海外ロングステイ

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June 15, 2014
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この小説を読んだ感想は秋声記念館で講演した先生と同じで何が書きたいのかよくわからない。別の女性の方は秋声のこの小説に秋声の毒を感じると言う。確かに歴代小説源氏物語、西鶴、秋声と小説を比較しながら日本文学に私小説というジャンルを設けたことは新しい。
 自分は漱石文学の方が、哲学がありわかりやすいと思うのだが,先生は漱石より選ぶなら秋声でしょうとおっしゃる。日本文学の講義を初めて受けてその分析と先生の7回読破には敬意を賞する次第です。

「女性がよむ秋声文学 第一回 黴」 文教大学 名誉教授 江種満子
秋声は女性小説を書かせては右に出る者がいない。黴はその代表作である。
本を読むと言うことは自分自身のその物語を作って行く作業をいう。
だから一つ一つの言葉に向きあって欲しい。
秋声は実際体験した私小説の自然主義である。(作家の妻を書いた小説も目ずらしい。)
夏目漱石が後で、あたらしい肴の如く候と評価したという。

構成は住まいが8回変わっているのでその場面ごとに区分したほうがいい。
三島霜川という影に怯えていく秋声を描く。

三島の家に秋声が同居し,さらに飯炊きばあさんの娘が同居する。

小説の冒頭、入籍と出産届は同時であった。何もかも遅れている。
暫く この言葉に何がこもっているのか。これからでもどんどん物語りが作れる。
次の段は過去から始まる。明治文学の一つの技法である。

結婚願望旺盛な笹村は芸者遊びのみ。
九州での話が,次は跳んで大阪の兄嫁が結婚相手を探そうかという話。
転居は下宿3回、家5回
お銀の顔はポキポキした顔でやせ形の顔。はじけるような美しい顔にチャームし、秋声焼き餅を焼いたり突っぱねる。
1畳の蚊帳でお銀が寝る風景の艶っぽさ。
7章「いやなものです。わかれられなくなります。」この一文と60章「いやなもんです。」が絡む構成になっている。
60章は笹村がお銀の髪の毛を掴んで暴力をふるう結節点になっている。
これは小説を書く前の三島の結婚式での夫婦喧嘩を書き込んだもの。
8章はお銀に「帰ってくれ。おまえには用がない」といって深山のところに行く場面。
さりとて「家を空けたら困るじゃないか。」とも
10章ではお銀はかゆいところに手が届く女と表現している。
Kという友人が上京して笹村は、おまへはKの女房になればいい、といわれても気にしないお銀。
布団を持ってくるやら、やがてお銀の妊娠を知る。

M先生の死は尾崎紅葉先生のこと。

58章で深山が笹村の子をさして深山に「笹村に似てびっくりした」という。
59章では笹村がお銀を解放(離婚)しようという。
60章で初めてお銀が流す涙。ただれ目をしていると表現している。小説で泣いたのはこの1回だけである。

この小説で不思議という文字は6回使われ,お銀4回笹村は60章で2回使う。

こうして悪妻がよい小説を生む。秋声、漱石しかり。作家になるには悪妻と結婚すべし。(鬼嫁は別ですかね)。





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Last updated  July 17, 2014 05:57:30 PM
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