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9月27日午前11時53分に長野、岐阜県境の御嶽山が突然噴火した。今月に入って火山性地震が頻発していたが、これまでの御嶽山の火山性地震が必ずしも噴火に結びつくわけではなかったことや、山腹膨張などそれ以外の予兆がまったくなかったこともあって、噴火の予知は不可能だったという。そのため入山禁止などの措置がとれなかったので、多くの登山者が被害に遭い、28日現在、27人負傷、うち10人意識不明(朝日新聞)とか、7人が意識不明、42人が重軽傷(NHK)、あるいは山頂付近で31人の心肺停止が確認(毎日新聞ニュースメール)と報道されている。火山噴火を予知できないことで、大きな人的被害が出ているのだ。
肴町公園の集会風景。 (2014/9/28 14:15、14:27)
御嶽山噴火は、川内原発が新規制基準に適合していると判断した原子力規制委員会の結論がきわめて危ういことをあらためて示した。
九州電力は、川内原発の半径160キロ圏内に位置する複数のカルデラが、破局的な噴火を起こす可能性は十分に低いうえ、監視体制を強化すれば、前兆を捉えることができるとの見解で、それを規制委員会は容認した。
しかし、「東大地震研究所の中田節也教授は、カルデラ噴火の前兆は確実に捉えることができるとの見方を否定する。中田教授はロイターの取材に対し「とんでもない変動が一気に来た後に噴火するのか、すでに(十分なマグマが)溜まっていて小さな変動で大きな噴火になるのか、そのへんすら実はわかっていない」と話した」(
REUTERS
)と報じられているように、火山噴火の専門家は「前兆を捉えられる」とする「素人」の九州電力、原子力規制委員会の判断を否定している。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長が、原子力規制委員会に予知する術はないと強く批判したのはまったく当然のことなのだ。
火山噴火の一点を見ても、原子力規制委員は各分野の専門家と称しながら、専門家の学術的な意見に耳を傾けないのである。彼らの判断基準が、もはや学問的、専門的な知見に基づいているとは言い難いということだ。自分の専門分野以外のプロフェッショナルに敬意を払えない科学者というのは、科学者としてのアイデンティティを自ら否定しているに等しい。
他人の専門性を尊重せずに、自分の専門性は尊重してほしいなどとは、合理的な理性の持主なら口が裂けても言えないはずだ、ガキじゃあるまいし。
私たちは、原子力規制委員会の川内原発に関する判断を否定し、安倍政権の原発再稼働の政治的策動に抗い、鹿児島県知事の再稼働推進を拒否するために、今日もデモに出かける。
国分町通り(旧奥羽街道)を渡る。 (2014/9/28 14:40)
先週は山形市での一カ月に一度の日曜昼デモに加えさせてもらい、今日は地元の一カ月一度の日曜昼デモである。おりしも、今日は鹿児島県では「川内原発再稼働反対全国集会」が開催されている。現地に行けない私たちは、せめて心を合わせてデモをするのだ。
集会では、当然のように御嶽山噴火の話から川内原発の問題へと繫がるスピーチがあった。それに、最大救助訓練を名目にした米軍オスプレイ機が仙台にやってきそうだという話もあった。
肴町公園に集まった今日のデモのコースは変則的で、一番丁を少しだけ歩いて広瀬通りを西進し、晩翠衣通りを経て青葉通りを仙都会館までという経路をとるという。
肴町公園を出たデモは、すぐに奥羽街道だった国分町通りを横切る。夜の賑やかな飲食店街は、広瀬通りより北の国分町通りで、デモが渡っていくこのあたりは日本銀行仙台支店や地方銀行が並ぶビジネス街である。
一番町に入り、広瀬通りに向かう。 (2014/9/28 14:43、14:44)
一番町に入るとすぐ、クラシックの路上コンサートが行なわれていて、デモの列はコールなしで静かに通り過ぎる。そろそろコールの声をあげようかという頃にはもう広瀬通りである。
一番町から銀杏並木の広瀬通りに、晩翠通りに向かう。
(2014/9/28 14:47、14:51)
デモは一番町から広瀬通りに左折するのだが、広瀬通りをデモが歩くのは珍しい。この通りの並木は銀杏で、秋の早朝にはギンナン拾いのおじさんたちがけっこう出現する。
晩翠通りを行く。(2014/9/28 14:57)
そういえば、広瀬通りから左折した晩翠通りの並木も銀杏だ。所々に粒の大きな実を成らせる木があって、ギンナン拾いはそのような木だけを狙うので、小さな実しかならない木の周囲は、車に挽きつぶされたギンナンが散乱することになる。小さな実も丁寧に拾えば、立派な社会奉仕なのだが……。
とはいうものの、早朝散歩で出会うおじさんの中には、取り置いていたギンナンを「ほいっ」と言って手渡してくれる顔見知りもいて、私は私で恩恵を被ってはいるのだ。
青葉通りの欅並木の下を。 (2014/9/28 15:02)
今日は日射しが強く、青葉通りに入ることにはすっかり汗をかいてしまった。こんな日に限って、夕方の冷え込みで風邪を引いてしまうのだ。
一番町を過ぎる。 (2014/9/28 15:07)
東二番丁通り(国道4号)を越えていく。 (2014/9/28 15:15)
もう一つ、残念なニュースがあった。9月18日、経済学者の宇沢弘文さんが亡くなった。享年、86歳。合掌……
1964年に36歳でシカゴ大学教授となった宇沢さんは、「新自由主義」経済を推進して世界に悪名を馳せたシカゴ学派の総帥、ミルトン・フリードマンとシカゴ大学で一緒だった。
私の以前のブログで紹介しているように、「新自由主義」は、アメリカ合州国の世界戦略としての経済的、軍事的侵略を支える経済思想として、世界中に貧困を撒き散らしてきた。その経緯は、ナオミ・クラインの『
ショック・ドクトリン
』 [1]
に詳しい。
日本もまたアメリカ新自由主義に席巻されるのだが、典型的なフリードマン新自由主義の盲信者の一人が竹中平蔵で、小泉政権下で国民の経済格差が急激に拡大した最大の責任者(功労者? その功労で現安倍政権にも重用されている)である。
フリードマンの新自由主義の批判者であった宇沢さんは、当然のことながら、竹中平蔵を経済学者とは認めず、蛇蝎の如く嫌っていたといわれる。新自由主義が主張するのは、「資本の自由」だけであって、その典型は、「小さな政府」とか「民有化」という言葉に表われている。社会資本として蓄積されたインフラを含むシステムを民間資本に移して自由な経済的競争を促すというのだ。それは結局、国がシステマティックに国民に再分配していた富を一民間資本に独占させることであり、そのため国による富の再分配は消失して国民の経済格差が拡大する。多くの貧困層が出現するのだが、民間資本が豊かになることをもって経済発展と称するのである。
新自由主義こそ、福祉国家(ジグムント・バウマンの社会国家)を終焉に導いた経済思想なのだ。尊敬すべき経済学者、宇沢弘文さんのお弟子さんは多くおられるし、その遺志を継いで発言されることだろうと信じているし、そう強く期待もしている。
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