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船着場に船が着いた時、空は漆黒の闇に染まりその所々に星が輝いていた。
「おい、着いたぞ、早く降りな!」
ずっと甲板で寝そべっていたロンに船員らしき男が怒鳴った。
ここに着く1時間ほど前だろうか、街へ向かう一頭の飛竜の影をロンははっきりと見た。
闇夜の様に黒く、しかし何処か夜明けの空を映した様に蒼いその姿は、この世界に生きる者の頂点に君臨する、竜そのものであった。
ドンドルマの方角に飛び去ったため、街が襲われているのではないかと思ったが、街は出発前と変わらない姿を残していた。
いや、むしろ活気に満ち溢れているようだ。
荷造りを終えて船の桟橋を歩いて行き、酒場の裏まで来たときに、ロンの耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
「・・・・という訳で、間一髪で間に合いましたよ。あぁ、リオレイアは倒してませんのでご安心を、尻尾からこれだけ剥ぎ取って来ただけです。」
「この声・・・・」
ロンは急いで酒場の階段を駆け上がった、途中でよろめいて他のハンターにぶつかったが構わず酒場へ向かっていった。
「あれ?君は・・・・・」
仲間と話をしていた男が、カウンター横で息を荒げているロンを見た。
間違い無い、昼間にロンを助けた剣士の男だった。
兜を椅子の脇に置いて、テーブルに出ている食事を食べていた。昼間顔は見えなかったが、胴鎧に付いた傷が昼に見た男の物と同じだったため間違いは無いだろう。
「あんた、何でここに居るんだ?同じ船には乗って来なかったはずだろ?」
男の方へ歩み寄り、ロンは喧嘩腰になって言った。
男は仲間に席を外すそうに言い、ロンに向き直った。
「いやね、陽鉱石堀に行ったのは良かったんだけどランゴスタがもう無茶苦茶に多くてさ、帰って来ちゃったんだよ、いや~参ったよあれには、はははっ」
そう言うと男は肉を切り分けて口へ運んでいた。
「聞いてることが違うだ・・・・ モゴッ!? 」
口の中にひと口大の塊が放り込まれた、昼間に飲まされたにが虫をまた飲まされたのかと一瞬思ったが、口の中に濃厚な肉汁が広がって行くのが分かった。
「美味いでしょこれ?帰って来た時くらい美味いものしっかり食べないとね。」
口に放り込まれた肉をやっと飲み込んで、口を開きかけた時、畳み掛ける様に男が言った。
「それと・・・無闇に詮索するのは止めたほうが良いよ、長生きしたければね」
その一言だけが嫌に重く感じ、それ以上は何も言わなかった。
「・・・・・・とりあえず座ったらどうだい?」
ロンは立ちっぱなしであった事に気が付き、男と向き合うように座った。
「ティナさん、これもう一つ出してもらえるかな?」
男は目の前にあるステーキを指差して言った。
「あら?いいけど・・・・お値段分かってるわよね?」
「大丈夫ですって、じゃ一つお願いします」
数分後、見事に調理されたステーキが目の前に出された。
みるみる内に口の中に唾液が溜まって行くのを感じた。
「僕の奢りだから気にしなくていいよ、さっきも言った様に、 帰って来れた時 には美味いもの食べないとね」
この意味が何なのか、やっとロンには分かった。
ロンはステーキを切り分けて口へと持っていった、柔らかい食感と溢れんばかりの肉汁が食欲に拍車をかける
ものの5分もせずに出された食事を平らげてしまったロンを見て男は少々驚きながら
「いくらなんでもかっ込み過ぎじゃ・・・・ま、いっか」
そう言うと男はテーブル脇にあるベルを鳴らした、しばらくしてカウンターの奥から一匹のアイルーが出てきた。
どうやら会計を頼んでいるようだ、アイルーの持ってきた会計表を見て男は凍りついた。。
「・・・・ちょっと待っててもらえるかな・・・?」
男がカウンターの方へ歩いて行き、ティナと何かを話していた。
「あの・・・なんで1800zも取られるんですか?」
「あら?さっき言ったはずでしょ?このお料理のお値段分かるのって」
「だからって・・・一人前で1800zっていくらなんでも・・・・」
気付かれないよう少しづつカウンターに近寄り、聞き耳を立てていた。
「一人前?それ、 2人分 のお値段よ?」
一瞬間が空いた
「・・・・・・えっと・・・・・今なんて・・・・?」
「聞こえなかったの?そのお値段、 2人分 よ?」
男は何故だと言わんばかりに声を大きくした
「 何でですか!?だってあの時出してくれるって・・・・ 」
「えぇ、 出してあげる とは言ったわよ?ただし、奢りだなんて一言も言って無いからね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ティナはにっこりと満面の笑みを浮かべながら手を出していた。
男は膝を付き、完全に沈黙していた。
それを見ていた周りのハンター達が一斉に笑い出した、ティナはにっこりと笑いながら手を出したままでいたし
ギルドマスターは呆れたと言うような顔をしている。
「・・・・ぷっ、はははははははははっ」
膝を付いてうなだれている男を見て、とうとうロンも噴き出してしまった。
「・・・・・・くくくく・・・あははははははははっ」
うなだれていた男自身も一緒になって笑い出した
「はははっ、あぁそう言えば自己紹介がまだだったね」
一通り笑い終わった男が立ち上がり、ロンの方へ向き直った。
「僕はジャンって言うんだ、よろしくね」
ジャンと名乗った青年は背中に黒い太刀を背負い、蒼くも黒くも見える鎧で全身を覆っていた。
「俺はロン、今日街に着たばかりなんだけど・・・とりあえずよろしく!!」
二人はそう言うと、互いに握手をした。
その夜、酒場では一時も休まる事無くドンドルマの夜を照らしていた・・・・・
続く
これ書くのに2時間半かけましたが何か?orz
長過ぎたと思いますが切る場所が見当たらなくて一応最後までぶっ通しましたTT
休日前じゃないと小説書けませんがこれからも見てやってくださいな^^;
では~
柱|ω・)ゝシュビッw