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2007.10.06
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 新潮文庫。2000.7.1。
 副題は「まだ間にあう父親のあり方講座」。
 第1章は「家族はフィクションだ」と、「健全な家庭」というイメージを打ち砕く。
 家庭はかくあるべきだ、という主張をかざす人たちがいるが、
これら「新保守主義」の「健全な家庭」の提唱は、何よりも政治運動だということを念頭におく必要があると思いますが、この主張の一番の過《あやま》ちは、まず自分たち男あるいは父親が、自己尊厳とかプライを持つべきだと主張していることです。(p16)

と切って捨てている。
 かといって、「ものわかりのいい親」がこどもの心を開かせるのがいいのではない。
 1996年に、父親が、中学生の息子を殺してしまった事件にふれて、
事件の父親に対して、一生懸命、息子の心を開かせようとした、なんて雑誌に書いてありましたが、思春期の子どもの心は開かれたら困るのです。(p120)

ということだ。
 わたしは見たことがないが、「パパは何でも知っている」「うちのママは世界一」といった、アメリカの、理想的な家族を描くドラマは、そのドラマが作られた当時、すでに「アメリカでも虚像だった家庭像」だったのに「日本の戦後世代に理想の家庭像として影響を与えてしまった」(p45)のだそうだ。

 専門家からすると、世の中には間違ったことを主張する人が多い、ということではあるのだが、何事にも専門家がいるわけではない。
そもそも不登校の問題では専門家はいないと思ってください。不登校についてよくしゃべっている人はたまたましゃべる機会があるから口を動かしているので、何か効果的なことを言っているわけではないと考えたほうがいいと思います。(p182)

と述べている。
 つまり、専門家と呼ばれる人たちの言っていることも、著者からすればデタラメなことが多いらしいのだ。

 高校教師である父親が息子を殺してしまった事件では、その父親に対して厳しい目を向けている。
 しかし、これは酷だと思う。
 自分のしていることが不適切だと気づくことができなかったから行くところまで行ってしまったのだ。しかも、両親はそれぞれ精神科医などに相談もしている。
 病気になったときに、医師の指示に従い、その指示が誤っていたために病状が悪化したとき、その病人を責めることができるだろうか。
 適切な指示を出せなかった、相談を受けた側の問題の方が大きいのではないだろうか。

 通読して感じるのは、つくづく「親は難しい」ということだ。

 第2章以降は以下の通り。
第2章「甘える夫、「母」になる妻」
第3章「父は子に何ができるか」
第4章「日本の父親と会社教」
第5章「父親を再定義する」

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Last updated  2007.10.07 14:31:02
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