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その昔、映画で観るにはちょっと・・・、とそのままになっていた作品。
少し前に衛星でアカデミー受賞作品特集をやっていて、撮っておいたものです。
つれづれ書いていたら妙に長くなったのでコメントなしでお願いします。。。
あらすじ
ある日、美しき髪結いマチルド(アンナ・ガリエナ)のいる理髪店にふと立ち寄ったアントワーヌ(ジャン・ロシュフォール)は、マチルドに唐突にプロポーズする。髪結いの亭主になるというのはアントワーヌの少年時代からの夢だった。アントワーヌと親類縁者のないマチルドは、理髪店でささやかな結婚式をする。夢をかなえたアントワーヌは、マチルドのそばで濃密な日々を送るようになる。
「ひとつだけ約束して、愛してるふりは絶対しないで」わたしならこうは言えないなぁ。
あ、昔「愛情がなくなったら別れましょう」とは言ったかも。撤回はしていないが確認もしていない。
見るまでは一方的なアントワーヌのフェティッシュな想いなのかと勝手に思っていたけれど、
実はひと目会ったときから魅かれあっていたふたり。
「この手すごく素敵。ひと目見て気付いたわ。
会った日に結婚の申し出を受け、さらっとかわしたマチルドでしたが、
三週間後、アントワーヌが再び散髪に訪れた際、帰り際に申し出を受けてそう言うのです。
以降は観たあとの静かな興奮冷めやらぬときand弐週間以上経ってから書いたので未見の方には意味不明&ネタばれを含みます。
子どもすら要らないというほどの 濃密な10年が流れたましたが、アントワーヌは出会ったときと同じようにマチルドをひたすら賛美し続けます。
しかし、散髪にやってきた髭の常連客の詩に聴きしれるうちに、マチルドは現実を見つけてします。
「わたしが変わっていったら、この人はそれでもわたしを愛してくれるのだろうか。」
もし、マチルドがそこでアントワーヌを信じ続けられたのならば、幸福な日々は続いていたのかもしれません。
そこにマチルドの愛に対する、そして時間に対する臆病さを垣間見たような気がします。
何も語られていない過去にも手首に残る傷にも触れられないまま物語は続いていきます。
おおらかな女神のような存在だったマチルドを、 それまでは一貫して ゆっくりしたカメラワークと色調が包んでいたのですが、一転して嵐のような空が映し出され、ラストでまた転調するまであまりに急にも見える展開へ。。
愛のさ中に死を選んだと取るべきか、愛へ絶望して死を選んだと取るべきか。
一般的には前者なのだろうけれど、私は後者と取りました。
アントワーヌとの10年間に、愛は変わらなかったけれど、
愛した人との仲をより深いものにはすることができなかったから。
それができる人はしあわせです。
わたしは・・・、どうなのかな。
できないわたしは死んでいないけれど、魂はマチルドと同じところをさまよっている。
子どものためにとどまっている。もう一歩言えば、子どもに生かしてもらっているんだと思う。。