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スケジュール帳に、小さな文字がびっしりと並ぶ。 学校行事や会議、出張の予定に加え、日々の出来事。県立高校の校長安倍礼治(57)=仮名=が差し出しながら、切り出した。 「この線を引くのが、書き始めたきっかけですわ」 一週間分の日付が並ぶページ。青色の線が数日間にわたって縦に引かれている。二本、三本と。 その線の意味は、生徒の自宅謹慎や校長指導などの期間。「喫煙」「暴力」。理由も添えられている。 少子化に伴い、一部の学校では競争率が低下。さまざまな生徒が入学してくるようになった。 「授業をするのが難しくなっている」 親からの苦情や要求も相次ぐ。教師に暴言をはいた生徒に自宅謹慎を命じると、父親からまくし立てられた。「うちの子は、やっていないと言っている」 落第点を付けると、「教え方が悪い」と言われ、ブランド品を身に付けながらも「経済的に苦しい」と授業料の支払いを拒否する。 「保護者への対応に追われてしまう」 生徒への指導や親への対応。そのたびに、スケジュール帳が埋まっていく。 教師たちも同じだ。親からの電話は学校だけでなく、深夜に自宅までかかる。 「心のケア」も求められる。不登校の生徒を保健室に通わせ、家族と相談しながら対策を練る。 部活動を抱えていると、土日でも休めない。テスト期間には、日曜の早朝から採点作業に追われる。 先の国会で学校教育法の改正案が可決された。学校運営を強化するために、「副校長」「主幹」という管理職ポストが新設されることになった。 「現場の事情を知らない新任の管理職が増えても、学校が良くなるとは思えない」 安倍の下で高校で生徒指導を担当した経験を持つ男性教諭(28)は、新制度に疑問を投げかけ、訴える。 「予算が厳しくても、とにかく教師を増やしてほしい」 県内で、高校教師の採用は抑えられてきた。二〇〇一年度に三十人だった県立高校の教員募集の人数は〇六年度が五人、〇七年度は「若干名」にまで減っている。 原因は、少子化に伴うクラス数の減少。年金の支給開始が六十歳から六十三歳に引き上げられ、再任用者が増えたことも影響している。 確かに生徒数は減った。だが、現場の教師たちは追い詰められている。県教委によると、二〇〇六年度中に休職した県内の公立学校教諭は六十七人。うち四十七人は精神疾患が理由だ。 安倍は、学校を取り巻く状況の変化を感じている。 「家庭や地域でやるべきことでも、面倒なことは学校に押し付ければいいという風潮がある」 スケジュール帳を閉じながらつぶやく。「明るい話題で埋めたいんだが…」(2007年7月19日 中日新聞)
2007.07.21