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では、「3 自己矛盾供述で」の話を致します。
自己矛盾供述とは、法廷での証言の前にした供述との矛盾を示して殺 すということです。
普通、検察官や警察官は、証人と何回か会って、取り調べをし、証人の言い分をまとめた「調書」というものを作ります。
そして、「調書」は、弁護人が請求したら、原則として弁護人に見せなければなりません。
そうすると、「調書」の内容と、法廷での証言が矛盾していることに気付くことがあり得るのです。
たとえば、「犯行当時、信号は青だった」と証人が証言したものの、「調書」には「犯行当時、信号は赤だったと言った」と書かれていた場合などです。
ここまで申し上げると、「2 他の証拠との矛盾で」と同じではないかという疑問が生じると思います。
2の場合は、「他の証拠」が客観的なものであり、正しいことが前提です。
昨日の例でいえば、信号が赤だったことは、客観的に明らかです。
ですから、2の場合は、「証人は客観的に間違ったことを言っている」と主張するのが目的です。
しかし、3の場合は、「調書」は、証人の言い分に過ぎませんから、内容が正しいかどうかは分かりません。
先ほどの例でいえば、どっちも証人の言い分に過ぎませんから、犯行当時、信号が赤だったか蒼だったかは、客観的な証拠はありません。
ただ、以前言ったことと矛盾する証言をしていること自体、証言に信用性がなくなります。
ですから、3の場合は、「証人は、日によって言うことがコロコロ変わる」と主張するのが目的となります。
このように、2と3は、主張内容が全く異なります。
あと、3の派生として、欠落供述で殺 すというものがあります。
人間の記憶は、時間が経つにつれて曖昧になるのが一般的ですから、法廷での証言より前に話した「調書」の方が、記憶が鮮明なときに作成されたといえます。
それなのに、「調書」では語られていない重要なことが、法廷で突然証言として出てくるのは不自然であるといえますから、欠落供述は、自己矛盾供述の一種といえます。
たとえば、とある殺人事件で、証人が、法廷で突然「犯行当時、信号は赤だった」と言ったものの、「調書」には、信号について言及が一切なかった場合があたります。
そして、殺 し方には、手順があり、普通の自己矛盾供述については、
C(commit=法廷証言は正しい)
C(credit=調書を作った時も正しい)
C(confront=自己矛盾供述とご対面)
欠落供述のある自己矛盾供述については、
C(commit=法廷証言は正しい)
I(important=欠落部分は、重要な事実である)
C(credit=調書を作った時も正しい)
C(confront=自己矛盾供述とご対面)
……といっても抽象的過ぎて分からないですよね。
ということで、明日、具体的な手順をお示しします。
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