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2013.10.02
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カテゴリ: 恋愛小説

       魅惑の渚 (2)

佑は非日常的な状況にあることに気付いた。

マキは佑の腕の中で、かなり小さな面積の水着に覆われているだけの

殆ど裸に近い状態にあり、佑もトランクス系の水着1枚

身につけただけ・・・おまけに太陽は真上にある。

それはつまり、日中の野外にいるということだ。

二人は浜辺の人々の視線さえ忘れ、視覚と触覚によって呼び起こされた

本能的な欲求に流されつつあった!

そこに佑が気付いたのは、大脳新皮質が扁桃核や大脳辺緑系の情動を制御し、

感情の暴走を止めようと働いたから?

難しい理屈はどうであれ、佑は蕩けそうになっていたマキの唇を開放し、

彼女を抱きしめていた腕の力を抜き解いた。

マキはやや不満気味だったが、彼女の性格上、甘い言葉を吐くことは無く

「あたし、まだ日焼け止塗ってなかった。佑ちゃん塗ってちょうだいね」

「佑ちゃんって、俺のほうが年上だって・・・」

佑の言葉は、マキの笑い声にかき消されてしまった。

軽く舌打ちした佑をしり目に、マキは砂浜へ向けて泳いでゆく

「あいつめ・・・」

口ではそう言いながら、マキを追って泳ぎだした佑は、

何だか楽しそうにみえる。

マキと二人でいる時間は、佑にとって贅沢なひとときです。

そんなとき、彼はまるで「勝利者」の気分を味わう。


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最終更新日  2014.05.01 10:50:07
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