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友人から住まいのある近くを流れる新逆川でアオサギ(4歳前後)、カワセミ、イソヒヨドリの3種の青い鳥の姿がよく見られると教えてもらったので、現地を訪ねました。JR馬橋駅西口から北松戸方向に向い新坂川沿いを探索しました。友人から新坂川は人工的に掘って作られ、昭和30年代から生活排水と工場排水で汚染が進行し、昭和45年にはBODが136と日本で最も汚染が進んだ川と教えてもらいました。それが様々な対策が講じられ、その後、水鳥たちの姿がみられるようになった由。今日は、3種の青い鳥(アオサギ、カワセミ、イソヒヨドリ)のうち、イソヒヨドリを除く2種の姿を見つけました。アオサギは川沿いにある会社の屋根の上に姿があり、時折川の浅瀬に降り立ち餌を物色していました。同じエリアにいるダイサギ、コサギとの関係では、アオサギが最も強く2種を追い払うオーラを発していました。また、カワセミは嘴の黒い成鳥雄で、飛翔しては水面にある枝に止まったり、堤防壁にとまり水中の魚を捕獲していました。友人によると、イソヒヨドリを含めた3種が勢揃いした光景が複数回あるとのこと。このほか、川の水際に生えている外来種アメリカセンダングサの茎をついばむカルガモ、川の中の水生植物をついばみながら移動していたオオバン、沿道の木々にメジロ、シジュウカラ、スズメが鳴きながら降り立つ姿を見つけたり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年11月26日撮影
2024.11.26
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流山市と野田市の境界の水田地帯にタゲリの姿を探しに出かけました。物流団地が完成し常磐高速道から野田市と流山市の境界までのエリアは、巨大な建造物に囲まれた要塞のようなイメージに変貌しました。わずかに残った水田地帯には、今シースンのタゲリの小群の姿がありました。短い冠羽があり顔が白っぽい若鳥、顔にバフ色がある若鳥、長い冠羽と上面に緑色の光沢のある成鳥冬羽の計8羽。水田を移動しましたが、必ず群れから離れて見張り役を務める1羽といった構成でした。このほか、ミヤマガラスとハシボソガラスの混群の姿があり、ミヤマガラスは水田で地上を歩きながら植物の種や昆虫類を捕食していました。近似種のハシボソガラスは額がなだらかで嘴基部が白くないので違いがすぐわかりました。また、上面が灰色が黒色部のないハクセキレイ雌第一回冬羽、背が黒く一見すると夏羽のように見えた成鳥雄個体の姿を見つけました。帰り道、流山市のリサイクル施設に隣接した池で、マガモ、オオバン、カイツブリの姿も見つけました。(写真)2024年11月25日撮影
2024.11.25
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二週間ぶりに吉川美南駅東口と西口の調整池を探索して歩きました。東口の第一調整池は、動物プランクトンのワムシ類、ケンミジンコ類が多いようででハシビロガモが集団で水面をくるくる周り採食している姿を身近に観察できるのが特徴です。しかも雌生殖羽(黄色の嘴に小さな黒斑が点在し脇の羽が丸みあり)と雄生殖羽(黒くて平べたい嘴、頭部の緑色光沢のある)を観察できるので鳥見をはじめた方でも楽しめます。このほか、コガモ雄、雌非生殖羽(嘴が黒くなっており、秋のはじめに観察した嘴基部側面の黄色味はなくなっています)、ホシハジロ雌雄、複数のバン、オオバン、池に隣接する草地では嘴すべてが黒色のスズメ、嘴基部に黄色味のあるスズメ冬羽の姿を見かけたり、水路沿いの堤防沿いを複数のハクセキレイ、水路沿いをイソヒヨドリ雄が餌を求めて飛翔する姿があったりと楽しい時間を過ごしました。なお、西口の調整池は相変わらず水位が高く、浅瀬はすべて消失しているのでシギ・チドリ類やサギが休むポイントがないので、マガモ、コガモ、オオバンといった水鳥と沿岸でジョウビタキ、モズといったところを観察できるのみでした。(写真)2024年11月24日撮影
2024.11.24
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秋深まる印旛沼を訪ねました。すでに冬鳥の代表、トモエガモの大群が水面を埋め尽くす状態となっていました。このほか、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カワウ、モモイロペリカン、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、クイナ、ヒクイナ、トビ、チュウヒ、ハイイロチュウヒの出会いを楽しみました。なお、前回11月4日に姿を観察したシジュウカラガンの姿はすでにありませんでした。(観察メモより)・葦原の上を飛翔して後水面の杭に止まったチュウヒは頭頸部がバフ色で体下面に茶褐色の縦斑があったことから雌成鳥と思われました、また、葦原と沼の水面上空を飛翔した後水面の杭に止まったハイイロチュウヒは頭部に暗褐色の軸斑があり、顔盤が淡色の雌成鳥でした。・トモエガモ、ヨシガモの雄はエクリプスが生殖羽に換羽中の個体が大半でした。・カンムリカイツブリは、頭から頸に白黒のまだら模様が残る若鳥が大半でした。・マガモ、オナガガモは大半が生殖羽に換羽後の個体が大半を占めていました。(写真)2024年11月22日撮影
2024.11.22
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ワシタカ類が捕食をスタートする時は、松村(1993)が述べているように、羽ばたき,滑空,ホバリングなどによって獲物を探索する「飛翔型」と見晴らしのよい所に止まりながら探索する「とまり型」に大別されます。同じ種類でも2つを併用する種類もいます。(A)主な猛禽の捕獲行動(1)ハヤブサ手賀沼沿岸では、水田が広がる解放地で行われ旋回と羽ばたきをまじえて行う飛翔型と地上の杭などに止まって行うとまり型を併用しています。また、捕食する鳥類は飛行中ものについて行っています。松村(1993)が報告しているように、獲物よりハヤブサが上部に位置する時は急降下し獲物を後方から捕獲する場合と羽ばたいて追いかけるケースがあります。(2)コチョウゲンボウ地上の杭や電柱のてっぺんでとまり型の狩りを行い、獲物を発見すると追尾または急降下して捕獲する光景をよく見かけます。(3)チョウゲンボウホバリングして獲物を探索し、急降下または少しずつ高度を下げて捕獲しています。(4)ミサゴ手賀沼の水面で獲物の捕獲をすべて行っています。水面・水中に獲物を発見した際には、急降下し両翼と上半身以外を水没させて捕獲します。(5)オオタカ雑木林などから突然登場し、飛翔中のカモを捕獲するか小さな池の近くの枝で止まり型の狩りを行います。(6)チュウヒ高橋・東(2024)は、秋田県八郎潟でのチュウヒの行動について調査した結果を報告しています。狩り行動について「狩り飛行と捕獲試行を記録した」と記しています。これは飛翔型に区分されます。なお、「狩り飛行とは獲物を探索する行動で地表を注視しながら羽ばたきや滑空により低空を飛行する行動と定義した。また、低空で特定の場所を旋回する行動や羽ばたいて空中に留まるホバリングや風を利用して羽ばたかずに空中に留まるハンギングを観察したことも述べています。ハイイロチュウヒも同様と思われます。(B)貯蔵行動を行うコチョウゲンボウとチョウケゲンボウ松村(1993)は、福井県での猛禽類の観察記録を整理し報告しています。その中で、「チョウゲンボウとチョウゲンボウにおいて観察された貯蔵行動は、通常行なわれている行動と考えられる」と述べています。(引用)松村俊幸.1993.工業埋立地における非繁殖期のワシタカ類の捕食行動と優劣関係.Strixl第12巻.p61-71.日本野鳥の会.高橋佑亮・東 淳樹.2024.農耕地帯で繁殖するチュウヒの狩り場環境選択.日本鳥学会誌.第73巻.第1号.p23–31.(写真)一枚目亜種オオハヤブサ:2021年1月20日茨城県稲敷市、二枚目コチョウゲンボウ:2020年2月24日手賀沼沿岸三枚目:チョウゲンボウ:2023年1月20日手賀沼沿岸四枚目:ミサゴ:2021年1月2日手賀沼沿岸五枚目:オオタカ(若鳥):2010年2月1日柏市内六枚目:チュウヒ:2016年3月7日印旛沼七枚目:ハイイロチュウヒ:2024年11月22日印旛沼
2024.11.23
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もう少しで12月なのに千駄堀池周辺が紅葉がいまひとつと嘆いていましたが、先週から朝晩の気温差が大きく変化したことでようやく秋らしい景色に。11月に入りベニマシコが飛来したことや先週ミコアイサ雌が池に飛来したと聞きましたので松戸市の21世紀の森と広場を訪ねました。しかし、到着した9時すぎはカモの姿はなかったものの、園内を一巡した後再び探索してみると、葦の中にマガモ、カルガモ、コガモが潜んでいる姿を見つけました。千駄堀池で羽を休めるカモたちは夜、近郊の河川、水田、調整池等に出かけて餌を捕食した後再び帰還するのが行動パターンです。このためだったことがわかりました。このほか、ダイサギ、コサギ、アオサギが池の周りの枝にとまり羽を休めていました。コガモは肩羽が細い横斑の傾向がわかる成鳥雄、頭頂から過眼線までヘルメットをかぶったように一様に濃い雄エクリプスなど目をこらして観察しないと特徴が分かりずらい個体でしたが、観察し識別するのも醍醐味でした。水鳥のほかは、ハクセキレイ(成鳥雄冬羽)、ヒヨドリを見かけたのみで、ジヨウビタキ、ツグミ、ベニマシコといった姿はみつからず。次回のお楽しみとなりました。(写真)2024年11月19日撮影
2024.11.19
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タヒバリ類に野外で出会った際にどんなところに注意して観察したらよいかと質問をもらいことがあります。出会った際に注目するポイントを整理してみました。あわせて、タヒバリ冬羽と夏羽の特徴、参考としてビンズイの特徴も記しました。A.タヒバリ類の注目するポイント(1)背の縦斑の明瞭度背の縦斑が不明瞭なのがタヒバリとビンズイで、背の縦斑が明瞭な種類はムネアカタヒバリ、セジロタヒバリ、マキバタヒバリ、ヨーロッパビンズイということになります。(2)体を立てた姿勢体を立てた姿勢で縦斑が胸だけとなると、マミジロタヒバリ、コマミジロタヒバリということになります。B.タヒバリの冬羽と夏羽全国的に渡来する冬鳥ですが、春先に見かける夏羽は別種と思う個体を見かけます。(1)冬羽一枚目と二枚目の写真は都内で撮影した冬羽です。頭上から背にかけて暗色で、背の縦斑は不明瞭です。眼の下にうっすらと細い線があり、顎線は黒い。足は肉色からオレンジ色味を帯びた個体を見かけることがあります。(2)夏羽三枚目から四枚目の写真(いずれも2023年4月に柏市内で撮影)は、上面の灰色が増し、下面の縦斑は冬鳥に比べると少なくなっており、パフ色に変化しています。五枚目から六枚目の写真(いずれも2019年4月茨城県稲敷市で撮影)も夏羽です。こちらは三枚目、四枚目の写真と比べると上面は淡灰色で、顔から下面が橙褐色で縦斑はより少なくなっています。C.タヒバリとビンズイの比較五枚目、六枚目の写真は2014年、2015年冬に松戸市で撮影したビンズイです。タヒバリとの比較で写真をアップします。その特徴は、上面は緑灰色、背中の縦斑は不規則で、眉斑で明瞭長い。眉斑の上が黒っぽい印象があり、頬に白斑と小さな黒斑があります。
2024.11.21
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鳥友から今年も手賀沼にミサゴの姿が見られるようになったが、いつ頃から秋・冬に滞在するようになったのかと質問をもらいました。(1880年代から2000年までの手賀沼の猛禽類)文献を振り返ると、我孫子市(1995)に1880年代に手賀沼で記録されたワシタカ目の鳥類はオジロワシのみ、1959年から1969年の間ではトビ、クマタカ、チュウヒ、ハヤブサの4種の記録があると報告があるのみです、ところが、1970年から1980年代になるとワシタカ類の種類は非常に増加しミサゴ、トビ、オオワシ、ツミ、オオタカ、ノスリ、サシバ、チュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウの10種の記録があると記され、ミサゴについては1977年以降断続的に記録があると報告されています。また、我孫子市(1995)が引用した手賀沼の記録に原典と思われる手賀沼の鳥(1994)に1977年9月11日現在の柏市大井新田先の手賀沼、1978年9月10日同地で観察記録があると記されています。ただし、1981年1月までは断続的に観察されたものでした。ところが、1985年9月以降2001年までは9月から12月の期間に滞在と思われる報告があり、さらに2002年以降では翌年3月ごろまで滞在と思われる観察報告が寄せられています。(2001年以降の手賀沼でのミサゴの観察記録)2001年以降になると、1月から4月、8月から12月の間で姿が観察されています。しかも、2003年10月には沼で魚を捕獲し水面の杭に止まって食べている姿が目撃されています。2000年から運用が開始された北千葉導水路による利根川の水の沼への導水により、水位が上昇するとともに沼に放流されているコイやぎんぶな等が増殖したなどにより、ミサゴの餌場としての条件が揃ったものと思われます。千葉県(2011)が県内のミサゴについて数少ない旅鳥または冬鳥と報告していることを考えると、繁殖期を除く期間に滞在しているのは貴重な記録と言えます。(引用)手賀沼の鳥.1994.20年の観察記録.p26.我孫子野鳥を守る会.我孫子市.1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.p81.千葉県.レッドデータブック鳥類.p30-124.千葉県生物多様性センター.(写真)2021年1月2日、2019年11月10日、2018年10月7日いずれも手賀沼で撮影
2024.11.15
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昨日手賀沼でオシドリ、トモエガモの姿を観察しましたが、鳥友からぜひ見てみたいと連絡をもらい現地に出かけました。今日は沼中央部の水面にオシドリ雌がマガモと行動をともにしていました。このほか、カンムリカイツブリ45羽を目撃しました。そのうち、5羽は頭から頸に縞模様のある若鳥でした。沼の鳥に出会った後、広大な水田地帯に毎年飛来しているタゲリを探索しに移動。採食場所にしている田んぼ、塒にしている田んぼを巡回していると、上空からタゲリ21羽が塒としている田んぼに降り立ちました。成鳥冬羽は雌雄とも喉が白く白色部が胸の黒色部に食い込んでいました。雄成鳥に比べて雌成鳥の頭頂・顔・胸は褐色味が強くて冠羽は短め。このほか、背・肩羽・雨覆の羽縁の内側に黒色のサブターミナルバンドが見える幼鳥の姿も観察。その後、コブハクチョウ、カモが羽をやすめているエリアでコブハクチョウ、コガモ、ホシハジロ、チョウゲンボウにも出会い、本日のフィナーレとなりました。なお、タゲリの採食場所および塒の場所は、タゲリ保護の観点から非公開とします。あしからず。(写真)2024年11月13日撮影
2024.11.13
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狩猟解禁となり手賀沼の水鳥、冬鳥の様子を見に手賀沼とその沿岸を探索しました。手賀沼東端の最も水面の幅が広いエリアでツグミが鳴きながら電線に降り立つ姿を目撃しました。この10年間の初認と終認日を整理するとも次の通りで、ほぼ平年並みの初認となりました。(2014年から2023年のツグミの初認、終認日と滞在期間( )内の数字は日数)2014年初認11/4、終認2015年4/22(169日)2015年初認11/16、終認2016年4/25(161日)2016年初認11/13、終認2017年4/15(153日)2017年初認11/13、終認2018年4/14(152日)2018年初認12/3、終認2019年4/24(142日)2019年初認11/16、終認2020年4/25(161日)2020年初認11/16、終認2021年4/25(160日)2021年初認11/28、終認2022年4/8(131日)2022年初認12/15、終認2023年4/27(133日)2023年初認11/15、終認2024年4/28(165日)(手賀沼と沿岸で観察できた鳥類)冬季は沿岸の水田エリアを中心に複数の猛禽類を観察できます。今日は、ミサゴ、ノスリ、チョウゲンボウの姿がありました。真冬にはチュウヒ、ハイイロチュウヒ、コチョウゲンボウも加わり楽しみが増えます。・スタートした手賀沼西端のエリアでは、沼にマガモ、カルガモ、コガモ、ユリカモメ、電柱にとまり餌を狙うチョウゲンボウの姿を見つけました。・その次に手賀沼大橋東側の沼の水面と田んぼでは杭の上にミサゴの姿、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、オオバンの姿を観察しました。・沼東端の沼の水面と隣接する水田では、水面にカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、マガモ、カルガモ、ヒトリガモ、オナガガモ、上空をミサゴが飛翔し、水田脇の電柱にはノスリが長時間止まり獲物を狙う姿を目撃しました。(写真)2024年11月18日撮影
2024.11.18
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今月上旬に松戸市内でルリビタキの姿を目撃したとニュースをもらいました。そろそろ、手賀沼沿岸の林などで姿を見かける時期となりました。図鑑類に四国・本州から北海道にかけての高山や亜高山帯で繁殖するものが、関東地方以南の山地や低地の林で越冬する、本州において高山で繁殖した個体は、低地に降りて越冬するとありますが、渡りのルートの裏付けはどうかと調べてみても限られた標識回収記録が存在するだけでした。文献を紐解いていくと、つぎのようなものを見つけました。参考までに紹介します。佐藤(1994)は、北海道函館山で標識放鳥した調査結果を整理し報告しています。函館山では繁殖も越冬もしないため渡る経路の中継地として積極的に選択し、渡りの時期に多くの個体が函館山を通過していると述べています。また、ルリビタキの秋季渡りは10月中下旬に始まりII月中旬にほぼ終わり、10月下旬~11月上旬が最盛期と記しています。さらに、本種が海岸伝いを東から西に移動しているためではないかと思われるとも述べています。調査結果から秋季の渡りについては日本海側を主経路として渡りをしていると思われ、その移動は、北~南への平行的なものであることを意味していると結んでいます。過去の回収記録はつぎの3例を報告しています。函館山放鳥023-0429581-10-27→82-02-06宮崎県南国市桑の川函館山放鳥1A-1172489-10-21→89-10-28山形県酒田市飛島函館山放鳥28-0681689-11-01→89-12-14愛知県豊田市長根なお、森本(2007)がルリビタキの分布や生息環境の知見を整理し報告している中で、「日本で記録されている亜種ルリビタキ(T.c.cyanurus)は日本、中国、モンゴル、ロシア等で繁殖し、この中でも北方の個体群は越冬期は南下、拡散する」と記しています。また、「北海道などでは夏鳥であるため、北海道を通過する個体群は比較的長距離を移動する」と報告しています。(引用)佐藤理夫.1994.函館市における鳥類の渡りについて.市立函館博物館研究紀要.第4号.p1-23.森本 元.2007.ルリビタキ.Bird Research News Vol.4 No.4.p3-4.(写真)2015年12月12日手賀沼沿岸、2018年1月28日野田市内、2020年1月12日松戸市内、2021年2月8日松戸市内で観察・撮影
2024.11.20
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ハンノキやヤシャブシの種子を好んで食べるマヒワ、実につかまり逆さになって種子をつまみ出す姿に出会うと釘付けになります。雄は顔から体下面が黄色で額から頭頂、目先、喉が黒く、雌は全体に黄色味が薄く下面が白くて褐色の斑があるアトリ類です。多くのファンが存在しますが、日本への飛来は規則性がなく、群れで観察できた年、まったく見かけない年といろいろです。(マヒワの飛来には木の実をなり具合が影響する)バードリサーチ(2011)は、2011年の冬鳥の観察記録をなり整理し報告しています。その中で「マヒワは本州中部以北の山地帯でも少数が繁殖していますが、日本に飛来するマヒワの繁殖地がどこか良くわかっていません。しかし、ともすると今冬の少なさは、食物の関係で日本から遥か離れた場所で繁殖したために越冬地が変わり、本州以南へはほとんど飛来しなかったのかもしれません。今冬のマヒワの状況は,日本の森林にマヒワの食物となる木の実が少なかったために、秋に渡ってきたものの素通りしてさらに南へ移動した可能性も考えられます」と報告しています。その後、バードリサーチ(2024)が、2023年から2024年冬の小鳥たちの観察記録を整理し報告しています。その中でマヒワについて、「マヒワの情報件数は近年減少傾向でしたので、繁殖環境が悪化して繁殖成功率が低下しているのかもしれないと懸念していましたが、23年冬は21年冬や22 年冬よりも多くの情報が寄せられました」と述べています。ただし、多くの情報が寄せられた要因については触れられていません。木の実は豊作傾向と聞いていますから、晩秋から冬にかけてその姿と出会えたらいいのにと思っています。フィールドを探索する際には、大好きな杉の実、ハンノキ、松の木などを注目してみようと思っています。(引用)バードリサーチ.2011.2011年冬鳥ウオッチ.pp6バードリサーチ.2024.2023年冬⿃ウォッチ.pp4.(写真)2019年10月20日柏市内、2011年2月14日柏市内で観察・撮影
2024.11.17
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ひと月ぶりに水元公園にカモと冬鳥の小鳥を探しに出かけました。JR金町駅から三郷団地行バスで桜土手で下車すると水元公園東端に到着です。ごんぱち池でヨシガモ、ヒドリガモの姿を観察し、小合溜方面に移動しました。公園展望台近くの東屋がある近くではホシハジロ、キンクロハジロの400羽を越える群れが羽を休め、カイツブリ、カンムリカイツブリが水面を移動する姿、ユリカモメが水際で小合溜の水面を凝視していたと思ったら水面に降り立ち餌をゲット。水元大橋が工事で通行止めとなっているため、大回りしてメタセコイヤの森方面へ。途中の湿地でヒクイナの鳴き声、ジヨウビタキ、アオジが姿を現してくれました。さらに、帰路でバス停にむかう道すがら、オオタカが林の上部に止まり小合溜で羽をやすめているカモを凝視する姿がありました。(カモの羽衣メモ)・ヨシガモ:ごんぱち池にはエクリプスが生殖羽に換羽している個体が休んでいました。小合溜にも雌、雄幼羽が第一回生殖羽に換羽中の個体の姿がありました。・ヒドリガモとオナガガモの交雑個体が小合溜の水面を移動したり、水際で休んだりを繰り返していました。(写真)2024年11月14日撮影
2024.11.14
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埼玉県の鳥友から野鳥の会の資料で「ミカヅキ斑のあるハシビロガモ」に関するものがあるが、柏市近郊などでそのような個体を見かけたことがあるかと問い合わせをもらいました。日本野鳥の会埼玉県支部ホームページに掲載されているコンテンツを閲覧してみました。2023年6月20日付けの「頬にミカヅキ斑のあるハシビロガモの経過観察とその考察」と題するリポートでした。(以下、埼玉Rと略)https://www.wbsj-saitama.org/yacho/yacho_no_heya.html内容に目を通すと、2022年11月18日に館林市で観察したハシビロガモ成鳥雄の顔に細く白いミカヅキ模様がある個体、2022年12月15日に館林市で観察の同様の個体、2023年1月18日に渡良瀬遊水地で観察した生殖羽に換羽が進行した個体でも斑がしっかりある個体、2023年1月24日渡良瀬遊水地で観察したミカヅキ斑がしっかり残っている個体、2023年3月3日の渡良瀬遊水地で観察した雄個体でミカヅキ斑の上半分が消えてしまったとの個体などが掲載されていました。(千葉県と埼玉県でのハシビロガモで頬に斑のある個体)2024年11月10日埼玉県吉川市で埼玉Rが報告している頬の位置に白い斑のある個体、2021年12月10日に千葉県柏市柏の葉公園で埼玉R報告のミカヅキの白い斑に近い個体、2020年11月7日に柏の葉公園で埼玉R報告しているミカヅキ斑の上半分が消えた個体、2024年4月1日柏の葉公園で埼玉R報告のミカヅキ斑が薄く残る個体を観察しています。吉川で観察した個体(一枚目の写真)は、嘴が黒色、上面が暗色、虹彩は黄色の幼羽がエクリプスが生殖羽に換羽中の個体と思われました。二枚目の写真の柏の葉公園で観察した個体は、埼玉Rが報告している2022年11月18日の個体とほぼ同様の個体でした。(埼玉Rが述べているミカヅキ斑の考察)埼玉Rは、ミカヅキ斑を持ったハシビロガモはサブエクリプス期にミカヅキ斑が認められたが、換羽が進み夏羽になるに従いミカヅキ斑は消え、普通のハシビロガモと見分けられなくなった。親よりもさらに数世代前に交雑し、その時の遺伝情報が現れたか、古い昔に分化した折の遺伝情報がサブエクリプス期の羽衣に現れたのでは言及しています。DNA分析などを通じてルーツの解明が進めばいいのにと思いました。
2024.11.16
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佐倉市の川村美術館を訪ね、毎年飛来しているオシドリを観察してきました。但し、保有するDICが東京に移転するか運営を中止するかを検討すると表明していて最悪の場趾、2025年1月下旬に休館となります。その場合、オシドリをはじめとする水鳥との出会いを楽しんできた敷地中央の池に出入りができなくなるのてはと心配する市民や多くのウオッチャーが存在しているのも事実です。今日は、オシドリ34羽、ハシビロガモ1羽、キンクロハジロ2羽、コブハクチヨウ4羽、シナガチョウ3羽、隣接する公園でハゼと思われる実をついばんでいたシジュウカラ2羽、エナガ7羽の姿を目撃しました。オシドリは雄成鳥の見事な銀杏羽のある個体、雄の銀杏羽のない個体、嘴の赤い雄エクリプス個体といろいろな羽色を観察できました。モミジが色づいていないので、オシドリと秋景色のコラボとはいきませんでしたが、秋を実感してきました。(写真)2024年11月6日撮影
2024.11.06
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10日ぶりに松戸市千駄堀池のある松戸市の21世紀の森と広場を訪ねました。池には、マガモ、カルガモ、コガモ、オオバン、カイツブリの姿を観察しました。ハイライトは、カワセミ成鳥雌と雄若鳥の熾烈な縄張り争いでした。広い水面を成鳥雌が鳴きながら雄若鳥を何度も追い払い、しまいには葦原の中に雄を追い詰め成鳥雌はすぐ近くの小枝にとまり監視しているようでした。その迫力に圧倒されました。もっとも、カワセミのように、個々にえさ場としての縄張りを持つ鳥は雌雄関係なく縄張り争いを展開し、激しい場合には斜面や木に激突し死亡に至る場合もあり縄張り確保は命がけというところでした。このほか、マガモ一羽の雌をめぐって3羽のオスが取り囲みますが、好みじゃないとばかりに水面を移動する姿やコガモ成鳥雄の頭部が生殖羽の色、模様となってきている姿、成鳥雌非繁殖羽の嘴が黒くなっていた個体を目撃したり、ハクセキレイとセグロセキレイの姿を観察した、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年11月8日撮影
2024.11.08
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11月に入ってはじめてホームグランド手賀沼を訪ねました。沼西端から東端まで約8kmを探索して歩きました。まだ葦原の丈が高く我孫子市側からは観察条件がよくないので、柏市側からの観察としました。我孫子市側の対岸を見ていくと、オシドリ雄、トモエガモ雌雄の姿を発見。オシドリは生殖羽、トモエガモもほとんど生殖羽に換羽した個体でした。さらに、コガモ、ホシハジロ、ハジロカイツブリが水面を移動する姿を観察。このうち、ホシハジロ9羽のうち1羽虹彩が黄色で胸が赤褐色、下尾筒などはホシハジロとほぼ同じ個体でした。国内で複数の観察例のあるホシハジロとメジロガモの交雑個体と思われましたが、そうであれば嘴先端の黒色部が嘴の外縁にそってU字に広がっているはずですが観察距離の関係で確認できずでした。このほか、オオバン、葦原の中で羽を休めていたゴイサギ、水面に浮かんで休んでいるユリカモメ、2羽のミサゴの姿を見つけました。(写真)2024年11月12日撮影
2024.11.12
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霜月となって初めて吉川美南駅西口と東口の調整池を探索して歩きました。西口調整池でマガモ70羽+、カルガモ37羽、コガモ16羽、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ハクセキレイ、セグロセキレイを観察した後、東口の調整池に移動し、オシドリを初めとするカモ類、アオサギ、ダイサギ、コサギ、タシギ、チョウゲンボウとの出会いを楽しみました。オシドリは、調整池の水面を端から端を移動し草陰で休憩をとったり、時折池の上空を飛翔しまた水面に降り立つといった繰り返しでした。オシドリの観察で興味を持ったのは他のカモの近く水面を通過する時には銀杏羽を立てて移動するのに、他種がいない場合には銀杏羽を立てずに移動していたことでした。他種に体をできるだけ大きく見せようとする意味合いのものでしょうか。この他、カモ類では、コガモ雄エクリプスが生殖羽に換羽している個体で、頭部の栗色が整ってきた個体とまだ整っていない個体を観察しました。また、ハシビロガモでは30羽もの個体が水面でぐるぐる回って採食している様子、成鳥雌個体、虹彩が黄色で黒い嘴でエクリプスでもないし生殖羽でもないサブエクリプス個体の姿を観察できました。また、池の近くにある水路で6羽ものタシギが座り込んで休んでいる姿を発見しました。背の羽縁がクリーム色の帯を構成していて太く目立ち、雨覆・肩羽の淡色部が笹の葉のような感じに見えました。(写真)2024年11月10日撮影
2024.11.10
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そろそろ、ツグミが渡来する時期となりました。埼玉県草加市に住んでいる鳥友から市の刊行物にツグミの滞在期間が短くなっている(*)と説明があったが柏市、手賀沼と周辺地域ではどうかと質問をもらいました。手元の観察記録を振り返り、柏市でのツグミの滞在期間を掲載してみました。(柏市でのツグミの滞在期間:初認から終認日までの日数)2000-2001滞在143日、2001-2002滞在160日、2002-2003滞在178日、2003-2004滞在160日、2004-2015滞在182日、2005-2006滞在173日、2006-2007滞在167日、2007-2008滞在174日、2008-2009滞在164日、2009-2010滞在172年、2010-2011滞在178日、2011-2012滞在162日、2012-2013滞在185日、2013-2014滞在163日、2014-2015滞在169日、2015-2016滞在161日、2016-2017滞在153日、2017-2018滞在152日、2018-2019滞在142日、2019-2020滞在161日、2020-2021滞在160日、2021-2022滞在131日、2022-2023滞在133日、2023-2024滞在165日最も長い期間滞在した年:2004-2005の182日最も短かったか年:2021-2022の131日最も長い年と最も短い年を比較すると51日短く(71%)なっています。(いつ頃から温暖化が顕著となったか)気象庁がホームベージで公表している内容を見てみると、つぎのように記されています。「2000年前後から2010年代前半にかけて世界の平均気温上昇は停滞しましたが、その後は急激に上昇し、2016年から2020年の5年間は、1850年以降で最も高くなったとみられています(IPCC, 2021)」(温暖化が顕著となった2016年から2020年と2000年から2010年の気温上昇が停滞した期間)温暖化が顕著となった2016年から2020年でのツグミの滞在期間は平均147日、気温上昇が停滞した2000年から2010年でのツグミの滞在期間は平均167日で、約20日短くなっています。(吉川市の報告しているとの比較)鳥友から閲覧した資料の提供をしてもらい、内容に目を通すとつぎのように記載されていました。「最近では気候変動の影響で冬が暖かくなってきているため、ツグミの日本での滞在期間が短くなってきているようです。23年間で40日以上も短くなったと言われています」(そうかいきものだより2023年11月第26号.p2)柏市でのツグミの滞在期間に注目してみると、最も長い期間滞在した年:2004-2005の182日、最も短かったか年:2021-2022の131日で、最も長い年と最も短い年を比較すると51日短く(71%)なっています。柏市での滞在期間が吉川市よりもさらに短くなっていると言えます。(写真)2023年12月20日柏市内で撮影
2024.11.11
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(ヒバリの減少について)ヒバリというと、「チーチビ チーチビ」空に上昇し、「チュクチュクチー チュクチュクチー ツゥイ ツゥイ ピチ ピチ ピーツツチー ピーツツチー ツォイ ツォイ」と空で鳴き、その後下降するという姿を想像します。ところが、佐々木(2008)が空中でのさえずりが多いのは営巣初期だけで、その他の時期は地上での方が多いと報告し、あわせて、ヒバリの減少が指摘されている点にふれています。東京では1970年代から1990年代で繁殖期に確認された3次メッシュの数が70年代の218からほぼ半数の105に減少しており、要因は定かではないが農地などの平坦な環境に建築物が建つことによって生息適地の分断化が進んだことが影響しているのではないかと記しています。手賀沼と沿岸地域では、2010年以前は継続して観察されていましたが、2011年以降では手賀沼と印西市の境界地域と我孫子市北部の水田地帯、利根川沿岸という生息適地が残っているエリアで姿が細々と観察されているのが現状です。(雌雄の違いについて)佐々木(2008)は、ヒバリの雌雄を外見で識別するのは困難としながらも、文献に繁殖地にペアが同時に飛来する場合とオスが先に飛来してメスが後から入る場合があり、後者が多いと記されているものがあり、別の文献には造巣はメスが行い、2~7日で造りあげ、抱卵はメスのみが行い、給餌は雌雄両方で行うが,オス36%,メス64%とメスの方が多いと報告があると記しています。なお、叶内(1998)が、雌雄はほとんど同じだが、雌は冠羽を立てる行動はほとんどないと報告しています。手賀沼沿岸で、冠羽を立てることがなかった個体を観察・撮影したことがあります。写真の五枚目、六枚目を参照ください。(引用)叶内拓哉.1998,日本の野鳥.p443.山と溪谷社.佐々木茂樹.2008.ヒバリ.Bird Research News Vol.5 No.3.p3-5.(写真)一枚目、二枚目:2015年6月6日、三枚目、四枚目:2014年6月15日、五枚目、六枚目:2017年7月18日いずれも手賀沼沿岸で観察
2024.02.19
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アメリカコハクチョウとコハクチョウの分類で嘴の黄色部分についての図鑑類の記載は、眼先の黄色部分が小さいとか眼先にわずかに黄色部があるのが典型的な個体し、眼先の黄色部がコハクチョウとアメリカコハクチョウの中間ぐらいの個体は交雑個体となっています。鳥友からこの点について質問をもらいました。文献を調べてみたら、村瀬(1994)が海外の文献に記載されている内容を紹介しています。それによると、Evans&Sladen(1980)が300羽のアメリカコハクチョウと104羽のコハクチョウの嘴の黄色部分の割合を解析し、アメリカコハクチョウが0-16%、コハクチョウは22%以上であることを示し識別する上で有力な手がかりと述べています。ただし、村瀬(1994)は、岩手県北上市での観察記録を整理し報告しています。内容は、アメリカコハクチョウ雄とコハクチョウ雌が交雑し、一代目交雑個体をつれて飛来したと記しています。この際の一代目交雑個体の嘴の黄色部分はアメリカコハクチョウより大きく、コハクチョウより小さかったとするものでした。その後、一代目交雑個体がアメリカコハクチョウ雌と番いとなり3羽の二代目交雑個体をつれて飛来してことを報告しています。上記2例の嘴の黄色部分のいずれもEvans&Sladen(1980)ではすべてアメリカコハクチョウに分類され、交雑個体の中にはアメリカコハクチョウとほとんど同じ嘴模様をもつものがいることが明らかになったと指摘しています。(写真)1枚目から3枚目:アメリカコハクチョウ、2013年11月、2015年1月、2018年1月いずれも印西市にて撮影。4枚目アメリカコハクチョウとコハクチヨウの交雑個体、2018年12月印西市にて撮影(引用文献)Evans,M、E&SladenW..L、1980.Acomparativeanalysisoflhebillmarkings of WhistlingandBewick's Swans and out-of-rangeoccurrencesofthetwo taxa.Auk97:697-703.村瀬 美江.1994.コハクチヨウの亜種間交雑個体に現れるくちばしの模様.Strix.第13巻.p238-242.日本野鳥の会.
2023.01.01
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この時期、あちこちで渋柿の実が柔らかくなり、ヒヨドリやメジロ、ヤマガラが次から次に飛来してついばんでいます。柿は、熟すまでは渋みのあるタンニンで鳥たちから食べられるのを防いでいますが、タンニンが不溶性に変わると渋さが抜け鳥たちが大好きな甘い柿に変化します。調査のきっかけは、サルが熟した柿を食べ、野鳥が赤色の木の実を食べていた光景を目撃したことにあったと記されています。さて、調査は2018年に6種類の木の実を対象とし、その色と糖度を調査しサルや野鳥が食べたかどうかを報告しています。調査結果では、野鳥もサルも柿は赤に近い色のもの、糖度の高いものを食べたとしています。(引用)早川小学校.2018.鳥は木の実を色で選ぶのか味で選ぶのか.BEANSレポート.pp11.(BEANSレポートは、早川北小学校で取り組んでいるBEcome A Nature Scientists「自然科学者になろう」の野外自然観察活動で学んだ内容を報告しているものです)(写真)2023年11月30日、2022年11月9日、2021年12月5日いずれも柏市内の谷津田で撮影
2023.11.30
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9月に入るといよいよカモの仲間が飛来します。鳥友から質問をもらうエクリプスについて画像とその特徴を整理してみました。(1)そもそも、エクリプスとは氏原(2015)が述べているように、普通カモ類の雄に使われる用語で、雌のような地味で目立たない羽色に換わる個体をエクリプスと呼ばれています。完全なエクリプスが見られる種類は、叶内(2020)が記しているようにオシドリ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、コガモなどとされています。(1)エクリプス個体の特徴一枚目の写真は、は2016年9月14日に手賀沼で観察したエクリプス個体です。嘴基部側面に黄色味があり、脇羽は丸みがあります。さらに、最外三列風切の黒条の出方に注目すると、黒条の上辺がは羽先に向かって伸びています。アメリカコガモでは黒条の上辺が羽先3分の一程度の位置にむかって伸びており違いがあります。(2)雌非繁殖羽個体の特徴二枚目の写真は、2020年1月4日に手賀沼で観察した雌個体です。嘴基部はほぼ黒くなっています。(秋には黄色味があります)脇羽は丸みを帯びています。(幼鳥では脇羽がV字状に見えます)また、最外三列風切の黒条の出方に注目すると、エクリプスと同様に黒条の上辺がは羽先に向かって伸びています。(3)雄エクリプスから生殖羽に換羽中三枚目の写真は、2020年12月12日に手賀沼で観察した個体です。脇羽は大きめで丸みがあります。肩羽の模様は幼羽と比べると明瞭さがありません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p131-137.誠文堂新光社.叶内拓哉.2020.フィールド図鑑 日本の野鳥.p36-37.文一総合出版.
2024.08.30
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一昨日、千葉県旭市飯岡漁港から矢指ケ浦海岸に出かけて、シノリガモなどの水鳥を観察してきました。鳥友から雌の年齢と羽色のいろいろについて質問をもらいましたので、復習をしてみた結果を整理してみました。一枚目は、1日に飯岡漁港で見かけた雌個体です。耳羽に丸い白斑がありますが、その後に縦の白線はなく腹部に粗い横斑がありました。二枚目は、茨城県平磯海岸で観察した個体です。嘴が白っぽく見え、褪色はした幼羽が胸に残っていた雌第一回冬羽と思われました。三枚目は、一枚目と同様に見えますが上面が一様に暗色で雌成鳥と思われます。さっと観察してなんだシノリガモかとしてしまえばそれまでのことですが、年齢による識別を掘り下げていくと実に奥深さがあります。(写真)2020年2月1日、2017年2月12日、2014年1月2日撮影
2020.02.03
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昨年の暮れ、新浦安側の水域でコオリガモ、ビロードキンクロなどの海ガモと出会ったことをブログで報告したら鳥友がぜひ案内してほしいとのことで現地で合流し案内しました。お目当てのコオリガモは、今日も新浦安側の水域の簀立てが設置されている水域に姿がありました。その動きは活発で船橋海浜公園よりの水域にいたと思ったら、今度は外湾に近い水域に移動したりを繰り返していました。しかし、写真を記録するには距離が遠すぎて思うように記録できずに終わりました。このため、アップした画像は6年前に旭市飯岡の海で出会ったときのものです。また、ここのアイドル、ビロードキンクロは堤防に近い距離で羽を休めたり、ススガモと一緒に潜水して餌をゲットしたり、お腹を見せて羽づくろいしたりして楽しませてくれました。このほか、ススガモの雌雄の羽色のいろいろやヒドリガモ、潮が引いたときに堤防下に飛来してくれたイソシギとハマシギとの出会いもありました。なお、私は近くにある沿線施設の駐車場に愛車を入れましたが、堤防に一番近い霊園の駐車場と堤防にでる門が新型コロナウィルス感染対策の関係で閉じられていました。(写真)2021年1月5日撮影
2021.01.05
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久しぶりに茨城県神栖市にある神之池を訪ねました。各地でカモたちの飛来数が年より少ないところが多いので水面を丹念に探索しました。水面にはヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、アメリカコガモ、キンクロハジロ、ミコアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、セグロカモメ、オオセグロカモメといった種類が羽を休めていました。カモ類の個体数は、オナガガモ約6000、マガモ約800、コガモ約230、トモエガモ3、ヒドリガモ約240と約7000羽余りで例年より3000羽以上少ない結果でした。それでも東端の水面でアメリカコガモ、ミコアイサの雄をじっくりと観察できたのが収穫でした。アメリカコガモの頭の緑色帯の淡色線が不明瞭な点、胸と脇の境にある太い白線、しっかりと観察してきました。(写真)2021年2月7日撮影
2021.02.07
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とがった頭とずんぐりした体型のヤマシギが東葛地区の公園に滞在しており、出会えたらと思い現地に出かけました。到着したばかりは姿がなかったものの、しばらくして林縁に出現してくれました。頭と頬が灰褐色、頭頂から後頭にかけて黒褐色の横斑、目先と目の下にある黒っぽい線は目に近いほうで間隔が広く、上面は褐色ベースに黒と淡色の模様が独特の成鳥でした。このほか、同地にアトリ、アオジの姿もあり、出会いを堪能しました。その後、手賀沼沿岸の公園まで移動し、トラツグミとの出会いを楽しみました。到着直後は地面で葉っぱをひっくり返して餌を探していましたが、その後近くの木の枝に移動し、小一時間日光浴をしていたのか姿を現さず、行動範囲はほぼ把握できているのでひたすら待機しました。一時間程度経過して日が陰った時に地面を歩きながら登場。ピンク色の足、黄色と黒の虎縞模様が素敵でした。(写真)2022年2月28日撮影
2022.02.28
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鳥友から柏の葉公園でトモエガモの雌と思われる個体を観察したが、シマアジ、コガモの雌と識別するにはどんなところをポイントにしたらよいかと問い合わせをもらいました。(トモエガモ)1枚目の写真は、2020年11月印西市で観察した個体です。過眼線と眉斑は不明瞭で眼先には及びません。嘴付け根に白い丸斑が目立ちます。肩羽の先端が尖っており、コガモとの識別のポイントです。二枚目の写真は2018年1月に手賀沼で観察した個体です。奥がトモエガモ、手前がコガモです。(シマアジ)三枚目の写真は、2019年10月に都内水元公園で観察した個体です。過眼線と眉斑が明瞭で眉斑はコガモと比べると白っぽい印象です。四枚目の写真は、2000年4月に我孫子市北新田で観察したペアです。右側の個体の雨覆に淡灰色は認められず、雄のエクリプスではないと思います。(コガモ)五枚目の写真は2019年11月に手賀沼が観察した雌個体です。嘴は黒色で嘴基部側面は黒です。(秋に渡来したばかりは黄色味があります)眉斑、過眼線はシマアジと比べると目立ちません。六枚目の写真は、2016年9月に手賀沼で観察した雌個体です。嘴は黒色で、嘴基部側面に黄色味があります。
2022.10.02
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鳥友から印旛沼にシジュウカラガンと思われる個体を観察したと教えてもらいました。ようやく今日、現地に足を運ぶことができました。姿は沿岸の入り江近くのポイントにありました。頭から額は黒く、頬から喉に白斑があり、嘴は黒色、胸は灰褐色でした。このほか、ヨシガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、カンムリカイツブリ、モモイロペリカン、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、トビ、チュウヒ、カワセミ、モズ、ヒヨドリ、ジヨウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、オオジュリンを観察できました。アップした画像は、シジュウカラガン、ヨシガモ(エクリプスが生殖羽に換羽中)、マガモ、オナガガモ、カンムリカイツブリ、オオバン、ホオジロ、モズ、帰り道に立ち寄ったハクチョウの里で見かけたコハクチョウです。(写真)2024年11月4日撮影
2024.11.04
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鳥友からある方のブログでメジロガモとキャップションがついていたが、その後アカハジロと訂正されていた。そもそもアカハジロの識別はどんなところを確認したらよいかと質問をもらいました。2017年2月に都内浮間公園で観察したアカハジロ雄の画像をアップします。下記のすべてを満たしていることが必要だと考えています。(観察した個体の特徴)(1)光彩は、観察した個体では淡黄色でした。(個体によっては白色に見える場合もあります)(2)頭部の緑色で光沢のある色、あずき色の胸(3)脇のほぼ上端まで白色部が食い込んでしました。(4)白い下尾筒(メジロガモ、ホシハジロとの雑種)氏原(2015)が観察記録と撮影画像を示し、アカハジロとメジロガモについて解説をしています。雑種については次のとおり記しています。(メジロガモとの雑種)頭頂周辺に赤褐色があり脇の赤褐色の広い個体はメジロガモとの雑種です。(ホシハジロとの雑種)嘴の黒斑が幅広い、光彩に赤味が混じる、脇や体上面にはっきりと波状斑があり灰色がかる、下尾筒の白色部が小さいなどがある場合はホシハジロとの雑種です。(アカハジロのエクリプス)アカハジロ雄のエクリプスは頭部は緑色の光沢がなく、嘴基部や耳羽に褐色部が出ます。脇の褐色部は雄生殖羽より広く、白色部への食い込みもはっきりしません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p188-196.文一総合出版.
2022.11.18
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鳥友から千葉市内の10haあまりの公園内に毎年レンジャク類が飛来していると教えてもらい、現地を訪ねました。古代、麻績(おみ)氏により開発され、麻布を生産するために池で布をさらしたことから池の名がつけられた公園の近郊にあるヤドリギにその姿がありました。現地に通っている方によると、今朝は合計38羽のレンジャクが池に水を飲みに飛来した姿を目撃した由。今日、観察したポイントでは、ヤドリギに10羽の姿があり、うち一羽はキレンジャクでした。残りは、ヒレンジャクでしたが大半が下尾筒が橙色で若鳥、第一回冬羽でした。(写真)2023年3月3日撮影
2023.03.03
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秋の渡りの時期、カッコウ科の鳥類が公園、霊園などに立ち寄る姿を見かけます。識別ポイントは、鳴き声、大きさ、上面の色、体下面の横斑、下尾筒の色と横斑、初列風切の横斑、虹彩の色です。(1)腹の横斑カッコウ科のジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギスのうち、腹の白地に黒色横斑があるのはカッコウ、ツツドリ、ホトトギスです。カッコウの黒色横斑は細い11~13本、ツツドリは間隔の広い太めの横斑が9~11本、ホトトギスは太めで間隔のある黒色横斑が7~9本です。なお、ジュウイチには横斑はありません。なお、カッコウは後頭に白斑があります。一枚目の写真は昨日八柱で観察したツツドリ、二枚目の写真は2022年9月7日に都内で観察・撮影したツツドリです。三枚目、四枚目は2017年9月2日野田市で観察・撮影したカッコウです。(2)下尾筒の横斑と色下尾筒に注目してみると、ジュウイチ、ホトトギスには横斑は見えず、カッコウ、ツツドリには黒色横斑があります。また、カッコウでは白地に細かい黒色横斑、ツツドリでは淡いバフ色にはっきりとした黒色横斑があります。一枚目も二枚目のツツドリと三枚目、四枚目のカッコウを比較してみると、違いがおわかりいただけるものと思います。
2023.09.06
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朝から青空が広がりました。先月20日以来の浮島の蓮田の探索を楽しみました。下面が白いのを除くと全体的に灰褐色のオオハシシギ冬羽、下嘴基部か朱色で上面が灰色で白斑が点在するツルシギ幼羽、針のように尖った嘴と上面が淡灰色と変化してきたコアオアシシギ幼羽が第一回冬羽に換羽中の個体、各羽の羽縁が尖り気味のアオアシシギ幼羽、上面の羽縁に淡色斑のあるタカブシギ、肩羽に赤褐色味があるトウネン(今日観察した個体では肩羽と背にはうっすらしたV字の帯はなし)、7羽のセイタカシギ、ピョッピヨッと声を出しながら蓮田の上空を飛翔していたミサゴ2羽を観察しました。(写真)2024年10月11日撮影
2024.10.11
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田尻(2007)が述べているようトモエガモは、極東アジアにのみ分布.東部シベリアを中心に繁殖し、東はチュコト半島からカムチャツカ半島,西はエニセイ川流域まで.越冬地は朝鮮半島西~南岸の湖沼、中国南西部、日本では主に本州日本海側と九州北部で越冬するガンカモ科の鳥類です。近年、千葉県印旛沼にトモエガモがの大群が飛来することで知られていますが。2016年以前は姿を見かけないか、限られた個体数が記録されるのみでした。ところが、2019年以降、個体数が急激に増加しています。今シーズンの動向が注目されます。(絶滅が危惧された時代)トモエガモは、かつては環境省(2002)が報告しているように1930年前後を境に渡来数が急激に減少し、国内に飛来していたトモエガモの個体数は1000から2000羽飛来していたものが1990年代前半には300から400羽に落ち込んだと報告しています。さらに、先行きを注視する必要があるとして絶滅危惧種Ⅱに区分されました。(日本の越冬数が増加)ところが、環境省(2021)が実施したガンカモ科調査の結果、2010年ごろから数千羽以上のサイズの群れの記録が増え、神山・櫻井(2023)が報告しているように2017/18年の越冬期から急に数が増えていると述べ、最大の越冬地韓国の最近10年くらいの越冬数は毎年30-40万羽で安定しており韓国の越冬群が日本へ分散してきたのではなく、トモエガモの総数が増えたために日本の越冬数が増加した可能性を指摘しています。(印旛沼の越冬個体数)環境省(2021)は、調査地以外でも千葉県北印旛沼で毎年数千~数万羽が飛来しているとの情報もあり 、太平洋側でも飛来数の多い場所があるかもしれないと記しています。印旛沼での観察記録(私信、未発表)を振り返ると、2016年12月24日に10羽、2019年12月28日に沼で1羽、沼近郊の公園の池で38羽、2020年2月29日に636羽、2021年11月28日8988羽を観察しています。それが、2021年12月19日に3万羽を超える個体数、2022年1月13日5万羽を超える個体数、2023年12月13日64000羽の個体数を記録しています。印旛沼では2019年から2020年冬に増加傾向が見られ、2021年11月に急増しました。(他地域の動向)読売新聞(2024)が報じた記事によると、2024年1月に島根県内7か所で水鳥個体数調査の結果では2022年度より6万9043羽多い11万9458羽の野鳥をち約半分がトモエガモで、このうち宍道湖では5万8000羽だった。県によると、県内7か所のトモエガモは19年度が2羽、20年度が8002羽、21年度が000羽、22年度が4023羽で今年度の数が突出していると述べています。(読売新聞2024/01/18)(引用)環境省.2002.改訂日本の絶滅のおそれのある野生生物.p150-151.田尻浩伸.2007.トモエガモ Bird Research News Vol.4 No.12.p4-5.環境省.2021.モニタリングサイト1000 ガンカモ類調査 ニュースレター2021年10月発行.神山和夫・櫻井佳明.2023.トモエガモ全国調査がスタート.バードリサーチ 水鳥通信.2023年1月号.p1.(写真)2枚とも2024年1月27日印旛沼で撮影
2024.10.25
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もう少しで冬シーズンが到来しますが、越冬する鳥たちが何を食べるいるか、外敵からどのように逃げて暮らしているかは、興味のあるテーマです。沼、湖沿岸で見かけるホオジロ類は、比較的姿を見かけやすいので観察するにはもってこいです。山岸ほか(1969)は、千葉県印旛沼沿岸でホオジロ類について何を食べ、どのように暮らしているのかなどについて調査を実施し結果を報告しています。その内容の一部を紹介します。(ホオジロ類が目撃された環境)印旛沼沿岸の沼沢地帯、水田地帯、山麓地帯にまたがる広い範囲を調査した結果は、つきのように整理できると述べています。(1)オオジュリン沼沢地帯と水田地帯の中にモザイク状に残されている沼沢部に限って出現し、きわめて環境選択の巾が狭いと記しています。さらに、採食地、第1避難所、第2避難所をもっていて3つの区分をもつ単位行動圏があることも報告しています。(2)カシラダカ三地帯にわたって巾広く出現し、出現個体数も他の4種に比べて一番多い。しかし量的に沼沢地にかたよる傾向は明らかと記しています。このほか、あまり乾燥していない地上をえらぶ一方で山麓地帯の田の表面にいて林内へ隠れ、他方では沼沢地帯のヨシ、ガマの倒れた地域へ大群であらわれたとも報告しています。(3)ホオアカ沼沢地帯の1か所で記録されたのみで、ペアで出現したと記しています。(4)ホオジロカシラダカと同様に3地帯にまたがって出現するが、3地帯の中では荒地、路傍、林縁等が選択される傾向があると記しています。(5)アオジ沼沢地帯には出現せず、主として山麓地帯で記録されたが水田地帯の隔絶された松林のと堤防に沿った溝の中で観察したと記しています。また、開けた地上で採食し、ブッシュの中へ隠れ、ほとんどペアーで出現していると報告しています。(沼沢地帯でのオオジュリンとカシラダカ)採食場所が違っていること、群れの構造が違い、生態的に分離していると報告しています。具体的には、オオジュリンは高桿植物で採食ができるが、カシラダカは地上へおりる。オオジュリンは採食場所と避難場所をわけて個々バラバラにその間を往復している。カシラダカはその区別がなく、食物とするイネ科とカヤツリグサ科の分布の大きさに応じて大きな集合をつくっていると述べています。(引用)山岸哲・中村登流・須山才二・飯島一良・牛山英彦・香川敏明.ホオジロ属5種の越冬生態の比較研究.山階鳥研報.第5巻.第6号.p585-601.(写真)オオジュリン:2018年3月12日手賀沼沿岸カシラダカ:2016年1月7日野田市ホオアカ:2022年11月7日手賀沼沿岸ホオジロ:2014年1月27日手賀沼沿岸アオジ:2019年2月27日さいたま市
2024.10.28
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昨日、印旛沼でシジュウカラガンを観察しました。シジュウカラガン大形亜種は北アメリカ大陸原産の水鳥で、観賞や展示目的で輸入されたものが逃げ出し野生化したもので、生態系への影響でもっとも危惧されるのているのは、在来種のシジュウカラガン小型亜種ガン)との交雑です。在来種シジュウカラガン小型亜種とはきちんと識別される必要があります。シジュウカラガンの亜種は8~12亜種(研究者によって見解の違い)に分けられています。野外で識別可能なヒメシジュウカラガン、オオカナダガンとの違いを整理したものを提供します。(1)亜種シジュウカラガンBranta hutchinsii成鳥には首の付け根に白線の輪があり、普通は幅が広くはっきりしています。(ただしその年生まれの若鳥は翌春までの間は白輪はないか、あってもまだらにある程度の個体も存在します)この他の特徴は、胸の色は変化に富むが、普通は灰褐色で紫色味を帯びることはない。くちばしの長さは普通32~38mm、左右の頬の白斑はほとんどの場合顎の下で黒い羽毛で分断されています。一枚目から三枚目の写真は、昨日印旛沼で観察した個体です。首の付け根に白い輪がありました。このほか、頭から額は黒く、頬から喉に白斑があり、嘴は黒色、胸は灰褐色でした。四枚目から六枚目の写真は、2019年11月、2022年11月に伊豆沼沿岸で観察・撮影したシジュウカラガンです。(2)亜種オオカナダガンB.h.moftitti亜種シジュウカラガンの2倍の大きさがあり、鳴き声は鳴り響くようにホーンクと鳴く、胸の色は淡い、くちばしと首は長い。胸が白い。七枚目と八枚目は、山梨県山中湖で2009年2月に観察・撮影した亜種オオカナダガンです。(3)亜種ヒメシジュウカラガンB.h.minuma(ご指摘をいただきB.h.moftittiを訂正します)マガモの1.5倍程の大きさで、甲高い音でキャク、キャクと鳴く。胸は暗褐色か赤褐色であるが、しばしば紫色味を帯びる。くちばしは短くて太く、その長さは普通32mmを越えることはない。首の付け根に白い輪が現れることもあるが、あっても非常に細いか不完全であることが多い。くちばしから前頭部にかけての形と頭部は全体的に丸味をおびている。左右の頬の白斑はしばしば顎の下でつながっているが、黒い羽毛で分断されていることのほうが多い。九枚目と十枚目の写真は、2022年1月印西市で観察・撮影した個体です。頸に白い輪はなく、胸が褐色でした。嘴は比較的短い印象で、亜種ヒメシジュウカラガンではないかとの印象を持ちました。しかし、体の大きさがマガモの1.5倍程度かどうか、近くにマガモの姿はなく比較できませんでした。(参考)シジュウカラガン亜種の特徴は、雁を保護する会が作成したガン類調査マニュアルのカリフォルニアに現れるカナダガンの亜種に付いての野外での特徴の記載を参考に記しました。
2024.11.05
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今冬はじめて茨城県坂東市と常総市にまたがる菅生沼に出かけました。坂東市神田山の観察ポイントにまず立ち寄り、その後常総市大崎側の観察ポイントに立ち寄りました。神田山のポイントで羽を休めていたカモの仲間は、オオハクチョウ、コハクチョウ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、ミコアイサ。これにくわえて、今日は猛禽が次から次に登場してくれたラッキーデーでした。カモが羽をやすめていたポイントの北北西方向からキィユと鳴き声がしたと思ったらチュウヒが登場。葦原の上を飛翔し三巡目ーとなったときに東方向から茶色の猛禽が登場したと思ったらオオタカでした。なんとチュウヒとバトルし追い払い、誇らしい顔をして低木の枝に止まりました。この光景だけでも豪華なのにその対岸からピーエーとノスリの鳴き声。飛翔し枝にとまりました。その上空にもトビが鳴きながら旋回する光景となりました。アップした画像のうち、チュウヒは頭部から頸がクリーム色で褐色の部分がありました。虹彩は暗色に見えたので若鳥と思われました。(写真)2019年12月21日撮影
2019.12.21
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昨日、茨城県稲敷市浮島でアカエリヒレアシシギと出会いました。近似種のハイイロヒレアシシギの外観との比較をし、復習してみました。一枚目と二枚目は昨日10月3日に浮島で撮影したアカエリヒレアシシギです。嘴は全体が黒く、細いのが特徴です。三枚目と四枚目は2010年4月に旭市飯岡海岸で出会ったハイイロヒレアシシギです。嘴は黄色でアカエリヒレアシシギの黒色とは異なります。また、嘴基部や嘴全体も太い点はアカエリヒレアシシギとの違いです。三枚目の個体は、上面がグレーで斑がなく、冬羽です。四枚目の個体は、頭上の黒い部分が摩耗し、上面に赤褐色の地が少し見えています。冬羽が夏羽に変化している最中のものと思われます。
2020.10.04
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昨年、鳥友が住む街にあるツミが毎年飛来する林でカシノナガキクイムシが木に入り込みナラ枯れが発生しているのを目撃しました。昨シーズンは、カシノナガキクイムシが媒介する「ナラ菌」により、ツミの暮らしていた林のナラが紅葉したような感じに葉が赤くなり、被害を受けた木の根本には穿入と繁殖により排出された大量のフラス(木くず・虫糞等)が見られました。ツミが同じ林で営巣・産卵するかはまだわかりませんが、昨年から今年にかけて樹木医の方が林の健康状態をチェックされて伐採、伐採保留、伐採せずなどのランクをつけた後、何本かはすでに伐採されていました。林では、シジュウカラやエナガが巣材のコケを営巣場所に運搬する姿、エナガが虫の繭から幼虫がくるまっている糸状のものをひっぱり出していました。以前、テレビで繭から糸を引っ張りだし巣の外壁をかためのに使うことを放映していましたがそれとは別の行動のようでした。(写真)2022年3月24日撮影(ツミは19日撮影のもの)
2022.03.24
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午後、短時間ですが、ホームグランド手賀沼とその沿岸を探索しました。到着し観察と撮影ツールを整えていたら、すぐ脇の田んぼからコミミズクがカラスに追尾されて飛び立ち、ふわふわと飛翔し移動していきました。このほか、沼の浅瀬ではコサギが中国武術の舞いのように水面を移動しながら餌の魚を追尾している姿、水面の工作物に餌の魚を持ったミサゴがカラスと睨んでいる光景、浅瀬で弁足を披露しながら移動するオオバンの姿を観察しました。(写真)2022年11月28日撮影(なお、コミミズクは2021年2月撮影もの)(備考)2021年冬まで手賀沼沿岸に滞在していたコミミズクを巡って地元の農家の皆さんと撮影者の間でのトラブルがあった模様で、現在は沿岸の水田地帯への車両侵入ができなくなっています。このような関係で本日の観察箇所については、お問い合わせをいただいていもおこたえをいたしかねます。あしからず。
2022.11.28
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水元公園にカモと水辺の鳥を探しに出かけました。グリーンプラザ付近からサンクチュアリー、メタセコイヤの森、水元大橋を経由し三郷市高須までの水面と隣接する林を探索しました。カモの仲間では、ヨシガモ、カルガモ、ホシハジロ、キンクロハジロの姿、くわえてカイツブリ若鳥が水面で休んでいるカモに接近し遊ぼうよとぱかりコンタクトをしますがカモの方はかまってくれず。また、せせらぎ広場から小合溜の水域では、コサギとダイサギの狩りを観察。最初コサギは忙しく歩き回り水面に嘴を差し込んで餌の捕獲をしていましたが失敗ばかりで足で水をかき回し浮き上がってくる餌を捕食するスタイルの変更したところスムーズに採餌。ダイサギの方は水面近くで待ち伏せし捕食するスタイル。待機時間は長かったのですが見事に魚をゲット。平年であれば、カッコウ科やヒタキ類が姿を見せてくれるのですが、今日はシジュウカラ、メジロ、カケスといった種類が登場したのみでした。(カモの羽衣)・ヨシガモ:合計5羽の姿を観察。雌非生殖羽(大雨覆が雌幼鳥よりも白色部が多い)と雌幼羽(大雨覆は羽先以外は暗色)の姿を観察しました。・ヒドリガモ:雌非繁殖羽(脇の羽が丸みが強い)、雄生殖羽を観察・ホシハジロ:雄生殖羽(赤褐色の頭、黒い胸と尾筒、グレーの体)と雌(目の周囲が白っぽい)個体を観察。・キンクロハジロ:雌(嘴基部が白く、虹彩は黄色、上面が黒っぽい)を観察(写真)2024年10月16日撮影
2024.10.16
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閲覧しているブログに10月23日茨城県涸沼にてミヤマガラスを観察したと記事があり、その後25日流山市で私共がミヤマガラスを観察しました。渡りのルートがどうなっているかと文献に目を通してみました。(西日本から東進し拡大した時代と北日本から太平洋側に拡大した時代)高木(2010)が、ミヤマガラスは1970年代には主に九州地方に渡ってくる冬鳥として知られていたが、越冬地は1980年代に中国・四国地方や北陸地方へ拡大し、その後、1990年代に北日本から本州太平洋側へと拡大したと報告をしています。その後、高木ほか(2014)が東日本の渡り経路を解明するために衛星による追跡調査を行い報告しています。調査は、秋田県八郎潟でミヤマガラス20羽に装着した送信機により動きを追跡したものでした。追跡した20羽のうち11羽は日本海を渡りロシア沿岸地方に到達するまで追跡ができ、11羽のうち8羽は繁殖地に到達したことを追跡できたと報告しています。八郎潟のほか男鹿半島、能代平野に滞在したあと北上をスタートさせたと記しています。北上した個体のうち日本から渡去した地域を特定できたのは8羽で、飛び立ち地域は8羽のうち2羽が青森県津軽半島、5羽が北海道渡島半島、1羽が積丹半島だった述べています。その後、沿海地方にたどり着いた11 羽のミヤマガラスのうち、5羽はハンカ湖とアムール川にかこまれた中国黒竜江省三江平原に到達し、3羽は三江平原を越えてアムール川を遡ってロシアのブラゴヴェシェンスクの東の一帯に到達し、その地域が繁殖地と考えられる旨を報告しています。この結果から、東日本に渡来するミヤマガラスの繁殖地がこれらの地域と推定されたとの結論に至ったと結んでいます。以前は、西日本の九州地方から東に向けて分布が広がったと考えられていました。しかし、高木ほか(2014)によって大陸から渡来するミヤマガラスの繁殖地が推定され、東日本越冬個体群は西日本越冬個体群とは別に拡大した可能性が高まったと述べています。ちなみに、私が閲覧しているブログに10月23日に茨城県涸沼にてミヤマガラスを観察したとあり、その後25日流山市で私共がミヤマガラスを観察しています。大陸から同じルートで渡ってきたのかと思っています。(引用)高木憲太郎.2010.日本におけるミヤマガラスの越冬分布の拡大.Bird Research Vol. 6.pp. A13-A28.高木憲太郎・時田賢一・平岡恵美子・内田 聖・堤 朗・土方直哉・植田睦之・樋口広芳.八郎潟で越冬するミヤマガラスの渡り経路と繁殖地.日本鳥学会誌.第63巻.第2号.p317-322.(写真)2019年1月23日手賀沼沿岸で撮影、2012年11月25日流山市市内で撮影
2024.10.26
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先週、茨城県波崎新港と千葉県銚子漁港に立ち寄り冬鳥を探索しましたが、海ガモのシノリガモの姿が見つからずその姿を求めて旭市矢指ケ浦から飯岡漁港までの海岸を探索して歩きました。かんぽの宿から矢指ケ浦海岸までのテトラポットが積まれたエリアでシノリガモ、クロガモ、ミユビシギ、ハマシギ、セグロカモメなどの姿を見つけました。また、飯岡漁港周辺の水域でクロガモ、シノリガモ、アカエリカイツブリ、キンクロハジロといった仲間の姿も見つけました。シノリガモは矢指ケ浦で見つけた個体は肩羽から三列風切に大きな白色部のある雄生殖羽でしたが、飯岡漁港で見つけた個体は生殖羽と比べると脇の赤褐色がない雄第一回冬羽個体でした。また、雌個体は側頸に白線はなく、羽色は黒褐色でないので第一回冬羽では思いました。シノリガモもよく観察してみると、羽色がいろいろで奥が深い種類です。(写真)2020年2月1日撮影
2020.02.01
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佐倉市にある川村美術館を訪ねました。もちろん、お目立ては毎年飛来しているオシドリです。水辺に近い岸辺で休んでいたオシドリの雌雄、暖かさに誘われてウトウトしている表情と時折目を開ける仕草の愛らしいこと。ペアになっているもの、雌をめぐって数羽の雄が囲んでいるもの、嘴がピンクで肩羽、雨覆にバフ色の羽縁のない雄エクリプス、成鳥なのにまだ銀杏羽が形成されていないもの、もうペアとなってペアリングを行っていた雌雄の姿と実にいろいろなオシドリを観察できました。(写真)2022年10月23日撮影
2022.10.23
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今朝はとうとう宅地造成の工事がスタートしました。工事着工予定が7月末となっていたのですが、大幅に繰り上がりました。プルドーザーで次々に林の木が伐採されていきます。あの木は何年前にツミが営巣した木、この木はあの年の営巣木と思い出が次々と思い浮かんできました。ツミの幼鳥が誕生し48日齢前後ですのでまだ単独で狩りができないはずなので、家族の姿が近郊にあるはずと思い、探索。広大な公園の一角で成鳥雌雄各1羽、幼鳥4羽が鳴きながら地面に降りたり、枝に移動したりを繰り返していました。若鳥たちのターゲットはセミで、セミを追い詰めて地面に落下したものを食べているのとがわかりました。近くには成鳥雄がテレビアンテナに止まにらみを利かせ幼鳥たちの行動を見守っていました。本来は、誕生した林でセミの捕獲をする時期なのですが、今シーズンは親鳥に連れられて移住をせざるを得なかったので不憫でなりません。(写真)2023年7月21日撮影
2023.07.21
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千葉市内の10haあまりの公園内に毎年レンジャク類が飛来しています。古代、麻績(おみ)氏により開発され、麻布を生産するために池で布をさらしたことから池の名がつけられた公園の近郊にあるヤドリギにその姿がありました。30羽のうちの10羽程度の群れがヤドリギの実を食べると口の中がネバネバになるのを嫌うのか木のくぼみに溜まった雨水をよく飲んでいました。個体を見ていくと、下尾筒が橙色のものが多いのですが、赤っぽい個体も数羽目撃。また、冠羽を広げていた個体とそうでない個体の両方を観察しました。(写真)2024年3月4日撮影
2024.03.04
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昨日、茨城県稲敷市浮島でツバメチドリを観察しました。内訳は、上面の羽縁が淡色で胸がグレーで喉に縦斑が見える幼羽個体、喉の縦斑があり喉を囲むように黒線がある個体が2羽、喉が黄色でそれを囲むように黒線があり胸下面近くに橙色が残る成鳥1羽の合計4羽でした。過去に潮来市までの水田地帯で見かけたツバメチドリの羽衣を復習してみました。ご参考になれば幸いです。(1)昨日と同様の若鳥個体四枚目の写真は2014年8月3日稲敷市西の洲干拓地で観察した個体です。上面の羽縁が淡色で胸がグレーで喉に縦斑が見える幼羽でした。(2)第一回冬羽に換羽中の個体五枚目の写真は、2020年8月24日に稲敷市と潮来市の境界で観察した個体です。喉に縦斑が残っていて喉を囲む黒線がうっすら見える幼鳥から第一回冬羽に換羽中の個体と思われました。(3)第一回冬羽六枚目の写真は、2014年8月18日に稲敷市西の洲干拓地で観察した個体です。喉の黒線はまだないものの、全体の羽縁がわかようになった第一回冬羽です。七枚目の写真は六枚目の個体と同じもので、下雨覆が赤褐色の一部がわかります。(4)亜成鳥八枚目から十枚目の写真は、2020年8月24日に稲敷市と潮来市の境界で観察した個体です。喉が黄色っぽく、喉を囲む黒線が点線状に認められるようになった個体です。(5)成鳥十一枚目の写真は、2014年7月20日に稲敷市西の洲干拓地で観察した個体です。喉が黄色で囲む黒線がはっきりとして下面に橙色味があり、嘴基部が赤色となっていた成鳥個体です。
2024.08.19
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鳥友から茨城県南西部坂東市にある逆井城址公園はヒタキ類のカッコウ科の鳥が立ち寄フィールドに教えてもらい、現地に出かけました。公園の全体面積約63,000㎡には、桜の木などいろいろな樹木、四季折々の花があり最盛期の艶やかさに想像をめぐらせ散策を楽しみました。築城が1577年、1590年廃城となりましたが、外堀と土塁が残り、櫓門、橋、塀、主殿、二層櫓などが復元され我々が目にする城址公園となっています。地元の日本野鳥の会茨城県では秋限定で探鳥会を開催しているそうで、ヒタキ類、カッコウ科の鳥たちとの出会いを楽しんでいるのだそうです。到着早々、3羽のエゾビタキが登場し、目を楽しませてくれました。頭部から体上面がグレーがかった褐色で、三列風切の淡色の羽縁が目立ち胸の縦斑が観察できました。枝に止まっては弧を描くように飛び空中で虫を捕食する姿を何度も目撃できました。このほか、シジュウカラ、メジロ、上空を複数のカケスが飛翔し移動していく姿がありました。帰り道、坂東市の菅生沼に立ち寄り、イソシギ、複数のダイサギ、オオルリの囀りを真似て鳴き声を出していたモズの姿(下面に鱗模様があり雌と思われました)を見つけたり、楽しい時間を過ごしました。なお、菅生沼ではカモの姿はまだなく、次回以降のお楽しみとなりました。(写真)2024年10月2日撮影(訂正)市の名前を常総市から坂東市と訂正させてもらいました。
2024.10.02
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稲敷市稲波干拓地は、広さ230haの水田地帯で1985年2月に34羽のオオヒシクイの姿が目撃されて以来、毎年越冬しています。平年では11月に入るとその姿を見せてくれる時期となります。、ところが、2010年代半ば頃から越冬生活に変化が見られ、今シーズンはどうか注目しています。変化の中身は、2015年シーズン後半から原因不明の飛び出しが続き、稲敷雁の郷友の会が要因を調査し報告しています。その内容の一部を紹介します。稲敷雁の郷友の会(2016)は、大別すると、2つの要因を指摘しています。(1)外的圧力による要因稲波干拓内やその周辺の環境(外的 圧力)に敏感に 反応し、さまざまな要因で飛び出し、稲波干拓から飛去する回数が増加している。今シーズンの飛び出し 件数 は、干拓から北東方面に飛去した回数が114回、干拓内の移動に留まった回数が39回で合計153回を記録したと述べています。(2)稲作から蓮田への転換による変化稲作から蓮根栽培に転作する農家が増加傾向にあり、年々蓮根田が増加 している。栽培田の分布は越冬地北東側と南西側の一部に栽培が行われているだけだったが徐々に栽培面 積が広がり、従来オオヒシクイが越冬期間中に餌場やねぐらに80%以上も利用する区画の中心に蓮根 栽培が始まり、オオヒシクイの行動に変化が起きていると記しています。具体的には、オオヒシクイが越冬する時期と蓮根収穫時期が重なり、干拓地内の農作業が途切れないこと、作業車 が通過することから警戒した飛去が発生していること、収穫作業中の人や車 ポンプ用発動機の音等に警戒し、干拓 地上空を周回し 降りるのを諦めて北東方面に引き返した事例が発生していると報告しています。(3)休耕田の分布と影響越冬地南西部にある水田は、放置され田は葦類が茂り藪化しており、オオヒシクイに影響があるのではないかと危惧されています。(引用)稲敷雁の郷友の会.2016.国の天然記念物 オオヒシクイ越冬観察記録.2016年度シーズン.pp21.(写真)2023年12月8日、2015年11月21日、2013年12月23日撮影
2024.10.14
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(1)東口調整池(第一調整池)まず向かったのは駅東側にある調整池です。池にむかうエリアは、造成中であちこちに荒地が存在しています。草むらの中の小動物をねらってチョウゲンボウがホバリングする姿があり、スズメが群れで餌探しに余念がありませんでした。さて、調整池には、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、バン、アオサギ、ダイサギ、コサギが羽を休めていました。また、近くの荒れ地にタシギが降りたつ光景も目撃しました。アップした写真は、調整池から吉川美南駅方向の風景、マガモエクリプスが生殖羽に換羽中の個体(脇と肩羽がU字状で丸みあり)、コガモ雄エクリプス(嘴は黒色、大雨覆白色部が幅広い、頭頂から過眼線までヘルメットを装着したように濃く見えました)、ハシビロガモは雌雄ともに円を描くようにぐるぐる回って水面採食をしていました。このほか、ホシハジロ、キンクロハジロ、池の脇に広がる草はらで休んでいたアオサギ、コサギです。(2)西口調整池(吉川美南中央公園脇)東口を探索後、西口まで移動し調整池沿岸を探索。今日は水位が高く浅瀬でないのでシギ・チドリ類の姿はありませんでした。マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、アオサギ、ダイサギ、カワウが羽を休めていました。また、池の脇の住宅にアンテナにジョウビタキが止まり、カッカッカッと鳴いている姿を発見。アップした写真は、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、ホシハジロです。ホシハジロは、雌冬羽で目の周囲が白く口角上から眼の下に向かい頬線が伸びる顔のパターン、体上面と脇に波上斑がありました。(写真)2024年10月29日撮影
2024.10.29
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