再出発日記

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2020年03月16日
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「プレゼント」若竹七海 中央公論社

アラサー、アラフォーの葉村晶を読んできたので、次は彼女のデビューを読みたいと思って図書館を探したならば、置いてなかったのでリクエストすると「他の図書館にあるので、借用します」とメールが来た。文庫本が欲しかったのだが、単行本が来た。表紙の絵を見ると「純粋にミステリを愉しんで欲しい、これはキャラを愛でる短編集ではないのですよ」という編集者の意図を感じる。因みに表と裏の絵(装幀 藤田新策)は、色使いだけでなく微妙に内容も変わっているのだけど、意味はわからない。誰か解説してほしい。

葉村晶と小林舜太郎警部補のダブル主演である。そういう作品から、一方だけスターダムにのし上がるというのが、世の中の皮肉というものだろう(因みに警部補の部下で完全脇役の御子柴くんもシリーズ化されてしまった。警部補はその2作に出演して以降は一切世の中には出ていないそうだ)。

94年段階で、葉村晶は26歳である。デビュー作ならぬ、初登場作には、その人の「全て」が詰まっていると、亡くなった祖父が言っていた(ウソ)。その仮説から言えば「プレゼント」ではなく「海の底」を解説しなくてはならない。

このとき葉村晶はフリーターで、大学は出たけれども、どうやら一度も定職に就かず「かといってなにかやりたいことがあるわけでもなく、ただ同じ仕事を続けるのが嫌なあまり転々と職を変え続けている」女性らしい。探偵社に就職するのも第3作目にしてやっとである。「海の底」では、ノンフィクション・ライターとして編集者から一目置かれている。アルバイトで培った技術なのか染み抜きも得意としている。無職の女性として初登場した。ある高級ホテルに呼び出されて、看板作家が突然消えたので血のついた絨毯の染み抜きをして帰って欲しい、と編集者に頼まれた訳だ。もちろん、事件の匂いはぷんぷんしているが、葉村晶の染み抜き仕事に手抜きはない。もちろん、いろんな矛盾をさりげなく探るのも手抜きはない。見事な登場でした。

初登場作から、仕事は完璧だけど、自己肯定感の少ないキャラは確定している。ただし、好奇心は旺盛である。男関係が一度もなかったわけではないことは、「あんたのせいよ」で明らかになった。まぁ男も体験してみるか、というノリだったようだ。彼女は、最初からずっと独りで生きていこうと決心している様子がある。その点では頑固なのである。探偵の仕事にもあまり拘りはない。

このままだと、葉村晶シリーズ、あっという間に読み終わりそうだ。1年間も楽しめない。困ったことになった。





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最終更新日  2020年03月16日 20時32分31秒
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