
2007年11月15日
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いや~、最高でした想像以上、期待以上に素晴らしく、週末にあった嫌なことも忘れるくらい幸せな気分になりました。こういうときだけ言いますが(笑)、ドイツに住んでいて本当に良かった!ドイツに来てから、ロシアのバレエ団の公演は『くるみ割り人形』と『白鳥の湖』の2つを見たことがありますが、どちらも音楽が録音で、非常に興ざめでした。バレエ団も単にドイツに出稼ぎに来ていると言う感じで、踊りに全然気合も入っていなかったのです。本場のバレエが観られると期待していたので、本当にがっかりしました。今回は彼らが今年デュッセルドルフで客演、来年はデュッセルドルフバレエがモスクワで公演するというパターン。こういうの、なんて呼ぶのでしょうか。姉妹公演?とにかく、ちゃんとしたダンサーを連れてきて、本格的なバレエを見せてくれました。演目の『ドン・キホーテ』は初めてでしたが、とても楽しかったです。タイトルは『ドン・キホーテ』となっていますが、バレエ版の主役は宿屋の娘キトリとその恋人バジル。キトリは床屋のバジルと両思いなのですが、父親は二人の交際に反対で、お金持ちの男性と無理やり結婚させようとします。そこへドン・キホーテとサンチョ・パンサが通りかかり、二人に協力して、最後はハッピーエンド。つまり、あらすじというあらすじはなく、言ってしまえばどたばたコメディです。キトリ役はナタリア・レドフスカヤ、バジル役はゲオルギ・スミレフスキ、二人とも役にぴったり!でした。キトリはしぐさや表情が生き生きとしていて、とってもかわいい!おてんばな街娘という感じがとてもよく出いていました。バジルの役の彼はいわゆる『王子様顔』ではないのですが、そこがかえってリアル感をかもし出しているのです。髪も黒くて、本当にスペイン人なのではと錯覚するくらい。演技力があるからなのでしょうが、本当にお似合いのカップルでした。もちろん、演技だけでなく技術の方も文句なしに素晴らしくて、何度もため息が。プログラムを観たら、さすが二人ともプリンシパルでした。ロシアには彼ら以外にも実力のあるバレエダンサーがまだまだ沢山いるのでしょうね。このキトリ役のダンサー、パンフレットによると86年に今のバレエ団のソリストになったと書いてあるのです。なんと21年前ですよ高校を卒業してすぐにプロになったとしても、今39歳くらい?その年であのプロポーションを維持し、2時間半の舞台を踊り切る体力があるなんて、信じられません。今まで、バレエダンサーは30代前半で引退するのかと思っていました。バレエって一体いくつまで踊れるものなのでしょうか?しょうもないことですが、個人的にちょっとつぼだったのが、3幕の伯爵家での舞踏会のシーン。男性と女性、あわせて20人ぐらいでしょうか。とにかく、大勢のグループが踊るのですが、その時に男性ダンサーのひげが気になりました。どう考えても絶対ひげがない方がいいのに!と思う人が何人もいたのです。「今、モスクワではやっているのかな~?」と思いながらしばらく観ていたら、ふと付け髭であることに気づきました…。よく考えたら、髪がプラチナブロンドなのに、ひげが真っ黒なわけないですよね。3時間近い公演の間、ダンサーの演技力、技術の高さ、層の厚さに圧倒されっぱなし。この公演を観て、やはりバレエの一番の本場はロシアなのかなと思いました。まだフランス・オペラ座バレエ団の公演は見たことがないので、分かりませんが…。初めて熊川哲也氏を生で見たとき以来、久しぶりにバレエを観て鳥肌が立ちました。ナタリア・レドフスカヤにはこれから注目したいと思います。追記:インターネットで色々調べてみたところ、日本ではこのバレエ団は「モスクワ音楽劇場バレエ団」と呼ばれているようです。
2007年11月08日
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バカンス=遅い夏が終わり、やっと秋を楽しもうという気になってきました。ヨーロッパで生活することの一番の喜びは、素晴らしい芸術に触れられること。11月は私にとって「芸術の秋強化月間」です。まず、1週目に友人とパリへ行きます。パリはこれで4度目ですが、まだ美術館に行ったことが一度もないのです。今回、行く時間があればいいのですが…。2週目はモスクワのスタニスラフスキーバレエ団の公演。「白鳥の湖」と「ドン・キホーテ」が2公演ずつですが、私はまだ観たことのない「ドン・キホーテ」を選びました。以前に見たロシアのバレエ団の公演は2回とも演奏が録音だったので、今回は生演奏であることを願っています。3週目は大好きなウィーンフィルのコンサート。普段はウィーンか近郊の大きな音楽祭でしか演奏しないのですが、年に数回、ツアーコンサートと称し、国外で演奏してくれます。おそらく今年唯一のご近所での公演なので、しっかりチケットを押さえました。さらに、パートナーのお客さんにミュージカル「スターライトエクスプレス」を上演しているの劇場があり、そこの割引チケットをもらえることになりました。火曜日か木曜日のみということなので、都合のいい木曜日を選ばなくては。あとはオペラにも1度くらい行きたいですね~。友人がコーラスに出演することだし、「ナブッコ」のチケットでも買おうかな?
2007年10月25日
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ヴェルディのオペラ、「椿姫」を観てきました。D市のオペラハウスの改築がようやく終了し、本日が再オープン1日目なのです。「椿姫」は今日から4回上演されるプレミア公演です。劇場の再オープン記念日とあって、かなり著名な方々も招待されていると見え、劇場の前はすごい人だかりでした。さらに、皆さんの気合の入ったドレスアップぶり!テレビカメラを構えたおじさんもいたりして、ちょっとしたセレブが集まる場という感じです。私はエスコート係がいないので、ちょっとしたワンピースにボレロっぽいブラウスを羽織っただけ。電車で行かなければならないので、あまり気合を入れてドレスアップすると、恥ずかしいんですよね。やはりドレスは車で劇場前まで乗りつける人々のためだと思います、はい。でも、皆さんのドレスをあれこれ見て、楽しませていただきました。開演は7時半からでしたが、まずは偉い方々のご挨拶。そして名誉会員になった方へ、会員証と花束の授与。そんなこんなで、多分実際の開演は8時ごろだったと思われます。やっと舞台の幕が上がり、豪華なセットに目を見張りました。再オープンの初日だから気合が入っているのか、それとも今後は毎回こうなのかしら?第1幕はヴィオレッタのアパートでのパーティー風景ですが、大きなテーブルにしっかりセッティングもしてあります。途中で花火のついたパイナップルがいくつも運ばれてきたり、本物のシャンパンを思い切り振ってから抜いたりで、驚きました。パーティーの最後には、お客の一人がテーブルクロスを引っ張ってテーブルの上のものを落としていったり…すごい演出。初日らしいちょっとしたトラブルも時々見受けられましたが、それもご愛嬌ですよね。私にとって計算外だったのは、普通は20分の休憩時間が倍近くあったこと。フォイエにテーブルがいくつも並べられ、番号が置いてあり、どうやら招待客(VIP)はここで飲んだり食べたりすることになっているようでした。3幕4場が終わるまでに、たっぷり4時間かかりました…。開演前にディナーをきちんと取ってから出向くべきでしたね。って、私はいつも同じ失敗を繰り返しているなあ。歌い手さんはみんな素晴らしかったけど、特にヴィオレッタ役の女性と、アルフレードの父親役の男性が良かったです。アルフレードも歌は悪くはなかったのですが、外見があまりアルフレードらしくなかったかな…。去年観た、「魔笛」のパパゲーノ役と同じ人だったので、どうもパパゲーノの印象が強すぎて、どうしてもアルフレードとは思えなかったのでした~(笑)。いつも同じ劇場に観に行くのも、考え物かもしれません。
2007年08月18日
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久しぶりに映画館へ行ってきました。見たのはドイツで封切りされたばかりの「ダイハード4.0」。ダイハード・シリーズは、かなり好きです。『続編は大体前作よりつまらない』と言うジンクス(?)がありますが、このシリーズはそのジンクスを見事に打ち破っていると思います。1より2、2より3が断然面白い!特に3はとても気に入っていたので、4がクランクインしたと聞いたときから楽しみにしていました。結論から言いますと、4もとても面白かったです。3から始まった、無関係の民間人が成り行き上パートナーになってしまうと言うパターンが今回も健在(?)です。迫力のあるシーン満載で、これぞハリウッド!という感じ。やはりこういう映画は映画館の大スクリーンで見なくちゃね♪が、今回、「アクション映画」というより「アクションコメディ」になっているような気がしましたが、そういう路線を目指しているのでしょうか?アクションが派手であればあるほど、観客が笑っていたのがちょっと気になりました。これも『お約束』と言うやつなのかな?実は、私はドイツの映画館で映画を見るのが好きではありません。理由は幾つかありますが、一番嫌なのが吹き替え。こちらでは、映画はTVはもちろん、映画館でも吹き替えなのです。登場人物が何人だろうが、みんなドイツ語をしゃべっています。今回の映画も、できればオリジナルで見たかったです。マックレーン刑事と相棒の軽妙なやり取り、英語で聞いてみたかった。ブルース・ウィルスがどんな声だったかすら、もう忘れかけています。ドイツで『吹き替え撲滅運動』を起こそうかな?
2007年07月08日
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久しぶりにバレエを観に行ってきました。日本から帰国したばかりで、公演中に居眠りしてしまう恐れはありますが、仕方ありません。チケットを購入したときは、まだ日本出張は決まっていなかったのです。バレエがお好きな方はご存知でしょうが、「ジゼル」というのはとても繊細な踊りが見物です。1幕でアルブレヒトに失恋し、息絶えてしまったジゼルが2幕ではウィリ(妖精)となって登場します。村娘だったジゼルがウィリとなって、人間らしからぬ、重力を感じさせない踊りを披露するのです。席に着くやいなや、私の隣の席の女性としゃべっていた前の席の女性が「席を替わってもらえないか」と聞いてきました。一緒に来たけれど隣同士の席が買えなかったのか、別々に来てたまたま会場で出会ったのかは分かりませんが、二人は知り合いだそうなのです。私は一人で来ていたので、「別にかまいませんよ」と席を替わってあげました。彼女はとても喜び、(ドイツ人には珍しく)何度もお礼を言ってくれたので、こちらも嬉しくなりました。ところが、この女性の席に付いた途端、「失敗した!」と後悔しましたが後の祭り。私の目の前の席には身長2mはあろうかというロングヘアーの男性が座っていたのです。周りの人から、頭1つ分抜け出ています。つまり、彼の頭でちょうど舞台のセンターがブロックされている形です。おかげで、公演の間中、常に頭を左右に動かして見なければなりませんでした。しかも、しばらくシャンプーしていないと見え、髪が頭頂部にべったり張り付き、異臭を放っているのです。せっかく、妖精の世界にのめりこんでいても、ふとしたときに彼の髪の臭いが漂ってきて、現実に引き戻されてしまいました。バレエやオペラを観に来るのなら、タキシードを着て来い!とは言いませんが、せめて身だしなみを整えて観に着て欲しいです。親切心から席を替わってあげましたが、前の席の男性のおかげであまり公演を楽しむことはできませんでした。この席に座っていたおばさんも、実は知り合いの隣に座りたかったのではなく、この男性の真後ろから離れたかっただけなのでは?と邪推してしまったり…。それにしても、毎回座席運の悪い私です。
2007年02月10日
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ずっと前からチケットを買って楽しみにしていたオペラ。今年の1月にオペラ初体験をしてから、ようやく2度目のオペラ体験です。が、最悪だったんです~。まあ、元はと言えば私が悪いのかもしれませんが…。まず、時間にルーズな旦那にはずっと前から何度も「この日はオペラだから早く帰ってくるように!」と口をすっぱくして言っていたのにもかかわらず、難しい仕事(=何時に終わるか分からない仕事)を入れてしまったので、そのときから嫌な予感はしていたのです。案の定、予定通りには終わらなかったらしく、5時半頃に電話がかかってきました。が、私は運転中だったので、電話に出ることが出来なかったのです。私の方はと言いますと、会社を5時半前に出て、歯医者に向かっておりました。始めは「19時に来てください」と言われて了承したのですが、家に帰ってからその日はオペラだと言うことに気づき、18時に変更してもらいました。てっきり、その日は前回に詰めた薬を取って、また根を掃除して、新しい薬を詰めるだけだと思っていたのです。なので、18時半には終わるだろうと読んでいたのですが、なんと19時15分までかかったのです治療を始めたのが17時50分だったので、1時間半も歯科医にいたことになります。まさか、治療にそんなに長くかかるとは思っていないではないですか遅くとも19時に家を出るからと旦那に言っておいたのに、自分も遅刻してしまったのです。歯医者が終わってから携帯を見たら、旦那から5件も留守電が入っていました。これは怒られるかな?とびくびくしながらかけなおすと、旦那の方もまだ全然家に着いていなかったのです彼も「遅れそうだから先に行っていて」と言いたいがために何度も電話していたのでした…。やっと19時半前に家に着いて、もう一度チケットを良く見たら、なんと開演時間は19時半でした。いつもクラシックのコンサートの開演時間が20時なので、チケットをろくに見ないで20時からだとばかり思い込んでいたのです。というわけで、どちらにしても間に合わなかったのですね。まあ、歯医者でこれほど長くかからなければもっと早く家に帰れて、チケットを確認することも出来たので、結果論としては私一人だけでも開演に間に合うように行くことは可能だったのですが…。腹が立つけれど、誰に腹を立ててよいのか分からないそれに、早く帰ってきてとあれだけ言っておいたのに、なかなか帰ってこない旦那にもムカムカ。それでも急いで劇場に行き、20時ちょっと前に着いたのですが、今回の公演は売り切れ(満員)のため、途中入場は一切できないと言うではないですか!普通は遅れて行っても、曲の合間にさっとドアを開けて入れてくれるものなのです。もちろん他の人に迷惑がかかるので席までは行かれませんが、ドアの前に立って観るだけでも、全部見られないよりはましだと思っていたのに…。てっきり途中から入れると思っていたので、前半終了後の休憩まで待たなければならないと言われて、ショックで涙が出ました。結局、後半しか見られなかったのですが、オペラ自体はとてもよかったです。前から4列目の真ん中の席だったので、歌い手さんの表情も良く見えるし、楽しかったあの有名な『夜の女王のアリア』を初めて生で聴いたときは、本当に感動しましたよ。人間ってすごい声が出せるのですね。身体が小さい人でも、一人で劇場中に響き渡る声で歌っていて、さぞかし気持ちいいだろうと思います。このリベンジ、絶対に近いうちに果たしたいと思います。次の演目は何にしようかな?
2006年12月14日
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去年、会員になっていたコンサートホールへ出かけてきました。クリストフ・エッシェンバッハ指揮、パリ管弦楽団のコンサートです。今日は新しい会社への初出勤日。それなのに、ヘッドライトの修理のため、カエル号を修理工場に出してしまったので、マイカーは無し。旦那さんに会社への送り迎えをお願いしなければなりませんでした。もちろん、チケットを買った時は、こんなことになるとは夢にも思っていません。夕方、ようやく家に帰りつくと、もうぐったり。が、プログラムがいいので、ずっと前から楽しみにしていたコンサートだし、チケット代ももったいない。疲れた身体に鞭打って(<大げさ)出かけてきました。結論から言いますと、無理してでも行って本当に良かったチケット代の元を取るどころか、『これっぽっちの金額(私の席は50ユーロ)でこんな素晴らしい演奏を聞かせていただいてすみません』と心底思うくらい、良いコンサートでした。まず、演奏曲目がたっぷり5曲。前半は、モーツァルト生誕250年にちなんで、モーツァルト作品のみ。「『フィガロの結婚』序曲」で幕を開け、ピアノ協奏曲(KV488)を聴かせてくれました。ピアノ独奏は、なんとエッシェンバッハ彼は元々、ピアノ奏者として有名になった方なのです。私のバルコニー席はピアノの真上だったので、思いがけずお得な気分を味わえました。エッシェンバッハ氏は拍手に答えて、アンコールもしっとりたっぷり聴かせてくれました。後半は、フランスの作家の作品を集めてくれました。まず、ラベルの「ラ・メール・ロア」から5曲(というか、オケ用アレンジはどれも全5曲なのでしょうか?分かる方、教えてください)。「ラ・メール・ロア」とは、マザーグースのことです。「眠りの森の美女」など、童話にちなんだ曲を集めたもので、とってもかわいい次に、アルベール・ルーセルの「バッカスとアリアーヌ」。こちらはバレエ用に作曲された曲で、全4楽章。金管がバリバリ吹いているけれど、きれいな音でとっても気持ちが好いでも、こんなに吹いて、最後まで持つの?とちょっと余計な心配も。2部最後の曲は、ラベルの『ボレロ』。この有名な曲には説明は要りませんね。私にとっては、高校1年生のときにコンクールで演奏した思い出の曲。高校1年の夏=ボレロなのです。久しぶりに生で聴きたくなり、このコンサートのチケットを買いました。コンサートの締めくくりのこの曲、エッシェンバッハ氏はアインザッツを与えただけ。後はずっと指揮台の上に立っているだけなのです。テンポキープはずっと同じリズムを刻み続けるスネア奏者にまかせっきり。よほど信頼関係があるのでしょうね。時折、顔だけで合図をしたり、表情で奏者をあおったりします。その様子がとてつもなく格好よく、しびれました。上手く言えませんが『偉大な芸術家』という感じがひしひしとしました。クライマックスに近づいてから、ようやく身体を使って指揮をしたのですが、こんな『ボレロ』もあるのですね…。演奏終了後、指揮台の脇にスネア奏者を呼んで、固く握手。そんな二人の姿に、皆惜しみない拍手を送りました。鳴り止まない拍手に何度も登場するエッシェンバッハ氏。2部は長い曲が多かったので、もうかなり疲れているだろうし、すぐに引っ込んでしまうと思ったのですが、アンコールもたっぷり聴かせてくれました。20時開始のコンサートで、ホールを出たのはほぼ23時。2時間くらいで終わってしまうコンサートが多い中、異例の長さです。明日も出勤の私にとっては、嬉しい悲鳴…。長く演奏してくれたからだけではなく、本当に素晴らしいコンサートでした。一晩でエッシェンバッハ氏・パリ交響楽団の虜になってしまいましたよ
2006年11月02日
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いっこく堂さんがヨーロッパツアーを行っていて、今日は隣町で公演がありました。旦那さんと行こうと思ってチケットを2枚買ったのですが、やはり日本語が分からないとつまらないのではと考え直し、日本人のお友達Wさんを誘うことにしました。私達の共通のお友達であるS夫妻もチケットを買ったと言うので、その後みんなでお食事に行くことにしました。ライブは日航ホテルの中の広間で行われました。15時開始なので、14時半に言ったのですが、会場はすでに日本人で一杯300人ほどの日本人が一箇所に集まると、壮観です。小さな子供連れの家族も多く、とても賑やか。後ろから2列目でなんとか4人並んで座ることができました。普通の宴会場に椅子が並べてあるだけなので、客席には段差も何もありません。ステージの高さも十分に無いため、非常に観にくかったのが不満でした。いっこく堂さんのほかに、今年度のマジシャン・オブ・ザ・イヤーと言う方が手品をしたのですが、それも見えず、残念でした。2時間もの間、ずっと首を傾けてステージを見ていたため、終演後はすっかり肩が凝っていました。予約したレストランは、住宅街の中にある小さな洋食屋さんです。この頃は寿司ブームのせいもあり、海外でもお寿司や天麩羅などはあちこちで食べることができますが、日本風の洋食が食べれるところはほとんどありません。オムライス、ハンバーグ、グラタン、エビフライなどなど、時々無性に食べたくなります。ここのレストランは、日本人夫婦が二人だけでやっている本当に小さなお店なのですが、おいしくて私たちも大ファンなのです。実は私、以前はこのお店から歩いて10~15分ほどのところに住んでいたのですが、引っ越してからはすっかり足が遠のいていました。お店の駐車場が無く、さらに住宅街にあるので、車を止める場所がないのです。今回の来店は、実に3年ぶりくらいです。Wさんが車を置きに一度家に帰ったので、残った私達はワインをちびちび飲みながら待っていました。が、前菜を1つだけ頼もうと言うことになり、「いわしとルッコラのサラダ」を注文。サラダが出てきて、各自お皿に持った所でWさんが戻ってきました。焼いたいわしはふっくらとしているし、ちょっとニンニクの利いたトマトとお酢のソースも絶妙です。メンバーも揃ったので、早速他の前菜を選ぶことにしました。Sさんの強い要望により、「鳥レバーのニンニク炒め」と「ホタテ貝柱とポルチーニ茸のサラダ」を頼みました。鳥レバーはとっても柔らかく、臭みが全く無くておいしかったです。火の通ったレバーが少し苦手な私でも、パクパク食べられました。「貝柱とポルチーニ茸のサラダ」は、貝割れとイクラが載せられて、目にもおいしい和風のドレッシングが合っていて、味も良かったです。が、ここまで来て深刻な問題が。前菜の盛りが良すぎて、メインが来る前にすっかりおなかが一杯になってしまったのです。前菜を沢山食べるために、Wさん以外はライスは頼んでいなかったったのですが、それでもメインが食べられるかどうか…。そこへSさんのサーロインステーキが運ばれてきて、次に私達が頼んだハンバーグとクリームコロッケも来ました。ドイツレストランだったら、お肉の脇に炒めたジャガイモかフライドポテトがどーんと盛られているだけですが、さすが日本のお店だけあって、付け合せも手が込んでいます。粉吹き芋風のポテトに、甘めに煮付けたにんじん、ちょっとニンニクの利いたほうれん草のソテーなどなど。どれもとってもおいしくて、すごく幸せなのに、おなかが一杯過ぎて食べれないというジレンマを始めて味わいました…。残すのもお店の人に申し訳ないし、でもおなかは既に限界。結局、ちょっぴり残してしまいました。Wさんはメインの他にライスとコーンスープも頼んでいたのですが、『おなか一杯!』と言いつつも見事に完食。さすがでございました。
2006年09月16日
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音楽・舞台の新しいシーズンが始まりました。以前のブログに書いた、定期会員の件(詳しくはこちら)ですが、手紙とともにチケットを送り返してから、何の反応もありませんでした。請求書も抗議の手紙も何も届いていないので、私の主張はどうやら受け入れられたようです。その同じコンサートホールで行われるコンサートのチケットを単品で購入しました。フランツ・ヴェルザー=メスト指揮、クリーブランド管弦楽団のコンサートです。実は、クリーブランド管弦楽団を生で聴くのは今日が初めて。アメリカに長く住んでいたのですが、当時は南部の片田舎に住んでいたので、一流のオケやミュージカルに触れる機会がほとんど全くありませんでした。そのことを後悔させるほど、魅力的なオケでした。私はウィーンフィルのファンなのですが、その次に好きな音かもしれません。演奏曲目は「組曲『ロミオとジュリエット』より抜粋」と、休憩を挟んでモーツァルトの交響曲第38番とドビュッシー作曲の交響詩『海』でした。さらにアンコールに「歌劇『こうもり』序曲」を演奏してくれ、大満足ロミオとジュリエットと、こうもりが抜群に良かったです。クリーブランドの金管は上手いと聞いていましたが、本当にきれいな音でした。会場は満席でしたが、今回もいくつかの大手企業の関係者が団体で来ていました。いかにも接待で連れて来られたらしい、アルコールの匂いをぷんぷんさせたおじさんは、ぐっすり居眠りされていました。まあ、楽しみ方は人それぞれなので、マナーさえ守ってくれればかまわないのですが、なんとなくチケットがもったいないような。でも、こういう企業(パトロン?)がいないと、きっとコンサートホールもやっていけないのでしょうね。接待に使おうが何に使おうが、沢山チケットを買ってくれる企業は上得意先なのでしょう。お互い様と言ったところでしょうか。終了後、おしゃれをした年配の女性が、立ち上がって一生懸命拍手をしていました。かなりお年を召したご夫婦も沢山見かけますが、皆きちんとした格好をしています。こういう方々を目にすると、やはりヨーロッパは音楽を日常的に楽しむ土壌ができているのだな、と感心します。本場はやはり歴史が違いますね。今シーズンも沢山の素敵な演奏・舞台に出会えますように
2006年09月06日
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予告どおり、「ダヴィンチ・コード」を観に行って来ました~。私達にとっては、ほぼ3年ぶり(多分)の映画館。が、私は今晩、嫌というほど思い知ることになります。なぜこんなにも長い間、映画館から遠ざかっていたのか…。上映が21時からだったので、その30分ほど前に映画館入りした私達。「今日はチケットを予約してあるし、楽勝よね~♪」と思っていましたが、2つしかない窓口は両方とも長蛇の列。でも、座席も指定してあるので、座れることは確実です。のんびり構えておりました。私達の順番が来て、「予約したんですが」と一応持参していたプリントアウトを差し出しました。すると、そこに座っていた女性が一言「これ、エラーでしょ」と。さらに続けて「コンピュータが故障中なのよ」と言うではないですか私は唖然、呆然。な、なんのために1時間もかけて予約したんだ…。が、なんとかそこにある機械でデータを呼び出してもらい、予約したものと同じ座席を確保。良かった…。やっと受付を終えて時計を見ると、すでに9時5分前。8時過ぎに帰宅した彼は、何も食べていません。何か買いたいと言っていましたが、売店の前はさらに長蛇の列。仕方ないので、映画が終わってから食事をすることにしました。予約をしたのが遅かったので、取れた席は前から4列目。これが空いていた席の中で一番後ろの列だったのです。つねに頭を上に後ろに倒した姿勢でないと、スクリーンが見えません。9時になり、上映が始まりました。が、画面に流れるのはCMに次ぐCM…。ずっと映画館で映画を見ていなかった私は、これをすっかり忘れていました。ドイツでは、本編が始まる前のCMがものすごく長いのです。それなら最初から映画の上映時間を21時30分と書いてくれればいいのに、と思います。毎回、なんとか上映時間ぎりぎりに入場して、急いで席に着いて、CMが始まると「あ、そうだった急いで損した」と思います。やっとCMが終わったと思ったら、次は新作の予告編です。これがまた10~15分程度。本編が始まる前にこっそり携帯で時間を確認したら、21時43分でした…。そして、私はもう1つ大事なことを忘れていました。ドイツでは、映画は全て吹き替えなのです。当然ながら、今日の映画もすべてドイツ語で上映されることになります。ご存知の通り、「ダヴィンチ・コード」は登場人物の国籍もさまざま、話の舞台もフランスとイギリスです。登場人物それぞれの訛り等も楽しみにしていた私は、こんな重大なことをころっと忘れていた自分に腹を立てました。まあ、これは後でDVDでも借りてくるしかありません。私は映画を見ると、その世界にどっぷり入り込んでしまいます。実は、一緒に見ている人に、なんやかやと話しかけられるのも嫌。今回も、原作を読んであらすじを知っているものの、すぐに映像の世界に引き込まれていきました。と、いきなり映像が途切れ「PAUSE(休憩)」という文字がスクリーンにこ、こんなのアリですか…?!上映開始後、ものの1時間で休憩時間になってしまったのです。生身の人間がやっているコンサートやバレエなどだったら分かりますが、映画なのに途中で休憩まあずっと上を向いていて首が疲れたので、気分転換に立って外へ出ると…。大きな映画館は、上映室がいくつもあります。私達が昨夜行った映画館も10~12部屋くらいあったでしょうか。その中のほとんどが休憩中らしく、各上映室の入り口付近に備え付けられた灰皿に喫煙者が群がっているのです。必然的に通路中がもやがかかったようにタバコの煙が漂っているのでした。そのとき私は理解しました。これは「トイレ休憩」ではなく、「タバコ休憩」だったのだと。まったく、先進国の中でドイツほど喫煙者に優しい国はないですね。いったん途切れた集中力を取り戻すには時間がかかります。せっかく映画の世界に入り込んでいても、休憩を挟んでは台無しです。休憩後は最後まで途切れずに上映されましたが、映画館を出たときは12時半を回っておりました…。映画自体は確か2時間半強ですから、前置きが40分、休憩が20分というところですね。私がドイツの映画館についてぶつぶつ言っていたので、彼がすっかり気分を害し、あやうく喧嘩になるところでした。が、上映終了後、私はそのことを忘れたふりをして、うまく映画に話題を持っていき、喧嘩を無事回避いたしました。でも、私はやっぱりもうドイツの映画館で映画を見たくないです…。ちなみに、肝心の映画の方ですが…。まあ良くできているとは思います。最初は「う~ん?」と思ったトム・ハンクスも結構ラングドン役にはまっていましたし、ソフィー役もイメージにぴったりが、やはりあれだけの長い本を2時間くらいの映像にまとめるのは、難しかったかな?という気はしました。でも、原作に出てくる小物等を実際に目で見られたのは楽しかったです。私の個人的感想は、DVDを待っても良かった、ですね。日本では初日、早朝から行列だったそうですが、何時間も並んでまで見る価値はないのではないかな~。あくまでも私個人の意見ですけどね。
2006年05月20日
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私の高校時代の先輩が、何年か前に劇団を立ち上げました。もちろん、アマチュアの劇団なんですが、公演もちゃんと年に何度か行い、精力的に活動されているようです。先輩自身は、主催者と言うだけではなく、脚本も書くわ、自分も舞台に立つわというご活躍。以前から一度お芝居を観てみたいと思っていましたが、年に1度日本に帰るか帰らないかの私。私の一時帰国中に公演があればいいのですが、そう都合良くはいきません。今まで、一度も機会がありませんでした。今回は、ちょうど今日、昼と夕方の2回公演があるというので、夕方の公演にお邪魔する事にしました。日本語が判らない彼にはちょっとかわいそうですが、先輩には内緒で「いびきをかかなければ、居眠りしてもいいから」と言っておきました。入場も無料の、アマチュアの公演です。行く前は正直、それほど期待はしていませんでした。が、実際に見てみて驚きました。良く、素人のお芝居を見ていると、観ている方が恥ずかしくなったりしますが、そんなことはほとんど全くありませんでした。皆さん滑舌も良く、声もきちんと通ります。何より、芝居に対する情熱が感じられ、とても好感が持てました。時々、目がウルウルしてしまった私。主役の男性は、私も面識のある人だったのですが、普段とは打って変わったりりしさ!!「私、結婚を早まったかしら?」と思うくらいの格好良さでした。役自体の格好良さもあったのでしょうが〈ごめんね〉、好きなことに精一杯打ち込んでいる姿がやはり格好いいのでしょうね~。やっぱり、何かに夢中になっている人って、とっても素敵です!
2006年03月26日
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昨日はかなり気温が高めだったので、内心「このまま春になるかな?」と思っていたのですが…甘かった!今朝はまたしても朝から雪が降っていました。ドイツの冬は、さすがにしぶといです。雪の振る中、美容院に行ってきました。なんと、私の担当の方が急遽一時帰国されたそうで、代理の方が担当です。1週間前に呼び出され、東京から来たばかりという、金髪(?)の若い男性…。普段、なかなか知り合う機会がないタイプですね。でも、あまり無駄話もせず、仕事に集中している様子が高感度大でした。カットするのが好きでたまらないという感じで、次回のイメチェンの案まで出してくれました。私の本当の担当の方は2~3ヶ月戻ってこないそうなので、次回もこの彼にお世話になることになりそうです。次回は彼のアドバイスどおりにイメチェンしてみようと思っています♪++++++++++++++++++++++++++++++++++++++今晩は、定期会員になっているコンサートホールで演奏会でした。雪は降っているし、気温はマイナスだし、家でぬくぬくしていたい気持ちを振り切って、出かけてきました。やっぱり重い腰を上げて出かけてよかった!!演奏はJames Conlon指揮のロッテルダム・フィル。曲目はショスタコービッチの交響曲第15番と、チャイコフスキーの交響曲第5番。「Russian Night」ですね。珍しいショスタコービッチの15番を生で聴けたのが、一番の収穫でした。これは彼の最後の交響曲で、彼自身や他の人が作った色々な曲のフレーズが隠されているのです。途中、「ウィリアムテル序曲」の有名なフレーズが出てきたときは、聴衆がくすくす忍び笑いをしていました。久しぶりのフルオーケストラの演奏。いや、いつもフルオーケストラではあるんですが、パーカッションもずらーっと並び、金管奏者も勢ぞろい、というのは意外と少ないんですよね。フルオーケストラの音の波に身をゆだねるのは、やっぱり気持ちがいい!!です。と言っても、今晩一番気持ちよかったのは、多分Bass Tb奏者でしょう。1曲目も2曲目もわりと出番が多く、バリバリ鳴らしまくっていました。そういえば、Tpのトップもかなり気持ち良さそうでしたね。ところで、今日は寒かったので、私はセーターにパンツというかなり普段着っぽい格好で出かけてしまいました。電車で行くので、やはり防寒対策をしないと、ホームで待っている間とか寒さが身にしみますから…。が、会場に着いてから、後悔しました。聴衆の大多数がしっかりおしゃれをしてきているんです。こんな天気でも、お出かけはお出かけ。ちゃんとTPOにあったおしゃれをしない人(私です)は恥をかくわけですね。というか、車でいり口まで乗り付けられないような貧乏人は、最初から場違いって噂も…。まあ、私の他にもフリースにジーンズとか、その手の服装の人もいましたけど。今度は絶対におしゃれして来よう!とひそかに誓ったのでした。
2006年03月11日
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気を取り直して、本日夜はバレエ鑑賞。12月の「くるみ割り人形」、1月の「白鳥の湖」ときたら、今月は「眠りの森の美女」しかないでしょう!と言うわけで、チケットを取って一人で行って参りました。今日はちゃんとオケの生演奏です。やっぱりバレエはこうでなくっちゃ!!やっぱり生の踊りと演奏が一体になってこそのバレエですよね。12月にバレエ初心者の旦那のためにチケットを買って連れて行った「くるみ割り人形」はほんとひどかった。公民館のような場所(本当は展示会場らしい)にパイプいすを並べた会場。音楽は音の悪い2つのスピーカーから流れるCD(もしかしたらレコードかも?)。背景は室内と屋外の2つのスクリーンのみで、セットも何もなし。確かにチケットは結構お得な値段ではあったけど、その値段でも価値があったかどうか?というような公演でした。「眠りの森の美女」は前から一度見てみたかった作品。メルヘン色が強く、色々なキャラクターが出てくるというので有名です。そのせいか、小さな子供をつれた家族連れも結構来ていました。が、その期待は外れてしまいました。魔女カラボスの登場や、赤頭巾ちゃん、長靴を履いた猫を見るのを楽しみにしてた私は、ちょっと拍子抜け。今回、デュッセルドルフバレエが演じたのは、現代風にアレンジしたもののようでした。主人公はオーロラ姫ではなく、皇帝の娘アナスタシア。のろいではなく、運命に翻弄される女の子という設定でした。時折コンテンポラリー風な踊りもはさまれ、メルヘン色は一切なし。青い鳥はちゃんと出てきましたけど…。バレエも音楽も素晴らしかったんですが、残念ながら思い切り楽しむことはできませんでした。原因は、私の右隣に座った家族連れのお父さん。この人、口臭がきつかったんです(涙)。さらに、幕間に何か食べられたようで、後半はもっとひどかった。目と耳は素晴らしい芸術を堪能して喜んでいるのに、数分後とに漂う悪臭のためにぶち壊し!さらに、お父さんはいやいや一緒に来たのか、あまりバレエを楽しんでいないご様子。公演中に足を何度も組み替えたり、時計を見たり、ちっとも落ち着きがありません。興味がないなら、一緒に来るな~!!と言いたくなりました。さらに、公演前にガードローブで私が先に待っていたことを知りながら、堂々と横入りしたおじさん。私がわざとらしく咳払いしたら、いかにも不快そうにこっちをじろっと見ました。その後、カウンターで飲み物を飲んでいたら、すぐ隣のおじさんがビールグラスを私のいる方へ倒しました。当然しぶきが服に飛んだし、私のいる前のカウンターがびしょびしょになったのですが、知らん顔。「大丈夫ですか?」もなければ「すみません」もなし。どちらもきちんとした身なりの初老の男性です。はあ~~~~(ため息)。今日は朝から晩まで、ドイツ人男性に気分を悪くされた日でした。ドイツにジェントルマンはいないのでしょうかねえ。
2006年02月18日
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今日は今年初めてのコンサートに出かけてきました。私は近隣の街にあるコンサートホールの年会員になっているのです。特定のホール・オーケストラの会員になったのは、今回が初めてです。今シーズンのプログラムを見たとき、「会員になりたい!」と思いました。「室内楽の夕べ」だとか色々なタイトルがついたプログラムは10種類くらいあるのですが、その中で私が特に惹かれたのは「オーケストラ・ハイライト」というもの。オケのコンサートの中でも選りすぐりのものを年8回聴けるのです。もちろん、そのシーズンずっと指定席(同じ席)なので、聞きたい演奏会のチケットが発売されるたびに予約しなくても済みます。年会費は、400ユーロ弱だったと記憶しています。コンサートの回数で割れば、1回あたり50ユーロ弱で、かなりお得です。でも、実は当時の私は失業中でした。失業保険しか収入がない身にとっては、かなりの贅沢と言わなければなりません。失業した時、私は楽団もすぐに休団しました。もちろん、就職活動に専念するためですが、当時2つの楽団に入っていて、どちらも家から遠かったので、ガソリン代を節約するためもありました。当然、コンサート・観劇や、ショッピング等も自粛です。失業中は、かなりすさんだ毎日を送っていました。朝は眠くなくなってからだらだらと起きて、遅い朝食を食べてからメールチェックをして、インターネットで求人情報を見て、めぼしいものがあれば履歴書を用意。それから昼食を作って食べ、本を読んだりインターネットをして過ごし、夕方になったら夕食の支度。その繰り返しで、ほとんど家から出ることもありませんでした。当然、いつもイライラして、彼に八つ当たりしたりしてしまい、喧嘩することが多くなり、家の中の雰囲気は悪くなるばかり…。今思えば、いくらお金を節約するためとはいえ、趣味や娯楽を一切あきらめてしまったのは、精神上良くなかったです。そんな事情もあったし、また彼も私の音楽好きを知っていましたので、私が年会員になることを快く承知してくれました。ありがとう、ダーリン!!今日のコンサートは、今シーズン4回目。クルト・マズール指揮、ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(LPO)でした。マズール氏の指揮は初めてだったのですが、彼が大きいのにびっくりしました。大体、CDのジャケットとかでは指揮者の上半身しか写っていなくて、身長などは分からないですよね。私が思うに、有名な指揮者の方々は、背が低い人が多いような気がします。彼はなんと192cmだそうで、うちの旦那と変わらないのです。戦前生まれとしては、かなり大きいほうですよね…。プログラムはグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲、ドヴォルジャークの交響曲8番でした。彼らは3日(金)から3日間このホールで公演していたのですが、私はてっきり3日とも同じプログラムだと思い込んでいました。が、毎日違うプログラムで、ソリストも毎日違っていたのです!金曜日は「ティル・オイレンシュピーゲル」、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番、チャイコフスキーの交響曲4番というプログラムで、知っていたら是非聴きたかった…。コンサートは期待通り素晴らしく、最後はスタンディングオベーションでした。私はマズール氏がかなり気に入り、また演奏を聴いてみたい!と思いました。が、もうかなりご高齢(78歳)なので、あまりコンサートはしていないみたいです。もっと早く彼の生演奏を聞いておくべきでした。ところで、今日のコンサートでちょっとびっくりしたことが1つ。今まで、結構あちこちのオーケストラの演奏を聞いていますが、トランペットはいつも男性ばかりでした。が、今日のロンドン・フィル、トランペット2名のうち、1名が女性だったのです!!こんな有名なオケで、女性トランペット奏者って、私は初めてでした。最近は増えているのでしょうか?頑張って欲しい気持ちと、「女性でもプロのオケTP奏者になれるのか…」と嫉妬・羨望が混ざった気持ちで見てました。
2006年02月05日
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今日は彼とオペラ(ヴェルディの「リゴレット」)鑑賞。彼がクリスマスにチケットを2枚、プレゼントしてくれたのです。プレゼントと言えば、私は「個人的なもの」じゃないと嫌なタイプ。家で必要なものは、二人で選んで一緒に買う主義なのです。一番初めのクリスマス、彼にトースターとトーストをプレゼントされ、とっさに落胆の色を隠せなかった私。それ以来、彼は「プレゼントに迷ったらコンサート等のチケットが無難」と言うことを学習したようです。とにかく、このプレゼントはうれしかったです。私はなんと、生でオペラを見るのは初めて。が、いきなりはまりそうな感じです。オーケストラの生演奏に、豪華な背景・衣装、そして素晴らしい歌声。どの歌い手さんも声量がすごくて、圧倒されました。「こんな安いチケットで(<旦那、ごめん!)でこんな素晴らしいオペラが見られるなんて!!」と、ヨーロッパに住んでいる幸せをかみしめました。ところでその日、オーケストラは地元のプロオケだったのですが、とっても面白いものを見ました。トロンボーンの、普通まっすぐ前に伸びてスライドになっている部分が、垂直に床に降りていて、ピストンが付いているのです。多分、コントラバストロンボーンと言うものだと思うのですが、違うかな?とにかく、初めて見ましたが、やわらかくも輪郭のある太い音色でなかなか良い感じでした。さらに、よくよく見たら、その楽器を吹いているのはどうやら私の知り合い…。前に入っていた吹奏楽団のメンバーでした。彼はこのプロオケの団員なんですが、趣味で吹奏楽をやっているのです。私は事情があって、この楽団の練習にはもう1年以上参加していないので、ちょっと複雑な気分でした…。
2006年01月14日
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昨晩、Ballet Classique de Parisの「白鳥の湖」を観に行ってきた。ドイツでバレエを見るのはまだ2回目だけど、今回も演奏が録音だった(涙)。こちらではこれが普通なの?座席がとってもびみょ~な位置で、前から2列目。どうもステージに近ければ近いほど良い席という認識のようだけど、これって常には当てはまらないですよね?自分の大好きなアーティストの公演とかだったら、その人に近ければ近いほど良い席で、最前列だったら万々歳だと思うけど…。クラシックのコンサートや、バレエ・ミュージカル等では、前の方の席は決して良い席ではないです。とこんなことを思っていたら、開演から10~15分後くらいに、最前列の人が10人ほどいきなり席を立って移動を始めたのでびっくりした。その後、周りの人たちが結構大声で話を始めたので、議論好きなドイツ人のこと、移動した人達の批判をしているのかと思っていた。が、そのしばらく後にその人たちも席を立って移動していった。どうやらタイミングの打ち合わせ(?)をしていたらしく、2回目は総勢20人くらい?ドイツ人、すごすぎ!!まあ、確かに一番高いチケットを買った人が、劇場で一番悪い席と言うのもどうかと思うが。バレエ自体は想像していたより良かった。王子のお父さん役だろうと思い込んでいた人が王子役だと分かった時は衝撃だったけど(笑)。胸毛ボーボーのおじさんを王子に抜擢するのはやめてくれ~。オデットとオディールはそれぞれ素晴らしかった。
2006年01月04日
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