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株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす
本は相変わらず結構読んでいるのですが、良いと思える本に出会う機会が激減しています。有名どころの本を大体読んでしまったからでしょうか。
最近は読書意欲も低下気味だったのですが、そんな中久々のヒットです。
この本は有名なシーゲル氏が、インデックスを超える運用法、成長株投資の危険性、世界経済の未来などについて語った本です。全編を通して興味深い話題が多く、検証データも豊富で、訳も良いと思います。
特に印象に残った箇所をいくつか挙げると、
・株主の手にするリターンは、企業の実際の増益率と投資家の期待するそれとの格差で決まる。この格差がもたらす力は配当を通じてさらに増幅される
・設備投資の大半は投資家に低いリターンしかもたらさない
・配当利回りが高いグループほど投資家に高いリターンをもたらしている
・長期的に見て株式のリターンが長短期国債を上回る現象は、米国市場に限らず調査対象とした16カ国全てでそっくりそのまま確認できる
といったあたりでしょうか。
特に、よく指摘される50~100年単位の長期でみた株式投資の他の投資に対する優位性は、成功したアメリカ市場に限られるのではないか?という疑問は常に持っていたので、大変参考になりました。
他には、ネットバブル時にAOLの株価が高すぎると指摘したシーゲル氏に送られた誹謗中傷のメールを紹介している箇所が面白かったです。どの国でも同じなのかと。
長期投資の基本に沿った本ですが、新しい視点も多く、素晴らしい本だと思います。有名な本なので、読んだ方も多いと思いますが、読んでいない方には是非おすすめしたいですね。
ヒルズ黙示録 検証・ライブドア 2006年10月18日