梅林庵

平成27年9月8日火曜日

　午前4時に目が覚めました。床に入ったままの1時間、このところはまっている佐々木譲の道警シリーズを手に取りました。6巻目です。事件は、札幌・藻岩山の麓、夜景の素晴らしいワインバーで起こります。学生時代の1年半を住み、その後も何度か訊ねたので、街の勝手はわかります。あああの辺りだなというイメージを持つことができます。印象深い土地を舞台にした本は、ストーリーとは別の意味で惹かれます。彼の小説群がこれにあたります。ご当地小説という言葉があるかどうか知りませんが、住んだことのある札幌、函館や、旅行したことのあるところが描かれていると、うれしいのです。映画もしかり。ことのほかです。

　閑話休題、今日から3日間、終日会議。缶詰です。初日は、午後3時前に開放されました。7段に頼まれている校正は、捗っています。

　夕刻、会社を出たところで、この春まで上司だった方と話し込みました。彼は10ある営業課のうち4つをまとめるトップです。内容は、来年度を想定した希望的観測に基づく彼の個人的意見でした。ありうるはずがありません。せせら笑いました。話はもう一つ「お前、今のポストにあっては嫌われるばかりだぞ」と言われました。へへんだ。それは承知の助です。仕事内容に加え、私の性格からして、そんなことは判りきっています。アドバイスは有り難いけれど、仕方がないんです。これまでも鉈を振るいましたが、下半期には大鉈を持たねばなりません。粛々とです。あっ、こう書くと、誤解されかねません。人事担当、首切りが仕事ではありません。

　なんだか、愚痴めいたことを書きました。別れて真っ直ぐ帰宅。走る気持ちは、先週来、萎えています。湯を浴びました。おっ、テーブルの上に冷や奴と南瓜の煮物がある。まだパンツ一丁ですが、風呂上がり、居間に流れ込んでくる夜気に冷涼を感じました。燗酒が欲しくなりました。しかし、酒保にありません。調子に冷酒の亀泉を入れ、形だけの仕儀となりました。やりながら、ツクツクホウシがやかましかったです。2合で杯を置きました。午後9時前、眠り薬の本を手に横になりました。

　今日聴いた音楽はヴァイスのリュート組曲です。秋の夜長に聴くとよいです。静謐の響きです。この作曲家、今日、NHKFMで流れて、知りました。昨日のスペインのフォリアともども、HMVへ注文することにしよう。

今日の一句

喧し法師の声を酒が消し

今日の写真は庭先のヤブランです。紫がいい感じです。

もう一枚、1本しかないバラが咲きました。両方とも、朝のゴーヤジュースを飲む前、深呼吸をしに玄関を出て撮りました。