マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2007.11.08
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<ポシェットの中の秘密兵器>

 やがてK村さんが独特のフォームでやって来た。彼女は宮城UMCの有名人3婆の一人だ。その後には71歳になるK山御大。2週間前に「いわて北上」でフルを走ったばかりで少し疲れているような感じ。福島のT木さんの姿もどこかで見た。彼女は6月の「エンジョグinみちのく」に2度来られている。「磐梯高原ウルトラ」の主催者であるE藤さんが走る姿も初めて見た。彼はこの朝も来年7月にあるレースのパンフレットを配っていた。一人一人にエールを送ってすれ違う。

 ダムの堰堤まで戻ると大勢のスタッフや応援の人が選手を励ましている。ダムの上も風が強い。多分高校生と思われるスタッフの人に「ご苦労様!」と声をかけると、しきりに照れている。きっとレースに駆り出されたのも生まれて初めてで、慣れていないのだろう。

 対岸に渡り、再び北上すると強風が出迎えてくれた。折り返して来る選手と再び遭遇。D口さんの表情は相変わらず硬い。それだけこのレースに懸けるものがあるのだろう。この頃になってようやく胃が落ち着いて来た。前日はバスツアーで夕食が遅かったのに、今朝は相当早目の朝食のせいで胃がムカムカしていた。スタート直後、ダムへの登り道では吐き気がしたほどだった。Yの字の左上に当たる折り返し点にようやく到達。

 背中に風を受ける下りは楽だ。堰堤を渡りYの字右上の折り返し点へ2度目の北上。距離感がなかなか掴めないが、まだkm6分を僅かに切っている感じ。何だかこのコースはどこかに似てると頭の中で記憶を辿ってみる。そうだ。高知県馬路村の「おらが村心臓破りフルマラソン」だ。

 あそこは徳島県境の山からスタートして一気に下り温泉にゴールするコースだったが、ダム湖の側を通ることや、急な坂道が多いこと、集落(こちらはダム湖だが)を2周することなどがそっくりだ。違うのはあちらは9月で暑いことと、こちらは風が強いことくらいか。

 折り返し点を過ぎて間もなく、宮城UMC仲間のK藤さんを発見し声をかける。「とうとう見つかった」とおどける彼女。「速いねえ」の声を尻目に、少しだけスピードを上げる。行く手に男女の2人組。「このペースだとゴールは3時間45分くらいかな」。会話を楽しむ余裕があるペースの2人に何とか4、5kmほど食らいつくが、とうとう追い着けなくなった。

 Yの字右上への3度目の北上を果たすべくダム堰堤を曲がった時、ASからY田さんが後を追って来た。コース上で彼を見たのはこの時が初めて。前半からかなり飛ばしていたようだ。「ASに寄らないの?」。彼の質問に「ペットボトルがあるからね」と答えて先を急ぐ。

 暫く行くと向かい風がさらに強くなった。この辺りまで互いにデッドヒートを繰り返していたH多夫人が、強い風に逆らって先行した。たちまち遠ざかる彼女の姿。ここまで何も口にしなかったためかガス欠になった感じだ。全くスピードが出ないのは向かい風のせいだけではなさそうだ。次のASで慌ててバナナとパンを頬張る。

 最後の折り返しを過ぎると、私はポシェットから「秘密兵器」を取り出した。念のため持ってた大福を食べるのは今しかない。喉につかえないよう気をつけながら噛んでは飲み下す。ボリュームたっぷりの餡子に粘る餅。よ~し、これを食べたらきっと元気が出るぞ~!<続く>





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Last updated  2007.11.09 16:53:02
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