マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.07.02
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 冷蔵庫が新しくなり、妻が喜んでいる。野菜室は広くなったし、冷蔵部分の照明が明るくなって中が見やすいのだ。だが妻は忙しい仕事に従事しているせいか、時々覗いて見ないと野菜が悪くなってる時がある。先だっても京水菜が少し傷んでいたので、私が悪くなった部分を取って洗い、味噌汁を作った。私は3年ほど単身生活をしていたが、あまり物を腐らせることはなかった。冷蔵庫も小さかったし、最大1週間分しか物を買わなかったせいだと思う。

 古い冷蔵庫からは「酒盗」の瓶詰めが出て来た。鰹の腸で作った塩辛だ。きっと塩分がきついために腐らなかったのだろう。新しい冷蔵庫に移し、時々ご飯にかけて食べたが実に美味しかった。あれは確かお向かいさんが四国へ旅行した時のお土産だったはずだ。

 四国と言えば、高知の娘から鰹のたたきと焼酎が送られて来た。先月の父の日のことだ。例年夏物の半袖シャツを贈って呉れたのだが、服は私にとってそれほど必要ではない。娘が贈って呉れたシャツは4枚にもなったし、最近のレースでは色物の半袖Tシャツを呉れるところがあるので十分間に合うからだ。

 本場の鰹のたたきは脂が乗って実に美味かった。刺身が好きな妻が大喜びしたほどの上物だった。冷やした焼酎に氷を入れて飲むのも良い。新しい冷蔵庫では特定の容器に水を入れて置くと自動的に製氷してくれる。これで面倒な製氷皿での氷作りからようやく解放された。その焼酎も既に飲み果たした。

 先日は娘が果物を送ってくれた。妻の所望は「小夏」だったようだが、柑橘類の本場の四国でも今の時期は何もないようだ。代わりに小玉のスイカ、スモモ、ヤマモモなどが入っていた。確かヤマモモは高知県の県花だったように記憶している。味は?マークで妻は食べず、果物なら何でも好きな私が専ら食べている。

 ヤマモモの樹は皇居外苑にもあったはずだ。枝に生っているのを摘まんで食べたが、案外美味かった。沖縄の職場で見た古い絵には「ムムウイアンガー」が描かれていた。「桃売り小母さん」の意味だ。小母さんの頭の上には大きな「たらい」のような桶が載っている。その桶の中に果物が山盛りになっている。この実がヤマモモなのだ。頭の上に桶を載せて、ヤマモモを売りに歩く女性の姿は、沖縄では戦前まで良く見られたのだろう。

 さて、最近沖縄関係の2冊の本をようやく読み終えた。1冊は琉球の王城と陵墓の関係について記した専門書で、私の知らなかった点を幾つか新たに知り得た。もう1冊は子供向けの沖縄史だったが、これが大変な名著だった。太古から日本復帰後の数年間まで優しい表現で丁寧に著されているが、恐らくは今の子供が読んでも何のことか良く分からないだろう。それほど内容的には重要な話の連続だったが、ここでその内容については触れないでおく。

 先だって沖縄では戦後62回目の「慰霊の日」を迎えた。その数日前、教科書検定に関して、沖縄戦では日本軍が地元民に対して「集団自決」を強要した事実はないとの意見が出されていた。そのことに関して国内の反応は鈍かったが、やはり沖縄県内では猛反発が起き、多くの市町村議会と県議会では全会一致で抗議することが決定した。

 島津藩が琉球王国を侵略して以来沖縄は略奪の対象になり、犠牲を強いられて来た。同じ祖先を持つ民族と言う美名の下に、どれだけの辛苦を沖縄の人々は味わって来たのだろう。頭に大きな桶を載せた異国情緒たっぷりな物売りの姿。それものどかなかつての沖縄の光景ではあるが、今も心に大きな傷を負った人々があの島にいることを忘れてはならない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.07.02 18:07:01
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: