平成26年2月18日(火)
午前5時起床。昨夜、バスユニットを使いませんでした。而して朝シャワー。ホテルの朝食はバイキングでした。食べ放題は腹が膨れていけません。田舎者の性です。
午前中、霞ヶ関を訪問。お上りさんの気分を強いられました。仕事は昼過ぎに終わりました。取引先のビル、地下は食堂やファーストフードの店で一杯です。そこで腹を満たそうということになりました。しかし、どこも満員。列をなしていました。諦めて、丸の内線で東京駅へ向かいました。そこで解散。
捨てる神あれば拾う神あり。昨春まで東京の大学に通っていた部下のキリノスケが、気を遣ってくれました。近くにミュージアムがある、行きましょう、と誘ってくれました。JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテク。何とも長ったらしい名前です。東京大学と日本郵便が、東京駅の前にあった東京中央郵便局の2階と3階を改装してこさえた博物館です。パンフによると「東京大学が1877(明治10)年の開学以来蓄積してきた学術標本や研究資料など、『学術文化財』と呼ばれるものの常設展示」だそうです。入館は無料ですが、写真は法度。ということでロビーから外向きの写真を撮りました。東京駅です。
そこをひやかす前に、腹ごしらえをしました。上の階に寿司がありました。「根室花まる」という店でした。暖簾をくぐってみました。いい感じでした。タラバガニのふんどしです。
花咲の卵
たちぽん。これですよこれ。
筋子
ツブとホタテ。前者の食感・風味がたまりません。
どれも絶品でした。回転寿司とは思えない充実度です。その分、値段も一皿100円ではありません。〆は鉄砲汁にしようか迷いました。意を決し、氷下魚の三平汁を注文。これが絶品でした。腹一杯になりました。キリノスケも満腹になったようでした。
さて、その博物館。入ると、大型の機械類が目に飛び込んできました。物理系の実験に用いたもののようです。続いて数多の化石や鉱物。魚類を含め、剥製や骨格標本もありました。剥製は分野が偏っていました。ニワトリの種類の多さに驚きました。
特別展示はペンギンでした。白瀬中尉が南喬探検の際に採取し、持ち帰ったものを剥製にしたとのこと。後で調べたんですが、これを大隈重信が明治天皇へ献じた、その後、皇居内生物学御研究所で保管された、次いで山科鳥類研究所へ移管、更に昨年、インターメディアテクへ寄託、という経緯があるそうです。これはもう物語です。小説になりそうです。ほかのそれぞれにも、めいめいのストーリーを予感します。人の手にかかり、研究に供されたことを思うと、ある意味、全部がドラマであり歴史です。
白瀬中尉の話が出たので思い出を。彼の名は、間接的に南極観測船「しらせ」として残っています。なぜ間接的かというと、その船名は南極の「白瀬氷河」に因むからです。その氷河は南極観測の折、彼が発見、命名したからです。ちなみに南極観測船、初代が「宗谷」、2代目が「富士」、3代目、4代目が「しらせ」です。小さい頃、宗谷のプラモデルを父に買ってもらったことがあります。大学を卒業したての時分、東京・晴海埠頭に繋留されてあった「しらせ」を近くに見たこともありました。さらに、佐伯のランドマーク城山にたまたま登ったとき、頂から佐伯湾に浮かぶ姿を眺めたこともありました。横っ腹のオレンジと柿の混じったような色は、見まがうことなしの雄姿です。
閑話休題、クランツコレクションというのがありました。東京帝大が購入した、鉱物、化石、岩石群です。購入先がドイツのクランツ商会という名なので、この名がついたようです。大学設立当時、地質学分野の教官に、大森貝塚で有名なエドワード・モース、ナウマン象発見で有名なハインリッヒ・エドムント・ナウマンがいました。彼らの口利きで購入が決まった由。それぞれの経緯はともかく、このクランツ商会、化石を中心にした商品で大儲けしたそうです。調べたら、社員を世界中に送り、宝物を漁ったとあります。ダーティーな商売だったかもしれませんが、日本で言えば幕末から明治にかけての時代です、面白い商売だったろうなと思わずにはいられません。この商会、第2次大戦を経て、いまもドイツ・ボンにあるそうです。こんな仕事をしてみたい。
どうでもよい話になりました。ここを出てキリノスケが丸善に行こうと言いました。そうしました。着いて、そこで別れました。ありがとう。ちなみに学生時代、彼は先の博物館でアルバイトのようなことをしていたとのこと。
文庫本を4冊買いました。上の階の文房具売り場を冷やかし、1階の東急ハンズ系店舗でセカンドバッグを買いました。
時間が迫ってきました。羽田に向かいました。フライトは午後6時前。部下と落ち合いました。ビールを飲みながらの滑走路、夕暮れとも相まっていい感じでした。サウジアラビア航空のジャンボジェットが2機、駐機していました。王族が来日しているのかな。
ハイボールを機内に持ち込みました。帰りの空は揺れませんでした。写真は離陸後の東京です。宝石のようです。娘息子に会えなかったのが残念です。
大分に着いて、サウスライナーに乗りました。その前に、空港のコンビニでワンカップ大関と海苔天を買いました。キンノジも何か見繕ったようでした。帰りの車中、本を読みながらグビグビ。
佐伯のまちに着いたのは午後10時前。携帯を見たら妻の着信。あっ、迎えの依頼を忘れていた。20分の待ち時間が寒くて「鳥吉」へ突っ込みました。串セットを頼み、白波を流しました。お湯割りが冷えた身体に沁みました。
今日の一句
堀割を見おろすビルは身の締まり
旅の空鮨三昧に酢のゲップ (これ秀作)
滑走路点滅ランプあな哀し
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