暗黒街の顔役 | メタボの気まぐれ

岡本喜八：監督の「暗黒街シリーズ」第２弾
「暗黒街の顔役」は1959年、東宝より公開された
アクション映画である。

「西脇金融社長射殺！犯人は自動車で逃走
　食堂勤めの少女が目撃」

新聞が大きく報道したこの事件が迷宮に入ろうとする頃
小松竜太（鶴田浩二）は親分の横光（河津清三郎）に
竜太の弟・峰夫（宝田明）が歌手として
ジャズ喫茶に出演している事を止めさせろと命じられた。

竜太は暴力で飯を食う横光組の幹部で
弟の峰夫もその一員だったが、
堅気の娘・陽子（柳川慶子）に恋してからは
足を洗って歌手として身を立てた。

しかし、西脇社長殺しが横光組の仕業であり
その手先となって働いた峰夫が人目に立つ事が許されず
竜太は峰夫に歌手をやめるよう頼んだが
峰夫の決心は固かった。

予てから竜太に対抗意識を燃やしていた
同じ幹部の黒崎（田中春男）は横光に焚きつけて
竜太を蹴落そうとし自ら峰夫の消し役を買って出た。

黒崎は峰夫をいつもの殺し場である自動車修理工場に
誘い出すが峰夫は難を逃れた。

工場の主・樫村大助（三船敏郎）は横光に
金を融通してもらったばかりに常に利用されており
一方の竜太は再び峰夫に歌手を
断念するよう頼んだが峰夫の心は変らない。

竜太にも嘗て愛人がおり、その女が残した子供の真一は
小児マヒで愛光園に入院しているだけに
弟の気持を理解し、彼は大幹部の須藤（平田昭彦）に
いざという場合は弟を救ってくれるよう頼んだ。

やがて峰夫は歌っているうちに西脇事件の目撃者
かな子（笹るみ子）に発見され、
これを知った黒崎はまず、かな子を殺し
再び峰夫を狙い出した。

警察も峰夫に星をつけ、竜太は峰夫を連れ出し
陽子と一緒に逃したため危険は竜太の上に回り
黒崎は真一を愛光園から誘拐、子供を盾に
峰夫の連れ出しを迫った。

竜太は止むなく従い、峰夫の殺し場は
樫村の自動車工場と決った。

竜太は頼みの綱を須藤に掛けたが
彼は前に襲った外国人の仕返しに倒れたと
横光の情婦・リエ（草笛光子）が知らせにきた。

竜太は峰夫をかばって黒崎と対峙し
工場は修羅場と化した！

この映画の音楽を担当したのが“ゴジラ”の
伊福部昭であり、本作で使用された音楽は
1972年公開の「地球攻撃命令　ゴジラ対ガイガン」で
流用されました。