酒の肴を持って。
美味しくない時は不味(まず)いとハッキリと言っても気にする風でもない、
奴とは幼稚園児からの腐れ縁。女性ながら男勝りな性格でダチの娘にもその気性が引き継がれているようだ。
オレは中学一年頃までいつもイジメにあっていた。
そのイジメっ子達をダチがいつもヤッつけてくれた。中学一年頃迄いつも一緒だったが、あることがキッカケで次第に疎遠になった。
けれど年月が過ぎて、ダチの子供とオレの子供が友達になり母親同士が親しくなって、またダチとの縁が復活した。
今では我が家の猫はダチの家に入り浸りになっているらしい。そして、ダチの娘は我が家を自分の家のように遠慮なく使っている。そしてダチも娘と同じく遠慮というものを持ち合わせていない。いつもいきなりやって来て料理などをこしらえて冷蔵庫に入っているビールを勝手に呑んでは“もっと美味しいビールを置いておけ”と愚痴を言う。ダチが酒の肴をササッと無造作にテーブルに置き酒を呑む。手慣れたもんだ。俺には真似できないと感心しながら呑む。
まあ、今日は愚痴を聴いてやるのも、いいか。