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2005.04.28
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 28日「読売新聞」の「 編集手帳 」で岳飛を取り上げていた。

 「12世紀の宋の武将岳飛は、異民族の侵攻から国を救った英雄として中国の人々に慕われている。」
 という出だしで驚いた。
 金に対して抵抗し、ある程度防ぎはしたが、異民族の侵攻から「国を救っ」てはいない。結局、宋は金に敗れ、南に追われている。

 次に岳飛廟の秦檜とその妻の像を取り上げ、「写真で見ると、後ろ手に縛られてひざまずく異様な姿である。廟に詣でた人々は、秦檜夫妻の像につばを吐きかけるのが常という。日本にある石像や銅像で、こういう例は寡聞にして知らない」ときた。
 日本にないから「異様だ」というのはどういう神経なのだろう。
 例えば日本にはピラミッドがないからといって、ピラミッドを見て「異様だ」と言うだろうか。

 次は九州の「蒙古塚」の話になる。
 日本人は「同胞を殺した敵でも、遠い異郷に死んだ無念の霊を供養せずにはいられなかったのだろう」と、日本人は中国人に比べてこんなに寛容だぞ、というわけだ。

 最後は靖国神社の話になり、「平和を祈るのならば「A級戦犯」の霊も、秦檜夫妻の像と同じ扱いを受けねばならないと、中国政府は考えているのかも知れない◆日本人の心に対する領海侵犯であろう。」と結んでいる。

 やれやれ。靖国神社参拝を正当化するために岳飛を持ち出すとは驚いた。
 岳飛の霊があるならば、日本人という「異民族」の侵攻から国を救おうとしたことだろう。
 また、中国人が日本人と同じように考えないことを批判してしまっては、それこそ、中国人の心に対する領海侵犯であろう。
 中国には中国の、日本には日本の文化があるのであって、比較してみたところで意味はないのだ。

 また、日本文化、ということでいうと、靖国神社は例外的存在だろう。
 平将門や菅原道真がまつられていることからもわかるように、「御霊信仰」にもとづき、殺した相手の霊を祀ることの方がおおいはず。
 日本の伝統文化にのっとって神社を造るなら、日本人によって殺された人たちを祀らなくてはならないのだ。

 もう一つ、岳飛と日本というと思い出すことがある。
 戦争中、「挙国一致、尽忠報国、堅忍持久」を三大目標としていた時期がある。(私は 三國一朗「戦中用語集」 で知った)
 このうち「尽忠報国」は岳飛の背中に入れ墨されていた言葉なのだ。
 岳飛を祀る中国人のあり方が「異様」だというのなら、その岳飛の背中の文字を国の目標とした日本はなんなのだろう。 





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Last updated  2005.04.28 23:49:50
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