政治、現代史、進化生物学、人類学・考古学、旅行、映画、メディアなどのブログ

政治、現代史、進化生物学、人類学・考古学、旅行、映画、メディアなどのブログ

PR

×

Profile

自費出版のリブパブリ2010

自費出版のリブパブリ2010

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

farr@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
背番号のないエース0829 @ 婿入り 現在井上ひさし「吉里吉里人」を読書中な…
自費出版のリブパブリ2010 @ ありがとうございました。 京都ヒストリカ国際映画祭事務局さん …
2026.04.01
XML
カテゴリ: 天文学
 3年半前、地球から打ち上げた探査機を命中させ、衛星「ディモルフォス」の母小惑星「ディディモス」への周回軌道を変えさせた壮挙があった。将来地球に衝突する恐れのある地球近傍小惑星の衝突対策であった。

◎小惑星ディディモスを周回する小衛星ディモルフォスに探査機打ち込む
 この時、意図せずして母小惑星ディディモスの太陽周回軌道を微妙に変えてしまっていたことがこのほど分かった。
 これは、太陽の周りを回る小惑星の軌道を人類が変えた初の事例だったが、その詳細が3月6日付けの学術誌「Science Advances」で報告された。
 小惑星は、「DART(二重小惑星軌道変更実験)」と呼ばれるミッションの標的となったディディモスとディモルフォスだ( )。ディモルフォスは長さ約160メートルの微小天体で、直径約780メートルの小惑星ディディモスの周りを回っている。ミッションを行ったNASAの狙いはディモルフォスの軌道の変更で、母小惑星が太陽を回る軌道ではなかった。想定外の出来事は、衛星に目一杯の衝撃を与えたため、その隣にある大きな母天体も少しだけ動いてしまったのだ。





◎小惑星衝突の回避のためのDART打ち込み実験
 遅かれ早かれ、人類の目前に地球を目指して飛んでくる小惑星が現れる。約6600万年前の白亜紀末に地球に衝突し、恐竜のみか地球生命の75%を絶滅させた小惑星のように( 想像図 )。



 小惑星の大きさにもよるが、その小惑星はひょっとすると1つの都市、あるいは1つの国をまるごと破壊するほどの威力を持っているかもしれない。だからこそNASAは2022年、地球を守る予行演習として、無人の探査機を無害な小惑星に意図的に衝突させて進路をずらそうとした(24年4月14日付日記:「地球防衛計画のDARTを衝突させ軌道を変えた小惑星衛星『ディモルフォス』が将来火星に300メートルのクレーターを造る?」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202404140000/、及び22年10月19日付日記:「探査機DART、二重小惑星の衛星『ディモルフォス』に命中、周回軌道の変更に成功! 地球衝突の恐れの小惑星から回避へ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202210190000/を参照)。

◎もしも万一、地球と衝突する軌道に入ってしまったら?
 狙った衛星も小惑星も、いずれも地球に脅威を与える存在ではなく、小さなディモルフォスの軌道を変えても、危険度が高まる可能性は極めて低かった。ミッションは成功を収め、地球に向かってくる小惑星の進路をそらし得ることが実証された。
 しかし、それだけでは済まなかった。2つの天体を入念に観察した結果、DARTミッションによる探査機の衝突があまりに強力だったせいで、両方の小惑星が太陽の周りを回る軌道をわずかに変化させていたことが明らかになったのだ。
 2022年、DARTをディモルフォスに衝突させるにあたり( 写真 )、科学者たちはこのミッションで起こり得るありとあらゆる可能性を検討した。その中にはかなり深刻な想定も含まれていた。もしこの実験によって、ディディモス系が地球と衝突する軌道に入ってしまったら、という懸念だった。今回の論文の筆頭著者で、イリノイ大学で惑星防衛を研究するラヒル・マカディア博士が心配したことだ。それはとうてい望ましい結果ではない。だからミッション・チームは、その可能性について詳しく調べたのだ。



◎結果は成功し過ぎ
 その結果、ディディモスには検出可能な影響は生じないことが分かった。ディモルフォスへの衝突の影響を多少は受けるだろうが、ディディモス自体は少しも動かないと、彼らは結論づけた。
 NASAは当時、このミッションが成功とみなされる基準について、DARTによってディモルフォスがディディモスの周りをめぐる軌道周期が73秒変化することと定めていた。実際のミッションでは、自動車ほどの大きさしかない小さな探査機は、ディモルフォスの周回軌道を33分間も短縮させた。
 これほど大きな変化が生じたのは、DARTが強烈なパンチを見舞ったことに加えて、衝撃を受けたディモルフォスから岩石のデブリが噴き出したためだった。

◎衝突で吹き飛ばされた噴出物はディモルフォスを減速させた
 同ミッションの実行以前から、天文学者らは、ディモルフォスはいわゆる「ラブルパイル天体」だろうと推測していた。つまりディモルフォスは1つの巨大な岩ではなく、いくつもの岩塊が弱い重力によってかろうじて結びついているものであると考えていた。ちなみに、宇宙探査機「はやぶさ」がサンプルリターンした小惑星「イトカワ」も、ラブルパイル天体だ。
 実際、衝突間際に接近しつつある探査機から撮ったディモルフォスはラブルパイル天体だった( 写真 )。



 そこへ時速約2万2500キロもの猛スピードで探査機を衝突させれば、必然として、一部が剥ぎ取られて宇宙空間に飛び散るだろうと思われた。
 ところが、DARTの衝突によって放出された破片の量は、あらゆる想定を上回っていた。ディモルフォスからの噴出物は、ロケットの噴射のようにこの小惑星を後方へ押し出したのだ。
(この項、続く)

昨年の今日の日記 :「王家の谷から1世紀ぶりに王墓、トトメス2世の墓を発見」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202504010000/





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.04.01 05:11:33


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: