キートンの蒸気船 | メタボの気まぐれ

アメリカの喜劇王、バスター・キートンの
サイレント晩期の代表的傑作が1928年公開の
「キートンの蒸気船（キートンの船長）」である。

ミシシッピー川で操業している蒸気船である
ストーンウォール・ジャクソン号のオーナー
ウィリアム・キンフィールド(アーネスト・トーレンス)は
“スチームボート(蒸気船)ビル”と呼ばれている
町の人気者であった。

彼には一人息子スチームボート・ビル・ジュニア
(バスター・キートン)がおり
彼は故郷を離れてボストンに遊学中だった。

副船長のトム・カーター(トム・ルイス)と
長閑な毎日を送るビルだったが
強力なライバルが現われた！

金持ちのジョン・ジェイムズ・キング
(トム・マクガイアー)がピカピカの新造船
キング号を造り事業に乗り出したのである。

そんな時、ボストンから息子のジュニアが帰ってきた。
都会風に妙に洗練されたジュニアを見て
父・ビルは落胆・・・

おまけに息子と商売仇の娘メアリー(マリオン・バイロン)が
恋仲になり益々面白くない。

更にジャクソン号が老朽化のため
使用停止の勧告を出されてしまった。

警察に刃向った為、ビルは拘置所に入れられてしまう。

ジュニアは父親を助けようとするが、
そこへ巨大な暴風雨がやってきて猛威を奮い
ミシシッピの河川地帯は大パニックとなった。

果たしてビル親子の運命は？

この映画の主役、バスター・キートンは
チャップリン作品に形容されるような
悲劇的な要素はあまり見受けられず
スラップスティック・コメディにロマンス要素が
加味された作品が多い。

基本的にはハッピーエンドであり、キートン演じる
主人公のその殆どが少し間抜けた性格の持ち主だが
ロマンティストである。

またアクションに限らず映像技術や特撮技術を駆使した
トリック要素が多く盛り込まれたギャグも多用する。