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2019年01月31日
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テーマ: 心理学(1003)
もう、かれこれ15年以上もつながりのある青年がいる。
幼い頃から、両親の不和や家族・親族のことで不安や緊張の中で育ち、
そのことも多分要因となったはずだが転校後のいじめなどで中学時代は不登校。
当時は今のように不登校後の進学の選択肢も少なく、進学可能だった農業高校から関連の大学へ進学。
その後、一旦は就職したけれど自分の経験を生かした仕事につきたいと、大学院に入って臨床心理士となり、現在もその職で働いている。
彼の家族はその間も様々なことがあり、ストレスと不安の中で臨床心理士となった彼を、私はずっと心配してきた。
仕事柄様々な精神的な疾患等で苦しむ人と対峙し続けることは、想像以上に苦しいことがあるのではないかと思ったし、そのことが彼を必要以上に苦しめ傷つけることがなければいいがと危惧していたのだ。
彼は、とても真面目で誠実で心優しい青年だったし、現在は中年になりつつあるが、その性格は初めてであった時からほとんど変わらない。
それだけに、自分の家族の問題、出会って結婚した人との関係にも、心を砕き続けてきた。
しかし、結婚の方はお互いの結婚観の違いもあり、一年前に離婚することになってしまった。
客観的に見たら、彼が元妻に合わせすぎているのではないかと感じていたので、離婚は残念ではあったが私は「長い目で見たら貴方にとっては良かったのかもしれないよ」と、決して自分を責めないようにと言ってきた。

その彼と、数日前に久しぶりにメールのやりとりをした。
この約二年間は、彼にとっては大変な時期だった。
その間に、 「公認心理師」 試験を受けることになり、その結果はまだわからないが自信がなさそうである。
(本州ではすでに結果が出ているが、北海道は地震のために延期になっている)
私から見たら、そんな状況で仕事をしながら試験勉強を続けるなんて超人的で、「落ちて当然」と思えるのだが、彼自身は「自分の力が足りないから。強くないから」なんて感じるようだ。
私は、「そうじゃないよ。あなたは私から見たらチャレンジャーだし、サバイバーだよ。誰でもできることではないことをやり続け、その中でも自分の人格を損なわず、むしろ向上させてきた稀な人だと思う」と返信をした。
すると彼が、「そんなことを言われたのは初めてです。でも、その言葉でPTG(トラウマ後の成長)ということを思い出しました。自分がそうだとも思えませんが、そのような人間になりたいです」と返事が来た。
私はその単語を知らなかったので、さっそくネットで調べてみた。

「PTG(トラウマ後の成長)とは?」

PTSDとPTG

〇PTSDという言葉を聞いた事があるだろうか?

私がこの言葉に注目し出したのは、1995年の阪神淡路大震災の後だった。私も被災したその災害で、被災者の多くがPTSDの症状で悩んでいるという新聞記事を目にした。私は幸いその症状はなかったが、それ以来PTSDがニュースで報道されるたびに注意を払うようになった。1995年3月の地下鉄サリン事件、2001年の9.11テロ事件、さらには2011年の東日本大震災、世界各地での災害...。



震災後、かなりの年月を経てポジティブ心理学を学ぶようになるが、その中でPTSDと真逆とも思える研究を目にした。それがPTG(心的外傷後の成長)である。

〇逆境体験の痛み後に訪れる、ポジティブな成長
 マーティン・セリグマン教授が1998年にポジティブ心理学を提唱するまで、心理学の多くの研究はストレスやネガティブな感情に関するものが中心だった。うつ病、不安症、統合失調症、そしてPTSD...。人の幸福度などに関する研究の割合が1だとすると、その21倍もの研究が、ストレスやトラウマがもたらすネガティブな影響に関するものだったという。逆境体験は、心に傷を残し、感情をゆさぶり、血管や心臓に負担となり、健康を害する。これが常識だった。だからこそ、治癒・治療できる方法の研究が求められていた。

しかしながら、近年の研究では、ストレスやトラウマの経験は、人々にとって良い側面もあることが考えられている(Haidt, 2006)。その一つがPTGであり、この研究の第一人者が米・ノースカロライナ大学シャーロット校心理学部教授のリチャード・テデスキ博士だ。博士はポジティブ心理学が生まれる前から、人生における大きな危機的体験や大変な出来事を経験するなかで、そのつらい出来事からよい方向、成長を遂げるような方向に変化する人々の調査を行っている。

「危機的な出来事や困難な経験との精神的なもがき・闘いの結果生ずる、ポジティブな心理的変容の体験」

これがPTGの定義である。

PTGの始まりは、実はトラウマのみに限定されていない(Tedeschi & Calhoun, 2004)。人生を変えてしまうようなつらい出来事(自然災害、ガンや心臓病の闘病、事故や怪我、事件や投獄、戦争体験)はもちろん、心の傷にはならないけれども高いストレスを伴う体験も含まれる。

その意味で、PTGの研究はより多くの人に知ってもらいたいと私は考える。とくにポジティブ心理学に興味関心のある人には。

「過去に何かつらい出来事はありましたか?」と聞かれたら、ほとんどの人が「はい」と答えるのではないか。テデスキ博士に師事し、米・オークランド大学でPTG研究を行っている宅香菜子博士の調査によると、日本の学生に上記の質問をしたときに、多くの若者が「受験」と答えたそうだ。また、人によっては両親の離婚、仲間からの裏切り、失恋や離別、解雇や倒産も逆境体験となりうる。

長い人生やキャリアにおいては、逆境はつきものであり、避けて通ることはできない。そうであれば、困難を乗り越える力(レジリエンス)を身につけ、たとえ耐え難い経験に直面してもその後に成長がもたらされるかもしれないと考えるほうが将来に希望がもてる。

〇PTG 5つの成長
テデスキ教授は、カルホーン博士とともに「外傷後成長尺度」(PTGI)を開発した(Tedeschi & Calhoun, 1996)。これは何か困難な出来事を経験せざるを得なかった人が、それをきっかけにどう変わったと感じているかを測定するために作られたものだ。この尺度を使用した研究の結果、主に5つの成長を経験した人達がいることががわかった(Tedeschi & Calhoun, 2004)。

1)他者との関係:より深く、意味のある人間関係を体験する。
2)精神性的変容:存在や霊性への意識が高まる。
3)人生に対する感謝:生に対しての感謝の念が増える。
4)新たな可能性:人生や仕事への優先順位が変わる。
5)人間としての強さ:自己の強さの認識が増す。


私の人生で大変な経験は、先に挙げた阪神淡路大震災での被災だった。好運にも大きな怪我もなく、その後のストレスで視力が急激に低下して眼鏡が必要になったくらいだが、震災直後に悪夢のような光景を目撃したショックは忘れられない。家屋が倒壊し、電柱がへし折れ、アスファルトの道路がひび割れし、乗用車が転倒していた。

その体験はトラウマにはならなかったが、その数年後に「数千人が亡くなった東灘区に住んでいながら元気でいられたことはとても恵まれていた」ことに突然気づかされた。大げさではないが「自分は天に生かされていた」と強く感じ、深い感謝の念を感じ、霊性への意識が高まったのはたしかだ。PTGは衝撃的な体験から年月を経て経験すると言われているが、これが私のPTGだったかどうかは定かではない。しかし、それから「価値ある人生とは何か、意義ある仕事とは何か」を自問するようになった。

「あなたを殺さないものは、あなたを強くさせる」
これはニーチェの言葉である。この逆説的な言葉は 「人は内面の強さを見いだし、真の充足を発見し、成長するためには、逆境や困難を必要としている」という仮説を示している。

PTGは楽な体験ではない。つらく痛みを伴う体験なので、ポジティブ感情よりもネガティブ感情のほうが多くなると考えられる。その意味ではヘドイズム的な幸福度は期待できない。しかしながら、その痛みを経て有意義な人生へとつながる可能性がある。ユーダイモニア的な幸福度が高まるのではないだろうか。

経営の世界でも「一皮むけた経験」(金井、2002)や「クルーシブル(試練)を経たリーダーシップ」(Bennis, W. and etc., 2003)が研究されている。人生やキャリアの節目で、過去の体験を振り返り大変な体験を内省することで、人との関わりや自己の強みを考え、優先順位を確認する。そのような貴重な学びのプロセスを経て、私たちは成長が得られるのだろうと考える。



彼はまさにそのような人ではないかと思う。
彼自身はまったくその自覚がないのだが、それがまた彼の潜在力だと私は感じたい。
そして、この言葉を教えてくれた彼に感謝したい。
前回ブログで紹介した 「親に傷つけられた心」の回復に関する本二冊 と重ね合わせ、私はとても希望を持つことが出来た。
現在苦しむ人たちに必要なのは、この ポジティブ心理学 のような気がする。


《追記》
 彼が自信がないと言っていた「公認心理師」の資格試験は、無事に合格したとの連絡が入った。
私は、臨床心理士としての約10年の経験があるのだから大丈夫ではないかと思いたかったのだが、彼のこの一年間のことを考えると試験勉強に集中できなかっただろうと、一抹の不安もあった。
ともあれ、これで彼も一安心して不安の日々から脱出できるだろう。
私もホッと一安心である。





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最終更新日  2019年02月01日 14時25分07秒
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Re:PTG(トラウマ後の成長)について(01/31)  
maki5417  さん
興味深いですね。

思い浮かんだのは、風と共に去りぬの主人公スカーレット・オハラです。

私も、自分では打たれ強い方だと思っています。
鈍感力が強い? (2019年01月31日 10時14分50秒)

Re[1]:PTG(トラウマ後の成長)について(01/31)  
maki5417さんへ

>思い浮かんだのは、風と共に去りぬの主人公スカーレット・オハラです。

スカーレットは、私にはPTG概念とはあまりピンときません。

鈍感力も時には自分を守るために必要な力でしょうが、あまり鈍感力が強い人は周囲の人を困惑させたり、敏感な人を気付かずに傷つけることもあります。
なにごともほどほどのバランスが必要ですね。



(2019年01月31日 13時04分45秒)

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