■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

2020年02月04日
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カテゴリ: 第二章 123 ~ 187 話

  ~
    ~  (サービス エピソード)

 おもむろに携帯を取り出した和恵、何やら電話を始めた。

北見刑事
『はい、北見です。』
和恵姉さん
『和恵です。北見さん、明日の晩はお忙しいかしら。』
北見刑事
『なんでしょう。』
和恵姉さん
『そろそろ中華店 綉榠餡 を取り締まりなんていかがかしら?
   明日の晩、丁度取引きがあるようですの。』
北見刑事
『ほぉ~そうですか。ごたごたも落ち着いてきましたから頃合いでしょうか。
    和恵さんから GO を頂けるタイミング待ちでしたから。』
和恵姉さん
『なら決まり。
    こういち、しばらくこちらを空ける事になるので。」
北見刑事
『分かりました、すぐに手配します。』


~~
  ~~  
    ~~


 翌日の晩、
 そよぐ海風が優しく髪先を撫でている。
 打ち寄せる波と供に月明かりが揺らいでいる。少し視界を奥に向けるときらびやかなライ
 トを乗せ大型客船が大桟橋に寄せていた。

 ここ埠頭の第十三番倉庫前では既に停車していた黄色いスポーツカーの横に立つヒールサンダル
 の美脚の二人の後ろに、黒いセダンが到着しドアを開けて数人の男達が下りてきた。


綉榠餡チーフ
  「お嬢、早いな。」
和恵姉さん
  「遅刻出来ないでしょ。15分遅れても怒る人がいるんですから。」
リツコ
  「私の初仕事の時でしたね。」
付き添い人
  「それだけお嬢を頼りにしてるんです。」
綉榠餡チーフ
  「そういう事だ。さっ 中でお待ちだ 行くぞ。」

 和恵、リツコ、そして綉榠餡の男達が倉庫の中へ足を運ぶ。

コツコツコツ
綉榠餡チーフ
  「お待たせしてしまったようで。」
取引先リーダー
  「いえ、いつもの美形のボディーガードさんを拝見するのを心待ちにしており、
   気持ちが早って待ちきれませんで。」

 取引先の用心棒達、既に倉庫の奥で待機しこちらを見据えていた。
 和恵とリツコ、テーブルで向き合う男達の入口側で左右に分かれて立ち止まった。

取引先リーダー
  「それでは早速ですが・・・・」
綉榠餡チーフ  「うむ。」

 毎度の取引きと見え馴れた感じで取引きが進行していった。



  ~
    ~


ボー  ポンポンポン
 大型客船を引っ張るタッグボートが発するエンジン音がそよぐ風に乗って心地よく響いて
 いた。

綉榠餡チーフ
  「純度も申し分ない。さすがですな。」
取引先リーダー
  「確かに頂戴しました。
   信用無くしてはお互いに良い取引きは出来ませんからな。」

 安堵の表情に笑顔も見せていた。

 急にリツコの眉がピクッと反応しチラッと和恵に視線を送り、ゆっくりと首を振り
 ながら入口を見た。

 その時っ!


\\ドワーーン// 

 突然、入口のデカい鉄の扉が吹き飛んだっ

 驚きで肩が縮んだ姿勢になる男達。 和恵とリツコは入口を見据えたままだ。

取引先リーダー
  「 何事だ!

 全員の目線が入口に向けられた。

 そこにはまるで垂れ下がった布にボールをぶつけた様に中央が大きくヘコんだ
 扉が舞うように落下し、ゆっくりと倒れていく。
 その後ろに灰色の胴衣に赤い帯姿で堂々たる姿勢の 一人の小さい少年が立って
 いた。

取引先用心棒 リーダー
  ( 鉄の扉を一撃で  こんな小さい坊主が? )

 まじまじと小さい少年を見つめていた。

  ( ん・・・!?  胴衣が灰色、それに帯が赤だと・・・? )


和恵姉さん
  「ぼく~、物を壊すと大人の世界では弁償しなきゃいけないのよ~。」
 ( チャイナの裾から生脚な美脚を横に出し、腕組みをした姿勢の和恵 )

リツコ
  「こんな遅い時間に出歩いていると、お母さんやお姉さんに叱られちゃうんだから。」
 ( チラっと和恵と目が合いペロっと舌を出すリツコ )

綉榠餡チーフ
  「脅かせやがって、なんだガキじゃねーか。」

小さい少年
  「大人だってこんな場所でこんな時間にニタニタしながらさ、お札数えているなんて
   おかしいよね。」

 ( リツコが数歩前に出て、 )  カツカツカツ

リツコ
  「坊や、何しに来たのかしら?」
小さい少年
  「おいらね、悪い大人をやっつけに来てみたの。」

取引先リーダー
  「ぶははははは。
   おい聞いたか、何を言い出すかと思えば。
   坊主、ヒーローごっこか。遊ぶ場所を間違えてるぜ。
   相手が悪い、帰んな。」
取引先用心棒 リーダー
  ( うちの大将はバカか、ガキがゴッコでこの扉壊せる訳ねぇだろが・・・。 )

小さい少年
  「大丈夫 ここで合ってるさ、相手もね。」
リツコ
  「なら、ちょっと痛い目見てみ~る?」

 そういうとリツコは小さい少年に向って更に歩を進めだした。
カツカツカツ
和恵姉さん
  「怪我して帰ったら、それこそお姉さんに叱られちゃうんだから。
   知らないわよ~。」
リツコ
  「子供だからって、手を抜かないからねっ!」

 小さい少年と対峙したリツコ。すると、
                   『 ハーイ!
 一発の横蹴りを一瞬で見舞ったっ!

 が、
バっ ガシッ​

綉榠餡チーフ
  「 なにっ

 男達は皆驚きの表情に変わった。

小さい少年
  「おいらの母ちゃん、悪いことを黙って見過ごすと怒る。
   姉ちゃんなら怪我の有無より勝ち負けにこだわるのさ。」

 ( ニヤける和恵 )

 飛ばされるどころか、肘を立てただけで防ぎ平然としたまま答えた。

リツコ
  「うそ ・・・ 何この子 ・・・。」 (回りに聞こえるようなトーンで)
和恵姉さん
  「ぼくちゃんが相手だから、自然と力が入らず 加減しちゃったんじゃな~い?」
リツコ
  「なら、これでどうっ!」

  『 ハィ! ハィハィ!
ドス ドス ドス
バシ
ズゴ  ズゴ ​  ズゴ ズコっ!​

  『 ハィヤーー!
ガシっ


綉榠餡チーフ
  「う、嘘だ・・・ あのリツコの蹴りだぞ・・・・」
付き添い人
  「なんてガキだ・・・」

 猛烈な威力とスピードのリツコの攻撃にも、素早い左右の腕と手で防ぎ切ってしまった。

リツコ
  「くっ・・・」

 その場で立ちすくむリツコ。

取引先用心棒 リーダー
  「まて。
   うちの連中に相手させよう。」

 その一言で後ろに待機していた取引先の用心棒15人が、リーダーを残し男達が囲うテーブル
 の脇を超えて 腕組みをしチャイナの裾から美脚を出して立つ和恵の一歩前で整列した。

取引先用心棒 リーダー
  「このお姉さんもとんでもない相当な使い手。 それを・・・。

   あのバカデカい鉄の扉を一撃でといい今の攻防の振る舞い、まさかとは思うが思い当たる
   節がある。こんなところに現れるとは思えないから たまたま だろうが坊主、おまえの身
   なりといい背格好、大人相手に立ち回る姿など・・・ちょいと聞き覚えがあってな。
   確かめさせてもらう。

   最初から本気で臨む。
   こういう場に首を突っ込んだんだ、それなりに覚悟してもらおう。
   悪いが小僧、生きては帰れんぞ。」

 和恵がチラっと後ろ目でリーダーを見た。

小さい少年
  「別に。それどこかで聞いただけでしょ。人伝えにどんどん話が膨らんじゃうから当て
   にならないかもね。」

取引先用心棒 リーダー
  「全く動じない・・・・か。
   いいだろう、我らも用心棒の責務を果たさせてもらう。

陣形奥義 五方三位一体 構え 。」

 一斉にこういちを取り囲む用心棒、素早い!
 五角形の頂点に当たる位置に3人ずつで包囲し構えたっ!

和恵姉さん
  「へぇ~懐かしいわ~、陳家太極拳 陣形奥義 五方三位一体か。」
リツコ
  「五方、私は初めて接します。」

 和恵の横に戻ったリツコ、和恵と目を合わせてから小さい少年を取り囲む15人を見据えた。

綉榠餡チーフ
  「な、なんかこんなのを見た覚えがある気がする・・・。」
取引先リーダー
  「この者達、自慢じゃないが本物中の本物の拳法家なんですよ。
   まぁ見てて下さい。」

 安心しきった顔でこれから始まる戦況を見つめ出した。
 囲まれた中央では構えすら取らない小さい少年、棒立ちのままだ。

取引先用心棒 リーダー
  「 ​掛かれぇっ!​

 掛け声と供に小さい少年の正面に居た3人が前に出る・・・が 攻撃のモーションで止めた!
 なんと最初に仕掛けたのは右後ろの3人、そして一呼吸を置いて左前の3人が仕掛けたっ!

 『 フン!そりゃ!ハィ! 』    バシ ドス ドス
   『 うりゃ!とりゃ!ハァ! 』    ズゴ バシ バシ

 続いてっ
​ボコ ドスドスドス ズン ズカっ​
​ズゴ ガシガシガシ ドスドスドス​

 陳家太極拳使いの流れるような蹴り、手套、肘打ちがコンビネージョンで決まり続けたっ!

 しかし受け太刀をせずただ打たせており、それも微動だにしない小さい少年。執拗
 なまでの数を攻撃する拳法家たちも ゆるぎない小さい少年に戸惑いを見せ始めた。

小さい少年
  「ねぇ、大人の本気って こんなもんなの?」

取引先用心棒 リーダー
  「なんだと・・・・」

 お互いの顔を見合う拳法家たち、そして続けて右前・左後ろの3人ずつ6人が打ち込み始めた!

 『 とりゃ!そりゃ!ハィ! 』    バシ ドス ドス
   『 フン!うりゃ!そりゃ! 』    ズゴ バシ バシ
ボコ ドスドスドス ズン ズカっ
​ズゴ ガシガシガシ ドスドスドス​

 更に正面・右後ろ・左前と五方の連携がさく裂っ!

ズボ ドスドスドス  ズン ズカっ
ズゴ  ガシガシガシ  ドスドスドス
ガシ ドスドスドス ズン ズカっ
ズボ ガシガシガシ ドスドスバシ
ボコ ドスドスドス ズン ズカっ
ズゴ ガシガシガシ ドスドスドス
ズボ ドスドスドス ズン  ズカっ
ズゴ ガシガシガシ ドスドスドス
ガシ  ドスドスドス ズン ズカっ
ズボ ガシガシガシ ドスゴスゴス
ボコ ドスドスドス  ズン ズカっ
​​ズゴ ガシガシガシ  ドスドスバシ​​

和恵姉さん
  「この陣形の素晴らしいところは相手の弱点の部分に厚みを持たせた攻撃が出来るって
   ところなの。一般の人なら右後方とか受けが弱いところとか。あと対角線でどの方向から
   も真逆から同時に、達人にすら受け辛いわよね。」

我関せずの小さい少年、しばらくの後 今度はすべてを受け止め弾き始めた!

パシパンパンパン  トンパシンっ
パシ パンパンパン  トントントン
パンパシパシパシ ガシ パシっ
パシトントントン パントントンパシ
パシパシパシパシ コン パシっ
トンパシパシパシ トントントン
パンパシパシパシ トン パシっ
パシパンパンパン  トンパシンっ
パンパシパシパシ トン  パシっ
パシ パンパンパン  トントントン
パンパシパシパシ ガシパシっ
​​     パシパンパンパン  トン パシンっ ​​

リツコ
  「でも弱点が見つからないから攻めがギクシャク・・・。
   相手が悪過ぎ・・・。あの15人が私でも・・・まったく刃が立たないでしょうし。」

取引先リーダー
  「な、なんて事だ!」

 目にする光景が現実離れしすぎて他の者は声にもならない!
 その小さい少年、ものともせず受け切りながら和恵に目線を送った。

和恵姉さん
  「リツコも加勢してらっしゃい。きっかけが欲しいみたい。」
リツコ
  「はい。」

 返答後、リツコが猛然と小さい少年に襲い掛かったっ!

リツコ
  「 ​行っくわよーっ!​ 」    彡=====シュパ

 襲い掛かり引っ込んでを繰り返す数人の頭上越しから、リツコのジャンピング飛び回し
 蹴りがさく裂っ!
 すると小さい少年が動いた!
 一歩踏み込み、リツコの背中にヒットするような左の回し蹴りを見舞ったっ!

ズボ ボ​ ​     ======ズボっ
       『 うわー んぐ ぐわ おぇ ぐほ ・・・

 一蹴りで宙を舞う6人の拳法家たちっ! リツコも受け太刀出来ず蹴り飛ばされた

 そのリツコ、取引きしていたテーブルに飛ばされ 瞬時にブツと現金の入ったバッグを手に
 し、そのまま壁をぶち破り場外へ。
\バリーーン/

 続いて残り9人の拳法家もパンチ・手套・肘打ちで軽く飛ばされてしまう!

=== ズゴーン​ === ​ボコーン​
​​          === ​バシーン​ === ​\ズボ/ ​​
​             === ​ズゴーン​ === ​ボコーン​
​           === ​\ドスーン​/ === ​\ゴスーン​/
​                 === ​バシーン

 壁に突き刺さる者、二段目の荷物を支える柱をなぎ倒した者、

 そして、

取引先用心棒 リーダー
  『 フン! 』  バシ☆

 自分に飛ばされてきた弟子を両肘を立てて防ぎ横に受け流した。
ドサ
      彡
ドサ ドサ  ドサ彡 ドサ ドサ彡  ドサ彡  ドサ ドサ彡

取引先用心棒 リーダー
  「くっ・・・・ 」

付き添い人
  「うわぁ~~」びっくり
綉榠餡チーフ
  「なんだと・・・・」びっくり
取引先リーダー
  「う、うそだ・・・・」びっくり

 みるみると顔が青ざめていくこの男達。
 そんな中、


和恵姉さん
  「ぼく~、少しはやるようね。
          このお姉さんとやってみない?」
小さい少年
  「誰でもいいさ。」
和恵姉さん
  「お名前、聞いてもいい?」

小さい少年
  「知りたいのなら教えてあげるよ。
   おいら こういち。  陳南家 南流伝承者 南こういち だ。」

取引先用心棒 リーダー
  「っ
     ( ほ、本物 伝説の人物が ま、まさか・・・・ まさかこんな所に・・・・ )

リツコ
  ( えっ  こういち君があの 陳南家 南流伝承者 !!

  ( 後ろ目で確認した後、 )
和恵姉さん
  「そう、強そうな名前ね。 伝承者君なんだ。
         なら私も手抜きなしで楽しませてもらうわよ。」

綉榠餡チーフ
  「お嬢、なんとかしてくれ~」号泣
付き添い人
  「お、お嬢~」号泣

 和恵が立ち位置を変え ゆっくりと構えた。 続いてこういちも立ち位置を変える。


和恵姉さん   
  「さっ、キミ 。 覚悟なさい。」

 和恵が出たっ!  ​ 彡サッ

取引先用心棒 リーダー
  「は、速いっ!」

ズゴ  ガシ ガシっ★

 目にも止まらぬ速さで和恵の 左拳 右裏拳 その回転力のまま左の回し蹴りがさく裂っ

 だがこういち、拳を右に交わしながら左手で受け流し 裏拳も左の手のひらで、そして
 回し蹴りは右手で捕まえて止めていた。

 連続の打撃音は、倉庫内に居るすべての者にはほとんど同時に聞こえていた事だろう。


こういち/(小さい少年 改め)
  「すんごいお姉さんだ。」
和恵姉さん
  「キミも中々ね。」

 掴んだ足を開放したこういち。


 するとっ!

スパンっ★  ガシ ガシガシっ★ サッ☆
\ボーン/
ガシ ​ガシっ★​
       サッ☆

バシバシ
バシ バシっ★
ガツ ガツ ガツ★ ​ サッ☆​

​ガシっ★​
 ======ボコーーーン===>

時折、飛ばされ壁がぶち割れる音、そしてすぐさま、 ​​

バシバシ
バシ ​バシっ★​  サッ☆ ガシっ★
ガツガツガツ★
\ズーン/

ガシ
ガシ ガシっ★ サッ☆
\ドーン/
スパンっ★  サッ☆
ガシ ガシっ★ サッ☆ \ボーン/
スパンっ★ 
ガシ ガシ ​ガシっ★​  サッ☆

ガシ
​ガシっ★​ ======ズボーーーン===>


 テーブルや椅子が次々と壁に激突し粉砕

綉榠餡チーフ

  「うわぁっ」
取引先リーダー
​  「何がっ」

取引先用心棒 リーダー
  「目で、目で追えぬ・・・・
   それにあの女、陳南家伝承者相手に立ち合えているだと・・・」

 二階部分を支える柱もなぎ倒し、再び戦闘音が ​​!

サッ☆

バシ バシ バシ バシっ★

\ボーン/ ガツ ガツ ガツ★ ​ サッ☆​

スパンっ★  ガシ
ガシ ガシっ★  サッ☆
\ドーン/ ガシ ガシっ★

    サッ☆
バシ
バシ バシ ​バシっ★​

\ズぅーン/ ガツガツ ガツ★  サッ☆


ガシっ★
======ズゴーーーン===>


​                      バシ
バシ バシバシっ★  サッ☆ ​ ガシっ★​
ガツ ガツ ガツ★ \ドスーン/

ガシ ガシ ガシっ★ ​ サッ☆​ \ボーン/
\ゴーン/
スパンっ★ ​ サッ☆​

\ドーン/ ガシ ガシっ★ サッ☆

スパンっ★  ガシ
ガシ ガシっ★  サッ☆

ガシ
​ガシっ★​   ​ ======ズガーーーン===>
​​
サッ☆ \ゴーン/

\ドーン/ バシバシ バシ バシっ★

\ボーン/ ガツ
ガツ ガツ★  サッ☆


 倉庫内、至所で打撃音が響き渡る!
 中に居る誰しもが目で追えない。 積み荷も弾き飛ばれ、次々と床に落下。

ドスン ザザァー
ゴーン ​ドスンドスン​


 一瞬こういちが目で合図し軽くうなづく和恵、
 次の瞬間、再び和恵が飛ばされたっ!

​     ガシズコっ★  ​ ======ズボーーーン===>


 和恵はそのまま二段目を支える柱を掴み、クルっと向きを変えながら 用心棒 リーダーを一蹴!

げぼっ =====>
             その体が向かう先には

​ドンガスドス​
綉榠餡チーフ
  「げふっ」   バタン
付き添い人
  「ごほっ」     バタン
取引先リーダー
  「ぐほっ」       バタン 
===彡 ドサ


 華麗にクルっと回った後 チャイナの裾から足を横に出し片手を床に付きもう一方の手を
 横に広げて スタっ と着地した和恵。

 無論、四人の意識は無い。


 ゆっくりと立ち上がりながら、

和恵姉さん
  「これでも抑えたんだけどね。」

 すると正面の入口から北見刑事と渡瀬刑事が、そして突き抜けて空いた壁から
 バッグを持ったリツコ、そして末田刑事が入ってきた。


リツコ
  「当然です。
     ・・・というか、陳南家南流・・・
          もっと早くに教えておいて下さいよ・・・、そんな大切な事は。」
和恵姉さん
  「あはっ、忘れてた。。」

 辺りを見渡しながら、

北見刑事
  「和恵さんとこういち君の戦い・・・・、なんという次元なんだ・・・。」
リツコ
  「第一声がそれですか。普通は犯人に『動くなっ警察だ!』 ではありません?」
北見刑事
  「お二人の戦いの後では・・・・ 現に無用なようだし。」

こういち
  「戦いじゃないよ、軽いウォーミングアップだよ。」
和恵姉さん
  「蹴らせて受けて、こちらも打って受けさせて。」

ッサーンΣ  ( 残っていた最後の二階部分が潰れた )

渡瀬刑事
  「ウォーミングアップで・・・・」
末田刑事
  「・・・・このあり様・・・・・」

 辺りを見渡す刑事たち・・・・。



こういち
  「姉ちゃんは笑顔で楽しそうだったよ。」

リツコ
  「まったく・・・
   お二人が手を抜かなかったらこの地域もろとも全滅ですって。

   ブツはこれです。崩れて潰されないように先に確保しておきました。」

北見刑事
  「あ、あぁ・・・。 助かったよ。」

      『全員を確保してくれ!』

 倒れる男たちに駆け寄り、次々と手錠を掛ける刑事たち。

和恵姉さん
  「これで終わりかぁ・・・・。 ちょっと寂しいわね。」
リツコ
  「刑事さんに拳銃で狙ってもらいます?」
こういち
  「もちっと相手しようか?」

北見刑事
  「ぃゃ、もう勘弁してくれ。」
末田刑事
  「は、はい、もうこれ以上は・・・・。」

和恵姉さん
  「空しいけど、この人達はリツコと巡り会えたキッカケをくれたからね、
                              感謝もしてるわ。」
リツコ
  「はい。」


こういち
  「さて、次はあっちを治めてこなくちゃだ。」
和恵姉さん
  「スンチャも感覚掴めてきたみたいだし。
   バレないようにしっかりとね。」

こういち
  「うん・・・。」


 こういちは、拳法家がスペックにされることよりも、自分の使命を全うすべき地で​​​​​​​​​
 揉め事が発生したことに困惑していた。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 いよいよ場面は中華皇国、第三章へと移る。



第二章 -完-



                                 -つづく-




第188話 異人 へ





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。



​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​



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最終更新日  2023年11月04日 01時20分58秒
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