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勝 裕也 主人公
かつ ゆうや
小島 洋 裕也の親友
こじま ひろし
伊達
香織 裕也の恋人
だて かおり
伊達 明 香織の弟
だて あきら
スマホの呼び出し音が・・・
「よお、もう終わったのか?」
「うん、今日は珍しく早く上がったの」
「そっか、じゃあ今からブルース寄るか?」
「そうだね、裕也は今どこ?」
「もうじき笹塚だから、あと15分てとこかな」
「 OK 、あたしは今マンションの手前なのね、引き返してから行く。
だからあと7~8分で着くわね」
「じゃあ悪いけど、ちょいと待っててくれ」
「わっかりました」
ほぼ15分後
窓側のいつもの席で文庫本を読んでる香織に、窓ガラスを軽くつつい
て到着を知らせ、裕也は入り口に向かう。
香織は白い歯を見せて本にしおりを挟む。
裕也は店に入るとカウンターの中にいるオーナーに
「いつものをお願いします」と言って香織の向かいに座る。
「珍しく早かったんだねえ」
「でしょ、小説を読みながら裕也を待つなんてね。いつもはあたしが
待たせてんのに」
「そうだよぉ、待つ身の辛さが分かっただろ?」
「オーバーねえ、待つ身の辛さだなんて」
「あ、いや、今日のことだけじゃなくて、俺が待たされてんのは、図書館の
本を全部読んでしまえるレベルだぜ」
「それじゃあ何、君が長ーい間待たされてるのって、結婚にゴーサイン
出さないあたしに責任があるって、そう言いたいわけ?」
「そうじゃないか」と言いかけた裕也が、その言葉を飲み込んだのは、
香織の顔から笑みが消え、突き刺すように裕也の目を睨みつけたからだ。
「違うでしょ!君の酒量が並みになったら、そしたらいつでも結婚したげる
っていう・・・それを実行できない君のせいでしょうが!」
「声が大きいよー」
彼はそう言ってカウンターを見た。
案の定、オーナーは口元に笑いを含ませて呆れたように首を振っている。
それで、この二人のやり取りが今日に始まった事ではないということが
知れる。
やがてオーナーが二人の前にコーヒーを置きながら
「待たされてんのは、ボクも・・・ね」
この二人、実は大学生の頃に結婚の約束をしていて、その時から
「ぼくらの結婚式には、いらして下さいね」とお願いしていたのである。
また今日も、カウンターにもどるオーナーの背中に向けていつものように
「す、すみません」と
これにオーナーは、振り返ることもなく手を振って見せた。
コーヒーを一口すすった裕也は、そのままソーサーにカップを置き
「俺、今日は香織に確認したいことがあってさぁ・・・」
「何?深刻な顔して・・・」
「こないだお前んちに寄ったら梅の木があったけど・・・」
「うん、あるよ・・・」
「あれって、昔から梅の木だったか?」
「え?」
お久しぶりです。
読んで頂けると幸いです。♪
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