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2015.09.24
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カテゴリ: SF小説

   いつも応援していただく皆さん、夏風邪が長引いてしまい。

 更新遅くなりました。m(_ _)m 

     戻れるか? 7


キラウエア火山の噴火には到底及ばないが、それなりに熱い夜が過ぎて、

迎えた朝。

勇一は、目覚めてすぐにシャワーを浴びてフロントに朝食を頼む。

その前に目を覚ましていた洋子が、勇一と入れ替わりにバスルームに入ると

ころを呼び止めた。

「朝食はバイキングらしいけど、良かったかい?」

頷いて「任せるわ」と言った洋子は、これまで勇一が知っている中で、一番

いい笑顔をしていた。

勇一も、今日最初の煙草を気分良く吸えた。


朝食を済ませ部屋に戻り、勇一が荷物を持って1階のロビーに降りてくると

洋子がチェックアウトを済ませてくれていた。


ホテルを出ると直ぐに勇一は言った。


「東京に戻ったら直ぐに返すからな」


「急がなくていい、仕事のない日はいつだって一緒にいてやるから」


そうはいかない、と言いかけて勇一は口を閉じてしまった。

洋子の勇一を見る目が今までと違っていたから、今まで尖ってた

彼女の目が優しく、風に舞って顔にかかったパールアッシュの髪を

かき上げる仕草・・・

ゆうべから、勇一が思っていることそれは

(女ってこんなに変わるんだ一晩で・・・)ということ。

「ほら、私に見とれていないで、駅行って確かめようよ」


「そ、そうだったな、よし行くぞ!」

勇一は照れを隠しながら、洋子は嬉しそうに言った。

横断歩道では洋子の手を引っ張って、早足で勇一は歩いた。


「勇一、早すぎる。朝の新宿じゃないんだからー」

駅の構内に入ると真っ先に電光掲示板を見上げた。


「あった!走ってるんだ新幹線!見てよ勇一!」

洋子が勇一の手を引っ張ってゆく


「おお!ほんとだ!やったな洋子、帰れるぞー」


二人は周りの目も気にせず、手を取り合い歓声を上げた。

親友に船を借りるつもりだったことを思い出したけど


「連絡もつかなかったことだし、船はいいかこの際」


「キャンセルするわけじゃないし、いいんじゃない」

そういうことで勇にだけは『新幹線が動き出したから、急だけど

東京に戻るよ、ん、ああ、すまんこの次、帰ったらゆっくり飲もう』

そう約束した。


勇一が勇と電話で話しているうちに、洋子が東京までの切符を買って

戻ってきた。


「取れたよ、二人分。新横浜までだけどね」


洋子は立っている勇一の所まで駆け寄って、嬉しそうに言った。

無理もない。例え新横浜まででも父親に近づけるのだから

「良かったな洋子!親父さんに会えるぞ」


「うん!なんてったって親子だもんね・・・・・」

笑みを浮かべて言った洋子だったが、腰に手をあてたまま俯いた。

勇一は洋子の顔を覗き込むと、やっぱりなと口には出さず

ジーパンのポケットからハンカチを出して洋子の涙を拭ってやる。

「馬鹿だなあ、泣くのはまだ早いって、ほら」


「ありがとう、勇一・・・」


気の短い勇一だが、基本的には優しいのだ。相手が素直であれば、何時だっ

てそうなのである。


それから二人は改札口に向かった。

    今日の「好きな曲」は

Paul SimonとWillie Nelsonで「早く家に帰りたい」です。

Daniel Goldenbaum, Thank you for Up!

  いつも応援有難うございます。今回もよろしくお願いします。






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最終更新日  2015.09.25 22:46:28
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