予告編は見ていたのだけれど、アン・ハサウェイとピーター・ディンクレイジの映画だと思っていた。お気に入り女優マリサ・トメイも出ているのにだ。ポスターを見てわかるように、主役はこの3人のはず。 さて、邦題「ブルックリンでオペラを」というのがよろしくない題名だと感じた。これだと「ティファニーで朝食を」みたいに、”ブルックリンでオペラを見る(聴く)”と思ってしまう。もちろん、そのシーンはあるのだが、重要なのは原題”She Came to Me”とあるように、『彼女がやって来た~!!』ということ。劇中オペラの演目名でもある”She Came to Me”、『女神降臨』とでもいうべく、彼女の出現により新作オペラを作曲できなくなっていたスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)に新作が書けてしまう。これはものすごい出来事だ。 この物語は一方でステップファーザー物語というべく、パトリシア(アン・ハサウェイ)の再婚相手スティーブン(ピーター・ディンクレイジ)が彼女の息子の継父になり、息子のガールフレンドにも継父がいる。そして、このガールフレンドの継父が一癖あるオヤジ。 さて、私お気に入りの女優マリサ・トメイ演じるカトリーナはスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)の創作の源となるのだが、彼女はストーカー気質の恋愛依存病。精神科医のパトリシア(アン・ハサウェイ)と出会う。物語はしっちゃかめっちゃかで見ていて楽しいとも面白いとも思えなかった事柄が終盤、一気に集約されクライマックスでは恋愛物語としてちょっと感動してしまった。 万人受けはしないだろうけれど、ちょっとしびれた素敵な映画でした。