梅林庵

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2020年03月31日

映画二題

(6)

カテゴリ：映画

Tuesday, March 31, 2020
　午前4時起床。終日雨。今月中旬、半月ほど雨の降らない天気が続きました。26日からの6日間は、日照の合計が6時間足らず。纏まった雨になりました。
　今朝はアルゲリッチのBachが似合う空模様でした。庭に咲くソメイヨシノも下を向いたまま。朝のうちから10℃を越えていましたが肌寒い。これを花冷えというのでしょうか。薪ストーブ仲間で構成するライングループに照会したら、まだ燃やしているという輩ありでした。音楽と珈琲を楽しみました。手に取った本はこれです。志村けんの死をしてのこと。いかりや長介「だめだこりゃぁ」新潮社。読むのは二度目なので、志村のことを書いた部分だけ。中に次のような記述があったので以下に概略を紹介します。

　昭和55年の春頃、TBSのプロデューサー久世光彦（くぜてるひこ、「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」の演出を担当した）が「8時だよ全員集合」の腰掛け担当になって、打ち合わせで次のようなことを言い始めた。
久世「笑っちゃったよ、うちのガキがさぁ」
いかりや「なんだい？」
久世「『カーラース　なぜなくの　カラスの勝手でしょう』って、こういうんで、笑っちゃったよ」
　私も思わず笑ってしまった。誰が考えたから知らないが、そんな歌が流行っているというのだ。久世氏の許しを得て、これを志村に歌わせた。惚けた声を作って歌った。大当たりだった。志村の人気は揺るぎなくなった。我々のオリジナルのネタでも何でも無かったが、全国津々浦々歌われるようになった。

　午後は映画を2本。「戦場のピアニスト」と「タクシードライバー」。両方とも2度目です。前者の舞台はポーランド・ワルシャワ。ナチスの占領下、迫害を受けるポーランド系ユダヤ人たちの悲劇を描いています。斯くも簡単に人を殺すのか、いたるところにそのシーンが配置され、恐怖と諦念の入り交じる空気を演出。ロマン・ポランスキーの深い想いを感じました。クライマックス、主人公がショパンのバラード1番を弾くシーンには痺れました。穿ち過ぎかもしれませんが、この監督は母国ポーランドの生んだピアノ詩人が音楽をその場面に描くことで、ナチスへの勝利を演出したかったのではないかと。10点満点中9点。

　後者は若きロバート・デ・ニーロがベトナム帰還兵を演じます。サイゴン陥落の翌年公開。戦場帰り、病む兵士を描いているのですが、以来50年近くが経ちました。発達障害の認知度が増す今の時代にあって、主人公をアスペルガー症候群とも見て取れます。封切りのころと違った評価もありかと。10点満点中7点。　　

夕方、こぬか雨になりました。走ろうと着替えたら、雨粒が大きくなりました。筋トレだけで済ませました。烏の行水をしてプシュッ。ビールは久しぶりでした。1缶を妻と分けて飲みました。続いてパック酒を燗に。彼女は白ワイン。その理由はこれです。今夜のメイン料理。右、ピザの上の玉葱は30分前、畑に引いた新玉です。パスタもいい感じのアルデンテ。緑はこれが最後の菠薐草です。午後9時前、バタンキュー。