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梅林庵

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2020年01月03日

正月三が日（3日纏めて）

(6)

カテゴリ：日記

Wednesday, January 1, 2020
　午前6時起床。快晴。
　元旦の朝はこれを焼くことから始まります。娘が手焙りに雑煮用の餅を載せました。忽ち膨ら見ます。焦がさないよう、頻繁に返すのがコツです。

　昨夜遅くに帰宅の息子も起きてき、家族水入らずの朝餉になりました。屠蘇に代えた出羽桜の生酒が沁みました。

　寝そべって新聞を開いたり、実業団駅伝に見入ったり。昼前になって薪ストーブの暖は不要、温かい陽射しが居間に射し込み、微睡みました。目の覚めて、妻の実家へ挨拶に出向くとするか。写真は雲一つ無い木立の空です。正午を回って気温は既に15℃近く。年末の冷たい雨が嘘のような陽気でした。

　途中、若宮八幡に初詣。無信心の杣夫は賽銭もケチります。ワンコインで済ませました。余談です。私、ここの神主さんに瓜二つと人に言われます。娘や妻にそのことをいうと「去年もそう言われたけれど、確かにそうね」

　妻は幾種類かの札を求めましたが、私は無関心。強いていうなら鰺刺をチャチャッとやります。台所の神様・荒神のそれかな。それにしてもです、巫女さんが美しい。白赤の衣装が汚れを隠す効果を生むのでしょうか。いえ、決して普段の彼女たちが汚れていると言うことではなく、ナースの衣装が天使に見えるという流れで。

　次の写真は義母が用意してくれた御節です。料理屋「はし本」謹製。大晦日につね三の寿司をつまみ、元日はここの御節。美味しさもあって5人の口が重箱の中を忽ち空に。手作りの品々もあって、満腹になりました。正月に微酔いの団欒。幸せの時間でした。それをして、この場に岳父が生きていたらと呟く義母の目に少し涙？ガンに倒れて今年が17回忌です。思い起こし忍ぶことで各人の胸の中に生き続けます。

　家に戻り、微睡みました。息子も昼寝。妻と娘は腹ごなしの散歩に出かけたようでした。鰤刺の残りを持ってF工業の猫を可愛がりに。
　さても人間、満腹になっても直ぐに腹が減ります。酔いも覚めます。夜の部は別腹。ということで勝手口の外に吊してあった天然鰤の半身を台所に持ち込みました。この通り、パンパンに乾いて棒のようになっています。

　それが庖丁を入れたらこの通り。熟成が進んでいました。

　こちらは野菜不足を補おうと炒めたアスパラ菜です。大晦日にNのTやんが届けてくれました。これ、その名の通り、本当にアスパラの味がするんです。

今日の一句
餅炙る娘の火箸迷い無し

今日のラン
なし

今日の酒
缶ビールレギュラー缶2　冷酒5合

今日の写真は夕餉の後、物足りなさを覚えて焼いた氷下魚です。息子に食べさせようと数匹を取っておいたのでした。

Thursday, January 2, 2020
　午前5時起床。快晴。朝は冷えました。写真はブロッコリーの葉に降った霜です。

　夜の白んで乳白色の中、木立の鎮守、熊野神社に詣でました。写真は霧中にひっそりの権現です。

　お守りや札は相変わらずの無人販売。これが田舎氏神のいいところです。

　とって返しました。朝餉はアオサの味噌汁。息子の好物です。普段、野菜たっぷりのそれですが、彼の帰省したときはこれが定番となります。既に陽が昇り、食卓の背中に箱根駅伝の映像が流れ始めました。薪の量が心許ないので、一輪車に載せて運びました。写真は、それを居間に収納しながら見上げた煙突です。モクモクと出る煙に見入ってしまいました。家を建てた時以来それこそ黙々、薪ストーブとこの煙突が拙宅を暖めてくれました。今年の正月も家族が中に寝そべり暖を取る幸せではあります。

　勿論トラもです。縁側に広げた毛布に弛緩の図。

　この寝顔に癒やされるのです。

　昼下がり、昨日購入した新聞を捲りました。朝日も読売もでしたが、1面はゴーン親分の国外逃亡でした。その中にあって日経の「さびつく成長の公式」には考えさせられました。資本主義の常識「自由競争の勝者が富を生み、それが社会全体に広がる」ということが通じなくなったと書いてありました。今や経済を席捲するIT産業ですが「（この業界は）高い知能スキルを持つひと握りの人材を求めるだけ。社会が雇用を生み出す力は弱まり、世界の高中所得国では3億人超の製造業雇用が22年までに1割消える見通し」であり、「所得の二極化（貧富の拡大）」が進むとのこと。さびつく資本主義のことをして、先日読んだ「宇宙の地政学」に書いてあったことを思い起こしました。「活気あふれる経済には、少なくとも利潤追求の動機、地球上での戦争、宇宙での戦争のどれか一つが必要」です。うーん、戦争か。きな臭いことにならなければいいが。
　余談です。元旦の日経は景気と株価予測の特集記事を掲載します。うち、株価について主要企業30社の経営者20人に2020年の有望銘柄を挙げてもらい、それを集計したものを載せています。順にソニー、トヨタ自動車、信越化学工業、村田製作所、ダイキン工業・・・。加えて多くの社長が夏に日経平均が25,000円となる予想。株式投資に詳しくない方は、これら有望銘柄を買うのも一つの手かと。私も参戦したいのですが、元手が・・・。先立つものが手薄の杣夫です。勝負できない。

　ということで経済紙の精読、爪を研いでも仕方なし。じゃー庖丁を研ぐか。娘の持ち帰った盛高を数日前、研ぎました。大晦日と元旦にそれを妻が使ったので、たので再度。切れ味は鈍っていませんが、渡すときは完璧でという親心です。ついでにもう1本、金剛兵衛（青紙スーパー）も。上京の際、この2本を持たせます。

　陽の傾いて娘と父の山林へ遊びに。杉に巻き付いた葛を鉈で切ったり、谷間に倒れた丸太の上を歩いたり。大杉に抱きつかせてみたり、直系が5mはあるかという大石の前に記念撮影したり。こうして山中を一緒は何年ぶりだろう。嫁に行ったら能わずだな。そんなことを思いつつ、至福の時を過ごしました。撮った写真は掲載拒否なのでアップはありません。代わりに正月飾りに使う千両を。其処此処に実をつけていました。

　小中尾ダムに回りました。ここは運がよければ鴛を見ることが出来ます。双眼鏡を持参していましたが、確認できず。写真は堰堤への取り付け林道に目を覚ましたヒキガエルです。私の拳大でした。おいおい、今頃出て来て大丈夫かい？

　次いでF工業に回りました。敷地内に8匹を放し飼い。娘は猫好きです。纏わり付かれて嬉しい。ここで30分過ごしました。そこを後にしたとき曰く
「今度の帰省中、ここで過ごした時間を合計すると1万円分だわ」
その意味、猫カフェに過ごす料金を換算してのことでしょう。全部がニャゴニャゴ、彼女の姿を認めると、集まってきます。猫カフェにはそのようなこと、稀だそうです。写真はその1匹が私のツーシーターを覗くの図。手に負えません。

　家に戻ったら早くも夕餉。一昨日の夜に戻った息子は明日早朝の飛行機で帰京します。今夜が最後の食事です。海老フライと鴨鍋がメインでした。写真はその内の後者です。餅入り。具の減って後、饂飩玉を加えました。息子、大食漢なのです。

　始末のついてちょっと飲み足りない。アオリイカの耳とゲソを解凍。炙りました。これも息子の好物です。二人、手焙りを挟んで冷や酒をやりました。もう話すことは何もなく、しんみりとなりました。

今日の一句
烏賊炙り息子に汲ます冷酒かな

今日のラン
なし

今日の酒
冷酒4合

今日の写真はドラセナ（幸福の木）です。

妻が蕾に気づきました。見るのは初めてです。どんな花を咲かせるのか楽しみです。

Friday, January 3, 2020
　午前1時に目が覚めました。起き出すにはまだ早いので、横になったままラジオ深夜便を聴きました。午前3時半、妻と一緒に床を離れました。私は特に何をするあて無し。朝餉の支度をする妻の庖丁音を聞いただけでした。娘、次いで息子も起きてきて午前4時朝食。それを済ませて4時半、家を出ました。じじばばへの別れは昨日のうちに済ませてありました。家族4人、揃って大分空港向け。高速道路を走りました。ノンストップの2時間ドライブでした。写真は朝焼けに染まる国東半島の空です。空港の展望デッキで撮影。

　今日は早くも3日です。ニュースが帰省ラッシュの始まることを報じていました。ここもその通り、午前7時過ぎの保安検査場前のごった返しが図です。羽田のそれに比べるとたいしたことは無いと思うかもしれませんが、金属探知ゲートが3つしか無い大分空港です。捌けが悪い。

　彼を見送った後、別府向けとなりました。次の写真は安岐の海岸線で撮した1枚。朝日が海に映えて黄金色でした。しかし、息子の発った直後です、杣夫には夕陽の色に映りました。

　娘がどこか大きい神社に寄ってお守りを買いたいと。妻も便乗、宇佐神宮へといい出しました。弓削道鏡で有名の観光地です。でも人混みは面倒です。別府にも神社はあると言うと、娘が早速調べました。車を寄せたのは八幡朝見神社。このまちにあって最も人出があるとのこと。その通り、大きな社でした。

　お参りを済ませた後、このまま自宅に戻るのは勿体ない。折角だから温泉に入って帰ろう。そう提案しました。鉄輪（「かんなわ」と読みます）に向かいました。妻と娘は面倒を理由、裸にならなくて済む膝下だけを対象の蒸し湯。私は「いでゆ坂」を下って「渋の湯」へ。

　貸し切りでした。途中、80になるという男性が入ってきました。世間話をしました。東京生まれ、名古屋に70歳まで働き、奧さんの実家、別府を終の棲家としたそうです。毎日朝風呂ですか？そう問うと、そのとおり、この湯を浴びないと目が覚めない、と返されました。ちなみに地元の方は無料、私も100円の入浴料でした。住人が羨ましい。

　帰りは別大国道を走りました。途中、丸亀製麺に立ち寄りました。私はかけうどんの大、妻はそれのに加えて芋天とかき揚げ。写真は娘のチョイス、牛すき釜玉うどんです。満腹になり、国道10号は眠くて眠くて。箱根駅伝のラジオ中継が居眠りを防いでくれました。

　家に戻ってぼんやり。書斎で届いた賀状に返事を書いていたら、トラがやってきました。息子帰省の間は、この部屋を彼が使いました。まだベッドと蒲団はその儘にしてありました。其処にトラが飛び乗り、毛布の中に潜り込みました。たまたま寒かったからでしょうか、それとも残り香を求めてなのでしょうか。陽の落ちるまで其処に蹲っていました。写真は3人となった食卓に載ったサラダです。疲れた胃腸を元に戻そうという妻の心使いでした。